ソン・ウォンピョンのレビュー一覧

  • プリズム

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    かかえた過去
    すれ違い
    プライド
    素直になれない
    そんな20代30代4人の男女の恋の物語。
    とてももどかしくなるけれど、4人の思いや心情が順番につづられ、それぞれの思いに共感してしまう。

    ソン・ウォンピョンさんの透明感のあるすっきりした文章がとても素敵で、好きです。

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    2024年03月18日
  • 三十の反撃

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    変えたいけど変わらない、動きたいのに動けない。
    こんなモヤモヤを抱えた現代人に読んでほしい。
    ソン・ウォンピョンからのささやかな反撃。

    著者は名門、韓国映画アカデミーに入って、のちに小説家になっている。華々しいキャリアを積んでるように見えるけど、それだけじゃなかったのだな。役者の後書きを読んで納得。
    もしかしたら次元が違うのかもしれないけど、人間味を感じられてすごく好きだし、
    『アーモンド』もそうだったけど、映像が目に浮かんでくるような小説で、そこもすごく好き。
    ジヘとギュオクの甘い感じも好き。好きな人に対する心の動き方を描くのが上手いのかな。

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    2024年02月22日
  • 他人の家

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    ソン•ウォンピョンさん3冊目。毛色の違う短編たちで、どれも面白かった。「zip」「箱の中の男」「他人の家」「アリアドネの庭園」が好み。「zip」は自分の話かと思うくらい共感。「箱の中の男」はユンジェが出てきて嬉しかった。話の内容も、考えさせられるものだった。韓国って、日本と似たところが沢山あり、でも違うとこともあって面白い

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    2023年04月29日
  • プリズム

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    【この恋が永遠では無いからこそ、出逢いと別れを繰り返せ】

    ソウルで暮らす四人の男女の一年間の出逢いと別れを、四者四様の愛の形の物語。

    愛は始まるのと同時に終わりをじっと見つめなければならない。
    偶然、始まった出逢いからの恋愛は、その刹那さ故に思いがけぬきっかけで脆く壊れてしまう。
    その結果、残るのは心の傷と痛み。
    そして有り余る後悔。
    だが、そんなに傷ついても尚、人はいつの間にか別の恋愛を始めてしまう。
    その繰り返しの中で、繋がって断ち切って、人は誰かと関わって生きていく。

    そのサイクルの中に恋愛の本質が隠れているのだ。

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    2023年04月20日
  • アーモンド

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    生まれつき扁桃体が小さく、感情を理解することができないソン・ユンジュ
    持って生まれた障害による、家族の愛、悲劇、出会い、
    ちょっと変わった人との関わり、友情、愛、人間関係が主人公の言葉で
    淡々と語られる。

    ゴニ、ドラ、シム博士の出会いで
    少しずつ変化していく主人公。

    韓国作家さんの作品は初めてですが、
    読みやすかった。
    読後感もよかった

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    2025年07月15日
  • アーモンド

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    なんか、最後はとても良かったけど
    読んでいる間、どことなく不気味で怖さを感じていた。
    そういう感想って、あんまり正しくないのかもしれないけど。結構暴力の描写が少なくなくて、私には刺激強めだったのかな。

    そしてそれにつられたのか、物語の上っ面というか表面だけを読み終わっただけな気がする。
    珍しく翻訳ものだからなのかな?
    韓国の小説は生まれて初めて読んだのだ。

    再読しなくちゃな。

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    2025年12月20日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    物語の終盤で「感情を取り戻すかもしれない」示唆が出てくる構成は、少しきれいすぎるし、
    物語として“回収”されすぎているようにも感じる。
    でも、それを予感として提示するだけで、
    完全に説明しきらないところは、この作品の良心だとも思った。

    語り口が一貫して淡々としているのも良かった。
    泣かせようとしないし、
    感情移入を強要しない。

    この本を読む前私は
    「共感って意味あるのかな」という疑問を持っていた。

    人はそれぞれ違う世界を生きていて、
    不幸に見える人が不幸とは限らないし、
    無口な人にも、豊かな内面世界がある。

    それを知ってしまうと、
    手を取り合って生きること、分かり合うこと、
    共感し合う

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    2025年12月15日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    誰かに愛され、そして愛した。「愛」っていいなと実感した本

    内容は、感情が生まれつき乏しい少年ユンジェの話。良かった所としては感情が豊かで持ちたくなかったと思う問題児ゴニとの対比がとてもいいなって思ったし、2人の友情がよかった。
    1度、刺されて「感情がないユンジェ」は死んだけど目を覚ました時は「感情のあるユンジェ」に生まれ変わったのかなと読んでて思った。

    あと個人的な話だけどこの後に「ライ麦畑でつかまえて」を読む予定だったから話にでてきて「え!」となった。少し楽しみが増えた笑

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    2025年12月04日
  • アーモンド

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    愛を持って生きていきたい、誰かを惜しまず愛したいと感じる作品だった。

    実際に感情を持ちにくい人などは、ソン・ユンジェのように誰かと関わりたいと思うことがないかもしれないけれど、誰かに愛されたり、愛を伝えられたりしたらいいなと思った。

    著者が映画にも関わる人だと知って、文章がより映像的に頭に浮かんでくることに納得した。

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    2025年11月28日
  • アーモンド

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    2020年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位作品
    当時話題になっていた作品でしたが、読まず嫌いで放置していました。もっと早く読んでおけばよかったと、今更後悔してます。
    これは一気読みでした。とても良かった。
    読んでいる間の自分の顔、どうなってたんだろう?
    感情の置き場がむずかしくて、素直に読めばいいだけなのに、どうしても気持ちが入ってしまう。そんな作品です。
    こんなにも愛おしい物語って、そう多くないと思う。
    人は誰かしらから愛されていて、誰かに触れられることで、ようやく“自分”が輪郭を持つ。
    登場人物それぞれの存在が、それを静かに、深く教えてくれる。
    読んでいて何度も胸が締め付けられる。気づけば突

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    2025年11月26日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    物語が面白く、一日で読み切ってしまうほどぐいぐい読めた。

    主人公・ユンジュは感情がない。感情に大切な脳の偏桃体(アーモンド)が小さいから、らしい。
    そのため淡泊な描写で主人公の幼少期から学生までの成長の過程を描いていく。
    ゴニが蝶を苛めるシーンは読んでいてつらかった。主人公となかよくしたいだけなのに、うまくいかない。
    ゴニは愛をもらったことがないから、そういったコミュニケーションしかできないのだ。
    最後はやや駆け足であり、ある種のご都合主義感が否めなかったが、そういうラストであってもいいか、と思えるほどには彼らの幸せを祈って読めていた。

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    2025年11月19日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    脳の扁桃体が小さく感情が分からない少年ユンジェと、怒りと暴力の塊のようなゴニ。
    二人が出会い、対話を重ね成長していく話。
    文章が読みやすく、ユンジェの行く末も気になってあっという間に読み終えてしまった。

    ユンジェの淡々と現実を受け止める姿は全くおかしくはなく、むしろ素直で微笑ましいし、シム博士とのやり取りでは知性も感じられてすごく好感が持てる。
    その真っ直ぐさがあるからこそ、ゴニのことも偏見なく受け入れることができた。
    一方、その無表情や無反応ゆえ人からは「怪物」と言われるユンジェ。
    彼を何とかしようとする母の気持ちも痛い程わかる。
    「平凡」「普通」であることがある意味めちゃくちゃ尊いってい

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    2025年11月06日
  • 他人の家

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    正確な文章を書きたいとおっしゃる作者。
    ずっと静かで落ち着いた、冬景色のような文章書く人だなと思った

    ●4月の雪
    なんの解決にもいたってないが、ここで終わるの?とは思ったが、ほのかに優しい

    ●怪物たち
    ほーん
    不妊の話読んでたら気分悪くなるナイーブさを兼ね備えたことに驚く

    ●zip
    題名センスがいい

    ●アリアドネの庭園
    若者と老人。見え方の違いが皮肉。

    ●他人の家
    ライトに読めて好きだった。現状に甘んじず、自分の絶対的な居場所、生涯過ごすことのできる場所の確保が大切であるように思えた。
    涼しいようで寒い、乾いたそよ風みたいな読み心地。

    ●箱のなかの男
    1番いいかも!

    ●文学とは何

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    2025年11月09日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    ユンジェとゴニ…真っ直ぐすぎる愛でお互いが成長していく姿が…何ていうんだろう…それこそ運命の出会うべくして出会えた2人だったんだなと思った。
    ゴニはいい子だと思う。やりたくないような蝶の出来事とか、ユンジェのために教えようとしていたし、それも自分が傷つき?(辛い思いし)ながら。
    最後はそれぞれの想像にお任せだけど、ゴニもきっとユンジェに再開して、2人はこれからも大切な友達同士として生きていくんだろうなと思ってる。

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    2025年10月01日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    ずっと読みたかった本。
    思った以上に読みやすかった。
    感情がわからない主人公が、これは恋?という異変を見つけたところで感動してしまった。

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    2025年09月23日
  • アーモンド

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    表紙の少年の顔から、冷徹で暴力的な主人公なんだろうなと感じ、読み始めた。
    冒頭からささやかに暮らす家族の不幸が描かれていくけど、失感情症ながら観察力が鋭くて、読書家で、自らを切り開いていく力のある子だと感じた。でも最終的に人を変える力があるのはやっぱり人なんだと思わせてくれる作品だった。主人公はみんなの深い愛情で変わっていくけどゴニだって、ドラだって、ユン教授だって主人公によって変わって行けたから。

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    2025年09月21日
  • アーモンド

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    ネタバレ

    韓国作家さんの作品を初めて読んだ。
    泣いてしまいました。ゴニは良い子です。に。あと最後のゴニの手紙に。
    ゴニに泣かされてるな私。
    感情に振り回される事が多々ある中で、感情が無くなれば人生楽なのにと思った事があるけれど、他者と共感が出来なくなるという事は孤独な事。
    でも感情が無ければ孤独という事も哀しくはないわけで。
    ただこの作品を読んで、恐怖心が無くなるのは生きてはいけないのだなと。
    ゴニが蝶々の羽を掴んで、それじゃダメだその痛みを自分のことのように感じないとみたいなことを言った時に、あー最近簡単に人に危害を加える犯罪者達はこの感覚がないんだろうなと。
    最後本人生きてて母も目覚めてちょっとうま

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    2025年08月12日
  • アーモンド

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    100文字感想
    ユンジェが生きていて、素敵な人たちに囲まれていて良かった。
    人と人が違うのは誰もが同じで、そこを結ぶのは結局は「愛」。
    簡単に語られる、どんな形の、どんな大きさの愛だって、
    育むのは容易ではないんだろう。

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    2025年08月04日
  • アーモンド

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    ソン・ウォンピョンの才能に、ただただ惚れ惚れしながら読んだ。
    とにかくテンポが良く、ユンジェの世界が可視化されるように読み進めてしまった。
    感情のないユンジェの世界は、ネット社会で生きる私たちの環境と何ら変わりないと筆者は表現したかったのだと思う。そのモノクロの世界から恥肉臭のゴニに共感を覚えた瞬間、読む速度がヒートアップした。もっと共感したい。そういう欲求が読書で心が走った。

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    2025年07月27日
  • 他人の家

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    離婚を決意した夫婦の家に民泊アプリで知り合った人が泊まりにやってくる『四月の雪』、働けなくなった夫を、双子の息子たちが殺すのではないかと妻が気を揉む『怪物たち』など、短編八編。どの主人公も、現在の暮らしに不足や不満を抱えていて、そうなった過去の出来事を憎んでいる。どうにか変えたいと思っている。けれど、変えられないのだから、折り合いをつけて、いや、折り合いをつけられなくても、生きていくしかないのだとわかっている。

    「そう言った瞬間、ヨンファは、今を後悔したり、引き返したりすることはできないのだと悟った。すべてのことを元に戻し、起こらなかったことにするのは不可能だった。だったら可能なほうを選び、

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    2025年07月26日