【感想・ネタバレ】窓辺の愛書家のレビュー

あらすじ

高齢者向け共同住宅に住む90歳のペギーが死んだ。彼女は推理小説の生き字引のような人物で、“殺人コンサルタント”と名乗り、多くの作家の執筆に協力していた。死因は心臓発作だったが、ペギーの介護士ナタルカはその死に不審を抱き、刑事ハービンダーに相談しつつ、友人二人と真相を探りはじめる。しかしナタルカたちがペギーの部屋を調べていると、覆面の人物が銃を手にして入ってきて、一冊の推理小説を奪って消えた。謎の人物は誰で、なぜそんな不可解な行動を? 『見知らぬ人』の著者が贈る、本や出版界をテーマにした傑作謎解きミステリ!/解説=杉江松恋

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Posted by ブクログ

読書家の老婦人が亡くなった。
事件性はないと思われたが、彼女の部屋に侵入者があって本が盗まれ‥?
素人探偵たちが活躍します。

海辺の街に建つ高齢者向けの共同住宅で、ペギー・スミスという92歳の女性が亡くなった。
介護士の若い女性ナタルカは、部屋の片づけに入って「殺人コンサルタント」という名刺を見つけ、有名作家らの本にペギーに感謝する献辞があることに気づきます。
警察に相談し、ハービンダー・カーという女性刑事に話を聞いてもらうのでした。

ペギーは一体何者だったのか。
ペギーの友人で80歳の男性エドウィンと、行きつけのコーヒーハウスのオーナーであるベネディクトと3人で語り合い、素人探偵と相成ります。
ナタルカはウクライナ出身。一度結婚して英国籍を得ているが、今は本業に就く前の猶予期間のようなもの。
エドウィンは、元BBC勤務のおしゃれな老紳士。
ナタルカに惹かれるベネディクトは、おだやかで知的。修道士だったが信仰を失った過去があります。
それぞれ癖があるが、これが気が合う、という雰囲気が出ていて、楽しく読めます。

多くのミステリ作家に、殺人の方法などのアドバイスをしていたらしいペギー。
ミステリ作家も色々なタイプが出てきます。これって、モデルがあるのかしら‥?(笑)
ミステリ作家の話を聞くために、ついにはスコットランドまででも出向く三人組! 勢いありますね~。

「見知らぬ人」にも出てきたインド系の女性ハービンダー・カー刑事(30代)が出てきて、すっかり友達になっている前作のヒロイン、クレアもちらっと出てきますよ。
「見知らぬ人」とは、ミステリのタイプがちょっと違うかな。
ハービンダー・カーは名探偵というわけではなくて、地味だけど確かな繋ぎ役と言うのか。
読書好き、特にミステリ好きの興味をそそる部分と、大人の活躍する冒険ものといった趣の面白さがある作品です☆

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2025年09月19日

Posted by ブクログ

ハービンダー・カーシリーズ第2弾。
前作同様、架空の小説や小説家が生み出した物語が鍵を握る本作。
推理作家にアイデアを提供していた老婦人のペギーが、心臓発作により亡くなった。ペギーの死を不審に思った介護士のナタルカが、ハービンダーに相談しつつ、友人でコーヒーショップを営むベネディクト、老人のエドウィンと共に事件解決に乗り出すが、その後も殺人事件が起きて……というお話。
読者が真相に辿り着くためのヒントがあらゆる場面に散りばめられており、フェアな犯人当て作品と言える。

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2023年05月14日

Posted by ブクログ

介護士のナタルカが尋ねた時には犯罪小説好きの老婦人ペギーが自宅で息を引き取っていた。不審に思ったナタルカはカー刑事に相談して友人2人と勝手に捜査を開始する。本と小説家を巡る事件の真相とは?個性的なキャラが魅力なシリーズ二作目→

謎解きとしても面白いんだけど、とにかくキャラクターがいい!
前作から引き続きのハービンダー・カー刑事はインド系の同性愛者で30代で実家住まい。
ヒロインのナタルカはウクライナ出身の20代で謎多き美人介護士。
友人のベネディクトは元修道士でカフェのオーナー。しかもかわいい嫁さんが欲しい→

80歳のエドウィンは元BBC勤務でオシャレに気を使う気のいい老人。
この4人だけでも楽しいのに、ここにハービンダーの家族やペギーが繋がっていた小説家たちもキャラが濃くて、みんながワイワイしているのを読むだけでも楽しい。
オチもしっかり驚いた。これは楽しい! 次作の翻訳も待ってます!!

(以下、読後すぐのツイート)

前作(見知らぬ人)がわたし的にハマらなかったので、期待値低めで読んだんだけど……

めちゃくちゃ面白いじゃないかエリー・グリフィス(窓辺の愛書家)

後半最高にいい。というか、読み進めるとどんどん面白くなる系のお話。じわじわくる感じ?

はぁ。楽しかった!

私は元気な高齢者が楽しく過ごすミステリが好きなんだよな。
歳を重ねても自分を大事に日々を生きているキャラがいるだけで引き込まる。

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2023年03月20日

Posted by ブクログ

海辺のシニア用共同住宅で、90歳のペギーが心臓発作で亡くなる。当然自然死と思われたが、介護士のナタルカは「殺人コンサルタント」なる肩書きがついたペギーの名刺と、部屋にあるミステリー小説の献辞にペギーの名前がいくつもでてくることを見つけ、警察に相談する。話を聞いたハービンダー刑事部長は捜査を開始するが、ナタルカもまた、生前のペギーと親しかったエドウィンとベネディクトを巻き込み、ペギーに献辞を捧げた作家たちに会いに行ってしまう。素人探偵団と刑事たちの群像ミステリー。


面白かった!くっちゃべりながらメシ食って、旅行気分で調査するコージーミステリー。表紙のおどろおどろしくオールドスクールな印象とはまったく違い、メインキャラクター4人の視点を細かく切り替えるめちゃくちゃ今っぽい語り口でサクサク読めるし、会話がとにかくうまい。
私にとってはなによりも群像劇として魅力にあふれた小説だった。メインキャラだけでもウクライナからの移民であるナタルカ、元修道士で今はカフェを営むバリスタのベネディクト、定年前はTV局員をしていたゲイのエドウィン、インドからの移民2世でレズビアンのハービンダーと生まれも育ちもばらばら。三人称小説だが、「視点が変われば偏見も変わる」というのを利用して饒舌に垂れ流されるそれぞれの思考の流れを読むだけで面白い。ミステリーとしても視点操作で巧みに情報コントロールされていると思う。
この物語のテーマは「すべての人の人生は謎だ」なんじゃないかと思う。ただのミステリー好きのおばあちゃんと思われていた女性が広大なバックグラウンドを持っていて、遂にそのすべてが明かされることはない。ジョーン、ヴェロニカ、シーラについても。だが、”出窓仲間”たちの姿をナタルカたち4人と重ね合わせて、彼女たちの友情のありようを想像してみることはできる。
読んでいて連想したのはルシア・ベルリンの『掃除婦のための手引き書』だった。故郷から遠く離れて暮らし、人生の段階ごとにまったく異なるいくつもの「私」を持っている人たちがこの小説にはたくさんでてくる。ナタルカがさらりと客室掃除係をやっていたと言うところや、出版エージェントのジェリが介護士や軍人の経験もあると語るシーンは印象に残る。読み終えて人生賛歌のメッセージを感じるのは、こういうさりげないバックグラウンドの書き込みの力でもあると思う。
最初のほうに「彼女は親友だった。この年で新しい友だちを作るのはむずかしいからね」「いくつでもむずかしいですよ」というエドウィンとベネディクトのやりとりがある。ナタルカたちの旅をラストまで見届けたあとには思いださずにいられないセリフだ。大人しかでてこない、しかもシニア用共同住宅が舞台の作品なのに、青春小説を読んだようなのだ。作中でも「居心地のいい犯罪[コージー・クライム]か。矛盾した表現だな」と自己言及的なセリフがあるけど、とても利己的な連続殺人の真相が明らかになっても、読後感はどこまでも爽やか。読むとブラウニーとショートブレッドがほしくなる。

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2023年02月28日

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「見知らぬ人」に出ていたハービンダー・カー刑事が登場するミステリ。前回は誰にも愛着が湧きにくかったが、今回の話はカー刑事(とその家族)も含めて魅力的で読んでいて楽しかった。90歳で亡くなったペギー・スミス。彼女はミステリ本の謝辞に、頻繁に載っていたことが分かる。彼女が言っていた”殺人コンサルタント”とは?彼女はもしかして殺されたのでは?ウクライナ出身の女性、もと修道士の男性、ペギーと友人だったゲイの老人と、一見チグハグなトリオが謎に向かって突き進む。そこにカー刑事も加わって・・・。どんでん返しも何度もあり、前回同様、犯人は全く分からなかった。もっと英語が分かれば楽しかったかも。

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2022年11月13日

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ネタバレ

ナタルカと愉快な仲間たち~
とでも表現できそうな、ミステリだけれど
真犯人は誰?とマジで深入りしてしまうほんでした。
中心人物、ペギー・スミスは冒頭で死んでしまうし(有意義なメッセージを残し)次々と、登場人物は殺されてゆくし、それでいて、
本に対する人々の礼を尽くしたマナーなども十分感じられるし。本読み人のためのミステリ-という感慨深い一時をもてました。

一作目とはかなり異なる印象だったけどこちらも楽しい読書タイムでした。

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2022年10月02日

Posted by ブクログ

海沿いの高齢者集合住宅の窓辺で、一人の老婦人が心臓発作で亡くなっていた。
老婦人は推理作家の創作を手伝っている愛書家だった。
第一発見者の介護士ナタリカは、老婦人の死に不審を抱く。

「見知らぬ人」シリーズ。

「見知らぬ人」のようなクラシックかつゴシックな雰囲気ではなく、明るく軽快。
介護士ナタリカ、カフェを経営する元修道院のベネディクト、老紳士のエドウィンの素人探偵団と、インド人で女性で同性愛者というマイノリティの集合体のようなハービンダー・カー部長刑事がナタリカに協力を要請されて活躍する。
登場人物が多くない?という数だが、気にならないテンポの良さ!
そして、「見知らぬ人」の時と同じく最後まで犯人が判らなかった。読み終えてから、あれもヒントだった、これもヒントだったと悔しく思う。ぐぬう。

ウクライナ人のナタリカの実家はウクライナの南。
ナタルカがイギリスにやってきたのは、ロシアのウクライナ侵攻が始まる前、2013年。作品中はロシアの脅威が高まりだした頃だろうか。
ナタリカの弟ドミトロは「いつか。いつか帰るよ。ロシア人がいなくなったら」と言う。
ナタルカがベネディクトを連れてウクライナに行けるのはいつの日だろう。一日も早くそんな日が来て、素人探偵団とハービンダー部長刑事でウクライナでの事件解決にあたる作品が読めたらいいなと思う。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ

多様なキャラクターが絡み合って、それらが皆、きっちり役割を果たしている。各キャラへの作者からの愛が感じられ、意外性もあって良質。

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2025年06月21日

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エリー・グリフィス初読。
趣味の良いミステリを読ませていただきました。充実した読書時間。とても殺人コンサルタントにはなれませんが、ペギーのように老後を送れたらいいなと思います。エドウィンの若者たちへの目線は優しいし、作者自身がジェンダーについても暖かい捉え方をしている方なのかなと思いました。「見知らぬ人」も読んでみたいです。

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2024年12月17日

Posted by ブクログ

〈殺人コンサルタント〉の名刺を持つペギーという名の老婦人が死んだ。

ナタルカ、エドウィン、ベネディクト
生前関わりのあった三人が犯人を探す。

謎解きのなかに、年齢も育ちも全く違う女一人男二人のロードノベルのような爽やかさがスパイスされている。
この輪に入って、ハービンダー刑事は前の事件よりなんだか随分と心を開くようになった。

前作『見知らぬ人』には無かった味だ。

導入部はとても興味深い描写だったのにそのあと少しまわりくどさをかんじた。
それも束の間、途中からギア一段上がって加速し、最後まで引き込まれた。

読後感が柔らかいのがとてもいい。

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2024年09月19日

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面白かった!前作よりははるかに好みの展開。登場人物も興味深くて。ドキドキ感の割に最後の謎解きがもう一歩という感じではあったけれど、満足の一冊でした。

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2023年07月20日

Posted by ブクログ

読み始めでは前作に比べて腕をあげたな、とおもいましたがらやっぱり終盤は上手くない←超偉そう。バタバタと終わった感があり、とっても勿体無く思いました。いろいろ詰め込みすぎなのでは。ブライトンに近いショアハムや、アバディーンの雰囲気、イギリス出版界と介護の現状を垣間見られたのはよかったです。

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2023年03月20日

Posted by ブクログ

前作にそれほど重要じゃ無いような立ち位置で出てきたハービンダーが中心としてシリーズ化されてきたようなのでびっくり。読んでみたらストーリー自体の主役はハービンダーでは無いような。どちらかというと「ハービンダー刑事が担当する事件に関わる人々」的でこの構成、嫌いじゃない。
続編も期待。

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2023年02月22日

Posted by ブクログ

好きなミステリー!
細かな伏線があって、読み終わってからも読み返したい!!と思える一冊
序盤は緩やかに登場人物たちや容疑者の描写が続き、後半は怒涛の展開
何重か絡み合ったミステリーで面白かった
著者の他の作品も読みたい!

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2023年02月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高齢者用の共同住宅に住んでいたペギーが死んだ。
発見したのは通いの介護士のナタルカ。
90歳という年齢で心臓疾患を抱えていたのだから、死因が心臓発作であることに問題はないはずだった。
しかし彼女は海の見える窓辺の椅子にいつも通り座ったまま亡くなったのだ。
目の前のテーブルには薬があったにもかかわらず

彼女は同じフロアに住むペギーの友人だったエドウィンと、ペギーの行きつけのカフェの店長であるベネディクトと3人で、事件の真相を探る。
元修道士のベネディクトはミステリが好きで、観察力や推理力に優れている。
エドウィンはBBCで働いていたこともあり、孤独な生活を送っている割にはコミュニケーション能力が高く、現実対応力もある。

ナタルカはウクライナ人。
数学が得意だったので、イギリスの大学に留学し、一瞬だけイギリス人と結婚したことにより、イギリスへの永住権を持つ。
最低賃金の保証のない介護士をしているが、実は財テクの特技を持つ。

これだけだと普通のミステリなのだけど、亡くなった(殺されたのかどうかも不明)ペギーが、殺人コンサルタントとして多くのミステリ作家にアドバイスをしていたことから、作家や編集者、ブックブロガーやイベントなど、現在のイギリスの出版事情も垣間見える。

そして、なぜペギーは殺人コンサルタントと名乗るようなことができたのか。
そこにはヨーロッパの、主に東欧の歴史が大きな影を落とすことになる。

この本が書かれたのは2020年だが、ウクライナ人はイギリス人にとって縁起の良くない民族と思われている節がある。
ナイチンゲールの時代からずっと戦時中であるというクリミア半島。
まあ、少数民族に対するマジョリティーの偏見というのは、刑事のハービンダー(イギリス生まれのインド人)も常に感じているところだが。

ナタルカの弟は反ロシア行動をとったということで、ロシアの捕虜になっていたことがあとでわかる。
トランプ大統領の口利きの捕虜交換で解放されて、政治難民としてイギリスへ来た。
祖国に帰らないのかと聞かれて、彼は答える。
「いつか、いつかは帰るよ。ロシア人がいなくなったら」

ポーランドも大きなカギだ。
ポーランド人の介護士。
第二次世界大戦中ポーランドにいた人物も。
ポーランドの「女学生暗殺者」。

日本のマスコミだけではわからない、世界の今と過去がこの本には書かれている。
「人は本のなかで世界を旅することができる」
前作『見知らぬ人』の時も思ったけれど、作者は本当に読書が好きなんだということが、今作では随所に現れていて楽しかった。

前作の主人公であるクレアがちょっとだけ出てきて、「ウィルキー・コリンズもディケンズもミステリを書いたことがあるのよ」という。
中世の文学が好きなクレアはミステリなんて読まないでしょという、ハービンダーの問いに対する答え。
「え?読むんだ!」と読者に思わせたかったのだろうけれど、私は逆にウィルキー・コリンズってミステリ以外も書いてたんだ!と驚いた。
ディケンズの遺作『エドウィン・ドルードの謎』はミステリだが未完なので、知らずに読んで衝撃を受けた。全集に入れるなよ!

タイトルの『窓辺の愛書家』もとても良い。
原題は『The Postscript Murders」という味気ないもの。
年を取ったら海の見える家(サ高住でも老人ホームでも)で、窓辺の椅子に座りながら膝の上にはいつも本。
テーブルの上にはクロスワードパズル。
そして海を眺めながら息を引き取ることが出来たらいいなあ。

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2023年01月28日

Posted by ブクログ

ミステリー作家に殺人方法を教えていた女性が殺されたという設定から気になり手に取った本。シリーズものと知らずに読んだものの、全く気にする事なく読むことができました。

今時の本だな〜!というのが最初の感想。ジェンダーや人種に関すること、昨今の世界情勢に関すること。多種多様な考え方が反映されていた。

ウクライナ出身の介護士、元修道士のカフェ店主、BBCで働いていた老父。3人のアマチュア探偵と1人の女性警察官。登場人物がみんな個性的で面白かった。解決したと思ったらその先の事実がどんどん出てくる展開。序盤はゆっくり進んでいたのに対し、後半は怒涛のスピード感!

前作、次作も読みます。

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2022年11月26日

Posted by ブクログ

1人の老婦人が高齢者住宅で亡くなった。
自然死だと思われていたが、不審な点が残る。その部屋を片付けていたところ2人組の拳銃を持った不審者が一冊の本を盗んでいった。
3人組の素人探偵の癖のあるキャラクターや、著者の前作である「見知らぬ人」の登場人物が出てきたりなど読んでいて先の展開が気になり楽しく読み進めることができた。

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2022年10月15日

Posted by ブクログ

前作の『見知らぬ人』も素晴らしかったけれど今作も圧倒される。老婦人が亡くなってその死に疑問を持った介護士ナタルカ。前作も登場した刑事ハービンダーが捜査する。そこからどんどん面白さは加速していく。思わぬ展開があったり本にまつわる様々なことが語られたりと事件とその周りにあるものが積み重なっていく。謎解き小説として隅々まで楽しめる今年を代表する一冊になりそう。

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2022年09月01日

Posted by ブクログ

推理作家の生き字引、高齢者向け共同住宅で暮らす90歳のペギー!
彼女は「殺人コンサルト」と名乗り、売れっ子犯罪作家たちの執筆に協力してきた
ところが部屋から死体となったペギーが発見される
介護士でウクライナ出身のナルタカはその死を不審に思い、刑事のハービンダー、BBCの元テレビプロデューサーのエドウィン、元修道士でカフェのオーナーのベネディクトと共に真相を探り始める…

まず登場人物が多く、視点が複数のため、3分の1くらいまでは人物確認でページを行ったり来たり…
ティモシー・シャラメは『わたしの彼はヴァンパイア』なんて作品に出演してたっけ?っと慌て調べてみたり…(笑)
ストーリーにはあまり大きな変化はなく派手さもなく淡々と進む感じかな…
登場人物にもっと魅力を感じる人物がいればまた違ったかも!
ただ、犯人は意外な人物でした…(笑)

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2025年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

好きなところ
主人公のハービンダーが、時に脇役になったり、傍観者になる(でしゃばらない!頭も良い!)
登場人物が魅力的(シリーズ通して)
いつも犬が大活躍

ここがあんまり、、、なところ
前作ですごく好きだったゴシックミステリ作中作をなくしてしまった
推理小説として淡白

前作の作中作『見知らぬ人』がすごく好きだったから、作中作のタイトルでシリーズ化するのかと思ってた…。ホロヴィッツが今現在その手法でシリーズ化してるからなのか…。でもゴシックミステリの短編っていう点で差別化出来てるし、個人的に本当に好きだったから勿体ない。『断食して神に感謝せよ』とか概要だけでも面白そうだったし、タイトルも良いのに。
あと、ロシア・ウクライナ情勢後に読んだから、背景理解がすごく自然に出来た。

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2024年09月29日

Posted by ブクログ

高齢者向け共同住宅に住む
90才のペギーは自然死したと思われた。
担当介護士のナタルカは違和感を感じて
刑事のハービンダーに相談するが
事件としては扱ってもらえない。

そこで彼女は、なじみのカフェ店員ベニーと
同じ施設に住むペギーの友人
エドウィンとともに調べることにする。
実はペギーは推理小説マニアで
ミステリ作家にアイデアをさずけたりしていた。
その作家のひとりに話を聞いたところ
彼は殺されてしまい…。

単純なミステリとしてもおもしろいけど
ハービンダーやエドウィンはLGBTで
元修道士のベニーは信仰に悩み
ナタルカはウクライナ出身と
それぞれのキャラの抱える問題が
事件にどう関わってくるのか
つかず離れずで語られるのも読みどころ。

『殺しへのライン』同様
文芸イベントが描かれていて
作家のみなさまは大変ね〜。

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2023年07月20日

Posted by ブクログ

ミステリとしては微妙。推理とかトリックを求めるものではなく、情報を順番に公開していって自動的に結論が出る昨今のヨーロッパのミステリによくあるタイプ。登場人物の多くがひねくれていてイギリスっぽいなと思いながら読んだが、途中から本筋とは関係ない彼らの心情描写がノイズに感じ始める。国際情勢、出版界、人種的、性的マイノリティ、などかなり幅広い要素を含むので事件に集中できないところもある。ただ最後には事件をともに経過してきた彼らの変化やこれからの関係にほっこりする部分もあった。この作者の作品は初めて読んだのでどのような作風なのかはわからないが少なくとも今作は事件よりもそれを取り巻く人間関係、イギリスの風土とツーリズムを楽しむ群像劇的作品だと思う。
文芸的な要素が強いから原文で読めたらなおいいのかもしれない。

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2023年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高齢者向け共同住宅”シービュー・コート”に住む本好きの老婦人ペギー・スミスが亡くなった。

第一発見者のウクライナ出身介護者ナタルカは、ペギーの名刺に記されていた”殺人コンサルタント”の肩書、ペギーが保有していた本の数多くに彼女への献辞が添えられていることに不審な臭いをかぎ取り、ハービンダー部長刑事(前作『見知らぬ人』でも事件を解決に導いた、同性愛者で実家暮らしのシーク教徒女性刑事)に相談に行く。
決しておざなりに扱われたわけではないけれど、ナタルカは好奇心の膨らみを抑えきれず、ペギーの友人で75歳を越える老紳士エドウィンと、元修道士という異例の経歴を持つ皆の行きつけのコーヒーハウスのオーナー、ベネディクトの3人で素人探偵調査に乗り出す。

前作は作中作とその中で記されるキーワードが牽引する良作ビブリオミステリだったが、本作はまた別の角度からのビブリオミステリ。
ただ、むしろビブリオというよりも、どちらかというとダニエル・フリードマンだったり、リチャード・オスマンのような壮年活躍ミステリ色の方が濃いかな。

全く違う様相のミステリをまさかのハービンダー刑事のシリーズものとして仕立ててくるとはね。
もはやハービンダーシリーズといいつつ、主役はその他事件関係者が務めるというように感じた。

2021年度CWAゴールドダガー賞最終候補作とのこと。
受賞したのはクリス・ウィタカーの『We begin at the end(邦題:我ら闇より天を見る)』。
今後の活躍も期待したい。

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2023年02月25日

Posted by ブクログ

推理作家に殺しのアイデアを提供していたミステリ好きの老婦人がアームチェア・ディテクティブになる…かと思ったら、最初に殺されるんかーい。
謎を解くのはウクライナ美女のその介護士、仲良しだったゲイの老紳士、修道士上がりのシャイなカフェ店主というおかしなトリオ。捜査担当はインド系女性と、いろいろマイノリティで個性豊かな人々の活躍ぶりが楽しい。わりかしミスリードもうまかったし。楽しめましたわ

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2023年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ハービンダー・カーシリーズ2作目。
重苦しく暗い雰囲気だった1作目からかなり文章の雰囲気が変わった感じ。
ミステリーとしてはちょっと中途半端な気もするが、前作よりはこちらの方が良かった。

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2022年12月04日

Posted by ブクログ

続編出たんだ、と手に取りました。
読んでいて、残り1/4ぐらいになっても事件の全容がつかめてない感じがすごいな、と。色々な人の思惑があったりなかったりするからなんだろうか。

すべてにおいてマイナーというしかないハーベンダー(だったかな)警部(?)が、さまざまな人の助けというか話を聞きながら前進していく感じが良いなぁ。そしてお母さんの料理が美味しそう。うらやましい限り。

個人的には、他の人と違ってなんであの作家だけは不安に思わないんだろうな、とは思いました。作中取り上げられた作品、読んでみたいなと思ったらそれはフィクションだったんですね… でも黄金期の作家、もう一度読み返してみようかな~

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2022年11月24日

Posted by ブクログ

死んだ老婦人を取り巻く色々な登場人物の思いが丁寧に書かれていて、それがじわじわと犯人を追い詰める様子がゾワッとした。本が好きな方なら作中沢山散りばめられる作家の名前にも楽しみを見いだすと思う。

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2022年09月16日

匿名

ネタバレ

動機と手段はこれでいいの?

第12章のタイトルに「動機と手段」とあり、作中人物も「動機と手段が大切」というようなことを言っていたように思いますが、残念ながらこの作品の殺人の「動機と手段」にはほとんど説得力がありません。 被害者に抵抗されずにインスリン注射を打つなんてことができるのですか? 前もって睡眠薬でも使わなければ。 殺人犯人の一人の動機は「自分の盗作を隠蔽するため」だそうですが、盗作のネタ元の読者全員を殺害しなければ発覚は完全には防げないでしょう。 その他ミステリの基本要件が十分満たされていない作品でした。 人種・性的嗜好・宗教の多様性等の今風の味付けも、それらの問題への真摯な対応というより読者層に迎合して(編集担当の入れ智恵?)TV/映画化でも狙っているように見えて好感が持てませんでした。この程度の作品の感想に熱心になれず、またこれ以上時間を使いたくないのでこれでおしまいとします。 正月休みをこの読書に使って(自業自得ですが)後悔してます。 ※人物キャラ設定や人間関係の描写も既視感横溢!! 

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2023年01月05日

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