稲田俊輔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
料理人で読書人の著者が、食に関する作品を紹介するエッセイ。
・まえがき
小説、エッセイ、漫画など、食に関する25の作品を紹介。
・あとがき
それら本の著者たちは、食に対して多くを語る者ばかりで、
水上勉、土井善晴、東海林さだお、檀一雄、玉村豊男、
原田ひ香、吉田戦車、岡根谷実里、池波正太郎、森真茉莉など。
作者と本との妄想対話集と位置づけてのレビューは、
それぞれの著者の食への主張を、料理人として、業界人として、
経営者として、そして読書家としての視線で読解し、
括目に値する文章に心揺さぶられる様が描かれています。
「面白南極料理人」など、読んだことのある本は、
再読したくなるような隠し味の読み方があるし、
未読の「食堂生まれ、外食育ち」や「忍風!肉とめし」、
短編集の「あいにくあんたのためじゃない」などには、
読んでみたくなる味付けもあった感じがしました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ飲食店の裏話的なエッセイ集という感じでしょうか。気軽に読めて面白いです。
雑誌「dancyu」で時々お見かけするカレー屋さんだなと思って手に取り。しかし本書を読んだら「カレー屋さん」ではなく「南インド料理屋さん」が正しかった。
時々見かけるお客さんに「いつもありがとうございます」とお店として感謝の気持ちで声をかけるということはあると思います。(p14)でも気軽に行けるのが良かったのに行きにくくなってしまったという投稿を見たことで、著者は申し訳なく思ったとのこと。
私もそのお客さんと同じ思いしたことあるなぁと思いました。足遠のいちゃいましたね。
でもそう声かけられて嬉しいお客さんもいるかも知れないし、お店としての気持ちも分からなくはないし難しいですね。どれが正解、はない気がしました。
一人で飲食する人についての話も興味深かった。自分は地元でなければ基本一人でご飯食べるのは行けます。居酒屋も一人でも大丈夫そうな店舗は選ぶけれど一人で行けるし、バーもハードル低そうなところに何か所が行ったことあります。
女一人で大丈夫かなと思いつつも言ってみたい欲が勝って「旅の恥はかき捨て」と思ってます。
若かりし頃からトライしてますが、今まで一人飲食で嫌な思いはしたことがない気がします。
でも自意識過剰になったり手持ち無沙汰をどう埋めたら良いのかと思うのはとてもわかる。
大抵は著者の言うように「人は他人のことを気にしていない(p63)」と思いますが⋯
誰かが好きである可能性があるものを嫌いと言うのは、それだけで道徳的に悪なのでしょうか?(p104)とありましたがゼッタイにそんなことはないと思います。本書にでてきたような、きちんと真意を読み取らず安易に人の好き嫌いに過剰反応して攻撃してくる人は正直「アタマ悪いんでは(ひどい言いようですが⋯)」と思うので気にされなくていいのではないかと思いました。けれど、公の場に私見を晒すことの怖さというものを感じるエピソードではありました。
代替わりしたお店の味が落ちたと言うのはやめましょう(p152)という提言。
自分も思ったことも言ったこともあります。でも本書を読んで「自分もそう言うのやめよう」と思いました。ちなみに自分が味が落ちたと思った代替わりしたお店は、現在も美味しい味でたくさんのお客さんではやっています。そんな風に言ってしまうのはその店が好きな証拠でもあるかもしれない。
本当にがっかりしてたら言わないし行かなくなるよな、と。
最後の方の「立ち飲み屋のお客さん十態」はゲラゲラ笑ってしまいました。あるだろうなと思わせるエピソードばかり。「人生諦めた奴と人生に自信満々な奴はこの店には来ないんだよ」名(迷?)言かと。
そういえば立ち飲み屋は勇気が出なくてまだ一人トライできてないんだよなと気づきました。いつか一人で行ってみたい。あるいは一人角打ちデビュー?
著者は人間が好きなんだなぁと思いましたね。時には見過ごせなくておせっかいしたり、耳を隣の席に向けすぎて手元の仕事が滞ってしまったり、読んでいて情景が目に浮かぶような感じでした。
あまり読んだことのないジャンルの本で、楽しい読書でした。
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Posted by ブクログ
思い込みを捨てろ!
手間暇かけることが「美味しい」とは言い切れない。
そんな稲田俊輔さんの声が聞こえてきそうな本。
経験に基づく具体的な使い方について書かれているのはもちろん、科学的にも調理についての説明がある。
強火弱火、温度についてなるほどと思ったし、コンロにその機能ついてるとすぐに使いたくなった。
要するに使っていなかった。
科学的だから、なんでそんなことするんだろう、と料理迷子になっていた人も素直に聞き入れられる内容になっている。
シリコンべらの硬さについての言及は共感しかない。2000円でも100円でもそれぞれの良さと物足りなさがある。だから使い分けしてしまうわけで。
パーフェクトシリコンべらの開発を稲田さんも願っている。
料理技術の熟達者は現代調理道具を使うことで、長年の修行はなんだったのだろう、と虚しさを感じることもあるかもしれない、とも。
心中お察し致します。
落下させると壊れる。
物理の法則と調理器具の関係も歯がゆい。
そこは、お金で解決するようだ。
ニトリの売り場には台所のお悩み解決グッズtower系がたんとある。
日本人の食への飽くなき探究とこだわりを感じる。
そして、どんな人が買うのだろう。
そこが知りたかった。
ふんわりとしたそこじゃない痒いところではなく、ピンポイントとで痒いところを指して言い当ててくれる気持ちよさがある本。
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Posted by ブクログ
本書の著者は、南インド料理のレストラン「エリックサウス」を立ち上げた稲田俊輔氏。エリックサウスの名前は、最近良く目にするようになった。日本に南インド料理を広めた人なんじゃないかと思う。
本書は写真が多用されていて、見ていると食欲が湧きスパイス料理に挑戦してみようかという気になる。ページ下部には「イナダのつぶやき」という小さなコラムがあるが、稲田氏のスパイス愛が伝わってくると同時に親しみが持てる。
内容に関しては、スパイスはどういうものか・どう楽しめば良いのかという初歩から始まり、たくさんのレシピも添えられている。タイトルはスパイスだが、ハーブもあわせて扱っている。
レシピは初心者向けから本格的なものまで。変わったところで、スパイスを使ったお菓子のレシピも。手間がかかりそうだけど、いつか本格的な「骨付きラムビリヤニ」を作ってみたい。
とりあえず、基本の4つのスパイスであるコリアンダー、クミン、ターメリック、チリペッパーを揃えてみようかと思った。
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・レトルトカレーにちょい足しでスパイスの個性を知る。
→本書冒頭で、スパイスに親しむ入り口として紹介されている。マイルドめのレトルトカレーに単体スパイスを混ぜるだけ。確かに、単体のスパイスを味わったことはあまりない。試しにおすすめ1位とされているカルダモンを入れると、市販のレトルトカレーとは思えない風味になった。
・スパイスの辛味の話
→「スパイシー」と言うと辛味のイメージがある。しかし、意外にもはっきりした辛味を持つスパイスは唐辛子のみだという。ほとんどのスパイスは辛味を持たない。コショウの辛味は唐辛子に遠く及ばず、生姜・マスタード・ワサビの辛味は加熱で消失する。
→辛いという意味合いで「スパイシー」と言いがちだが、辛くないスパイス料理はいくらでも存在しうる。日本語でも「香辛料」と言う言葉に「辛」があり、英語圏だけの感覚でもない。「スパイシー」という感覚の深みを知ると共に、スパイスの中での唐辛子の存在感の大きさを知った。
・スパイスの意外な相性として、以下が紹介されている。意外すぎて味が想像できない。
- ココアに唐辛子
- 肉料理にミント
- マーマレードにローレル
- ジェラートに黒胡椒
・玉ねぎの切り方として「ケララ切り」が紹介されている。カレーを作るときはいつもみじん切りにしていたけど、次からはこれにしてみる。
・カレーに欠かせない基本の4スパイスで作った「シンプルパウダー」(コリアンダー、クミン、ターメリック、チリペッパー)。まずはこれを作って常備しておきたい。自家製ガラムマサラにも挑戦したら、家で気軽に本格的なスパイスカレーが楽しめそう。