【感想・ネタバレ】一両列車のゆるり旅のレビュー

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Posted by ブクログ

夏の北アルプス、吹雪の日本海、里山の無人駅―超ローカル線の車窓をぼーっと眺め、昭和の名残漂う駅前旅館に泊まる旅。JR地方交通線「身延線・大糸線」「水郡線・只見線」「日田彦山線・久大本線・豊肥本線・肥薩線」「鳴門線・牟岐線・徳島線・予土線・内子線」「陸羽東線・陸羽西線・五能線・津軽線」「留萌本線・宗谷本線」のほか、台湾・韓国のローカル線と駅前宿の旅コラムも収録。(表紙裏)

海外紀行作家・下川祐治さんの、珍しい日本紀行文。
シリーズのように読んでいた貧乏旅行と違い、制約があまりないので、いつもの七転八倒するような面白さは薄い。
じゃあ何が良いんだっていうと、ローカル線を乗り継いでご当地の旅館(駅前旅館?)に泊まるっていう行程がもう羨ましくて羨ましくて。
そこは勿論ローカル線だから、『何もない』辛さも繰り返し出てくるんだけど、それでも文庫本片手に…という妄想が噴出してしまう。

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2019年01月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アジア格安旅行でお馴染の、下川さんの、国内旅行の本。
出版は新しく、ごく最近である。
…にもかかわらず漂う、昭和のかほり。

この本の旅のこだわりは、まずは各駅停車の旅。
特急や、リゾート列車などの、オサレなものには乗らない。
宿泊は、作者が思う、いわゆる『駅前旅館』に限る。
“温泉旅館”や、“ビジネスホテル”は対象外なのだ。
映画の寅さんが利用するような宿。
その時代の行商の人などが(唐草模様の風呂敷背負って?)利用するような宿。
そういう宿を探すのにも苦労したらしい。
まず一つには、ホームページが無いから。
だいたいが、老女一人で運営しているから、サイトなどは作れない。
中には、もう食事の用意はできないので素泊まりで、というところもある。
元気なおかみさんが運営する宿は、他人行儀な旅館とは趣が異なり、“下宿”の雰囲気。
『銀河鉄道999』のような列車で、なんというか、タイムスリップの旅のよう。
きっと面倒くさいのだろうが、現実逃避できそうで憧れる。
こういった路線がかろうじて残っているのは、高校生の通学のためだという。
朝晩だけでも列車を走られれば、彼らは遠くの高校に通うことが出来る。
でも、高校を卒業したら、都会に出てしまう人も多いのだろうなあ…
日本は、都会だけに人が住み、あとは荒野になってしまうのだろうか…
いろいろ考えさせられた。
ところどころはさまれる、韓国や台湾の旅行記…
日本の地方交通線から連想できる旅、ということらしいけれど、アジアの旅はなんとなく陽性。
比して、日本の旅は、冬の演歌のイメージである。
四国の旅も書かれていたが、印象に残るのは、北国の厳しい冬の旅…
こんな旅の本が書けるのは、下川さんしかいないなあ~
と思ってしまう。

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2017年09月28日

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