ソン・ウォンピョンのレビュー一覧
-
ネタバレ 購入済み
話題のヤングアダルト……ということで読むのを後回しにしていたが読み出すと止まらず、遅読な私には珍しくあっという間に読了。感情を理解出来ないという主人公の語り口が淡々としており、不必要な描写がなく、結果的にかなり読みやすく仕上がっている。
いやあ……海外文学を読んでいると度々遭遇する理不尽な暴力に、誰も彼もがぶち当たって、そのたびに涙が溢れて止まらなかった。主人公は愛が理解出来ないというが、母や祖母の愛でもってよほど人間らしく育っていると思う。
偶々愛情と疎遠になってしまったゴニが周囲の人々によって怪物になろうとするのはどうにも痛々しく、悲しい。よくある事なんだけど、本来はとても素直な子供が環境に歪まされるのは、やっぱり辛い。
しかし同時に、大人になった自分はこういう子供達に向き合う事ができるだろうか?と考えさせられた。綺麗事じゃない。たぶん難しいだろう。共感ってのは人と違うものを避けるためにも使うから。
共感とはなんだ、助けない人々、遠巻きに見ている人々の気持ちとは、と考える主人公の言葉があまりに真っ直ぐで、読み終わってもまだ泣ける。
取り敢えずヤングアダルトらしいすっきりした終わりで私は救われた……。本当に良かった……。 -
購入済み
面白かったのです。時間をおいて読んでみると、いろいろと感想が変わりそうな作品。
タイトルから感じるような痛快さはそれほどないけれど、考えさせられる内容でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレずっともやもやすることがある。
会社や友人に理不尽をなすりつけられたとき。
この物語の登場人物たちは、理不尽にちょっと良くない方法で報復をする活動をはじめる。
何かが大きく変わるわけではない。
だけど確かに波紋は広がり、周囲に影響を与え、結果は良いときも悪いときもある。
主人公は若い頃の友人にはっきりと言ってやったことで、過去と決別できた。
理不尽を完全に無くすことはできない。やり返しはうまく行くとも限らない。
だけど前進したつもりで逃げるのではなく、向き合い、ひとつずつ立ち向かうことが大切なのかも。
こんな勇気をくれる作品でした。