あらすじ
2020年本屋大賞翻訳小説部門第1位『アーモンド』の著者が贈る、
すべての人の人生を応援する、心温まる物語。
失敗しても、また始めればいい。
つかんだ藁が浮き輪(チューブ)になって水面に浮かぶまで。
仕事なし、家族なし、運もなし、ないない尽くしの中年男の、人生改造プロジェクト!
一人の力じゃ難しいなら、他の人に応援してもらったらどう?
どこにでもいる平凡な中年男、キム・ソンゴン。
仕事にも家族にも運にも見放され、彼はついにこの世に別れを告げる決意をする……が、
それさえもあえなく失敗してしまう。
この世に舞い戻ったソンゴンが見つけたのは、とある一枚の写真――
そこには若かりし頃の彼が家族とともに写っていた。
何もかも今の自分とは違いすぎることに愕然とした彼は、写真の中の自分を真似てみようと、
まずは姿勢矯正から始めることに。そんな取るに足りない小さなチャレンジが、
やがてソンゴンの人生を大きく変えていく――。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
失敗を繰り返し自死を試みたおじさんが人生を取り戻そうとする話
下手な自己啓発本よりよっぽど自分を変えたくなる
ぴったりはまるパートナーとの出会いは大きいんだろうな
Posted by ブクログ
この本は、アーモンドの作者からの中年男性への贈り物。失敗してもまた始めればいい…。事業に失敗ばかりして、とうとう家族にも見放され、漢江に飛び込んで死のうと思ったキム・ソンゴン・アンドレアは、自殺の名所の大橋の上に立っていた。そして今回の自殺からからくも現世に後戻りをしたのは、あまりにも寒い漢江に吹く風だった。
Posted by ブクログ
人生を意味づけることはできない。もし意味づけられるとすれば、一時的なものでしか無い。長期的な人生では誰にもどうなるのか分からない。
だから、今日も明日も頑張ろうと思う
Posted by ブクログ
冴えない中年男性のキム・ソンゴンは何もかも上手くいかず命を絶とうとするがそれすらも失敗。そんな彼がある日、過去の自分の写真を見て小さなことから自分を変えていこうと奮闘が始まる。
藁プロジェクトという発想は面白かった。
タイトルの意味は読んでいると分かって気持ちが高まるが、盛り上がりがったところでまた落としてくるところや登場人物の人物像にリアリティがある。
帯文に書いてある心温まる物語ではないと思ったが、失敗と成功、喜びと挫折を繰り返すのが人生で一筋縄ではいかないけど僅かな希望も感じ、著者は世知辛さをユーモアを交えて書くのが上手いから軽やかに楽しく読めた。
Posted by ブクログ
何事もコツコツができない主人公、ある男との出会いをきっかけに生まれ変わろうとする。
主人公へのある男のアドバイス、
「仕事をしているときは、仕事をやること以外のことを考えない。」
これって名言だと思う。仕事をするとき、何でこんなことを、、、とか何で私が、、、。と考えながらやるとホントにめんどくさくなるときがある。
でも、無心にやれば、精神的には疲れない。こういう考え方のクセをつければと思ったが、なかなか難儀で、すぐ雑念がよぎってくる。1冊の本でこれほど影響を受けたのは、最近なかったので新鮮だった。
Posted by ブクログ
50歳で事業に失敗し、金も家族も失ったキム・ソンゴン・アンドレアの再生への道のりを描いた作品。
プロローグで入水自殺をしようとする彼だが、2年前にも同じ漢江で自殺を企てようとしていた。彼の転落人生が具体的に書かれているわけではないが、「一言で言えば、めちゃくちゃだった。」そうだ。それでも自殺を思いとどまり、日銭を稼ぐための仕事をする気力はあるのだから、まだ幸運なのかもしれない。そんな彼の日々の行いが実を結び、やがて成功への道が開けるのだが……。
若かった頃の自分に戻りたい気持ちは痛いほどわかる(-_-;)。
Posted by ブクログ
一度にひとつだけのことをする。簡単そうで意外と難しい。感覚を研ぎ澄ますのも大切だな。おじさんは変われたのかな?ふりだしに戻ったように見えて、レベルアップしてるに違いない。と信じたい。
Posted by ブクログ
パク・シリョンの発する言葉が刺さる読書体験だった。
そのまま感じること。
一度にひとつのことだけする。
なんでも手当たり次第つかんでみる。
生きるうえで真理な気がした。
スマホをみながら、そしてイヤフォンをつけながら歩いていたりすると、周囲の環境や美しいものに気づかず、鈍感になってしまっているんだろうなあ
自分なりに物事を観察して、「感じること」を大切にしていきたいなあ
Urban Tumbleweed思い出された
Posted by ブクログ
とてもまっすぐなストーリー。
目には見えないけど、
人それぞれみんな、乗り越えてきたものがあるんだ。
一生懸命やったのに上手くいかず、自分の人生がめちゃくちゃだと言っている主人公に、バスの運転手のおじさんが「よくやったと思います。とてもよくできました」と言うシーンは感動した。
伝えたいことがシンプルに伝わってくる本だった。
Posted by ブクログ
予防線を張って最初から言い訳を作る。失敗するともともとうまくいくと思わなかったことにする。気にいらない結果にヤキモキする。そんな中年が啓発書を読みはじめたとき、悪手だ、読み手が求めてることより難解で複雑で単純すぎる、明快に書いてあることが叶う世の中ではないのにと思った。そして彼は理想を見ていた。理想的で優しい社会を夢見てしまった。それで儲かることはないと思う事業に手を出し、事業者としての経験も足らず失敗。教えてもらったこと、目の前のことを感じるという些細なことができなかった。まあ人生はそんなものだし、もっとこうすればいいのにと意見を言える立場に私はいない。ただ現実を知り、現実を見て、周りの人を幸せにしてからじゃないと何も見えないはずだ。先づ隗より始めよということだ。