稲田俊輔のレビュー一覧
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イナダさんのmondやツイッターが好きで、ご著書も拝読。
決して感情的ではないのに熱がこもった文章、やっぱり好きだなあと思いながら読み進めました。料理人や経営者の立場からすると、ついお客さんに「こう振る舞ってください」「こういう注文の仕方が理想です」と上から目線でお説教したくなる(しかも本書は新書だし)かもしれないところ、そんな押し付けがましい雰囲気は感じません。ご自身もお客さんとして食を楽しんでいるゆえでしょうか。わかりやすい教訓がない分、「So what?」と感じる読者もいるのかな? と他のレビューを見て思いましたが、私自身は日常に活かすというより飲食店をめぐる悲喜こもごもをじんわり味わうことができて楽しい一冊でした。 -
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サイゼリヤ編はもちろんのこと、マクドナルド節、松屋節、バーミヤン節も素晴らしく、挙げ句の果てに「さわやかvsブロンコビリー徹底比較」節は見出しを見た瞬間に顎が外れそうなほど笑ってしまった(この本を読み終えるときには倍ダブチを買ってきてアサヒ生ビール缶と一緒に食べていた)。
話の内容の巧みさもさることながら、ここ30年のチェーン店の限定メニューを、さも食べて覚えていることが当たり前であるかのように持ち出し、論じてみせるあたりに、職業的食い道楽の面目躍如があるように見えた。まるでここ半世紀の演劇の演出論を複数の公演を全部踏まえた上で語るような、そういうともするとスノッブな風合いさえ出てくるような語り口、それがファミレスほかチェーン店の限定メニューでも可能であり、マウント要素たりうるのだと(本人はマウントしてるつもりはなくて本当に好きで覚えてるだけなんだろうけど)圧倒させられた。著者の稲田さんが言う通りにチェーン店を舐めずに向き合うことで、食事の楽しみは増えるはずだと思えたのは収穫だった。その辺のなんてことないチェーン店の限定メニューのことを、数十年後まで語り継ぐかも知れないと言う思いで注文することなんてこれからどれだけあるだろう。そんな食い道楽的にスケールのデカい想像をさせられる本だった。 -
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これは新書版「メシばなタチバナ」です。
「メシばなタチバナ」とは、チェーンの牛丼店
などの歴史や、そのメニューの変遷の歴史を語
る人気漫画です。
そしてこの本も、チェーン店のビジネス的な観
点でのスゴさを語るのではなく、「こういう隠
された楽しみ方ができる」というスゴさがある
というのを語っているのです。
例えばサイゼリヤ。
サイゼリヤでは普通の調味料としてオリーブオ
イルがあります。このオリーブオイルを使って
既存のメニューを「味変」させるテクニックを
語っています。
チェーン店も侮れない。明日の昼には行ってみ
るか、と思う一冊です。 -
Posted by ブクログ
題名の通り、本当のスゴさがわかってしまった。最近はサイゼリヤばかり行ってるし、行きたい。今日も行ってきた。
大学を卒業して給料生活になり金銭に余裕が出てきたころから、なぜかチェーン店を敬遠し始めた。チェーン店に対して「安かろう悪かろう」という根拠のない思いを抱いていた。それは全くの間違いだった。。
半分程度がサイゼリヤ利用術に割かれているけど、それ以外にも餃子の王将やファーストフード店、食べログの活用術等も興味深い。
文章に通底しているのは食事を楽しもうという気概か。餃子の王将のニンニクゼロ生姜餃子のことなんて考えたこともなかった。何か「ない」ことが旨さにつながることも意識したことなかったなあ。
この本を読めばチェーン店での食事のみならず食生活そのものについてもっと楽しもうと思えるようになるはず。そして本のチェーン店利用活用術を試すのがなによりも楽しい。幸いなことにお金もそんなにかからないし。 -
Posted by ブクログ
同じようで同じでない。でも、どちらも美味しい。
日本国内の東西。ひいては地域による違いを
実食して語る、食のエッセイ。
・まえがき 戸惑いから始まる愛着
chapter1 うどん chapter2 お好み焼き chapter3 餃子
chapter4 から揚げ chapter5 ローカルフード周圏論
chapter6 蕎麦 chapter7 ラーメン chapter8 醤油と味噌
chapter9 和食あまから問答 chapter10 東北くいだおれ道中
・あとがき ロマンを味わう
讃岐うどんからのコシ派の隆盛とやわ派の独自性。
お好み焼きでは、混ぜ焼きと重ね焼きの工夫と矜持。
地域性での餃子。酢醤油?餃子のタレ?まさかの味噌ダレ!
ローカルから揚げの味付けの違いと著しい進化。
あんかけスパとローカルフードの本場とは異なる味わい。
蕎麦自体を愉しむか、だしの妙味を味わうか。
辺境ラーメンのノスタルジーと東京発信ラーメン文化との共存。
醤油の濃口と薄口。味噌は各地域での多様性。
日本の和食の甘さと地域性。
東北の味の旅はローカルスーパー探索、伝承料理、
そしてその地の麺の実食など。
チェーン店から専門店、その地域の小さな店まで、
幅広く実食し、分析し、食を愉しんでいるなぁと、感嘆。
餃子の皮の厚さの違いとか、東西での蕎麦の味わいの違いとか、
すき焼きの話とか、いろいろと興味深い話が出るわ、出るわ。
日本各地の違いはあれど、その微妙な味の異なりを愉しむのは
食への幸せを感じることに繋がっているのだなぁと感じました。
思えば、鍋焼きうどん。近所のお蕎麦屋さんには4種類。
東京名物、東京エスニックがひっそりと東京近郊に
生き残ってると思うと面白くなってしまう。しかも美味しいし。
また、酒田の「ル・ポットフー」が登場したのも嬉しい。
ウドのポタージュや珍しいブランマンジェを味わったのを
思い出させてくれました。 -
Posted by ブクログ
八重洲のカレー屋エリックハウスの総料理長の本だったのか。
身近なメニューの思い出を綴っている。
そしてそれを読みながら、私自身の思い出を呼び起こしていた。
うどんといえばやはり香川でマラソン前日に食べたあのうどんの出汁。
それと新大阪で食べたかすうどん。この二つが思い浮かんだ。
お好み焼き、、、案外食べてないんだな。ぴんとこない。もんじゃならあるけど。
餃子。これも悩ましいが、お茶の水の店と、博多の鉄鍋餃子かな。
から揚げ、、、これは。。食べ放題の店は思い浮かぶが、味はぴんと来ない。
蕎麦。これはいろいろありそうだが、、、やはりお茶の水か?
ラーメン。懐かしのサブちゃんのはんちゃんラーメン。博多のはっちゃんラーメン
そうそう。東北くいだおれ道中でいいことが書いてあった。
スーパーに行って地元の食材を探すと。
これは私もやってる。マラソン前日、コンビニで朝飯のおにぎりを買うのが定番だが
あればスーパーに行く。そして地元ならではの食材を探す。
あまり見つからないけど。これは楽しい。著者はわかってらっしゃる。
まえがき
chapter1 うどん
chapter2 お好み焼き
chapter3 餃子
chapter4 から揚げ
chapter5 ローカルフード周圏論
chapter6 蕎麦
chapter7 ラーメン
chapter8 醤油と味噌
chapter9 和食あまから問答
chapter10 東北くいだおれ道中
あとがき -
Posted by ブクログ
【本を読もうと思った理由】
イナダさんのmondはよく読んでいて、読み物として面白かったため。
【本の感想】
私が小さい頃、父から「ラーメン屋に行く人は、ラーメン食べてるんじゃなくて情報食べてるんだ」と言われた。言葉自体はどこかで聞きかじったものだったはずだが(あとから調べたら某漫画のセリフだった)、築地で仲卸をしていた父には、自身の目利きと舌に自信があったのだろう。その言葉には説得力があり、私にとってある種の呪いとなった。おいしいものを食べたときに、それは自分が美味しいと思っているのか、それとも事前に得た知識を確認しているだけなのか。そんなことを考えること自体が、食事の体験を損なっているような気もした。
本書はある意味で、その先を見せてくれたようだった。あとがきのタイトル「ロマンをあじわう」が端的にそのことを表している。抽象的だが、先のセリフにある「情報」は目の前の一皿よりも手前にあるもの、「ロマン」とはその一皿の先にある奥行きだと理解した。それらを一緒くたに、純粋な味覚以外の雑念、と取り払ってしまうのは少々もったいない。自身の感覚とバックボーンの経験・知識を総動員して、想像を膨らませたり言葉を紡いだりする。そうやって全身全霊で食に向かい合う楽しさを本書から受け取った。 -
Posted by ブクログ
飲食チェーンについて、料理人としての立場と
経営者としての視点から深掘りして、その凄さを解説。
・まえがき
第1章 サイゼリヤに見る「チェーン店進化論」
第2章 食のプロが唸ったファミレスチェーンのポイント
第3章 ファストフードを侮るなかれ
第4章 メジャーチェーンを脅かすライバルたち
・あとがき
本文の三分の一を占める激愛のサイゼリヤ。
ファミレスのガスト、デニーズ、ロイヤルホスト、
バーミヤン、餃子の王将。
ファストフードのマクドナルド、モスバーガー、
ケンタッキー・フライド・チキン、吉野家、松屋、
かつや、からやま。
注目の大陸系中華、インドネパール店。
地方のメジャーなさわやか、ブロンコビリー。
東京や関東圏の、富士そば、日高屋。
そして、食べログの活用術。
ファミレスのそれぞれの戦略の違い。
ファストフードのそれぞれの個性と商品開発の着目点。
大陸系中華とインネパの日本人寄りメニュー。
ローカルチェーンはその街の人々に添った味と独自性。
飲食チェーンの味と経営についてを自分の言葉で
楽しく考察しています。というか、良さに着目している
ところが好感。確かに味も戦略も向上しているし。
トンデモなメニューが登場することもあるけど、
期間限定には惹かれて入店してしまう、味の期待感。
近所のサイゼは高齢者の利用が増えていますが、
安価だけでなく、味の良さと寛ぎの場所ということも
理由にあるのではと、思っています。
食べログの読み方の話も面白かったなぁ。 -
Posted by ブクログ
飲食店の内側を取材したレポ。
そこで改めて気づいたのは「人」の存在とその魅力。
それらは店主や料理人の料理への想いであり、
働く人々の心がけであり、客の客への愛でもある。
・はじめに
第一章 町洋食の愛すべき人々
第二章 こだわりと愛情から生まれた「みんなのごはん」
第三章 チェーン店の本当にスゴい人々
第四章 新型コロナと飲食店
・おわりに
COLUMN有り。
町洋食店に居酒屋。イタリア郷土料理店にあんかけスパの店。
COLUMNのインド料理店に大規模チェーン店。
飲食業界人として、料理人としての視点での取材の中に
浮かび上がるのは、その店の歴史や変化の中の苦労と知恵。
如何に店を、味を守るのか。或いは新しい味を開発するのか。
それらの話が料理に華を添える。サイゼのアロスティチーニ、
毎回食べてるから、そのスパイスが紹介されてて嬉しい。
また、料理人としての食レポが丁寧で、
美味しさが伝わってくる。ドムドムの丸ごと!!カニバーガー、
食べたくなってしまいました。というか、商品開発の
奇抜さには驚いたなぁ。近辺に開店して欲しいです。