ソン・ウォンピョンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ脳の扁桃体が小さく感情が分からない少年ユンジェと、怒りと暴力の塊のようなゴニ。
二人が出会い、対話を重ね成長していく話。
文章が読みやすく、ユンジェの行く末も気になってあっという間に読み終えてしまった。
ユンジェの淡々と現実を受け止める姿は全くおかしくはなく、むしろ素直で微笑ましいし、シム博士とのやり取りでは知性も感じられてすごく好感が持てる。
その真っ直ぐさがあるからこそ、ゴニのことも偏見なく受け入れることができた。
一方、その無表情や無反応ゆえ人からは「怪物」と言われるユンジェ。
彼を何とかしようとする母の気持ちも痛い程わかる。
「平凡」「普通」であることがある意味めちゃくちゃ尊いってい -
Posted by ブクログ
正確な文章を書きたいとおっしゃる作者。
ずっと静かで落ち着いた、冬景色のような文章書く人だなと思った
●4月の雪
なんの解決にもいたってないが、ここで終わるの?とは思ったが、ほのかに優しい
●怪物たち
ほーん
不妊の話読んでたら気分悪くなるナイーブさを兼ね備えたことに驚く
●zip
題名センスがいい
●アリアドネの庭園
若者と老人。見え方の違いが皮肉。
●他人の家
ライトに読めて好きだった。現状に甘んじず、自分の絶対的な居場所、生涯過ごすことのできる場所の確保が大切であるように思えた。
涼しいようで寒い、乾いたそよ風みたいな読み心地。
●箱のなかの男
1番いいかも!
●文学とは何 -
Posted by ブクログ
離婚を決意した夫婦の家に民泊アプリで知り合った人が泊まりにやってくる『四月の雪』、働けなくなった夫を、双子の息子たちが殺すのではないかと妻が気を揉む『怪物たち』など、短編八編。どの主人公も、現在の暮らしに不足や不満を抱えていて、そうなった過去の出来事を憎んでいる。どうにか変えたいと思っている。けれど、変えられないのだから、折り合いをつけて、いや、折り合いをつけられなくても、生きていくしかないのだとわかっている。
「そう言った瞬間、ヨンファは、今を後悔したり、引き返したりすることはできないのだと悟った。すべてのことを元に戻し、起こらなかったことにするのは不可能だった。だったら可能なほうを選び、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ感情が分からない&表現できない少年がいかに生きていくか…。ユンジェの周辺、若干物騒過ぎませんか?!と思ったけれど、極端に不安を煽ってくるわけでもなく、それらも淡々として伝わってきました。
『僕の頭の中のアーモンドは、どこかが壊れているみたいなのだ。刺激が与えられても赤信号がうまく灯らない。だから僕は、周りの人たちがどうして笑うのか、泣くのかよく分からない。喜びも悲しみも、愛も恐怖も、僕にはほとんど感じられないのだ。感情という単語も、僕にはただ実感の伴わない文字の組み合わせに過ぎない。』
韓国文学を読んだのは初めてでしたが、日本語訳が素晴らしいものあって、読みやすかったです。
2025.4 -
Posted by ブクログ
ネタバレ愛や恋の気付きに触れられる作品。
この作者の季節の表現はとても繊細で好きです。
まるで登場人物たちと一緒の空間にいるような気持ちで読めるくらい。
人を好きになることやそれを伝えて結ばれやがて終わりを迎えてしまう恋愛の儚さがそれぞれの視点で読める点が面白い
大人同士の恋愛ならではのすれ違う男女がリアルに描かれていて、少女漫画のようなキラキラとは違うけどなぜか憧れてしまうもどかしい恋愛模様だった。ホゲとイェジンの今後が気になる。
アーモンドや30の反撃とはまた違う柔らかいストーリーだった
あとがきにあるコロナ禍のことをあえて描かないという選択は大正解
マスクがないからこそ輝く物語。
コロナ禍か -
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最後の「作者の言葉」まで読んで、この小説が実は、最初「普通の人」というタイトルだったことを知った。この作品のなかで「普通の人」とは、どういう人たちのことを言うのだろう。
さぁっと読んだだけでは、主人公とその仲間たちは「普通の人」たち以下、或いは未満のように思えた。
半地下、或いは子供と暮らすには絶対適さないような場所でしか住めない人たち。他人にいいように使われたり、調子のいい奴に騙されたり、盗まれたり、それでも黙って何事も無かったように働き、でも陰では泣き、愚痴や陰口を言い、そして自分自身を諦め否定しながら生きていく人たち。
この小説の中で「普通の人」とは、例えばユ・チーム長、キム部長のような -
Posted by ブクログ
冴えない中年男性のキム・ソンゴンは何もかも上手くいかず命を絶とうとするがそれすらも失敗。そんな彼がある日、過去の自分の写真を見て小さなことから自分を変えていこうと奮闘が始まる。
藁プロジェクトという発想は面白かった。
タイトルの意味は読んでいると分かって気持ちが高まるが、盛り上がりがったところでまた落としてくるところや登場人物の人物像にリアリティがある。
帯文に書いてある心温まる物語ではないと思ったが、失敗と成功、喜びと挫折を繰り返すのが人生で一筋縄ではいかないけど僅かな希望も感じ、著者は世知辛さをユーモアを交えて書くのが上手いから軽やかに楽しく読めた。