上條ひろみのレビュー一覧

  • 窓辺の愛書家

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    読書家の老婦人が亡くなった。
    事件性はないと思われたが、彼女の部屋に侵入者があって本が盗まれ‥?
    素人探偵たちが活躍します。

    海辺の街に建つ高齢者向けの共同住宅で、ペギー・スミスという92歳の女性が亡くなった。
    介護士の若い女性ナタルカは、部屋の片づけに入って「殺人コンサルタント」という名刺を見つけ、有名作家らの本にペギーに感謝する献辞があることに気づきます。
    警察に相談し、ハービンダー・カーという女性刑事に話を聞いてもらうのでした。

    ペギーは一体何者だったのか。
    ペギーの友人で80歳の男性エドウィンと、行きつけのコーヒーハウスのオーナーであるベネディクトと3人で語り合い、素人探偵と相成り

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    2025年09月19日
  • 白薔薇殺人事件

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    会ったことのない大叔母が殺され、殺人犯人探しをする羽目になる主人公。発見した大叔母の日記から、彼女が16歳当時に失踪した友人の謎も併せて推理することになる。過去と現在が交互に語られるのだが、うまく組み合わせてあり、また、登場人物の若い頃と現在が並べて語られることで、こんなふうに成長したのかという面白さもある。もちろん推理小説としても面白い。

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    2025年09月16日
  • 見知らぬ人

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    2020年MWA賞最優秀長編賞受賞作品。
    イギリスの古風な学校の英語教師のクレア、クレアの娘ジョージア、担当刑事インド人のハービンダー。この三人の目線で事件が語られて行く。
    現代イギリス文学にゴシックホラーが重なったような作品。
    最後まで犯人が誰か判らなかった。ぞくっとする結末!
    こわいー!
    着るもの、使う香水、読んできた本で階級やその人の人生が見えてしまうのが、いかにもイギリス的。
    そして、美貌で強がりなクレアも、マイノリティ要素を集めたかのような強いハービンダーもすごくかっこいい。
    続編があるようなので、それも読みたい。

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    2025年08月08日
  • 白薔薇殺人事件

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    ネタバレ

    多分、ミステリーの後ろの広告で見て。

    資産家の大叔母の弁護士から、会合に出席するように手紙が来る。
    現在無職で作家志望のアニーは大叔母の住む村、
    昔からの知り合いがほとんど住み続けるような田舎の村へと向かうが、
    屋敷の図書室で大叔母フランシスは死んでいた。
    白薔薇のかたわらで。

    大叔母は十六歳の頃に告げられた占いが、
    自分の死を予言しているものだと深く信じていた。
    クイーンを片手のひらににぎった、とある一節を信じて、
    義理の甥の結婚式場を変更させるぐらいに。

    大叔母の遺言は、自分を殺した犯人を探し当てた人に全財産を渡すとあり、
    アニーは自分と母親が住んでいる家を守るためにも、
    大叔母の殺

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    2025年07月12日
  • 白薔薇殺人事件

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    イギリスを舞台にしたミステリーで、ミステリー作家のアニーが殺された祖母の事件解明に挑む物語。殺人事件を追ううちに、祖母の遺言書によって遺産を巡る推理対決が始まったり、敵対する何者かに部屋に侵入されるような緊迫感のある展開があったり、命を狙われて戦うようなアクションシーンがあったり、いろんなことが起こって映画を見ているようで楽しかった。
    祖母の日記の内容が小出しにされて過去が明らかになるけど、そこではフランシス、ローザ、エミリーという3人の美少女とそれぞれのパートナーを巻き込んだドロドロの愛憎劇が赤裸々に書かれていて、それを読み進めているところが一番おもしろかった。ティーンエイジャーの登場人物が

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    2025年06月18日
  • 白薔薇殺人事件

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    大叔母フランシスが少女時代に書いた日記パートと、主人公アニーの現代パートを交互に繰り返しながら、大叔母を殺害した犯人を見つけ出すフーダニットミステリ。

    よかった!

    設定から魅力的…
    ・主人公のアニーは“推理作家志望”の女性
    ・大叔母は大富豪で田舎の“屋敷”に住んでいる
    ・屋敷を訪れたら大叔母が“図書室”で亡くなっていた
    ・大叔母が少女時代に占い師に「あなたは殺される運命にある」と言われ、それを信じて図書室の隣の部屋に篭り60年以上にわたり、誰が自分を殺すのか村人を観察・記録し続けていた

    フランシスの日記パートは特に没頭して読みました。
    当時の人間関係だったり心情が細かく伝わってきてハラハ

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    2025年04月19日
  • 白薔薇殺人事件

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    ネタバレ

    バースの再来とか
    レッドツェッペリンの後継者とか
    令和のダウンタウンとか
    そういうの大体大外れなんだけど。

    この作品はクリスティテイストがばっちりがっつり満喫できる、犯人捜しの王道かつ古典的本格推理小説。ホロヴィッツと比較されることも多いだろうけど、こっちの方がより在りし日の本格ミステリーの味わいをしっかり残している感じ。それを古さと感じるか伝統と感じるかは好みだろうな。俺は伝統美と感じたが。

    あえて難点を言えば、名前の憶えづらさ。ローラとローズとか、エミリーとエルヴァとか、ジョーとジョンとジェニーとか、最初それもトリックかと感じたくらい。日本人には分かりにくいのかなぁ。俺もまぁまぁ翻訳小

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    2025年03月26日
  • 白薔薇殺人事件

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    とても良質なフーダニット。

    小さな村で老婦人が死ぬ。
    彼女は、ティーンエイジャーの時に宣告された「予言」にとらわれ続けた人生を送った。
    「予言」が現実となり、彼女は殺されたのか。いったい誰が……?

    主人公アニーの視点と、老婦人フランシスの日記が交互に語られ、徐々にフランシスを取り巻いてきた人々や出来事が明らかになっていく構成。
    アニーが日記を読むスピードと同じタイミングで過去の出来事が知れるので、謎解きの臨場感がものすごかった。すぐに没入して読んでしまった。

    犯人当ての部分はもちろん手に汗握るが、フランシスの半生がとてもドラマティックで、哀しくて、心に残った。
    閉ざされた狭い村のなかの複

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    2024年09月25日
  • 見知らぬ人

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    イギリスの著名作家エリー・グリフィスの作品として、初めて手に取ったが、王道的な欧米ミステリー文学のようだった。スティーブン・キングの作品のような陰鬱で物憂げ、オカルトチックな雰囲気を持ちながら、アガサ・クリスティーやダン・ブラウンのような鮮やかなミステリーの構成が見事に調和している。あたかも、ホランドという作家が実在したような設定の現実感や、視点を常に入れ替え続けそれぞれの人間模様、人としての特性を巧みに描き出して読者を魅了している。もう一度しっかり読み返すことで、充実感が増すであろう作品。

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    2023年11月16日
  • 見知らぬ人

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    イギリスの学園で起こる事件。
    文学作品に絡んだ重厚なムードと繊細な描写が魅力的な作品です。

    クレアは娘を連れて、地方の中等学校の英語教師として赴任してきました。
    もともと文学の研究課題としていたR・M・ホランドの邸宅が校舎となっている学校で、今は放課後の成人向けのクラスでホランドについての講座も持っています。
    旧館にはホランドの書斎がそのまま残されているのだった。
    そしてそこで、ホランドの作品「見知らぬ人」を思わせるような事件が‥

    離婚してロンドンを離れたくなり、娘のためにもと移り住んできたクレア。
    以前からずっと日記をつける習慣があり、その日記の内容と、クレアの視点、娘のジョージー、女性

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    2023年08月06日
  • 窓辺の愛書家

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    ハービンダー・カーシリーズ第2弾。
    前作同様、架空の小説や小説家が生み出した物語が鍵を握る本作。
    推理作家にアイデアを提供していた老婦人のペギーが、心臓発作により亡くなった。ペギーの死を不審に思った介護士のナタルカが、ハービンダーに相談しつつ、友人でコーヒーショップを営むベネディクト、老人のエドウィンと共に事件解決に乗り出すが、その後も殺人事件が起きて……というお話。
    読者が真相に辿り着くためのヒントがあらゆる場面に散りばめられており、フェアな犯人当て作品と言える。

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    2023年05月14日
  • 窓辺の愛書家

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    介護士のナタルカが尋ねた時には犯罪小説好きの老婦人ペギーが自宅で息を引き取っていた。不審に思ったナタルカはカー刑事に相談して友人2人と勝手に捜査を開始する。本と小説家を巡る事件の真相とは?個性的なキャラが魅力なシリーズ二作目→

    謎解きとしても面白いんだけど、とにかくキャラクターがいい!
    前作から引き続きのハービンダー・カー刑事はインド系の同性愛者で30代で実家住まい。
    ヒロインのナタルカはウクライナ出身の20代で謎多き美人介護士。
    友人のベネディクトは元修道士でカフェのオーナー。しかもかわいい嫁さんが欲しい→

    80歳のエドウィンは元BBC勤務でオシャレに気を使う気のいい老人。
    この4人だけ

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    2023年03月20日
  • 見知らぬ人

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    ネタバレ

    英語教師のクレアは、同僚で友人のエラが殺された事件の容疑者になってしまう。二人が勤務するのは、ヴィクトリア朝時代の怪奇小説作家R・M・ホランドの屋敷を校舎にしたため、自殺した彼の妻の霊がでると噂されるいわくつきのタルガース校。エラの殺害現場には、ホランドが短篇「見知らぬ人」に引用した『テンペスト』のセリフ、「地獄はからだ!」というメッセージが残されていた。教師の傍らホランドの文学研究をしているクレア、事件の担当刑事ハービンダー、クレアの娘でタルガース校に通うジョージアの三視点を行き来しながら、ゴシック小説とSNSテキスト文化を巧みに混ぜ合わせたポップなミステリー。


    『窓辺の愛書家』より先に

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    2023年03月01日
  • 窓辺の愛書家

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    海辺のシニア用共同住宅で、90歳のペギーが心臓発作で亡くなる。当然自然死と思われたが、介護士のナタルカは「殺人コンサルタント」なる肩書きがついたペギーの名刺と、部屋にあるミステリー小説の献辞にペギーの名前がいくつもでてくることを見つけ、警察に相談する。話を聞いたハービンダー刑事部長は捜査を開始するが、ナタルカもまた、生前のペギーと親しかったエドウィンとベネディクトを巻き込み、ペギーに献辞を捧げた作家たちに会いに行ってしまう。素人探偵団と刑事たちの群像ミステリー。


    面白かった!くっちゃべりながらメシ食って、旅行気分で調査するコージーミステリー。表紙のおどろおどろしくオールドスクールな印象とは

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    2023年02月28日
  • 窓辺の愛書家

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    「見知らぬ人」に出ていたハービンダー・カー刑事が登場するミステリ。前回は誰にも愛着が湧きにくかったが、今回の話はカー刑事(とその家族)も含めて魅力的で読んでいて楽しかった。90歳で亡くなったペギー・スミス。彼女はミステリ本の謝辞に、頻繁に載っていたことが分かる。彼女が言っていた”殺人コンサルタント”とは?彼女はもしかして殺されたのでは?ウクライナ出身の女性、もと修道士の男性、ペギーと友人だったゲイの老人と、一見チグハグなトリオが謎に向かって突き進む。そこにカー刑事も加わって・・・。どんでん返しも何度もあり、前回同様、犯人は全く分からなかった。もっと英語が分かれば楽しかったかも。

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    2022年11月13日
  • 見知らぬ人

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    ネタバレ

    見立て殺人とフーダニットに焦点を当てたイギリス発のミステリ。
    イギリスの中等学校タルガース校に勤める英語教員のエラが何者かによって殺害されることから物語は始まる。
    サセックス警察のカー部長刑事は、エラを殺した犯人はエラの知り合いであろうという推測の元、エラの同僚であり友人だったクレアやその同僚、タルガース校の生徒たちに聞き込みをし、犯人の足取りを追う中で、第2の殺人が起き……。
    この物語は3人の主要人物たちが見聞きしたことと架空の短編小説『見知らぬ人』とが足りない情報を補い合う形で物語が進んでいく。実は読者が犯人に気がつけるように少しずつヒントが散りばめられているのだが、かなり注意深く読んでい

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    2022年10月23日
  • 窓辺の愛書家

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    ネタバレ

    ナタルカと愉快な仲間たち~
    とでも表現できそうな、ミステリだけれど
    真犯人は誰?とマジで深入りしてしまうほんでした。
    中心人物、ペギー・スミスは冒頭で死んでしまうし(有意義なメッセージを残し)次々と、登場人物は殺されてゆくし、それでいて、
    本に対する人々の礼を尽くしたマナーなども十分感じられるし。本読み人のためのミステリ-という感慨深い一時をもてました。

    一作目とはかなり異なる印象だったけどこちらも楽しい読書タイムでした。

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    2022年10月02日
  • やみつきチョコはアーモンドの香り

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    シリーズの続きを読みたい!
    チョコレートショップと書店が一緒になったお店が舞台というだけでワクワクするんだけど、ショコラティエのミシェルと書店主エリカの、タイプの違う2人のコンビの掛け合いもよかった。
    ミシェルとエリカのそれぞれの兄のレオとビーンも魅力的。主人公達が、それぞれ得意分野を生かして助けあったり、人に助けを求めながら問題を解決していくのが意外と新鮮だった。

    1人で突っ走るタイプの主人公も嫌いな訳じゃないけど、これからは女同士の連携という表現が増えて行く時代なのかも、なんて思ったりしました。

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    2021年02月15日
  • 小路の奥の死

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    ネタバレ

    シリーズ3作目。
    ロンドンの高校の同窓会で発生した殺人事件。
    下院議員やロックスターに有名女優と今や華々しい面々の高校時代の因縁に遡って繰り広げられる、
    前作とは舞台も背景も異にするプロットを存分に楽しめた。
    主にハービンダー・カー警部と登場人物の女性らの目線で描かれており、女性作家らしい展開。
    個人的には事件解決後の回想で触れられた映画作品が思い出深いものだったので、近い世代として懐かしさもあった。
    ただこのシリーズ、面白いのだけど、微妙に読みにくいと感じるのは文体のせいか訳のせいか。
    それと、ひねくれ者のミステリ好きにはわりと早い段階で犯人の目星がついてしまった。そこが惜しい。
    とはいえカ

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    2025年11月23日
  • 小路の奥の死

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    ネタバレ

    伝統あるマナーパーク校の同窓会で、下院議員の男が殺害された。捜査線上には、被害者と特に親しくしていた「ザ・グループ」の面々が浮かび上がる。メンバーは女優に歌手、そして警察官と個性的。特に警察官のキャシーは、主人公ハービンダー警部の部下でもある。調べを進めるうちに、被害者は殺される前、「ブリーディング・ハート」と書かれた手紙を受け取っていたことが判明する。そしてそれは、被害者がたびたび会合を開いていた通りの名前を指していた。そんな中、「ザ・グループ」の中から新たな被害者が出る。ハービンダー警部は、事件の真相は「ザ・グループ」のメンバーの過去に起因していると睨む。というのも、過去に彼らはデイヴィッ

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    2025年11月20日