吉田たかよしのレビュー一覧
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良書 ブルーバックスの「分かりやすい」シリーズ
書くとわかるのに、言うと伝わらない、なんと不思議なものでしょう
本書のメッセージは、次のとおりです。合理的で適切な対策をとれば、だれでも、分かりやすく話せますよというものです。
相手に内容が伝わらないのは、話し手の中に分かりやすさを妨げている具体的な原因が必ずあるからです。ですから、その原因を突き止めて取り除くことが、合理的な解決策なのです。
なぜ相手に伝わらないのか、問題の本質を明らかにし、原因を合理的な方法を用いて正確に診断すること。その上で、適切な対策をとること。この二段階をそれぞれしっかりと行えば、どなたでも、分かりやすく話すことが -
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話し方を説いた本は数多あるが、この本はおすすめ。なぜならこの本に書かれている方法は、シンプル且つ効果的(と思われる)、よって実用的であるから。特にシンプルという点が大切。なぜならシンプルでないと肝心な時に使えないから。
本書が推奨する最も基本的な手法は「矢印メモ」である。主語述語、修飾被修飾の関係を「⇒」で示し、反対の関係であれば「⇔」で結ぶ、といったもの。詳しくは本書に譲るが、この矢印の関係を基本にして言葉と言葉、或いは文と文をシンプルに構成し、全体を有機的には組み立てていくことがポイントである。尚、主語述語も修飾被修飾の関係も区別せず「⇒」一つで表すことに違和感を感じるかもしれないが、実 -
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貧血で細菌感染を防いでいるなんて驚いた。だからって瀉血するのはやだけど。
「善玉コレステロールが多すぎる」ってある人が医者から言われたと言ってたけど、何が悪いのか分からなかった。
つまり全身から肝臓に運ぶ量が多くなりすぎるのか。肝臓に負担がかかるのかな?
著者の言葉遣いの丁寧さと、分かりやすい例(室伏のハンマーとかレゴとか)のおかげで宇宙が身近に感じられた。今まであまり宇宙には興味なかった人でも、健康とか生物学に興味ある人ならば普段とは違った視点から楽しく読めると思う。
今度はアイザックアシモフの『もの言う石』とかいうの読んでみたい。
>癌で死亡する理由も 宇宙生物学によって説明 -
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地球の成立ちが生物にどのような影響を与えているか、いくつかのトピックで語る。
形成当初空気に酸素が少なく、地殻は鉄分が多い。ここから嫌気性生物が当初の生命体となった。一方酸素は反応生が高く、酸化しやすくそのままでは存在しにくい(二酸化炭素、エアーズロックの酸化した大地)が、結合/分解する際のエネルギーが大きいため単細胞のみの嫌気性生物が多細胞生物になるためには酸素を利用できる好気性生物になる必要があった。動物はミトコンドリア、植物はシアノバクテリアと共生して、酸素エネルギーを有効活用することに成功した。
鉄は豊富なミネラルなので、体の至る所に利用されているが、一方細菌やウィルスとかにも利用され -
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満潮時に出産が増えるだとか、満月の夜は事故が増えるだとか、
人間と自然の関係については、まことしやかな噂が多い。
それらの真偽のほどは定かではないが、生命と自然や宇宙との繋がりが、
これほど深いものだったとは驚きだ。
原始の塩酸を大量に含んでいた海水が
塩水に変わったのは、月の引力のおかげだったとか、
老化や発癌は細胞の酸化の影響が大きいが、
それはもともと地球には酸素がなかった為、人間の細胞は本来酸素が苦手である等々、
宇宙生物学の研究成果から浮き彫りにされた、
目からウロコのトピックが満載の良書である。
生命体が宇宙の神秘的なメカニズムから生まれ、
私たちの体内に、宇宙が今も息づいている -
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「宇宙生物学」とは耳慣れない学問ジャンルですね。
『宇宙生物』までをひとかたまりで捉えると、「宇宙生命体」や「宇宙人」とかを扱う学問のようにも思えますが、そうではありません。宇宙生物学とは、宇宙的視野で生命の成り立ちや起源を解明する学問で、アストロバイオロジーとも呼ばれているのだそうです。
本書において著者は、この宇宙生物学の観点から、ナトリウム・リン・酸素・鉄といった様々な元素が生命の発生や維持に果たしている役割を分かりやすい言葉で解説していきます。
「人間は月とナトリウムの奇跡で誕生した」「地球外生命がいるかどうかは、リン次第」「毒ガス「酸素」なしには生きられない 生物のジレンマ