結城充考のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
結城充考の長篇ミステリ作品『プラ・バロック』を読みました。
結城充考の作品を読むのは初めてですね。
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雨の降りしきる港湾地区。
埋め立て地に置かれた冷凍コンテナから、十四人の男女の凍死体が発見された!
睡眠薬を飲んだ上での集団自殺と判明するが、それは始まりに過ぎなかった――。
機捜所属の女性刑事クロハは、想像を絶する悪意が巣喰う、事件の深部へと迫っていく。
斬新な着想と圧倒的な構成 力!
全選考委員の絶賛を浴びた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
★全選考委員絶賛!
有栖川有栖氏「今書かれ、今読まれるべき新感覚のミステリー」
田中芳樹氏 -
Posted by ブクログ
本作『衛星を使い、私に』の概要と感想になります。
『プラ・バロック』で一気にクロハの世界観に引き込まれた私ですが、前作『エコイック・メモリ』で挫折しそうになりつつも本作『衛星を使い、私に』で次回作への読書欲を取り戻しました。
本作は6編からなる連作短編集ですが、いずれもクロハが機動捜査隊に入隊する以前の話であり、自動車警邏隊のスギが上司であった時期を描いています。
警察官であったクロハの父と同僚であったスギは、クロハの正義感の強さと父親と似た刑事の勘の鋭さに期待と不安を抱えながら、クロハの上司でありつつ父親代わりとしても事件に同行する日々は、なんとも言い難い気持ちだなと同調します。
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Posted by ブクログ
ネタバレSF好きの琴線をビンビンかき鳴らすワードに世界設定と前置きは最高なんだけど、戦闘、道士怖い、戦闘、道士怖いの繰り返しでその設定があまり活かされておらずすごく勿体なさを感じてしまう。
300pに満たない内容なのでそうした設定はあくまでも添え物なのかもしれないけれど、もっとボリュームを持たせたスケールの大きい話で読みたかった。
死体に意識をダウンロードすると言うとんでもない方法で降臨する道士の不気味さとパワハラを通り越した粗暴さにこりゃすげえのが出て来たとワクワクしたものの、再び目覚めるまでの100年の間に大きく衰退した共和国の状況を目の当たりにし、さらに明らかな負け戦を強いられるこの状況でもな -
Posted by ブクログ
ネタバレ淡白な文章でテンポよく物語は進んでいく。
後半からの話の締め方には少々走りすぎでは?とも感じた。「プラ・バロック」というタイトルと14人の凍死体、集団自殺という設定に惹かれたもののミステリーというよりは主人公である機捜の女刑事・クロハの成長物語だ。
また、このクロハの造形がやや在り来りである。
孤独で美人な女刑事というのは擦り切れるほど使われてきたものであり、それが物語においてプラスに働いているようには思えなかった。終始クロハの像が定まらないのは何だろう。
姉が死んでしまう点については無理矢理話を進めようとした感じが否めない。現実的ではないな…。
仮想世界については現実への示唆的表現が散り