下川裕治のレビュー一覧
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ネタバレ・元祖バックパッカーの著者だからか、インドの章が一番生き生きとしてるように感じた。車内の密度や香辛料の香りが伝わってきた。ビザ代を払うための両替でビザがないから両替できない堂々巡りがおかしかった。
・インドやロシアといった輸送手段としての鉄道の方が食べ物が美味しそう。ロシアの松ヤニ風味ガムを食べてみたい。一方、展望席のあるカナダ、アメリカの食事はなかなか辛そう。
・飛行機と車の国アメリカだが、肥満で鉄道を使うしかない人も一定数いる。
・リクライニングでなく、二席分使って“腰を伸ばしたい”著者のこだわりに笑った。
・途中に挟まれる写真が抜群に良い。阿部カメラマンお疲れ様でした。 -
購入済み
現実を知るのに是非お勧め
NHKあたりで東南アジア報道といえば、タイの無難なところを中心に当たり障りのないシーンが続くようだが、ここでかかれているような実態はなかなか報道されない。多くの日本人に知ってほしい苛烈な現実のようだ。
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30年前に行った12万円の外国旅行を再現するという企画だが、プロローグに週刊朝日のデキゴトロジーというコラムのことが書かれていて驚いた。実は結構好きだった。そうなると、当時、「12万円で世界を歩く」もリアルタイムで読んでいたのかもしれない。覚えていないが。
30年の間のインフレにも関わらず、LCCの登場で、当時よりも安く早く旅ができてしまうというのは驚きだ。他方、当時と同じコースをたどろうとすると、定期バス路線の衰退などでかえって難しいというのもまた驚きだ。
本書では、赤道編、ヒマラヤ編、アメリカ編の後に、バングラデシュに住んでみるというちょっと毛色の変わった企画が載っているが、これが一番面白かった。ひたすら目標に向けて歩みを進めるという旅と違って、現地の人との交流があったりして落ち着く。また、ヒマラヤ編も興味をそそられた。この目でアンナプルナを見てみたい。 -
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夏の北アルプス、吹雪の日本海、里山の無人駅―超ローカル線の車窓をぼーっと眺め、昭和の名残漂う駅前旅館に泊まる旅。JR地方交通線「身延線・大糸線」「水郡線・只見線」「日田彦山線・久大本線・豊肥本線・肥薩線」「鳴門線・牟岐線・徳島線・予土線・内子線」「陸羽東線・陸羽西線・五能線・津軽線」「留萌本線・宗谷本線」のほか、台湾・韓国のローカル線と駅前宿の旅コラムも収録。(表紙裏)
海外紀行作家・下川祐治さんの、珍しい日本紀行文。
シリーズのように読んでいた貧乏旅行と違い、制約があまりないので、いつもの七転八倒するような面白さは薄い。
じゃあ何が良いんだっていうと、ローカル線を乗り継いでご当地の旅館(駅前旅館?)に泊まるっていう行程がもう羨ましくて羨ましくて。
そこは勿論ローカル線だから、『何もない』辛さも繰り返し出てくるんだけど、それでも文庫本片手に…という妄想が噴出してしまう。 -
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ネタバレ下川も書いているようにベトナムとは一筋縄では対応できない。矛盾する面を持っている。親切かと思ったらぼったくるのも日常的。社会主義の厳格さを示しているその側から商人の顔を持っている。特に第4章の「フランシーヌの場合」世代の迷走。には考えさえられた。彼と同年代なので彼が何を言いたいのかが理解できる。ぼくもベトナム戦争については未だに総括ができていない。
この本は別の意味で忘れられない本でもある。ベトナムのラオカイから中国の河口に日帰り旅行した。その帰りベトナム側で入国を拒否された。今だにその本当の理由は解らないのだが、要は出国したら再入国するときはビザが必要だと言うのだ。英語もベトナム語も中国語も話せないので困った。泣きそうになった。結局85$を払ってビザを入手したのだが、その手続きの間不安で不安で仕方なかった。その時に持っていたのがこの本だ。不安を解消する為に、何度も同じところを読んでいた。ただベトナムは一筋縄では対応できないと思いながら字面だけ追っていた。2時間後無事ベトナムに再入国できた。 -
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ネタバレアジア格安旅行でお馴染の、下川さんの、国内旅行の本。
出版は新しく、ごく最近である。
…にもかかわらず漂う、昭和のかほり。
この本の旅のこだわりは、まずは各駅停車の旅。
特急や、リゾート列車などの、オサレなものには乗らない。
宿泊は、作者が思う、いわゆる『駅前旅館』に限る。
“温泉旅館”や、“ビジネスホテル”は対象外なのだ。
映画の寅さんが利用するような宿。
その時代の行商の人などが(唐草模様の風呂敷背負って?)利用するような宿。
そういう宿を探すのにも苦労したらしい。
まず一つには、ホームページが無いから。
だいたいが、老女一人で運営しているから、サイトなどは作れない。
中には、もう食事の用意はできないので素泊まりで、というところもある。
元気なおかみさんが運営する宿は、他人行儀な旅館とは趣が異なり、“下宿”の雰囲気。
『銀河鉄道999』のような列車で、なんというか、タイムスリップの旅のよう。
きっと面倒くさいのだろうが、現実逃避できそうで憧れる。
こういった路線がかろうじて残っているのは、高校生の通学のためだという。
朝晩だけでも列車を走られれば、彼らは遠くの高校に通うことが出来る。
でも、高校を卒業したら、都会に出てしまう人も多いのだろうなあ…
日本は、都会だけに人が住み、あとは荒野になってしまうのだろうか…
いろいろ考えさせられた。
ところどころはさまれる、韓国や台湾の旅行記…
日本の地方交通線から連想できる旅、ということらしいけれど、アジアの旅はなんとなく陽性。
比して、日本の旅は、冬の演歌のイメージである。
四国の旅も書かれていたが、印象に残るのは、北国の厳しい冬の旅…
こんな旅の本が書けるのは、下川さんしかいないなあ~
と思ってしまう。 -
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まず、タイトルが素晴らしい。本書は、日本を出て、アジア(沖縄を含む)諸国で暮らしている日本人の生の声を取材したノンフィクション。成功した人を取り上げていないという著者の視点も共感できる。生きづらい日本を出ても、決して楽になったわけではなく、現地で苦労しながらも自分らしく生活している人々の思いが詰まっている。
実際、日本は生きづらいと感じている人は少なくないと思う。私もその一人だ。周りの空気を読み、人と同調し、みんなと同じように考え、同じ行動を取ることが良しとされる風潮の日本。大学を出て、仕事に就いて、結婚して、子供をもうけ、定年まで働く。そのパターンにはまらない人にとっては「生きづらい」。それでも、私はここで頑張るつもりだけれど、生きづらい日本を出て、他国で頑張っている人も応援したい。
日本に生きづらさを感じている人にとっては、本書は心に響くものがあるのではと思う。