下川裕治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔々の話かと思ったら2010年執筆と意外と最近の旅行記。ソビエト時代の色がまだまだ濃い地方の電車旅に始まり、中国の国家権力のアクが強い鉄道旅、そしてまた中央アジアのオスマン帝国時代からの軋轢を引きずる歴史旅、そして近代国家を目指さんとする西洋に近づいていく旅。
途中一旦帰国して再出発したら、乗るはずだった運行便が無くなってたり国境越えでおじさんがオシッコに困る話があったり、極め付けは最後にまだもうちょい鉄道旅できたなぁ〜みたいな悔しさがなんとも苦い。
どこか筆者の書き付け感漂よう本。劣悪な宿泊環境に耐えたり、粗食続きの旅に耐えたり、横柄な言葉もわからない駅員や車掌とのやりとりに耐えたり、ものす -
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Posted by ブクログ
少し読みづらいようにも思いましたが、全体的には楽しく読めました。
香港の宿のエレベーターの話が面白かったです。現地の人々の生活にどっぷりと浸かって、現地の食堂などにチャレンジされており一般の日本の観光客が体験していないことを体験していると思いました。
何度も現地に足を運んでおり、その時々で香港•マカオが変化していることを感じました。中国への返還の時の様子や政治状況にも触れており、こんな感じだったんだなと感慨深く思いました。
マカオも観光客向けに造られた街だと思いました。
観光でマカオを訪れた時、ベネチアンホテルの空の色が不思議に印象的だったことを思い出しました。
マカオのカジノ景気は凄いと思う -
Posted by ブクログ
著者は1954年生まれの旅行作家。主にアジア・沖縄をフィールドにバックパッカースタイルでの旅を書き続けている。だが、コロナ禍で海外に出る回数が激減、2023年夏、ようやく旅を再開、国内を歩いた。
本書はその記録である。 花巻のデパート大食堂、ディーゼル車キハ40系が走る小湊鉄道、吉田拓郎の歌で有名な苫小牧発仙台行きフェリー、高尾山登山、路線バス旅などシニアのひとり旅ならではの味わい深い内容になっている。
同年代の自分としては、時代を遡ってノスタルジーに耽りながら読めるところに魅力を感じた。
最後に紹介されている小豆島に辿り着いた俳人・尾崎放哉が酒に溺れ、寺男になったのが山頭火とダブるところも