恩蔵絢子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ生理学上の発見、それに基づく哲学的飛躍をベースにしたモデル。信用度はいかほどであろうか。
人間の脳の振る舞いを観察してなにがしかの挙動を見出したとする。正解など得られるはずもなく、推測にしか過ぎない。今後新たな発見なり発想が生まれれば、本書が典拠としている論説も更新されることだろう。かつて脳には情動を司る機能があるとされていたが、現在の知見では文化的に学習されたものが大半であると、本書が述べているように。
ポール・マクリーンの人間の脳に対する「三位一体」説は現在信用されなくなっているそうだが、2023年刊行の原著で取り沙汰されるからには50年くらいはそれが根拠ないし権威となっていた時代があったということ。学問は漸次進んでいくものだが、中には科学的とは言い難い論拠に基づくものがあり、そういうものに限って意味不明な権威をまとっていたりする。
フィクションとしてのAIには特に思うところはないが、研究課題としてのAIとは出会いが悪かったため、なにを聞いても疑いが先に立つ。
30年ほど前、AI研究を傍らで見ていたような立場の人間が当時思ったことは、計算機のパワーがなければ話にならないということだった。様々なモデルが提唱されていたが、計算資源が貧弱すぎて実証結果もそれなりのものにしかみえなかったからである。それから30年後の現在のAIを見れば、それは正しいように思える。計算機のパワーが道を開いた。
興味深いと感じたところ。
p.88 情動の分類は、大部分が文化的に学習されたものだと考えられている。
どうなんすかねってところ。
p.450 噂話の仮説。AI研究の根底にあるモデル構築は科学の皮をかぶった人文だと感じることを禁じ得ない。
まとめが記されたページ。最終章の末尾がよりまとまっている。
P.127 ブレイクスルー1のまとめ:操縦
P.208 ブレイクスルー2のまとめ:強化
P.310 ブレイクスルー3のまとめ:シミュレーション
P.386 ブレイクスルー4のまとめ:メンタライジング
P.479 ブレイクスルー5のまとめ:発話
どうでもいいことだが訳者あとがきがひかわ玲子みたいだなとか思った。 -
Posted by ブクログ
ギャンブル依存、スマホ依存など、やらなければいけないと分かっていても目の前の安易な快楽に流され、やらなければいけないと考えていることに費やす時間が無くなり先延ばしにしてしまう。
このような自分に何かヒントとなる解決法が書かれていないかと期待して本書を読み始めた。
自分の想像していたよりも重たい、ドラッグや性的指向など様々な中毒者と呼ぶべき人々の実態が書かれていた。海外の事例でもあり、自分の現実世界とは異なる映画の中のような世界観のように感じるが、同じ人間としてのリアルな実話である。
将来の自分がそうならないようにしたいと思わせる内容であった。そして、現実世界から逃げた先の一時的な快楽を求めるのではなく、世界の中に没入することで得られる癒しを追求していきたいと感じた。 -
Posted by ブクログ
科学的エビデンスを元にした脳内で起こっていることの解説書ではなく、精神科医である著者が臨床で得た解釈や気づきをメインとした本。アメリカのAAやそこで行われている12ステップについて説明が不足していたり、脳内機序の省略がすごいなとか、少し論理が飛躍してるなというところが気になってしまった。でも、著者がロマンス小説依存になってた話とか、快楽と苦痛のシーソーの話などは面白かった。運動は細胞には直接的な意味では毒となるが、適度な運動はもちろん身体には薬となる。またさらりとしか触れられていなかったが、低容量のナルトレキソン(オピオイド受容体遮断薬)が逆に痛みを緩和する話も興味深かった。しかし苦痛も行きすぎると依存症となる。冷水浴でそんなにたくさんの神経伝達物質が高まると知らなかったし、エクストリームスポーツもまた極限のストレスによりドーパミンどばどば状態になるのだ…。
こうした状態から回復するためには、運動やセルフバインディング、そして「徹底的な正直さ」と、他者とのあたたかい絆や回復のためのコミュニティ、そして高ドーパミン製品に逃避せずに人生や世界と向き合うことだと筆者は説く。むりなセルフバインディング等で依存から脱してもその先が孤独で「欠乏状態のマインドセット」でしか生きられない人生であるなら、結局は同じところに戻ってきてしまうのだ。この「十分状態のマインドセット」をもち、人とのあたたかい繋がりを持つのに必要なのが、「徹底的な正直さ」だというわけだ。 -
Posted by ブクログ
タイトルにある、なぜ家にいるのに家に帰りたがるのか?という質問に対する答えが1番知りたかったのだが、そしてその答えはなんとなくわかったようにも思うのだけど、それを知ってじゃあどうすればいいかについてはまだまだわからなく、未だもどかしい思いをしている…
でも、認知症だから仕方ないで片付けてしまうのはやはり良くなく、感情は残るのだということについて、もっともっと向き合わなきゃいけないんだな。
決して人格が変わってしまっているのではなく、伝えたいその思いをなかなか言葉に出来なくなってしまっているから、怒鳴るんだし、言葉も悪くなるんだな。
まぁ正面切って向き合ってくれているのはお袋なんだから、そのお袋にももっとフォローしてあげないといけない。ほんと、呑気に、仕事してるばかりじゃいけないよな。