上條ひろみのレビュー一覧

  • 小路の奥の死

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    ネタバレ

    2025年の42冊目は、エリー・グリフィスの「小路の奥の死」です。以前「窓辺の愛書家」という彼女の作品を読んだ記憶が有りますが、内容はうろ覚えです。
    主人公は、同じくハービンダー・カー刑事です。舞台は、サセックスからロンドンに移ります。ハービンダーが、シク教徒という設定で有り、シク教徒について調べた記憶が蘇ります。
    事件は、マナーパーク校の同窓会で、下院議員のゲイリーが不審死する所から始まります。ゲイリーの死は、殺人で有る事が明らかになり、容疑者の中には、その同窓会に参加していたハービンダーの部下キャシーもいました。事件の発端は、マナーパーク校在学中のある事件に関わって起きたのではないかと推測

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    2025年11月20日
  • 小路の奥の死

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    主人公ハービンダー・カーは「ロンドン警視庁の警部」となって登場。おお、出世している。彼女もつい浮ついた気持ちになって、自分のオフィスを歩き回ったり、朝刊に載る自分を家族にも見てほしいと意識したり。外からはクールな女性警部と思われている?が、本心は割と俗っぽい。でも堂々とチームを率いている姿はカッコいい。

    高校の同窓会で殺人事件が起きる。被害者は下院議員のゲーリー。彼の同級生のグループには歌手や女優など有名人ばかり。その一員にハービンダーの部下のキャシーも含まれていた。今回の殺人事件は、21年前に死んだデイビッドの事故に関係があるのではないか?ハービンダーのチームは、一人ひとりに話を聞いていく

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    2025年11月14日
  • 白薔薇殺人事件

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    ミステリー作家志望のアニーは資産家の大叔母から遺言の件で呼び出され、
    会ったこともない大叔母に会うため彼女の住むキャッスルノール村へと向かう。
    大叔母のフランシスは16歳の時に占い師から告げられた予言を信じ続けていた。
    『いつかおまえは殺される』という不吉そのものでしかない予言を。
    そしてアニーが村を訪れたその日、大叔母のフランシスは
    屋敷の図書室で死んでおり、そばには白薔薇が落ちていた。
    大叔母が約60年をかけた調査記録を手掛かりにアニーは犯人探しに挑む。

    そんなあらすじ。
    犯人当てミステリーの大傑作という帯の触れ込みだったが、
    それは言い過ぎかなというのが読んで受けた印象。
    ちょっとハー

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    2025年09月10日
  • 窓辺の愛書家

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    海沿いの高齢者集合住宅の窓辺で、一人の老婦人が心臓発作で亡くなっていた。
    老婦人は推理作家の創作を手伝っている愛書家だった。
    第一発見者の介護士ナタリカは、老婦人の死に不審を抱く。

    「見知らぬ人」シリーズ。

    「見知らぬ人」のようなクラシックかつゴシックな雰囲気ではなく、明るく軽快。
    介護士ナタリカ、カフェを経営する元修道院のベネディクト、老紳士のエドウィンの素人探偵団と、インド人で女性で同性愛者というマイノリティの集合体のようなハービンダー・カー部長刑事がナタリカに協力を要請されて活躍する。
    登場人物が多くない?という数だが、気にならないテンポの良さ!
    そして、「見知らぬ人」の時と同じく最

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    2025年08月31日
  • 白薔薇殺人事件

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    登場人物が多くて把握するのが大変。ネットにあったイラスト付きの相関図を横に置きながら読み進めた。1966年当時のフランシスをめぐる人間たちの関係性がポイントで、華やかでドロドロした感じが面白かった。

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    2025年08月14日
  • 白薔薇殺人事件

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     16歳の時に自身が殺される予言を突きつけられた大叔母、屋敷の図書室で発見された彼女の死体と添えられた白薔薇、過去と現在の事件のフーダニットなどアガサ・クリスティー作品をを彷彿とさせる犯人当てミステリーで、60年分の調査記録と現在の主人公の視点がどこまでもフェアでありながら意外性抜群の犯人という古き良き本格ミステリーを踏襲している作品だった。

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    2025年08月08日
  • 白薔薇殺人事件

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    ネタバレ

    正に王道の翻訳本らしいタイトル。

    翻訳物でいちばん戸惑う(私の場合)登場人物が多すぎて、(姓、名、呼び名とバリエーション多すぎ)なんども巻頭の人物リストを見返しながら、把握する。

    とはいえ、誰でも犯人になり得る中での展開で、意外な展開に。でも、犯人が判明すればすべてが腑に落ちたようで、なかなかに難しい人間模様。

    それにしても、なんで大叔母は資産家と結婚したんだろうと・・・ここが私にはミステリー。

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    2025年07月04日
  • 窓辺の愛書家

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    多様なキャラクターが絡み合って、それらが皆、きっちり役割を果たしている。各キャラへの作者からの愛が感じられ、意外性もあって良質。

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    2025年06月21日
  • 白薔薇殺人事件

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    登場人物が多く、しかも現在と過去にまたがっているので把握が大変。ネットで相関図を探して見ながら読みました。
    人物さえ頭に入れば、没頭して読める面白いストーリーです。ちょっと表現がまどろっこしい所もあるけれど…。
    主人公の成長や新しい出会いなどもあって、犯人探しだけど殺伐としてないのが良かった。

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    2025年02月22日
  • キャラメル・ピーカンロールは浮気する

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    もう20年くらい読み続けているから、レイクエデンに帰省する感覚で読んでいる 笑
    だから、最近はおもしろいかどうかはあまり重要視はしていないんだけど、今回はさすがに「うーん」という感じがなくもない。

    別に釣りトーナメントである必要も感じないし、動機もだいたい似たパターンだし、クッキージャーのシーンほぼないし…
    最後マイクどうした?というシーンは確かにあるけど、マイクって自分中心なところあるからこういうことを突然言い出しても、あまり驚かないかな。

    それよりアンドリアどうした?だよね 笑
    料理苦手キャラだったのに、インで振る舞うクッキーとか作っていいの?素人レベルのものでいいの?っていう不思議。

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    2025年02月07日
  • 見知らぬ人

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    語り手になる人々の描写が丁寧でイメージしやすかったしその人に感情移入し一緒にドキドキ出来た。はじめはなかなか読み進まなかった。だけどどんどん引き込まれて派手な推理やトリックではないけど最後はドキドキして一気に読めた。

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    2025年02月05日
  • 見知らぬ人

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    2025年1冊目。
    伝説的作家ホランドの短編小説にまつわる殺人事件なのか?ということだけど前半はその話に入って行けなくて進まず。ハービンダーが出てきてピリっとする。そして意外な犯人だった。ハーバード(犬)の存在に癒される。サモエドカフェに行きたいな。昨年読んだ窓辺の愛書家が良かったので読んだが、こちらを先に読むべきだったかな。

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    2025年01月05日
  • 窓辺の愛書家

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    エリー・グリフィス初読。
    趣味の良いミステリを読ませていただきました。充実した読書時間。とても殺人コンサルタントにはなれませんが、ペギーのように老後を送れたらいいなと思います。エドウィンの若者たちへの目線は優しいし、作者自身がジェンダーについても暖かい捉え方をしている方なのかなと思いました。「見知らぬ人」も読んでみたいです。

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    2024年12月17日
  • 白薔薇殺人事件

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    クリスティの雰囲気満載。登場人物たっぷりでしかも名前も一般的なので誰だったっけ、とすぐ忘れしょっちゅう冒頭に戻るのでクリップ挟んだほど。入り組んだ構成で展開も複雑で読み応えありました。展開が緻密だったのに比して、この人が犯人?なんて気がしたのは確か。非常にハードで命張らないといけないけれど、大叔母の莫大な遺産を継ぐ、なんていかにもイギリス的体験をしてみたくなりました。

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    2024年10月30日
  • 窓辺の愛書家

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    〈殺人コンサルタント〉の名刺を持つペギーという名の老婦人が死んだ。

    ナタルカ、エドウィン、ベネディクト
    生前関わりのあった三人が犯人を探す。

    謎解きのなかに、年齢も育ちも全く違う女一人男二人のロードノベルのような爽やかさがスパイスされている。
    この輪に入って、ハービンダー刑事は前の事件よりなんだか随分と心を開くようになった。

    前作『見知らぬ人』には無かった味だ。

    導入部はとても興味深い描写だったのにそのあと少しまわりくどさをかんじた。
    それも束の間、途中からギア一段上がって加速し、最後まで引き込まれた。

    読後感が柔らかいのがとてもいい。

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    2024年09月19日
  • 見知らぬ人

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    ざっくりと一括りにしてしまうのは甚だ乱暴かつ恐縮ながら、ここからもうひとひねりふたひねり、というところで意外やあっさり素直に終わってしまい、職人芸に欠けると思わされる物語が欧米のミステリーには少なくない中、この作品については良い方に期待を裏切り、しっかり骨太の構成で成り立っていることを見せつけてくれた。
    主要人物たちのキャラクター造形という点ではぽやっとしている印象もあるが、プロットは実に巧みで、作中作も有効に活かされている。
    いかにも英国らしい、どんよりした空模様が似合いそうな雰囲気を醸し出しているとも言える。
    シヴィアな読み方をすれば瑕疵は色々と出てくるが、充分良質なパスタイムではある。

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    2024年08月27日
  • トリプルチョコレート・チーズケーキが噂する

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    お菓子探偵ハンナのシリーズ、24作目。
    常連さんが一座で年に1度の興行~という感じのコージー・ミステリです。

    故郷のレイク・エデンで、手作りクッキーの店「クッキージャー」をやっているハンナ。
    自分のアパートが事件現場になったため、長い付き合いのノーマンの家に滞在しています。
    歯科医のノーマンはただの友人以上の存在だが、結婚に破れたばかりのハンナは、彼の優しさを素直に受け入れつつ、これ以上の関係にはなれないという。

    バスコム市長のところに、ハンナの妹アンドリアが夫のことを頼みに来て、最初は丁寧なのだがついに‥?という所から始まります。
    評判の良くないバスコム市長がその後、事件の被害者に‥!

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    2024年06月22日
  • 見知らぬ人

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    最初の章で主人公クレアが好きになっていたので、次章で刑事ハービンダーに悪く言われていたのがショックでした笑。

    フェアな犯人探しだし、最後にはクレアとハービンダーにも友情めいたものが生まれて、気持ちいい読後でした。自作も読みたいし、過去作も翻訳して欲しい!

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    2024年03月05日
  • トリプルチョコレート・チーズケーキが噂する

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    ネタバレ

    クッキー・ジャーシリーズの24作目。

    いきなりハンナの脳内会話がはじまってびっくり。
    こんな作風でしたっけ?
    いままでいろいろ物議を醸してきた町長が被害者。
    そこはまあ意外性はないが、
    妹のアンドリアを容疑者にするのは無理やりでは。

    長いシリーズだからしょうがないかもしれないが、
    今までのキャラクター設定からだいぶはみ出してきた。
    アンドリアはハンナの応援があったとはいえ料理に意欲的になるし、
    町長の浮気を買い物で見逃していた嫌な感じの妻が、
    容疑者のアンドリアに理解を示すいい人になったりとか、
    変化がちょっと唐突。

    ハンナの母ドロレスの冷蔵庫野菜室には、
    どろどろにとけたキュウリかしな

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    2024年03月07日
  • 【電子特別版】レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落

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    アメリカの作家ウィリアム・リンクとリチャード・レヴィンソンの共著の長篇ミステリ作品『レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落(原題:Shooting Script and Other Mysteries)』を読みました。
    ウィリアム・リンクとリチャード・レヴィンソンの共著は、昨年3月に読んだ『刑事コロンボ サーカス殺人事件』以来なので約1年振りですね。

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    『刑事コロンボ』をはじめとする数々の推理ドラマで世界中を魅了した名コンビは、戦後アメリカ黄金時代のミステリー雑誌を飾った短編作家でもありました。
    その貴重な作品をお届けする〈レヴィンソン&a

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    2024年01月26日