結城充考のレビュー一覧

  • アルゴリズム・キル

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    楽しみにしていたクロハシリーズの3(4)作目。やはり面白いです。
    相次ぐ不可解な未成年者に対する暴行殺人事件とそれに対応するように作られる目印の真相とは。
    他の警察小説とは一味違う、何処か冷たい印象の無機質で近未来的な世界観と逆境にも強かに挑む女性刑事クロハに相変わらず引き込まれます。身震いするような狂気染みた事件とその犯人もこのシリーズの魅力の一つ。

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    2018年10月02日
  • プラ・バロック

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    ミステリー文学大賞新人賞受賞作ということで読んでみた。
    ネット犯罪初期的なストーリーだが、とても面白かった。
    登場人物個人の背景がしっかりしており、犯人や謎の人物「タカハシ」などにも共感出来る大作。一気に読めた。
    次回作も読もうと思う。

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    2018年09月08日
  • アルゴリズム・キル

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    結城充考『アルゴリズム・キル』光文社文庫。

    クロハ・シリーズの第4弾。長編では第3作。相変わらず警察小説とは思えない無機質で、モノクロ・トーンの独特の世界観が展開される。作品としてはそこそこの出来なのに、独特の世界観がクセになる。

    我々は前作の連作短編集『衛星を使い、私に』の中の『二つからなる銃弾』で初めてクロハの本名が黒葉佑であることを知るのだが、本作ではその名前を何度も目にすることになる。クロハ……黒葉佑……アゲハ……虚構の中で綴られる奇怪な連続殺人事件。

    警察の交通安全イベントの最中に突然現れた痩せこけ、全ての歯を折られた少女……警務課で仕事を干されていたクロハは県内で頻発する未成

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    2018年07月06日
  • 躯体上の翼

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    とても切なく面白かったです。永く生きる生体兵器の員が、ネットの海で出会ったcyに会いに行くために、単身で200隻を超える艦隊に闘いを挑む、という大筋でもう好きです。文体が硬質なためか、世界観も硬かったのですが、読み進めていくうちに作品の終わりかけた世界が朧げに立ち上がってくる、というのも好みです。員とcyのやりとりが7文字という制限があるのも切ないですし、cyの正体も、物語の唐突な幕切れも切ないものでした。あと清がかわいい。想像力を駆使されられた楽しい読書でした。

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    2017年03月29日
  • エコイック・メモリ

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    シリーズ第1弾「プラ・バロック」でたった一人の姉を失ったクロハ。
    彼女にとって姉はただ一人の理解者であり、自分を偽らずにいられる相手だった。
    そして、姉が遺していった忘れ形見のアイは、クロハが生きる理由となった。
    動画サイトにUPされた「回線上の死」と名付けられた複数の映像。
    殺害される映像は果たして偽物なのか現実のものなのか、警察も判断できずにいた。
    娯楽用途に流通させる目的で行われた実際の殺人の様子を撮影した映像は「スナッフ映像」というらしい。
    ずいぶん前に「タフ」という映画を見たことがある。
    見知らぬ者同士が殺しあう映像が作品の中で大きな役割を果たしていた。
    「エコイック・メモリ」でも同

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    2017年03月08日
  • エコイック・メモリ

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    ネタバレ

    動画投稿サイトにあがった殺人の映像。本物かいたずらかも分からない。主人公が期限付きの捜査を命じられる。

    今回も面白かったです。分厚い本でしたが一気読みでした。プラ・バロックよりも裏社会の存在が大きく、前作とはまた別の悪意がありました。クロハシリーズは暗い雰囲気で犯人がサイコパスっぽいのが多いのでしょうか。

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    2016年11月27日
  • プラ・バロック

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    ネタバレ

    「日本ミステリー文学大賞新人賞」で気になって購入。
    個人的には面白かったです。解説で有栖川有栖さんが言ってた「悪夢のような事件」ってその通りだなあと。少し暗い感じはしましたがその雰囲気も良かったと思います。登場人物の名前がカタカナなのはあまり気になりませんでした。読み始めたときはまさか冷凍コンテナの集団自殺と連続殺人事件に繋がりがあったとは……。

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    2016年11月27日
  • プラ・バロック

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    ネタバレ

    再読。
    しかし、ほぼほぼ内容は抜け落ちていたので新鮮な気持ちで読めた。
    結局、『鼓動』の実態がよくわからないままだったんだなぁ。
    なんでお姉さんが殺されなければいけなかったのか…悲しい。
    前回の感想と然程変わらない印象。
    面白かった。


    2016.10
    自殺者の顔を繋げて蝶にするっていうアイディアが凄いなぁ。
    実際は蛾だったわけだが。
    途中までは本当にワクワクだったがまとめかたが若干あっさりしすぎな気が。
    クロハがどんなふうに生きてくのか続編に期待。

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    2016年10月15日
  • プラ・バロック

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    ネタバレ

    人名表記がカタカナなのが持ち味なのか…。
    私の中ではクロハは新人のNさんの姿です。キリッとしてて素敵……。このシリーズにはまったので続けて読んでいきたいです。

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    2016年07月07日
  • エコイック・メモリ

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    結城さんの2冊目。
    いいね!!!!!!

    インプリンティング  だっけ?
    刷り込み現象・・・・。

    警察小説にのめり込むきっかけとなったのが誉田哲也だったためか、「芯の強い女刑事」ものが、最高に好き。

    本作も。

    これでもか、と追い込まれる絶望的な状況に敢然と立ち向かう姿が、見ていて気持ちが良い。それでいて、主人公が感じるであろう恐怖や人間的な弱さもしっかり描かれているのでリアリティがあってよい。

    個性ある脇役たちも魅力的だし、続編にも期待。

    ★4つ、8ポイント半。
    2016.06.30.新。

    ※近未来感のあふれる世界観なのに、コートを「外套」と・・・・昭和初期か!?!

    ※「キリ」の

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    2016年06月30日
  • 衛星を使い、私に

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    これも前作を読んですぐ読み始めた。これが一番面白かったかもしれない。自動車警邏隊のときのクロハの短編集。クロハの心の動きや戸惑いが伝わってくる。今回が一番、クロハを身近に感じられたかも。スギさんとの関係もいいなあ。あとやっぱり、クロハって何だろう、洞察力に長けてるのかな。推理力というか、ただの偶然にしては出来すぎてるところもあるけど。表題作の「衛星を使い、私に」は最後まで読んだときの、ああなるほどだからそういうタイトルなのかって納得いった感じ、好きです。今回もちょっと、まわりくどくて分からないところ、伏線が深すぎて分からないところがあったけど、全体的にどのお話も引き込まれたし、統一感があって良

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    2016年04月09日
  • プラ・バロック

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    結城充考 の初読み。3~4年前に「この警察小説がすごい」なる年刊誌(いわゆる「このミス」=「このミステリがすごい」の姉妹編?)にて、イチオシ新人作家による注目作品として紹介されていた一冊。

    記憶の端に残ってたそのタイトルを、古書店でたまたま見かけたため購入。

    結果・・・2つの大きな収穫が!!

    収穫①
    間違いなく面白い作品・作家に出会えたこと。
    “仮想空間”がどうのこうの……という、ちょっと引いてしまいたくなる仕掛けも、筆者の筆力によってか、はじめは戸惑うもすぐに慣れ、まもなく受け入れられた。

    “仮想空間”の描写を受け入れられない人には不向きかもしれないが、そこを突破しさえすれば、十二分

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    2017年08月30日
  • 衛星を使い、私に

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    クロハシリーズの短篇集。
    ということをずっと知らなくて読み逃していたのを、ふとしたきっかけで知ることになり歓喜しながら読んだ。短編も巧みに書く作家さんですね。どれも良かったけど他者から見たクロハが書かれた作が良かったなあ。そして表題作。最後の最後でタイトルの意味が分かり、視界がひらけたような鮮やかな感覚に飲み込まれる。
    長編でも短編でもいいから、もっとクロハを!

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    2014年06月30日
  • 衛星を使い、私に

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    他の作品もそうだが独特の雰囲気を醸し出すよなあ。文章がそうなんだろうけど、それも技術というやつなんだろう。今後が楽しみだ。

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    2013年09月18日
  • 衛星を使い、私に

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    『プラ・バロック』『エコイック・メモリ』に続くクロハ・シリーズ第三弾。本作は自動車警邏隊時代のクロハの活躍を描いた連作短編集である。

    前の二作ではクロハを含めた登場人物がカタカナ表記で描かれ、無機質でモノクロなイメージの中でストーリーが展開した。本作の二つ目の短編『二つからなる銃弾』で初めてクロハの名前が黒葉佑であることが明かされ、以降は無機質から有機質に、モノクロからカラーへとこれまでの物語のイメージが一新された。

    一つひとつの短編は独立しているようで、実は全ての短編で大きな物語を形成している。表題は非常に変わっているのだが、表題作の『衛星を使い、私に』を読むと、なるほどと納得する。

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    2013年09月14日
  • エコイック・メモリ

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    しまった、2作目を先に読んでしまった。

    最初は取っつき難かったけど、だんだん面白くなりました。読後感も悪くない。ただ、誉田哲也っぽいなあ。

    でも、順番逆になったけど、1作目も読んでみようと思わせました。

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    2013年08月14日
  • エコイック・メモリ

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    惨殺動画、これは本物かダミーか?
    捜査担当になったクロハは独自の犯罪に対する嗅覚で、真相にせまります。

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    2013年03月02日
  • エコイック・メモリ

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    女刑事クロハシリーズの第二弾。
    前作にも増して猟奇的な殺人事件「回線上の死」

    殺害過程を録画し動画サイトに投稿する。犯人の目的は。
    被害者の繋がりは。動機はなんなのか。

    結論から言うと、動機も犯人も至る過程も納得できなかった。
    最後の対決シーンは一作目のほうが完成度は高い気がする。

    それでも、姉の子供「アイ」については本作のほうがすごく好き。
    クロハが自暴自棄になったりしないのは「アイ」がいるからだと思う。

    ただ残念だと思ったのは、アサクラにもう少し重きを置いてほしかった。
    クロハの中でもアサクラが与えた影響は大きかったと思うので。

    電脳世界でのつながりが今回はあまり出てこなかったが

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    2012年12月23日
  • エコイック・メモリ

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    前作はだいぶ前に読んだので、詳細は忘れましたが、並行する現実と仮想世界の交差する感じや浮遊感が好きでした。今思えば、鮮やかなアゲハとそうではないクロハの対比が、現実と仮想世界の人のありようや罪のありようを表現していたのかしら。
    今回は警察ものとしてはもちろんですが、クロハの物語として面白かったと思います。とはいえもう少し、アゲハも見たかった。
    サイは悪として結構好きです。

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    2012年08月28日
  • プラ・バロック

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    無機質な感じが仮想空間と現実の繋ぎの雰囲気を
    作り出しているところが内容と、とても合っていてストーリーに引き込まれる
    おもしろい作品でした。

    登場人物の中でタカハシが特に魅力的に描かれていたので
    彼をもっと登場させて欲しかった

    今の時代、キリのような思いを抱えている人が
    沢山居て、生きるという事がクロハのようなシンプルな事で
    いいのかもしれないと感じさせられました。








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    2017年09月20日