フレドリック・ブラウンのレビュー一覧
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ネタバレSFショートショートの短編集。風刺として差別用語もそのまま載っているので、気になる人は注意かも? 全体的にオチが見える話が多く、予想に近い展開がされるのだが、それぞれの話が綺麗にまとまっているので、ちょこちょこ読むのに丁度良かった。下記は好きな話の感想なので、ネタバレ注意です。
『未来世界から来た男』……。タイトルそのまんま。割と好き。争いがなくなったせいで、誰もが自分の物差しで他人を測ることを、未来の人は忘れてしまったのだろうか。
『存在の檻』……めちゃ好き。死体に入っちゃって囚われる、精神だけの知性体が愛嬌があって可愛い。入っちゃった身体を分析するところも、動かしちゃうところも、体の記憶に染まっちゃうところも。ラヴクラフトもそうだが、こういう異次元の存在は人間とは全く違う理屈で動いてるのが最高に好みなんだよなあ。良くも悪くも純粋な存在だからかもしれない。ラストまで良かった。個人的には、ほのぼの系に分類したい。
『おれとフラップジャックと火星人』も可愛い。読んでみたら全員可愛かった。共作らしい。B級SFコメディ映画っぽい雰囲気が大好き。
『漫画家』これも好き。おれとフラップジャックと火星人と同じ空気。短編集の全体からすると、この2作は窓を開けて外の空気を取り込むような感じがしてよい。 -
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[最後の決戦(ハルマゲドン)]
今、悪魔の手によって世界は滅びようとしていた⋯。壮大なタイトルとオチのギャップがとてもユニークなショートショート。
[エタオイン・シュルドゥル]
組版印刷のライオタイプに関する知識が全く無いために調べながら読むのが大変だったが、そう来るか、なるほどと膝を打つ見事でユーモア満載のオチで全てが報われた。
[星ねずみ]
表題作。ロケットで宇宙に打ち上げられたねずみのミツキーの冒険譚だ。ちなみに「ミツキー」はツを小さくし忘れているわけではない。某夢の国のねずみ君にオマージュが捧げられている。SFだがファンタジックなので、不思議と人形劇風に脳内再生された。
[新入り]
心を患い、放火癖のある青年。実は火の悪魔に操られていて⋯。マッチの揺らめく炎に魅入られた青年の葛藤にハラハラオチはとてもアメリカ人らしいなと思った。
[天使ミミズ]
天使の翼の生えたミミズを見て以降、主人公の周りで続発する怪現象の正体は幻覚か、それとも⋯。謎が謎を呼ぶ怪現象の法則を解明せんとするミステリが秀逸で、明かされた真相の意外な仕組みが見事で膝を打った。
[帽子の手品]
これはいったいどういうお話だったのだろうか? 帽子の手品を披露した青年は果たして何者? 宇宙人? それとも⋯。読者の想像力に委ねる作品が好きなので楽しめた。
[白昼の悪夢]
証人ごとに死因がバラバラな殺人を捜査するケイカー刑事が遭遇した、世にも奇妙な出来事とは? 何が嘘で何が本当か。SNS社会を予見していたかのようだ。誰もアテにできない時に信じられるのは自分だけ。自分だけは見失わないようにしなきゃな⋯
[パラドックスと恐竜]
退屈な講義の最中、飛んでいた蝿が突如消えた。そこから始まる奇妙奇天烈な出来事の数々。果たしてパラドックスからの脱出なるか!? 読んでいて頭がこんがらがってしまう物語が大好きなので、楽しめた。
[イヤリングの神]
宇宙船の中で雑談に耽る男たち。ひとりがガニメデで遭遇したと語る出来事は真か、法螺か? ガニメデの原住民のイヤリングに隠された秘密とは? 結末に鳥肌が立った。 -
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ショートショートと短編をまとめたSF短編全集一巻。短い話が多いので、隙間時間にもオススメ。
絶滅するT -REX視点で進む「最後の恐竜」やコメディ色の強い「漫画家」、オチが美しい「報復の艦隊」など47編収録。
ブラウンはミステリから入ったんだけど、SFもいいんだよなぁ。短編がとても好み。ブラックユーモア強めでニヤニヤ読んでたらラストに背後から殴られるような読後感、嫌いじゃない。
ホラー味あるのも良き。「ギーゼンスタック一家」とかめちゃくちゃ怖い。
そういえば、「愛しのラム」だけ既読だった
調べたら「死の10パーセント」に収録済みだった。全集だから致し方ないかな。
来年2月まで連続刊行していただけるようなので、ワクワクしながら正座待機します。 -
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ブラウン短編集、創元新訳版二冊目。
短編に加えて中編も収録。
全体的には事件物などストレートなミステリーが多く、先に読んだ「真っ白な嘘」「さあ、気ちがいになりなさい」の二作に比べて小ぶりな印象となりインパクトは少ない。
それでもどの話も古さは感じずオチも鮮やか、原文からなのか訳文からなのかはわからないけど筆致も好みのため読んでいて退屈もなし。
中でも「ティーカップ騒動」「さまよえる少年」「不吉なことは何も」「踊るサンドイッチ」が現時点では良し。
少しずつ、時間があるときに読める話だけを読んでいるけれど、「さあ、次はどんな話だろう」と読み始めて「これがどうなるの」と読み進めていく時間がなんとも幸せ。 -
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ネタバレ目次
・5セントのお月さま
・へま
・女が男を殺すとき
・消えた役者
・どうしてなんだベニー、いったいどうして
・球形の食屍鬼(グール)
・フルートと短機関銃のための組曲
・死の警告
・愛しのラム
・殺しのプレミアショー
・殺意のジャズソング
・死の10パーセント
・最終列車
『5セントのお月さま』『フルートと短機関銃のための組曲』『死の警告』が初訳。
フレドリック・ブラウンのSF短編全集が出たとき、どうしてSF限定なのだろうと思った。
ミステリの短編もそこそこあるのに。
『最終列車』が収録されたアンソロジーには、これが最後のアンソロジー未収録作品とあったような気がするけれど、その後にこれが出たということは、つまりまだ未訳の作品が眠っている可能性があるというわけか。
『真っ白な嘘』とか好きだったので、なんとか頑張って全集を刊行してほしい。
買うから。
エド・ハンターシリーズは長編のイメージが強かったけど、短編もあったなあと懐かしく思い出した。
今の作品に比べると、テンポがゆったりとして、必要なことはすべて書いてあるけれど、最後に大きく話が動くという展開は、まどろっこしく感じるかもしれない。
だけどこのテンポに慣れ親しんで育った私には、久しぶりに大きく呼吸ができるような気持ちで作品を読んだ。
ドキドキはしたけども。
『球形の食屍鬼』と『殺意のジャズソング』が特に好きかな。
落としどころの意外性が。
読後感は全然違うけど。
とにかく東京創元社さま、短編全集完全版をぜひ出版していただきたいのです。
お願いします。 -
Posted by ブクログ
アメリカの作家フレドリック・ブラウンの短篇ミステリ作品集『真っ白な嘘(原題:Mostly Murder)』を読みました。
ここのところアメリカの作家の作品が続いています… フレドリック・ブラウンの作品は2年半くらい前に読んだ『さあ、気ちがいになりなさい』以来ですね。
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どの短編から読まれても結構です。
しかし「後ろを見るな」は、ぜひ最後にお読みください。
奇抜な発想と予想外の展開が魅力の18編
巨匠の代表的ミステリ短編集
名作ミステリ新訳プロジェクト
編を書かせては随一の巨匠の代表的作品集を新訳。
雪の上の足跡をめぐる謎を描いた「笑う肉屋」、緊迫感溢れる「叫べ、沈黙よ」、江戸川乱歩編の名アンソロジー『世界推理短編傑作集』に選出された「危ないやつら」など、奇抜な着想と軽妙なプロットで書かれた名作が勢揃い!
どこから読まれても結構です。
ただし巻末の作品「後ろを見るな」だけは、ぜひ最後にお読みください。
解説=小森収
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1940年(昭和15年)から1950年(平成25年)に発表された以下の18篇が収録されている短篇集です。
■笑う肉屋
■四人の盲人
■世界が終わった夜
■メリーゴーラウンド
■叫べ、沈黙よ
■アリスティードの鼻
■背後から声が
■闇の女
■キャスリーン、おまえの喉をもう一度
■町を求む
■歴史上最も偉大な詩
■むきにくい小さな林檎(りんご)
■出口はこちら
■真っ白な嘘
■危ないやつら
■カイン
■ライリーの死
■後ろを見るな
■解説 小森収
奇抜な着想、軽妙なプロット、論より証拠、まず読んでいただきましょう… どこからでも結構、、、
ただし最後の作品『うしろを見るな』だけは、最後にお読みください… というのは、あなたがお買いになったこの本は、あなたのために特別の製本がしてあるからです―― さて、その意味は?
新訳で読みやすかったし、発想が豊かな作品が並んでおり、愉しく読めましたね、、、
そんな中でも、印象に残ったのは、
雪の上に残された足跡… サーカス団のOBならではのトリックが秀逸な『笑う肉屋』、
犯人(?)の意外性が愉しめる『四人の盲人』、
聞こえてなかったなんて… 皮肉な結末が印象的な『背後から声が』、
納得の結末で「むきにくい小さな林檎」という呼び名が最後に皮肉な意味(実際はむきやすい)を持つ『むきにくい小さな林檎』、
夫は殺人者? 疑心暗鬼に陥る妻の恐怖を描いた『真っ白な嘘』、
お互いを殺人鬼と思い込んだ二人の緊張感を描いた『危ないやつら』、
ゾクっとさせられる結末が印象的な『後ろを見るな』、
あたりかな… でも、その作品も面白かったです。