結城充考のレビュー一覧
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シリーズ第1弾「プラ・バロック」でたった一人の姉を失ったクロハ。
彼女にとって姉はただ一人の理解者であり、自分を偽らずにいられる相手だった。
そして、姉が遺していった忘れ形見のアイは、クロハが生きる理由となった。
動画サイトにUPされた「回線上の死」と名付けられた複数の映像。
殺害される映像は果たして偽物なのか現実のものなのか、警察も判断できずにいた。
娯楽用途に流通させる目的で行われた実際の殺人の様子を撮影した映像は「スナッフ映像」というらしい。
ずいぶん前に「タフ」という映画を見たことがある。
見知らぬ者同士が殺しあう映像が作品の中で大きな役割を果たしていた。
「エコイック・メモリ」でも同様に、次々とUPされる動画が、物語の中で重要なキーアイテムとなる。
不自然に差し込まれた音声に気付いたクロハ。
やがて発見される土に埋められた複数の死体。
まるで試されるかのように変化していく殺害方法。エスカレートする残虐さ。
何かを隠すために上から別のものをかぶせるか。
それともまったく消去してしまうか。
音声に隠された犯人の周到さと、自己満足の歪んだ正義。
犯人を追う警察と復讐者の影。
スピード感のある展開で飽きさせない。
私生活では義兄との間にアイをめぐる争いが起こり、捜査の合間を縫って調停に足を運ぶクロハ。
孤独なクロハにとっては特別な存在のアイだったが、クロハが最後にした決断はやはり彼女らしいものだった。
独特の着眼点を持ち、猟犬のような犯罪への嗅覚を持っているかのようなクロハ。
次回作があるならばぜひ読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
結城さんの2冊目。
いいね!!!!!!
インプリンティング だっけ?
刷り込み現象・・・・。
警察小説にのめり込むきっかけとなったのが誉田哲也だったためか、「芯の強い女刑事」ものが、最高に好き。
本作も。
これでもか、と追い込まれる絶望的な状況に敢然と立ち向かう姿が、見ていて気持ちが良い。それでいて、主人公が感じるであろう恐怖や人間的な弱さもしっかり描かれているのでリアリティがあってよい。
個性ある脇役たちも魅力的だし、続編にも期待。
★4つ、8ポイント半。
2016.06.30.新。
※近未来感のあふれる世界観なのに、コートを「外套」と・・・・昭和初期か!?!
※「キリ」の正体は???
※「ミハラ」が、実は悪い人間ではなかったという点が、、、、、、辛いね。 -
Posted by ブクログ
これも前作を読んですぐ読み始めた。これが一番面白かったかもしれない。自動車警邏隊のときのクロハの短編集。クロハの心の動きや戸惑いが伝わってくる。今回が一番、クロハを身近に感じられたかも。スギさんとの関係もいいなあ。あとやっぱり、クロハって何だろう、洞察力に長けてるのかな。推理力というか、ただの偶然にしては出来すぎてるところもあるけど。表題作の「衛星を使い、私に」は最後まで読んだときの、ああなるほどだからそういうタイトルなのかって納得いった感じ、好きです。今回もちょっと、まわりくどくて分からないところ、伏線が深すぎて分からないところがあったけど、全体的にどのお話も引き込まれたし、統一感があって良かった。またどこかで、クロハに会えたらいいな。
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Posted by ブクログ
結城充考 の初読み。3~4年前に「この警察小説がすごい」なる年刊誌(いわゆる「このミス」=「このミステリがすごい」の姉妹編?)にて、イチオシ新人作家による注目作品として紹介されていた一冊。
記憶の端に残ってたそのタイトルを、古書店でたまたま見かけたため購入。
結果・・・2つの大きな収穫が!!
収穫①
間違いなく面白い作品・作家に出会えたこと。
“仮想空間”がどうのこうの……という、ちょっと引いてしまいたくなる仕掛けも、筆者の筆力によってか、はじめは戸惑うもすぐに慣れ、まもなく受け入れられた。
“仮想空間”の描写を受け入れられない人には不向きかもしれないが、そこを突破しさえすれば、十二分に楽しめるエンタテイメント性はあるはず。
警察小説のニューヒロイン。続篇もあるようなので、今後の活躍にも期待♪
収穫②
巻末解説文の寄稿者、有栖川有栖さん。
ミステリ界では有名らしく、よく目にする名前ではある。
がしかし、トリックがどうの、仕掛けがどうの~がメインの“いわゆる推理小説”には魅力を感じないため、(たぶんそっち系の作家さんかと思っている)今まで敬遠してきたが……。
解説文の内容から、その文体から、その語り口から滲むその人となりから、彼の作品を読んでみたくなった。
巻末解説文の書き方から「この人の作品を読んでみたいな」と思わせられた作家さんって、今まで外れたことがない!
(大沢在昌、重松清、他2名ほど)
なので、きっと有栖川さんも好きになれそうな気がする……。
★4つ、9ポイント半。
2015.11.04.古。
【追記】
つい先日(8月の最終週)朝のニュース番組にて、ここで描かれたのと似たような事件を報じているのを目にした。インターネットを通じて自殺をほのめかすような誘導をした者がいて、実際にその通りにした自殺者が続出したとか・・・・。
怖い、怖い。
2017.08.30.追記。 -
Posted by ブクログ
女刑事クロハシリーズの第二弾。
前作にも増して猟奇的な殺人事件「回線上の死」
殺害過程を録画し動画サイトに投稿する。犯人の目的は。
被害者の繋がりは。動機はなんなのか。
結論から言うと、動機も犯人も至る過程も納得できなかった。
最後の対決シーンは一作目のほうが完成度は高い気がする。
それでも、姉の子供「アイ」については本作のほうがすごく好き。
クロハが自暴自棄になったりしないのは「アイ」がいるからだと思う。
ただ残念だと思ったのは、アサクラにもう少し重きを置いてほしかった。
クロハの中でもアサクラが与えた影響は大きかったと思うので。
電脳世界でのつながりが今回はあまり出てこなかったが。
「アイ」と同様、クロハの一面を表す手段として描き続けてほしい。
作者の人物描写の濃淡が故意なのか、そういうものなのか分かりづらい。
突然ズームアップしたりフェードアウトするので、キャラが把握しづらい。
それでも引き込まれてしまうのは世界観とクロハのキャラなのか。
美人でも何でもいいけど、悩みながら成長していくという展開がよい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ二作目
前回の事件で姉の赤ん坊を育てることになった主人公
父親と親権を取り合って場合によっては警察をやめることも決意
そんな悩ましい状況の中銃撃した犯人が大した凶器を持ってなかった事件に巻き込まれマスコミに追われ
相変わらず仲間は出世を妬むカス警官とめちゃくちゃ大変である
しかし前作のカス警官は暴力団対策のところに移籍してぴったりであった
今回は結構面白かった
犯人を殺してしまった警官アサクラとのやり取りも殺人動画を投稿する犯人グループを追いかけるのもそこから殺し屋との対決になる後半もなかなかよかった
メインになるかと思われた謎の捕まっていた女は事件の解決にはかなり絡むけど話的にはあんまり重要じゃなかったね
犯人も意外だったし出てきたキャラにはちゃんと意味があったし子育てのエピソードも掘り下げにつながっててよかったな -
Posted by ブクログ
ネタバレ女刑事が事件に挑むシリーズ一作目
珍しいところでは急にVR世界の話が混じってくるので最初何かと思った
しかし!もっと珍しいのはこの世界観
やたらと治安が悪く同じ刑事同士なのに二人きりになって殴られないように警戒したり
空気が悪すぎて病弱な子供のために窓を開けられなかったり
うろついてると堂々と警官をレイプしようとするヤクザがいたりする
この世界の日本やばすぎるだろメキシコじゃないんだから
特に態度の悪い刑事がやばすぎて後からフォローが入るんだけどそれにしてもひどすぎる
女刑事が職場で受ける苦難みたいな意味合いなんだろうか…?
文章もあんまり上手じゃないけどストーリーやキャラは悪くないから脚本か何かを書いてた人の小説みたいだと思った
最後鼓動が逃げ切ってシリーズの敵となるかと思ったら普通に死んでた
あの流れで逃げ切ってしかも他の人に殺されることあるんだ…と思ったね