山本七平のレビュー一覧

  • 聖書の常識

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     イスラム教・ユダヤ教そしてキリスト教の聖典となっている聖書を、聖書学の研究の成果を用いてとても学問的に扱った本なので、「キリスト教」のカテゴリに入れてしまうのは間違いのような気がしているのですが…。いわゆる信仰者の主観が入った「信仰入門書」とは全く違い、客観的で明解に解説してくれる本です。歴史的・地理的なことを含めた成立背景にもきちんと触れており、更に様々な説がある場合はそれも記しているので興味深いです。聖書について知りたいと思い、すでに聖書の内容に関して多少の知識のある人にぜひお薦めしたい「聖書学入門書」です。

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    2009年10月04日
  • 「空気」の研究

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    我々は虚構の中に生きているのだなあ。空気があることが前提の世界であれば、それはまるでナウシカの世界観と同じであり、無くなると当然のごとく崩壊してしまうのだろう。

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    2025年12月07日
  • 日本人を動かす原理 日本的革命の哲学

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    御成敗式目の歴史的意味や制定した北条泰時の人となりについて詳細に述べていて大変面白かった。
    御成敗式目は教科書でしか知らなかったが歴史的役割の重要性が判った。読んでよかった。

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    2025年10月15日
  • 「空気」の研究

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    空気と水の関係がキーワード。
    熱にうなされた様な高揚した世論の空気。
    又は本音は止めるべきと思いながら、その止めるが言えない、見えない壁に遮られた場の空気。
    そこで冷静な視点で、そして批判を恐れずに「水を差す」様な言葉を発することが出来るか。
    いつの時代も変わらない。

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    2025年07月21日
  • 「空気」の研究

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    Schooの先生が紹介していたので読んだ。
    ちょっと難しい内容で、中学生には無理っぽい。
    けれど、日本がいかに空気に振り回されてきたかという歴史を知ることができる。

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    2025年07月08日
  • 日本教の社会学

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    アニマによる支配の方が、最も非民主的なものである。本書で議論される内容だが、アニマとは魂。霊的なもの、というニュアンスだ。契約や法律ではなく、同調圧力や忖度、空気感で決定されていく手続き。

    しかし、制度として霊的な天皇を組み込んだ日本社会においては、時に霊的な判断が勝ることは許され、それが民主主義と混同される。

    ー 日本では大変面白いんでして、「イタイイタイ病裁判」のとき、上訴権を放棄しろという論調が新聞に出てくるんです。会社は控訴するなと。三審を受ける権利というのは、日本じゃ大新聞がいとも簡単に否定し、その結果簡単に失っちゃうんです… たとえデモクラシーじゃなくて、専制国家であろうとも

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    2025年06月08日
  • 増補版 ある異常体験者の偏見

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    サタンの論理
    荒野のイエスにサタンが行った。お前は神の救いを信じると言うが、それは嘘だろう。本当は俺の言うことが正しいと思っているんだろう。そうでないと言うなら、神殿の屋根から飛び降りてみよ。神の救いがお前を支えてくれて、絶対に墜死もせず、足も折れないはずだから。なぜしない、しないのは、内心では、俺の言葉を絶対に正しいとし、それに従っている証拠だ。

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    2024年12月19日
  • 「空気」の研究

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    山本七平(1921~91年)氏は、東京生まれ、青山学院専門部高等商業学部卒、太平洋戦争に徴兵され、ルソン島で終戦を迎える。帰国後、書店勤務の傍ら、翻訳を手掛け始め、1956年に聖書学を専門とする出版社・山本書店を創業。1970年にイザヤ・ペンダサン名義で発表した『日本人とユダヤ人』は、300万部を超えるベストセラーとなり、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。以降、後に「山本学」とも呼ばれた、日本社会・日本文化・日本人の行動様式等に関する数々の作品を発表した。菊池寛賞(1981年)受賞。
    本書『「空気」の研究』は、『日本人とユダヤ人』と並ぶ山本氏の代表作だが、初出は「文藝春秋」に連載された「「空気

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    2024年12月13日
  • 「空気」の研究

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    なかなか読みごたえのある本であった
    ちゃんと理解できていない部分もあるので
    もう一度読むことにする

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    2024年11月01日
  • 「空気」の研究

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    本著は「空気を読む」とか「その場の空気」などと言われる「空気」とは何かについて論理的に検証した本です。
    あらゆる理論や論理を超える「空気」の正体を解明していく本著ですが、私には難しく感じられました。
    ぜひぜひ読んでみてください。

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    2023年07月25日
  • 「空気」の研究

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    全体を支配する空気。
    水に流すの意味。
    色々と考えることの多かった本でした。
    ただ、書かれた時代の事柄を例にした部分が多過ぎて話が分かりにくい部分がある。
    本書を最後まで読むのには、そこを上手く理解して(流して?)読み進められるかどうかに係っている。

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    2022年12月26日
  • 日本教の社会学

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    今は亡き2人の評論家の日本に関する対談。元々は1981年頃の本だが、今にも通じる論点が多々ある。
    現代日本は民主主義国家でもないし戦前は軍国主義でもなかった。日本の組織には規範の二重構造が存在する。日本教とも呼ぶべきものが日本人の根底に存在し、ドグマとしての空気や実体語と空体語がある。中国にはない本心というものの分析や、プロテスタンティズムと日本の労働倫理の違いなど。

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    2022年09月06日
  • 日本はなぜ敗れるのか 敗因21ヵ条

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    ネタバレ

    トヨタ自動車元会長が「ぜひ読むように」とトヨタ幹部に薦めた本。マネー、外交、政治・・・このままでは日本は再び敗れる。キャッチコピーに惹きつけられて。
    2004年初版、ちょっと古い気もしたがキャッチコピー補足をみて共感をもった。
    ~山本七平氏は戦時中フィリピンで生死を彷徨い捕虜となった。戦後三十年、かつての敗因と同じ行動パターンが社会の隅々まで覆っていることを危惧した山本七平が、戦争体験を踏まえ冷徹な眼差しで書き綴った日本人への処方箋が本書である。現在、長期の不況に喘ぐ中、イラクへの自衛隊を派遣し、国際的緊張の中に放り込まれた日本は生き残れるのだろうか・・・?執筆三十年にして初めて書籍化される、

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    2022年07月14日
  • 「空気」の研究

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    日本人である私たちが自然と触れ合っていた、その時勢で流れる雰囲気や世論としての「空気」を論評しており、自分の日々の行動もその「空気」に左右されていることを振り返られる本。日本人の特性を多様な視点で説かれていて、『確かにそうやな〜!』と思い起こされつつ、「空気」にどう向き合うか、その「空気」を読むか、「水」をさすかなど、冷静に判断したい。

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    2022年06月26日
  • 日本はなぜ敗れるのか 敗因21ヵ条

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    太平洋戦争での日本敗戦の教訓について考える人におすすめ。

    【概要】
    ●陸軍専任嘱託として徴用され、ブタノールを製造する技術者としてフィリピンに派遣された小松真一氏が書いた『虜人日記』の敗因21カ条の分析

    【感想】
    ●『虜人日記』には、太平洋戦争のときフィリピンに派遣されていた際のことが書かれている。何の力も顧慮せずに書かれたものであることから、ありのままの内容であるため、読めば有用な教訓が得られるであろう。
    ●著者が書いた、小松氏の敗因21カ条の分析を読むと、今日の日本社会に通ずる内容が多々あり、なるほど改善されていないと思われる点が多々ある。反省すべきではないだろうか。

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    2022年02月25日
  • 「空気」の研究

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    目に見えないが私たちの回りを満たす空気と水。その不可思議な力を説き起こしています。正直よく分からないところも多くありましたが、雰囲気は伝わったと思います。後々になって、「あっ、これか」という気付きにつながりそうな予感です。

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    2021年10月16日
  • 「空気」の研究

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    日本における「拘束の原理」を解き明かしていく本
    久々に難しい(抽象的な)本を読んだが、日本人のメンタリティを雑に要約すると、
    ①日本人は一神教徒とは異なり、「絶対的な基準」がない
    ②それなら全てを相対化できると思いきや、「絶対化の対象が無数にある」状態
    ③基準や支点となる、「臨在感的把握」の対象を求める
    ④基準を失いたくないので、それが非科学的・非論理的であっても口にしない(基準となる側と隠し合う)
     →空気の完成
    ⑤「それはおかしい」と誰かが水を差す
    ⑥「水」は我々の現実=通常性であり、結局は空気醸成の基となる(ここが難しい)
    ⑦別の対象へ転向→過去の「偶像」を破壊
    ↑これを繰り返す、「汎神

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    2021年09月26日
  • 「空気」の研究

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    日本人がどのような社会に生きているのか教えてくれる一冊。自分が納得する選択をする上でなぜ空気に拘束されるのか知っていると対策も出来る。

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    2021年08月15日
  • 「空気」の研究

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    山本七平の名著。40年以上経って、当時とは状況が変化しているけれど、日本人の世間の空気を読む能力は変わらない。政治もメディアも空気を読んで動いている。その空気を読んで、人が動く。みんな昔から知っていた事だけど、それを考察して本にした功績はあると思う。

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    2021年07月31日
  • 日本型組織 存続の条件

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    山本七平もの この辺でまあ十分かと思う

    1.コロナ敗戦と日本型組織
    組織に科学・合理性が欠落→精神論・スローガン

    2.和魂洋才の矛盾
    形だけで終わり、本質は変わらず 複雑化して劣化する
    cfサウジアラビアの国土開発 結局はゴミ
     北海道の開発にも言える 上から道路・漁港・新幹線
    →Soft=価値観が大事と言うこと

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    2021年06月19日