恩蔵絢子のレビュー一覧

  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

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    想像の1000倍面白かった。びっくりした。
    あたたかくて優しくて、救いがある。
    社会人向けの道徳の教科書みたい。もしくは国語。

    感情労働をしている自覚があまり無い人にも是非読んでいただきたい。多分、気づかないうちにしてると思うから。

    抱きしめて生きたい言葉や学びが多くて、付箋とマーカーだらけになった。たまにパラパラ読み返そうと思う。

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    2026年09月23日
  • ドーパミン中毒(新潮新書)

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    ネタバレ

    【「好き」より「欲しい」】
    ・世界は物が足りない場所から、強い報酬刺激がありすぎる場所へ変わった。ドーパミンは報酬を得た快楽そのものよりも、報酬を求める動機、つまり「好き」より「欲しい」に深く関わる。動画やSNS、ゲームをもう一度見たい・続けたいという衝動も、この仕組みから捉えられる。

    【快楽と苦痛のシーソー】
    ・快楽と苦痛はシーソーのように働き、快楽側へ傾くと、脳はバランスを戻すために同じだけ苦痛側へ揺り戻す。刺激を繰り返すほど快楽を感じにくくなり、反対に苦痛には敏感になる。楽になるために快楽を求めているのに、長期的には退屈や不快感に耐えにくい状態をつくるという逆説が印象に残った。

    【不快感をすぐ消さない】
    ・人間は快楽の追求と苦痛の回避に熱心になりすぎた。退屈や不安を感じるたびに動画・SNS・ゲームで埋めるのではなく、その不快感をすぐには消さず、少し待ってみたい。高刺激な娯楽を完全に排除するのではなく、自分で距離を調整し、快楽を感じる力を取り戻すことが大切だと思う。

    【身体を動かして報酬を得る】
    ・適度な苦痛に身を置くと、その反動で快楽を感じやすくなる。運動は気分を前向きにするだけでなく、本来なら身体を動かして手に入れていた報酬を取り戻す方法でもある。ゲーム内のキャラクターを走らせたり跳ばせたりするだけでなく、自分の身体を実際に動かすことを意識したい。ただし苦痛も強く求めすぎれば、仕事依存など別の依存になり得る点には注意が必要。

    【正直さが親密さをつくる】
    ・人との親密さもドーパミンを生む報酬になる。高刺激な商品が他者との関係から得られる喜びの代わりになると、孤立や無感覚につながってしまう。自分の弱さや失敗を隠さず、正直に打ち明けることで、相手も心を開ける余地が生まれる。親密さをつくるのは完璧さではなく、互いの不完全さを認め、一緒に間違いを直そうとする意思なのだと思った。

    【今後の実践】
    ・動画・SNS・ゲームを無意識に続けず、退屈や不快感を少し味わう。刺激が欲しくなったら、運動など身体を使う行動へ置き換える。そして人間関係では、良い自分だけを見せようとせず、弱さや失敗も正直に話す。快楽を増やすより、快楽をきちんと感じられる状態を守りたい。

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    2026年09月20日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

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    自分や他者が感じることに敬意をもって、人と共鳴しながら、自分なりの感情労働を「人間」として楽しんでいきたい。

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    2026年09月15日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

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    仕事をしていて一番疲れるのは、「感情労働」かもしれない。そう感じるようになって久しい。
    中間管理職、女性ばかりの職場、年上部下… 置かれた環境に影響されるものもあれば、個人と個人の相性によるものもある。とにかく感情というものは全てをコントロールすることはできないし、自分のものも、相手のものも、掴めないことが多い。
    だからこそ、冒険をして、心震える体験を重ね、その時感じる感情を丁寧に認めて経験にしていく。そういうことでしか人間(自分自身も)を理解することはできないのだと感じた。

    心に残ったのは以下の部分。

    ・感情の第一の特徴は、初めてのこと、予想外のことが起こった時に一番動く、ということである。脳にとっては、経験の新しさこそが栄養なのだ。

    ・それがなんだかわかる前に、私たちの体がまず動く。この反応こそが感情であると現代の科学は言う。より正確には、身体の反応と、その身体の反応についての自覚とを区別して、それぞれ「情動」と「感情」という言葉が使われる。

    ・それぞれが別々の反応をすることが、人類の生き延びる戦略となっており、だからこそ個人差や文化差が大事なのである。
    感情は「正解がわかる前に、体を動かす力」「正解がなくとも、意思決定する力」だ。
    感情は新しい物事の到来を自分に知らせるものであると同時に、自分の価値判断であり、世界に対する今の自分の解釈を表すものである。

    【2つの感情労働】
    ・表層演技は、自分の本当に思っていることを抑えて、別の感情を表出すること。「感情の抑制」
    ・深層演技は自分が本当に感じたことはあるものの、状況や自分の考えを改めて見直すことによって、感情を書き換えること。「認知的再評価」
    (「忙しく迷惑な客」ではなく「恐怖の犠牲者」、「失礼な呼び方をする人」ではなく「呼び方を知らないだけの人」など)
    ・「認知的不協和」も感情書き換えの一つ。

    ・企業に合わせる場合だけではなく、プライベートでも、無理を続けることが自分への暴力となり、燃え尽き症候群になったり、他人への暴力として出てしまったりすることがある。

    ・他国の料理を目の前にした時、その国の出身者の前で顔を顰めたり悪口を言うことはない。気をつかう。ただし、料理を目にする前に「8桁の数字を覚えておくように」(負荷をかける)言われたグループは「こんなの食べられない」という感情を出す傾向にあった。別の認知の負荷のために、目の前の人に対する気遣いができず、気持ちをそのまま出してしまう。
    認知的負荷がかかっている時、感情抑制はしにくいということだ。仕事が忙しすぎたり、悩みがあったりすると、人に優しくすることはできない。自分に負荷がかかりすぎている時は、人よりもむしろ自分の方が大切にされるべきだと感じて、自分の要求ばかりを人に伝えてしまうこともある。自分で持てる以上の荷物をなるべく持たないことが大事で、人に優しくできなくなったらそれは、荷物を減らせというサインなのである。

    ・チームとしてさまざまな課題に対して高い成果を出すために、一番関係があったのは、そのチーム内に、人の気持ちにどれだけ敏感かという「社会的感受性」が高い人がいるかどうか。

    ・教訓はなんだろうか?
    「人と自分とを同じ存在だと考えないということが重要ということである。」共感と人間理解は異なっていて、本当に他人を理解するためには、むしろ他者と自分を切り離さなくてはならない。

    ・同じ気持ちになることで快を感じて「欲しい(ドーパミン)」の回路を回すことは、相手を自分の思い通りにコントロールすることにつながっているのであり、自分の感情のコントロールでもなければ、人を理解することでもないのである。
    依存関係に陥らず、本当に人間を理解するためには、自分の必要と、相手の必要は食い違って当然なのだから、共感した上で切り離すという大きな痛みを取らなくてはならない。

    ・意識は、意外なこと、自分が経験したことがないことが起こって、注意が必要になった時にだけ灯る電灯のようなもので、自分がどう行動したらいいかを明晰に考えさせるために存在するもの。

    ・どんなに優しい人であっても、どれだけ道徳的な人であっても、ある一つのことだけに注意を奪われている時や、目的の遂行に一生懸命になっている時や、急いでいる時は、他者がそれぞれに事情を持った「人」ではなく、ただ自分の目的の遂行を妨げる障害「物」に見えてくることがあると言われている。

    ・アメリカの社会学者ロバートKマートンが名づけた「自己充足的予言」によると、私たちは人から言われた根拠のない言葉に自然と自分を合わせていくという。
    親が「賢い子だ」「才能のある子だ」と子どもを扱っていると、子どもは賢くあろうとし、本当に賢くなっていったり、先生から「あなたはできるよ」と言われるとできてしまったりする。その逆も然り。

    ・東アジアは「集団の文化」で自分と他者を西洋の人々よりも繋がった存在であると見ており、自分自身の目標よりも、集団の目標を重んじる傾向にある。そのような文化ではどうしても集団に対する責任感が強くなり、自分が自分の目標達成のために「助けて」と口にするのは、集団にとって「迷惑になる」
    可能性があるから抵抗を感じる。他者が困っているときも、それは集団に対してその人がなんらかの悪いことをしたからだと類推するから、同情が薄くなる。(他人と自分を切り離さない人の方が、困った時に他人に冷たくなりやすい!)

    ・私たちは、人に迷惑をかけないようにとか常に他者を気遣い、自分よりも集団を優先することで、「感情労働をして疲れる」と言っているが、それで人に優しくなったというよりも、互いに「助けない」という、孤立の道を歩んでいるのかもしれないのである。

    ・基本的には、「こうでなくてはならない」ということで他人と関わるのではなく、もっとリラックスして、自分と他人に余裕を与える。自分と違う相手に本当に興味を持つということ。

    ・感情的知性の高い人は、他人や自分の感情によく気づくうえに、自分の機嫌を自分でとれる人だ。

    ・自分を知る時は、感動した時である。自分が何に感動するのか。感情が動いてみて初めて、自分のことがわかる。感動の一瞬だけは、自分のものだという気がする。

    ・人を本当に理解するのには、物事の因果関係を簡単に考えてはいけない。「そうではないかもひれないな」と判断を保留にしなくてはならない。感情は常に動かしていなければならない。その動いている感情を掴むにとどめ、型に入れないことが、感情的知性なのである。

    余談。
    視覚の錐体細胞は赤緑青の3種。嗅覚のレセプターは350種類。複雑すぎるため研究が遅れていたが、私たちの認識がどれだけ嗅覚に依存しているかはこれから分かってくる。
    →全てを把握することは不可能なのに、わかりきった世界を生きていると感じて、退屈を感じたりしている。
    全てがコントロールできると思い込むのは嘘。無理。どうなってしまうかわからないことは、心配して避けるのではなく、起こってしまった時に自分の感情の動きを感じ取ってみる。それが人間を理解することなのだ!!

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    2026年09月14日
  • 知性の未来―脳はいかに進化し、AIは何を変えるのか―

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    星4.5くらい
    AIと人間の差は何なのか?人間には簡単にできるけど、AIにできないのはなぜか?
    そんな疑問を突き詰めて、そもそも人間はどう進化してきたのか、その歴史を紐解いた。
    専門家ではないからこそのわかりやすい整理になっていると感じた

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    2026年08月13日
  • 脳科学者の母が、認知症になる 記憶を失うと、その人は“その人”でなくなるのか?

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     身近に認知症の人がいる人のための「心の処方箋」のような本。

     認知症が進行していく母を観察する「脳科学者」の視点と、母とともに過ごす「娘」の2つの視点が、淡々と綴られている。
    「その人らしさ」とは何か。
     著者は「その人らしさ」をかたちづくるのは認知的な要素だけではないことに気づいたという。

     身近な人が認知症になったら、とても心穏やかではいられなくなると思うけど、正しい知識を得て、「この人がこういう行動をとるのは、脳のこの部分の、こういう機能がこういう理由で弱くなるからだ」と思えたら、心の平穏を少し取り戻せるかもしれない。

     できないことを悲嘆するよりも、ちゃんとそこにある「その人らしさ」に目を向けられる方がいい。

    「理解力が衰えてなお、残っているものが、母が人生の中で大事にしてきたものではなかろうか?と、私は母という人を新しく知り直している」という言葉にとても感動した。
     今は、私には身近に認知症の人はいないけれど、いつかそういう時が来たら、その人との関係をそんな風に捉えなおせると良いなと思った。

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    2026年08月12日
  • 知性の未来―脳はいかに進化し、AIは何を変えるのか―

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    知的好奇心が満たされるという点において、今年一番の本と言い切れる内容でした。私のように人の心や感情はどうして生まれたのか、またそれらの能力は人間だけが科学を超えて手に入れたもの?なんて疑問を持っている人は、かなりの部分で仮定を含むものの謎解きがされていますので必読です。
    脳の進化の過程とその背景が人口知能AIの発展と密接に関連していることにも驚かされ、AIの見方が変わりました。人の脳とは同じではないですが、かなりの部分でそれを模倣し一部は脳を凌駕している点などAIのこれからの進化を想像する助けとなる内容がてんこ盛りです。
    人のココロとAIに興味がある人にはとても面白い本だと思います。
    それを1人で本にまとめた著者はスーパーマンだと思います。

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    2026年08月07日
  • 認知症の進行を早める生活、遅らせる習慣 ―認知症当事者・丹野智文と脳科学者・恩蔵絢子が本音で語る

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    母がよく認知症に怯えており、なにか認知症について新しい見方ができないかなーと思っていたときにたまたま見つけた1冊。すごく面白かった!
    もちろんこんな好事例ばかりではない世界なのだろうけれど、うまくやっているお二人のリアルな体験と思いに触れ、自分が当事者家族になったとて、当事者になったとて、なんとかなりそうな気がしてきた。認知症がひどくなる前に介護施設に入ろうと決めていた将来設計、あらためなければ。

    あと認知症に限らず、当事者どうしで話すことの大切さについても、なるほどなと思った。当事者だけの狭いコミュニティをなんとなく避けがちだったが、問題意識や前提知識が共通しているからこそ話せること分かり合えることがあるというのは確かにだなー

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    2026年08月02日
  • 脳科学者の母が、認知症になる 記憶を失うと、その人は“その人”でなくなるのか?

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    科学的根拠と体験談が組み合わさった良い作品だった。サイエンスが好きなので、このような脳科学の知識が得られるのはとても有益だった。また、アルツハイマーの方が感じていることを、健常者で例える場面も多く共感できる内容だった。
    とても面白かったです。

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    2026年07月15日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

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    20260716
    めちゃくちゃ面白かった!
    感情の取り扱いについてと、感情においての認知の仕方について学べました。

    人は間違った判断をするのではない。

    「感情が先に働き、その感情を正当化するように思考が組み立てられる」ということ。

    人は「事実」を見て判断しているのではなく、「感情が意味づけた世界」を見て判断している。だから、良い判断とは知識を増やすことではなく、自分の感情と思考を一歩引いて観察し、事実・解釈・本質を整理し直す力である

    ・認知的不協和 p58
    酸っぱい葡萄とは、「手に入らない現実」を受け入れる苦しさを減らすために、「本当は欲しかったものの価値を下げて考える」という認知的不協和の代表例です。

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    2026年07月16日
  • 知性の未来―脳はいかに進化し、AIは何を変えるのか―

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     脳が知性を直接記述することには、主体と客体が同一であることに起因するある種の心地悪さが付きまとう。果たして、脳が脳自身のやっていることを客観的に把握できるものだろうか…そのような自己言及の検証に不毛さが伴うことは避けられないだろう。しかし、今の我々にはAIがある。それを脳の鏡像として扱うことの是非は議論を俟たねばならないだろうが、都合の良いことに我々はAIが何をやっているのか理解はできるので(今の所は)、その働きを脳に当てはめて記述することは十分可能だし説得力もあるだろう。本書はそのような思想の下、AIと生物の脳の発達の歴史を紐解き、それぞれが現在のような能力を獲得するに至るまでに経過した飛躍点(ブレークスルー)を記述しながら、知性のリバースエンジニアリングを試みる本。

     面白いのは、脳やAIの機能が進化していくにつれ、それが全体として単一の「格」として機能を獲得するのではなく、脳の各部位がいったん別々の機能を担い、それぞれがお互いの機能を牽制したり調整したりして新たなブレークスルーを生み出してきたように思えるところだ。 

     例えば、線虫が持つ正の情動価に興奮するニューロンは、別の神経調節性ニューロンがチューニングしている。また、情動価に対し反射的に反応する視床下部という「批評者」を満足させるべく、大脳基底核は「行為者」としてドーパミン放出を最大化させる行動をとる。モデルフリーである感覚野が想像しシミュレートした選択肢を、自己モデルを持つaPFC(無顆粒前頭前野)が大脳基底核に提示し、最も大脳基底核が興奮する行動を選択するよう仕向けることで、aPFCは大脳基底核を代理的に訓練する。霊長類が発達させたgPFC(顆粒前頭前野)は自らの心をモデル化し、それを他者や未来の自分に投影して将来予測に役立てる…。

     これらの例はいずれも脳のある部分がモジュールとして機能し、そこからフィードを受ける他の部分がそのモジュールの振る舞いを解釈した上でフィードバックするという、脳の多極的かつ動的な構造を示している。しかも、それぞれのモジュールは本書が「ブレークスルー」と表現する生物進化上の脳のアチーヴメントでありそれ自体奇跡的と言えるほど完成度の高いシステムなのだが、それをさらにメタ的に俯瞰し全く次元の異なる価値に繋がる視座を、脳は進化の過程で絶え間なく獲得し続けてきたのだ。そしてこの驚くべき自律的なプロセスが、強化学習や生成AIなどの発展の過程と全く相似形をなしている、というのが本書の提示する極めて興味深い視座である。

     考えてみればこの「完成度の高いシステムをメタ的な視点で捉え直し、さらに良いものを目指す」というのは我々が常日頃から行なっていることでもある(昨日のサッカーの試合での俺のプレーはどうだった?業務フローに抜けている点はないか?)。そうだとすれば、AIのような現時点での最高到達点と言える技術がそれと同様のプロセスを経て出来上がったのも決して驚くに値するものではないのかもしれない。そして、AIも我々が作り上げたモジュールの一つでしかないことに鑑みれば、いずれその一次上のメタ的なモジュール(それが何なのか全く理解を超えるが)の発生を待たねば新たなブレークスルーを獲得することはできなくなる地平が、やがて到来するのだろう。

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    2026年07月05日
  • ドーパミン中毒(新潮新書)

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    最初の章のエピソードが強烈かつ面白すぎて、読み進める手が止まらなかったです。そんな自分に気付き、「これがドーパミン中毒ってことなんだろうな…」と思いました。笑

    やる気を起こさせるために必要な物質でありながらも、コントロールできなくなると難しい脳内物質でもあります。薬物による治療の難しさも丁寧に書いてあります。依存からの脱出では「正直であること」が重要とのこと。
    インパクトがあって扇情的な装丁ですが、内容は真面目なので読んでみてください。

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    2026年06月29日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

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    サービス業に関する話しかと思ったら違っていた。
    しかし、ペンを持ちながらでないと読めないほど、学術的な書籍で良本であると思った。
    自分が他者に向ける感情について、SNSについて、AIについて、感情という視点から問題提議しているのが新鮮であった。
    中身はまたあとでまとめたい

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    2026年06月05日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

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    感情労働という聞き慣れない言葉に惹かれて読んでみた。

    AIやSNSに翻弄される現代で、感情というものを脳科学、認知科学から解説していて非常に面白かった。
    特に印象的だったのは、「感情的知性を自分にも発揮する」というもので、なにかと’指摘したも者勝ち’になりがちな現代社会において、敢えてそれを見なかったことにする良さについて、この角度から切り込んで話しているのはとても面白いと感じた。

    この筆者自身のエピソードが語られている場面はそう多くはなかったが、それでも全体を通して、この筆者はとてもやさしい人なのではないかという印象を受けた。

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    2026年05月16日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

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    ネタバレ

    本書を通して、私は「感情との向き合い方」や「人との関係性」について深く考えるきっかけを得ました。特に印象に残ったのは、「感情は初めての時に一番動く」という考え方です。この言葉から、自分が新しいことや冒険を好む理由に気づきました。未知の体験に触れることで感情が大きく動き、それが自分にとっての喜びや充実感につながっているのだと理解できました。

    また、人間関係においては、依存と愛の違いについての指摘が強く心に残りました。関係が深くなるにつれて、自分のやりたいことを我慢して相手に合わせてしまったり、自分の時間を持つことに罪悪感を抱いたりすることがあります。しかし、そのような状態は相手のためであるように見えて、実は自分自身を苦しめ、やがて関係そのものを歪めてしまう可能性があります。本書は、依存ではなく「相手を自由にすること」が愛であると述べており、この考え方は非常に納得できるものでした。

    私は以前の恋愛において、自分に余裕がなく、無理を重ねて疲れてしまった経験があります。しかし別れた後、家族や友人がただ寄り添い、話を聞いてくれたことで心が救われました。この体験は、本書で述べられている「安全基地」の重要性と一致しています。信頼できる人がいることで、人は安心して新しいことに挑戦できるのだと実感しました。

    さらに、自分の感情を俯瞰し、「自分が常に正しいわけではない」と気づくことの大切さについても学びました。感情はコントロールするのではなく、気づくことで整えることができます。この視点は、実際に自分が行った感情整理のワークとも重なり、感情とより健全に向き合う手がかりとなりました。

    本書を通して、私は「自分を大切にしながら他者と関わること」の重要性を学びました。これからは、自分の気持ちを無理に抑えるのではなく、適切に気づき、バランスを取りながら人との関係を築いていきたいと思います。

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    2026年05月04日
  • 知性の未来―脳はいかに進化し、AIは何を変えるのか―

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    知性について、脳機能の生物的発展とAIの発展とを比較しながら記述。
    まず生命が生まれ、生き残るためにエネルギーのある方向に向かう能力ができ進化した。この〇×を予測する体内化学物質がドーパミンで、これに引っ張られる。ここに時間の疑念ができて大脳基底核で指示を調整する。
    脳内でシミュレーションができるようになってきたのは脊椎動物と思われる。霊長類では、心の理論が生まれている。人間は言語を生むことで、心の理論と泡さて、社会的、時間的な進化を続けることができるようになった。そして今aiの時代を迎えて、能力の制限が取っ払われて、進化する時代になった。超知能がその答えか、あるいはそれもどのようなものであるかはわからないが、価値に重きを人間としては置かないといけないだろう。

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    2026年04月16日
  • 知性の未来―脳はいかに進化し、AIは何を変えるのか―

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    原題は「知性の歴史」であり、知性がどのように進化し、AIの進化とどう関連していくかを統合した本。AIについて考察するのに有意義な視点を得られる。また、脳の進化についてもわかりやすく整理されている。

    脳の進化について、これまで以下の5つのブレイクスルーがあり、今6つめのブレイクスルーが起こりつつあるとしている。
    ブレイクスルー1:操縦(左右相称動物)
    ブレイクスルー2:強化(脊椎動物)
    ブレイクスルー3:シミュレーション(哺乳類)
    ブレイクスルー4:メンタライジング(霊長類)
    ブレイクスルー5:発話(ヒト)
    (ブレイクスルー6については具体的な予想は行っていないが、人口超知能である可能性が高いと述べている)

    それぞれの段階に対応したAIの概念(強化学習、生成モデル、…)も説明されており、AIについての理解を深めるうえでも有用だった。

    【原題】
    A BRIEF HISTORY OF INTELLIGENCE
    【目次】
    人間の脳の解剖学基礎
    私たちの進化系統
    はじめに

    第一章 脳以前の世界

    ブレイクスルー1
    「操縦」
    左右相称動物の登場
    第二章 善悪の誕生
    第三章 情動の起源
    第四章 連合と予測、すなわち学習の夜明け

    ブレイクスルー2
    「強化」
    脊椎動物の登場
    第五章 カンブリア爆発
    第六章 時間差分学習の進化
    第七章 パターン認識という問題
    第八章 なぜ生命は好奇心を持つようになったか
    第九章 世界の最初のモデル

    ブレイクスルー3
    「シミュレーション」
    哺乳類の登場
    第十章 神経の暗黒時代
    第十一章 生成モデルと新皮質の謎
    第十二章 イマジナリウムの中のネズミたち
    第十三章 モデルベース強化学習
    第十四章 食器洗いロボットをつくる秘訣

    ブレイクスルー4
    「メンタライジング」
    霊長類の登場
    第十五章 政治的手腕という軍拡競争
    第十六章 他者の心をモデル化する方法
    第十七章 猿のハンマーと自動運転車
    第十八章 ラットはなぜ食料品を買いに行けないのか

    ブレイクスルー5
    「発話」
    人間の登場
    第十九章 人間独自のものの探求
    第二十章 脳の中の言語
    第二十一章 パーフェクト・ストーム
    第二十二章 ChatGPTと心への窓

    [結論]ブレイクスルー6

    謝辞
    訳者あとがき

    イラスト、写真、図版クレジット
    参考文献
    原註
    用語集

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    2026年04月04日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    感情というものに対して知らなかったことが多く書いてあり、今後の人生でどのように向き合えばよいかの指針になった。
    真面目な内容なのにどこか文体が柔らかく、不思議な読みやすさがあった。

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    2026年03月22日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    感情労働の社会学的発見の歴史から、脳科学による分析、SNS等の昨今の社会情勢と我々の関係性と解明とポピュラーサイエンス的な部分もありつつ、身近なテーマとして触れてみるべき人も多いように思う。専門の脳科学まわりの未見の研究成果の紹介などもありつつ、総合的な視点でテーマを調理する趣で読み口は軽い。
    再読したい。

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    2026年03月21日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    イヤードックが止まらない
    特に第5章のSNS、第6章の感情労働の未来は何度も読み返した。なんでこんなに自分が疲れているのか、ひとつの答えをもらった気がした。
    この「気付き」がとても重要なんだろう

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    2026年03月01日