ソン・ウォンピョンのレビュー一覧

  • アーモンド

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    ネタバレ

    おもしろくて、中盤くらいから一気に読みました。韓国とのカントリーギャップもあるし、読みにくいかと思ったけれど、全然そんなこともありません。感情の表現ができないユンジェと、親と生き別れて不良となったゴニ。クリスマスの日に母と祖母が暴漢に襲われ、母は植物状態、祖母は亡くなります。そこから、ゴニに出会うわけですが、ゴニがユンジェを変えようと、ユンジェがゴニを救おうとするやり取りに目が離せませんでした。人は遠い不幸は他人事で、近い不幸も恐怖により何もできない。ならば、感情なんていらない。良い読書ができました。

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    2026年03月14日
  • 三十の反撃

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    財閥系企業への就職を願いながらも、カルチャースクールで非正規社員で働き、コンビニ食と半地下の部屋で食いつなぐ日々を送るミレニアル世代で30歳のキム・ジヘ。
    職場では単調で無益な雑用に幻滅しながらも、現状打破の糸口を見いだせず出口のない閉塞感に苛まれる。そんな中、後輩のイ・ギュオクの影響で、鬱積した不満をマイクロアグレッション(些細な攻撃)で晴らす様子が、ユーモアと哀しみを交えて描かれる。背景にある現代の韓国社会(日本も大差ないけれど)の構造的歪み、格差と分断という非情な現実について考えさせられる一冊でした。

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    2026年02月18日
  • アーモンド

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    感情を感じられない主人公が見ている情景描写だけで進んでいくストーリー、文章が新鮮で面白かった。

    ゴニやドラがけっこう独特な人たちだったり、ユンジェを取り巻く環境がちょっとドラマチックすぎた気はする、読んでいる間フィクション感は強めだった。(小説はそもそもそうなのだけど。)

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    2026年01月30日
  • アーモンド

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    どんなことも、何度も繰り返してると意味がなくなるものなのよ。初めのうちはだんだん意味がはっきりしてくるように思えるけれど、しばらく経つとそれが変わっていったり色褪せたりしてくるの。そして最後には、意味が消えてしまうのよ。真っ白に


    例えば、こうやって君と私が向かい合って座って、しゃべってるみたいなこと。一緒に何かを食べたり、考えを共有すること。金のやり取りなしにお互いのために時間を使うこと。そういうのを親しいって言うんだ

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    2026年01月24日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    生まれつき感情を持たないユンジェのことを悪く言うとき、人は「サイコパス」と言う。けれど、いわゆるフツーの人の罪とは言えない行動の中に「サイコパス」的な無関心さと残酷さを感じる。無実の級友を疑っておいて誰一人自分は悪くないと言ったクラスメイト、地球のどこかで起こっている戦争のニュースを聞き流す人、目の前でおきた事件を傍観する人。
    人の心の中にある無関心と非共感は、生まれつき扁桃体が小さくて特別なユンジュとなんら変わらないんだなと思った。

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    2025年12月14日
  • アーモンド

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    扁桃体が小さい故に失感情症の青年が主人公の物語。
    一人称の心理描写がほとんどなく、感情移入・共感の余地なし。そこが良い。

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    2025年11月19日
  • 三十の反撃

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    ネタバレ

    特に印象に残ったのは、ユ・チーム長の存在。
    彼女はいろんなことを諦めさせられてきた人なのだと思う。
    納得できないことやおかしなことも、「それで物事が回るなら」と受け入れて働いている。
    ギュオクのように声を上げる強さもあるけれど、ユ・チーム長には“黙ってやる強さ”がある。
    その姿が、妙に心に残った。

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    2025年10月18日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    扁桃体(アーモンド)が人より小さく感情を感じることができない 16才の高校生ユンジェの喪失と再生、そして成長の物語。
    感情を感じない主人公が周りの人々と関わりを持つなかで少しずつ感情らしきものが芽生える。特に、激しい感情を持つ少年ゴニとの出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく。残酷さの裏には愛がある…韓国文学特有なよい物語でした〜


    「ばあちゃん、どうしてみんな僕のこと変だって言うの」
    「人っていうのは、自分と違う人間が許せないもんなんだよ」
    扁桃体(アーモンド)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。
    そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母が通

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    2025年10月17日
  • 他人の家

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    ある作家の短編集とは思えないほどSFからミステリー、心温まる物語までバラエティに富んでいる。アーモンドの番外編「箱の中の男」が印象的。起きたことに“もしも“はありえず、誰かのつらさと喜びは紙一重で、しかしそのつらさと喜びは色鮮やかに多種多様なのだ。

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    2025年08月10日
  • 三十の反撃

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    「ジヘ(知恵)」を「ミスワイズ」って呼ぶのがとてもいいな
    9ヶ月で正社員打診が来るのか。いいな。私5年かかったぞ
    ジヘの非正規ならではの切なさはよくわかったけど、最終的になんか素晴らしい会社に入社できてチーム長になってたしで、いいなぁ
    あとは英米の小説よりよほど「わからんこの風習」みたいなのがぼこぼこっとあるのが韓国の小説。留置所から出てくると豆腐食べるとか
    ウクレレ教室のささやかな発表会は良かった
    「舞」という字を指してムインが説明した内容
    「・・・舛という字で、入り乱れるという意味です。つまり燃え尽きて残った灰が、再びめまぐるしく乱れ飛ぶのが舞いなんです」

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    2025年07月17日
  • TUBE(チューブ)

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    ネタバレ

    パク・シリョンの発する言葉が刺さる読書体験だった。

    そのまま感じること。
    一度にひとつのことだけする。
    なんでも手当たり次第つかんでみる。

    生きるうえで真理な気がした。
    スマホをみながら、そしてイヤフォンをつけながら歩いていたりすると、周囲の環境や美しいものに気づかず、鈍感になってしまっているんだろうなあ
    自分なりに物事を観察して、「感じること」を大切にしていきたいなあ

    Urban Tumbleweed思い出された

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    2025年06月18日
  • 三十の反撃

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    閉鎖的な日々と息苦しさから出ていきたいのに変われない主人公が少しずつ変わってゆく。3年半前に職場で戦いぬいた自分と重なり、その先で充実していると思えるキャリアに切り替えられたので行動の大切さが身に染みる。あの時の私を励ましてくれるようだ。

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    2025年04月27日
  • プリズム

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    それぞれ事情や秘密を抱える4人の男女の恋愛の物語。

    ハッピーでキラキラした恋愛ではなく、4人それぞれの人間性や恋愛へのスタンス、不安、コンプレックスがリアルに描かれている。
    全体的に曇り空のような、仄暗さをまとっているけれど、間違えながらも幸せを掴もうとする4人の姿が良かった。

    ☆3.0

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    2025年04月08日
  • 三十の反撃

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    観客でしかない人も尊重しつつ、それでもどこかでステージに上がるのだ、ということがメッセージなのかなと感じた。
    「反撃」の爽快さ、その成功体験から人間がガラッと変わる、ということを、ストーリーとしては求めがちだが決してそうではない。もっと波のある、挫折と小さな喜びとを繰り返すそんなプロセスで、複雑な世界の中で人が変わる、そんな印象を持った。

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    2025年04月03日
  • 三十の反撃

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    初の韓国文学。
    正直韓国の情勢とかその時代背景とかを知らないので、中々入ってこなかった。
    言うことで変わることはあるかもしれないけど、やり方とかがあまり好ましくはないかな。正統にいってダメだったからなんだろうけど。

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    2025年03月10日
  • 三十の反撃

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    ネタバレ

    NOを、YESを、言おう。

    ありふれた名前のジヘはインターンをしている。ある日コーヒーショップで有名人に啖呵を切っていたギュオクが会社にインターンとして現れて、2人は会話をするようになる。ギュオクは遊びと言いながら、言いたいことを言い、ちょっと騒ぎを起こす活動を持ちかけてきて——。

    よくならない社会に、価値を見出せない労働、気の合わない同僚、わかってくれない家族、だんだんと気持ちが離れていく友人。受け流すのは難しくないけど、そんな人生でいいのか。声をあげても変わらないかもしれない。相手に与える打撃は一時のものかもしれない。でも自分を縛る理不尽にNOを言い、自分のしたいことにYESを言えたら

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    2025年02月26日
  • プリズム

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    世界がコロナ禍になる前に書かれた小説、と言われると時代の転換点のように感じてしまう。
    ここに描かれるのは出会いや別れを経て成長し、変わっていく若者たちの姿だが劇的な展開はなく淡々としているのが実に良い。妙に肩肘張らず、カッコつけてないとでも言うべきか。ゆったりと読むのに丁度いい小説だった。

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    2025年02月15日
  • TUBE(チューブ)

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    とてもまっすぐなストーリー。
    目には見えないけど、
    人それぞれみんな、乗り越えてきたものがあるんだ。

    一生懸命やったのに上手くいかず、自分の人生がめちゃくちゃだと言っている主人公に、バスの運転手のおじさんが「よくやったと思います。とてもよくできました」と言うシーンは感動した。

    伝えたいことがシンプルに伝わってくる本だった。

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    2025年01月10日
  • TUBE(チューブ)

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    ネタバレ

    予防線を張って最初から言い訳を作る。失敗するともともとうまくいくと思わなかったことにする。気にいらない結果にヤキモキする。そんな中年が啓発書を読みはじめたとき、悪手だ、読み手が求めてることより難解で複雑で単純すぎる、明快に書いてあることが叶う世の中ではないのにと思った。そして彼は理想を見ていた。理想的で優しい社会を夢見てしまった。それで儲かることはないと思う事業に手を出し、事業者としての経験も足らず失敗。教えてもらったこと、目の前のことを感じるという些細なことができなかった。まあ人生はそんなものだし、もっとこうすればいいのにと意見を言える立場に私はいない。ただ現実を知り、現実を見て、周りの人を

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    2024年10月27日
  • TUBE(チューブ)

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    日本語に訳されている韓国の小説は自己啓発のような内容が多くて、そういう雰囲気が好きで読んでいたけど、この本はストーリーが角張っていて自己啓発の内容が目立ちすぎていた。わがままな読者ですみません。もう少し物語自体をじっくり楽しみたいです。
    学んだこと : 変化は小さなことから。人生と手を組む。よく観察し楽しむ。まわりにポジティブな声かけをする。

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    2024年08月30日