和田秀樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自己啓発本の類は読まないと決めて生きてきたけれど、今年の夏は精神的にも体調的にもちょっと本当に具合が悪くて、満身創痍、藁にもすがる思いで手に取った。「些事に囚われ」嬉しいときは全身で喜びを表現し、悲しければ人目も憚らず号泣し、気に食わないことがあれば何もかも投げ出して逃亡する。些事にこだわり大事を忘れ、感情の赴くままに振る舞う生き方をしてきてしまったなあという反省はずっとあって、でもそれが自分だしと半ば諦め、半ば開き直り、ああまたやってしまったと落ち込むことがあってもその都度なんとなくやり過ごしてきたように思う。でもその対処の仕方が最近はどうやらうまく稼働しなくなってしまったようで、そのツケが今年、夏バテと共に顕著に出た。感情的な浮き沈みとそれがもたらす失態の数々をのらりくらりと受け流すことがもうできなくなってしまったのかもしれない、というか、きたのかもしれない。
わたしは今三十代半ばだけれど、この本はもっと年齢的に上の読者を想定したものであると感じた。実際に本文中に「五十代」「七十代」「高齢」というワードが頻出する。それでも、今のわたしが読んでも十分ためになるし、今後も折を見て繰り返し読みたいと思う。もっと肩の力を抜いて生きていいんだ、と感じさせてくれる本だった。誰かから認められなくても、大きな花を咲かせることはなくても、「生きがい」のような大それたものがひとつもなくても、人は幸せを感じながら生きていくことができる。むしろそうやって何もない状態で満たされるためには自分の人生をどういうふうに捉えたらいいか、できる範囲でどんな選択すればいいか、ということを指南してもらえたような気がした。わたしは常に大きな視野を持つことがすごく苦手だという自覚がある。今までそうやって生きてきてしまったから仕方ないと諦めるのではなく、できることから少しずつ良くする努力をしてみようと前向きになれた。
自己啓発本の「類」と偉そうにまとめて全否定してきたけれど、どうやら、良いものは良いらしい。 -
Posted by ブクログ
一言でまとめると、「怒り」は関係を破壊する行為ではなく、関係を改善するためのコミュニケーションの一つである。だから「正しく怒る方法」を学ぶ必要がある。という主旨の内容だと理解した。
アンガーマネジメントなどの影響のせいか、「怒る」ことはネガティブな行為だという風潮がある。自分自身、理不尽に怒ることなく受け入れることが「大人」なのだと思い込んでいたが、一方でイライラモヤモヤが沈殿している自分も存在している。
たまに爆発するのだが、正しい怒り方を知らないので関係が破綻するようなキレ方をして後悔するのだった。
本書ではアンガーマネジメントとは異なるアプローチで「怒り」をコントロールする方法を思考している。「怒り」を鎮めるのではなく、正しく「怒る」ためだ。自分の中だけでイライラを鎮めることが難しかったので、イライラを言語化して外部と建設的な関係を構築するためのスキル化する考えた方には救われる思いだ。
<アンダーライン>
★★★★怒りや不満はごまかそうとするからネガティブになる。
★★★「甘えられない人」が怒りを抑え込むようになる
★★★正当な怒りは若々しい感情
★★★★「質問」というおだやかな怒りの表現がある
★★★★★
怒りを言葉にできたとき、胸のつかえが取れる
★★★★なんで怒らなかったんだろう」という後悔は、惨めな気持ちになって長く続きます
★★★★怒りは本来、自分が譲れない一線を守るという「誇り」から生まれてきます。
★★★★★
自尊心が無ければ怒りも生まれてこない
★★★★怒ることは問題解決のスタートを切ること
★★★★怒りを面倒に感じるのは怒らないから
★★★★正統な怒りすら抑え込んでしまったら、どんな場面でも怒れなくなる -
Posted by ブクログ
「自己責任」という言葉があります。
もちろん自分の責任で物事を処理しなくては
ならない事態とういうのは存在します。
しかしテロリストに誘拐されても、体が不自
由なため周りに少しばかり迷惑をかけてしま
っても「自己責任」でなんとかしろ、と言っ
てくる世間があります。
この自己責任という言葉は思考停止ワードと
思いませんか。
その状況を生み出した本当の原因には言及す
ることなく、自己責任の一言で当事者だけの
問題にしてしまう、何も考えることなくその
場で止まってしまう言葉です。
日本で暮らしている限り、いつこの当事者に
なるか分かりません。そんな時代をどう生き
抜くか。
わざわざ自己の責任能力を増す必要は全くな
いですが、備えておくべき内容を指南する一
冊です。 -
Posted by ブクログ
■生きづらさの果てにあるもの、その究極形態の一つが自殺といえる。
自殺した本人の遺書や遺族らへの聴き取りをもとに厚生労働省が集計した過去10年間の自殺原因・動機別の統計がある。それを見ると成人の場合、ずっと「健康問題」が第1位であるが、20歳未満ではその割合が年々減少し代わって「学校問題」が第1位となっている。また、小中学生を中心に「家庭問題」も増えている。
近年の日本では経済格差の拡大が大きな社会問題となっているが、それとともに「経済・生活問題」も自殺原因としてよく指摘されるようになった。事実、成人の場合ではそれが全体の2~3割を占めるようになっている。しかし20歳未満ではそれほど多くはなく、5%にも達していない。こうしてみると若年層の自殺では健康問題や経済問題よりも人間関係に関わる問題の比重が大きいと言える。
■人間関係に関わる問題に通底しているのは孤立状態の深刻さであるといってもよい。
■配偶者と死別した人・離婚した人・未婚の人は結婚して家庭を持っている人と比べると自殺率が3倍以上も高くなる。自殺が孤立の病であるといわれる所以である。
■2020年は20歳未満の自殺者も際立って増加した。自殺率の上昇はすべての年齢層で見られた現象であるがその倍率は若年ほど高い傾向を示している。20歳未満では前年比の2倍で過去最多となった。特に10代の女性で増加率が凄まじかった。
人間関係の孤立感と人生の不遇感は男性より女性の方が強く刺激されやすい構図になっている。2020年はとりわけ若年層の女性において社会的孤立が深刻化した年であった。
■「居場所がないと感じること」にストレスを覚える人は男女ともに年齢が低くなるにつれて多くなっており、20歳未満で最高値を示している。
■ニーチェも言っているが「その人にとっての一番の弱点がその人を救う」ということがある。