恩蔵絢子のレビュー一覧

  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アメリカ人のフィニアスゲージ氏が左側の前頭葉特に前頭癌科皮質と呼ばれる領域に傷がつき、命は助かったが、事故後とても移り気で忍耐力がなく、簡単にイライラして他人に失礼なものをするようになった。

    脳の物理的な変化が感情や人格に影響を与えることは示された最初の例である。

    前頭癌科皮質は身体の反応と関係していて、意思決定に重要な役割果たしていることが明らかになった。

    一般的な人と損傷のある人との違いは感情的な写真を見せられた時に、瞬時に冷や汗をかくか書かないかであった。

    彼が事故で被ったのは知的能力の問題ではなくて、身体の反応であり、感情の問題だった。

    ゲージ氏は道徳の源は感情であり、感情がなければ人間は道徳的には振るまえないという可能性を示唆した。また、道徳的判断だけではなくて、次は何をしようかという、日常の小さな意思決定も苦手になっていた。

    感情、すなわち、身体の反応が私たちの意思決定には必要なのではないか?

    この仮説はソーマティックマーカー仮説と名付けられている。

    0
    2026年09月13日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    小難しい話では無いので読みやすかった。脳科学から感情労働に焦点を当てている本だが、生活に役立ちそうな知見が多いと思った。科学的な分析なので、下手な自己啓発本より信頼できそうな文言が多くて学びになった。

    0
    2026年09月11日
  • ドーパミン中毒(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    単なるドーパミン中毒の症例集ではなく、あくまで患者や著者自身の実体験として書かれている点に強く惹かれた。

    誰しもがスマホ中毒と言える現代だからこそ、読む価値がある一冊。

    0
    2026年08月30日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    脳研究などの知見をまとめたライフハック的な本をこの前に読んでいたため、もともとの研究の意図など本来の部分をこちらの本で確認することができ、相互補完的な形で興味深く読めた。言葉は高度な知的作業として最後にうまれるものなので、その前段としての身体性を無視することで歪みが生じているというのは納得することが多い。当初の相手に共感しすぎてしまうことによる感情労働の問題から、SNSを発端とする、身体と言葉を切り分けかえって自己をなく、モノ化してしまうような事象、AIとの共存の仕方など、著者の考えエッセイ的なものも含まれるので、読みやすく、科学者と哲学書の融合のような印象を持った。もう一度読み返して腹に落としたい

    0
    2026年08月18日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    この「感情労働」ということばがどうもひっかかる。
    肉体労働の対比で、感情を使うことがお金になる、ということのようだが、
    なんだかぴんとこない。
    しかし、この本の中身は興味深いこと満載。
    AIには感情はないとか、
    SNSでいいねをもらうことに感情を動かされるとか、
    ZOOMで講演すると出張しなくていいが、相手の思い、情熱がわからないとか、、
    興味深いんだけど、全体として何が言いたいのかはわからなかった。

    感情があるから人間なんだ、ということなのかな。

    あ、元に戻って感情で稼ぐ、、
    脳はフル回転だな。


    はじめに 感情労働に疲れきった人たちへ

    1 感情を脳科学から考える
    感情とは何か?
    感情が動いた出来事は、鮮やかに覚えている
    初めてのことには、脳の全てが本気になる
    感情の二つの経路
    意思決定は感情が行う
    道徳的判断は、理性ではなく感情が司る?
    感情は頼れる一つの生き物

    2 感情労働のはじまり
    感情が商品になる時
    金の取り立ても感情労働
    表層演技と深層演技
    感情の抑制と認知的再評価
    脳は無意識のうちに他者に合わせる?
    感情労働と感情作業は、同じ脳活動

    3 脳はどのようにして人の心を理解するのか?
    人の気持ちを考えて、自分の感情を表出する
    AIは感情労働が苦手?
    AIエフェクトと言語
    感情労働の能力が高い人がいるチームは、成果をあげる
    集団的知性――トランザクティブ・メモリー(交換記憶)
    集団的知性を築く――インストルメンタル・コンバージェンス(道具的目標収束)
    「共感する」だけでは、人を理解できない
    「好き」を扱う脳の回路と「欲しい」を扱う脳の回路

    4 脳の進化と感情労働
    脳は、外套をかけるための釘?
    脳は、意識にのぼらせる情報を極力絞り込んでいる
    アテンション・エコノミー
    人間の脳の中で最後に発達する、人の心を理解する「社会脳」
    言語だけで人の心は理解できる?
    人間の脳の大きさは、人付き合いのために進化した
    ChatGPTは、他者の心を推測できる?
    人間の言語は、身体の感覚情報から生まれる
    大規模言語モデルと人間

    5 SNSは、感情労働の最前線?
    見えにくい心を見えるように「加工する」
    SNSの脳への影響
    思春期は、脳の成長の過渡期
    大人とSNS
    噓に投資する脳
    脳は、現実とフィクションをどのように区別するか?
    ヴァーチャル――噓・本当を超えて、私たちに作用するもの
    なぜ脳は、フィクションを必要とするか?
    モノ化する自己
    日本人は他者を「助けない」

    6 未来の感情労働
    あなたは感情的知性が高い?――33の自己チェック
    感情の欠点
    大脳新皮質が感情の手入れをする
    「気づき」が最も重要
    感情的知性を、自分にも発揮する
    自分の無意識の一部を把握できると、人は幸福になる
    感情表現と認知的柔軟性を高める
    IQからEQへ
    おわりに 感情労働の豊かな可能性

    あとがき

    0
    2026年08月14日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    題名から感情労働について理解するために読んだが、著者は感情労働と感情作業を同じものとして説明している。本書は感情作業から感情と認知機能の関係から説明し、現在のAIの説明から認知機能(大規模言語プログラム)の進展より、言語によって感情が表されている幻想について説明。ただ感情についてはまだ十分に解明されていないところがあり、その意味ではAIは人間を超えるのは現時点では不可能だろう。話は戻るが、感情労働は、そのようにコントロールできない感情を企業がコントロールすることによる個人の精神的ストレスについての言及は弱く、題名としてどうかとは思った。

    0
    2026年08月09日
  • ドーパミン中毒(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    "正直であることは自覚を促し、満足のいく人間関係を作らせ、確かな自分史を語る責任を持たせ、報酬を遅らせる能力を高める"
    快楽と苦痛は表裏一体、運動や自傷がまさにそう。
    依存先と自分のあいだに壁を作る。

    読みやすく、ひとつひとつ納得しながら読めました。

    0
    2026年08月08日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    4年も書き続けた著書とは思えない、リアルタイムに感じられるおもしろい内容だったし色々詰まってた。
    SNSにこんなに支配されてて大丈夫?
    AIと会話する現代人、でもこれって未来ニンゲンみたいになるの?AIにできないことって?ってぼんやり考えていたけど
    そういう内容が書かれてて勉強になった
    必要ない会話(いわゆる雑談)こそがだいじなのかも

    0
    2026年08月02日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    メタな感想ではあるけれど、科学は人に気づきを与えるものだなあと思った。本の中でも触れられていたが、気づきがあることで人間にはあらゆる可能性が広がっていく。思えば実用書を読むようになったのも、とある自己啓発本が自分の悩みに対して気付きを与えてくれたことがキッカケだったように思う。

    著者自身がはっとしたという、あとがきの一節。「最近、必要な言葉以外を使っていますか?」現在進行系で子育てに向き合う自分にとって、いつまでも記憶に留めておきたい言葉だ。

    0
    2026年08月02日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    肉体労働、知的労働の次に来る感情労働。脳科学の視点や、自身の介護経験の両面から、わかりやすくかつ説得力がある内容になっている。

    0
    2026年07月27日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    今、自分の感情がどこにあるのかわからない。
    そんなもやもやが続いていたとき、ふっとこの本が目に入った。

    感情労働なんて聞いたことなかった。
    でも自分の中に自分がいない。私だけの自分になれる時間がない。
    そう思っていたので、感情労働とは…と読んでいくと、私の日常は多くを感情労働に費やしていたんだと気づいた。

    子育ての参考書として手にしたわけではなかったが、脳の仕組みを理解するうえでは子どもの脳の発達についての理解は必要だったようだ。
    我が子も発達の真っ最中。
    もっと早くこの本を読んでいたら、もう少し優しく接することができたんじゃないかと悔やんでいる。

    感情労働に子どもの脳の発達、生成AIがあふれる社会での生き方。
    今気になっていることがたくさん詰め込まれていた。
    新しい知識を教えてくれる本というより、なぜか温かく心に優しい本だった。
    著者の人柄だろうか。
    また本に許してもらったような気がした。


    まだ心のもやもやは消えてないけれど、もやもや整理の1歩目になったかな。

    0
    2026年06月15日
  • ドーパミン中毒(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    やめたくてもやめられない事があったので、読んでみた。

    まさしく、本書の通り苦痛から逃れる為に手を出したて得られた快楽が、結果的に依存症となっている。
    じゃぁ、それをどう断ち切るのか。

    それは苦痛から逃れるのではなく、むしろどっぷりその苦痛に浸り、向き合う事。
    そうする事で依存以外のことでもしっかり喜び、幸せを感じられるようになるとのこと。

    これを苦痛と快楽のシーソーとの呼び、生物学的なメカニズムも交えて解説している。

    0
    2026年05月31日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    脳科学に関する本だったため専門用語や難しい内容も多かったが、同じテーマが繰り返し説明されていたので、理解しながら読み進めることができた。読後には、脳を含む人間そのものや宇宙には、まだ解明されていない可能性や新しい発見の余地が数多く残されているのだと強く感じた。

    また、「どんなものにも長所と短所がある」という視点が印象に残った。特に興味深かったのは、人工知能に「できるだけ沢山のクリップを作って」と命令した場合、その目的を最優先にし続け、人類が邪魔になると判断すれば排除してしまうかもしれない、という例だった。命令に忠実であることが危険にもなり得るという話は衝撃的で、人工知能との向き合い方について深く考えさせられた。

    難しい内容ながらも、科学や未来について考えるきっかけを与えてくれる一冊だった。

    0
    2026年06月17日
  • ドーパミン中毒(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    SNS依存になりかけ、これはやばいと焦って手に取った本。彼女自身も中毒に陥った経験があるからこそのリアルな中毒症状とそして世の中にはありとあらゆる中毒があるんだと思わされる。そしてそれらには糸も簡単に私たちは落ち着いてしまうと言うこと。そしてそれらに対してセルフバインド力、自分をはなし、どのように距離を取るかについて具体的な対策が書かれている点がかなりありがたい。そしてドパミンと言うのは、不快の感情も多く、天秤のようにドーパミンが消えると深い感情の方が強くなり、快楽を感じる体制がついてしまい、量がどんどん多くなると言うのも納得。本当に困った仕組みだ。、、、

    0
    2026年04月27日
  • 知性の未来―脳はいかに進化し、AIは何を変えるのか―

    Posted by ブクログ

    【1:新皮質の基本構造と共通アルゴリズム】
    ・新皮質はどこを切り取っても「同じ6層構造のカラム」で構成されている。
    ・場所によって「入力(感覚)」か「出力(行動)」かの比重が異なるため、層の厚みに違いが出る。
    ・感覚野:入力層である第4層が発達。
    ・前頭葉:出力がメインのため第4層が縮小しているが、情報の処理回路自体は共通。
    【2:生物の進化と時間差分(TD)予測】
    ・生物は脳内に「行為者(アクター)」と「批評者(クリティック)」を持つことで進化した。
    ・批評者が「将来の報酬(ドーパミン)」を時間差で予測し、行動を修正するモデル。
    ・この仕組みを応用したのが「TDバックギャモン」であり、自己対戦を通じて人間を超える戦略を自ら編み出した。
    【3:現在のAIが直面している壁(チョークポイント)】
    ・現在のAIは統計的なパターン認識(生成モデル)で進化したが、「世界モデル」を構築できていない。
    ・脳は「基準枠(リファレンスフレーム)」の中に物体の構造や物理法則を配置して理解する。
    ・「動き(センサーの移動)」を伴う学習が欠けていることが、AIが真の知能に至るための課題となっている。
    【4:古い脳と新しい脳の葛藤、社会構造】
    ・古い脳(本能):霊長類のルーツとして「階層構造(上下関係)」を求める。
    ・新しい脳(新皮質):教育や文化を通じて「平等」などの抽象的な概念モデルを構築する。
    ・学校教育で教える「平等」は、生物学的本能(不平等な階層構造)と矛盾する場合がある。
    ・幼児期に過酷な階層がない理由:階層を作るには「社会的な基準枠」を長期保存する高度な脳の成熟が必要なため。
    【5:内的シミュレーションと教養の価値】
    ・顆粒前頭前野(gPFC)は、自分自身に関する内的シミュレーションを行っている。
    ・他者を理解する際、脳はこの「自己シミュレーション」を他者に投影して利用する。
    ・教養とは「視点の多さ」であり、それは「内的シミュレーションのバリエーションを増やすこと」に他ならない。
    ・多様な基準枠を持つことは、結果として他者理解の幅を広げること(理に叶った知性)に繋がる。

    0
    2026年04月22日
  • 脳科学者の母が、認知症になる 記憶を失うと、その人は“その人”でなくなるのか?

    Posted by ブクログ

    母が認知症になったかも、まさに今その状態で、少しでも認知症の事を知りたくて読んでみた。

    さっき口にした物をこれ何かなと聞いたり、どこに何がしまってあるか忘れたりしているけれど、会いに行った日には、今日は来てくれてありがとうね。と言って帰り際握手してくる。この行動がまさにうちの母らしさだな思う。
    これから困る事も多くなるだろうけど、大変な事ばかりじゃないかもと少し気持ちが軽くなった。

    0
    2026年04月16日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    "言語と身体をかつてなく切り離した現代人は、見えにくい人の心を理解するという方向で苦労するかわりに、見えにくい心を誰からも見えやすいように加工するという苦労を選んでいる"

    とてもいい本でした

    0
    2026年04月11日
  • 感情労働の未来 脳はなぜ他者の“見えない心”を推しはかるのか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    AIの発達によって知能や肉体を使った労働がAIに取って代わられるようになってきた。一方で感情労働と言われる看護師や介護士、保育士や教員などの働き方に目が向けられてきている。常識や一般論で判断するのではなく、その苦しんでいる本人さえも気付けていない感情に寄り添えるようになりたい。

    0
    2026年04月09日
  • ドーパミン中毒(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    息子へ

    PIVOT(YouTube)に著者のインタビュー動画が出ていたので読んでみた。

    ドーパミンが出て、いろんなことにこだわってしまう人間の習性について学べた。

    一番のTake Awayは、快楽と苦痛は、シーソーの関係にある。つまり強い快楽にハマったあとには、強い苦痛がくる。つまりはメンタルが安定しない。

    そこで、著者が勧めるのは、定期的に小さい苦痛を生活に取り込むこと。それにより、程よい幸福感を継続して感じることができる。

    ランニング、筋トレ、冷水シャワーを、その意味で、自分の生活に取り込んでいきたい。

    君もなんだか気持ちが不安定なときは小さい苦痛の習慣を日常に取り込んで欲しい。メンタルの安定は、体に対するアクションでしか得られないと思う。

    0
    2026年03月22日
  • ドーパミン中毒(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    正直になることが親密さを深めるきっかけになるということが印象的だった。
    自分を良く見せたり、小さな嘘を付くべきではない。
    間違いをおかしたことを認めて、相手が間違いをおかした不完全な自分を受け入れてくれたと感じた時、関係性がグッと深くなる。

    ※男性の性的な描写が多く具体的なため、少し気分が悪く感じる部分もありました。そういうのが苦手な方にはおすすめしません。

    0
    2026年02月20日