稲田俊輔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
レシピ本というよりは、野菜をおいしく食べるためのガイドブックといった内容の一冊。
それぞれの野菜の味わいを活かして引き出すレシピがほとんどなので、嫌いな野菜のクセを誤魔化して食べやすく……という用途の本ではないです。
でも各野菜に添えられたエピソードや「どう美味しいのか」という語りを読んでいると、無性に野菜が食べたくなってくるんですよね。
文章に野菜へのこだわりと偏愛が存分に込められていて、そのへんで買えるトマトやキャベツがまるで物語の中の未知の食べ物みたいに魅力的に立ち上がってくる。
まだまだ肉たっぷりのほうが嬉しい年頃の人が野菜の美味しさに触れるガイドとして、あるいはそろそろ脂っこいの -
Posted by ブクログ
私も食べることが大好きで、仕事の関係でこの本で紹介されている料理の全ての国に訪れた経験もあり、時代や経験の面でも共感できる部分が多く、とても楽しく読む事ができました。
飲食業界だけではないと思いますが、日本人はオリジナリティを出すよりも、何かを取り入れて改良する方が上手だと言われてきたと思います。
本書は別にそれが時代遅れとか、オリジナルの追求が正解とかそう言う話ではなく、文化として受け入れられていく過程や失敗例を、ちゃんと自分自身の経験で見極めてきた集大成のような内容です。
他のビジネスでも参考になる視点が多いのではないでしょうか。
エリックサウス、行ってみたいと思います! -
Posted by ブクログ
飲食店だけでなく、すべての仕事に共通する内容と思えた。やりがいとお金、ルーティンワークへの考え方、仕事覚え方、仕事のやり方はは見て盗むことの有効性など、きちんと理由を説明してくれる。
学生の方が飲食店でバイトする前に読むと、感じたり考えられることが変わると思う。若いビジネスマンや、社内教育で悩んでいる方など、読んで欲しい一冊。仕事のテクニカルなやり方だけでなく、仕事の哲学にも気軽に触れている稀有な本だと感じた。
著者のお店はレトルトカレーで知り、どうせならお店で食べたいと訪れて感動した南インド料理店。働き方の本で衝撃を受けるとは思わなかった。 -
Posted by ブクログ
イナダさんのmondやツイッターが好きで、ご著書も拝読。
決して感情的ではないのに熱がこもった文章、やっぱり好きだなあと思いながら読み進めました。料理人や経営者の立場からすると、ついお客さんに「こう振る舞ってください」「こういう注文の仕方が理想です」と上から目線でお説教したくなる(しかも本書は新書だし)かもしれないところ、そんな押し付けがましい雰囲気は感じません。ご自身もお客さんとして食を楽しんでいるゆえでしょうか。わかりやすい教訓がない分、「So what?」と感じる読者もいるのかな? と他のレビューを見て思いましたが、私自身は日常に活かすというより飲食店をめぐる悲喜こもごもをじんわり味わう -
Posted by ブクログ
サイゼリヤ編はもちろんのこと、マクドナルド節、松屋節、バーミヤン節も素晴らしく、挙げ句の果てに「さわやかvsブロンコビリー徹底比較」節は見出しを見た瞬間に顎が外れそうなほど笑ってしまった(この本を読み終えるときには倍ダブチを買ってきてアサヒ生ビール缶と一緒に食べていた)。
話の内容の巧みさもさることながら、ここ30年のチェーン店の限定メニューを、さも食べて覚えていることが当たり前であるかのように持ち出し、論じてみせるあたりに、職業的食い道楽の面目躍如があるように見えた。まるでここ半世紀の演劇の演出論を複数の公演を全部踏まえた上で語るような、そういうともするとスノッブな風合いさえ出てくるような語 -
Posted by ブクログ
これは新書版「メシばなタチバナ」です。
「メシばなタチバナ」とは、チェーンの牛丼店
などの歴史や、そのメニューの変遷の歴史を語
る人気漫画です。
そしてこの本も、チェーン店のビジネス的な観
点でのスゴさを語るのではなく、「こういう隠
された楽しみ方ができる」というスゴさがある
というのを語っているのです。
例えばサイゼリヤ。
サイゼリヤでは普通の調味料としてオリーブオ
イルがあります。このオリーブオイルを使って
既存のメニューを「味変」させるテクニックを
語っています。
チェーン店も侮れない。明日の昼には行ってみ
るか、と思う一冊です。 -
Posted by ブクログ
題名の通り、本当のスゴさがわかってしまった。最近はサイゼリヤばかり行ってるし、行きたい。今日も行ってきた。
大学を卒業して給料生活になり金銭に余裕が出てきたころから、なぜかチェーン店を敬遠し始めた。チェーン店に対して「安かろう悪かろう」という根拠のない思いを抱いていた。それは全くの間違いだった。。
半分程度がサイゼリヤ利用術に割かれているけど、それ以外にも餃子の王将やファーストフード店、食べログの活用術等も興味深い。
文章に通底しているのは食事を楽しもうという気概か。餃子の王将のニンニクゼロ生姜餃子のことなんて考えたこともなかった。何か「ない」ことが旨さにつながることも意識したことなかった