ポールアルテのレビュー一覧

  • 殺す手紙

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    ノンシリーズ。
    親友からの手紙を不審に思いながらもラルフはそれに従って出かけ、奇妙な指示を実行していったところ、ある屋敷のパーティに紛れ込んで死体を発見する。いったい何が起こっているのか…
    珍しく密室ではないし、事件が次から次へと展開していくサスペンス。
    短めだし波瀾万丈なのですぐ読んでしまったが、読み終わってみると逆に浅いという印象が残った。最後の捻りは、アルテならこう来るだろうと思った通り。
    個人的にはツイスト博士シリーズの方が好きかも。

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    2010年12月25日
  • 狂人の部屋

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     訳者によるとアルテの最高傑作とのことだけど僕にはそう思えなかった。僕自身の体調があまりよくなかったせいで、数名のメインの登場人物が出てくるけど、作者の視点があちこちに飛んでしまっていて、誰が誰だか区分けするのが難しかったのだ。それにしても、このような偶発的な要素が強い物語はアンフェアな感じがした――そう思ってしまったから作者に敗北したことは、プロローグからはっきりしてしていることだけど。なぜならば、このトリックこそが作者の思惑だったのだから。でもこのようなトリックならば、泡坂妻夫の有名作の方がよくできていると思う。☆☆☆というところ。

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    2010年06月05日
  • 赤髯王の呪い

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    「赤髯王の呪い」
    作品中に横溢する怪奇趣味とおどろおどろしい雰囲気と、物語が始まって一回も殺人事件が起こらないのに、いくつもの怪奇的な事件が語られる展開。
    すさまじいまでにカーを意識した作風と作品と言った印象。
    メインに据えられている事件は、一読した感じでは「?」だったのだけど、軽く再読するとけっこう分かりやすい伏線が貼られているのに気づいてびっくり。
    最後まで読んで、初めて納得できる手がかりのように思った。

    「死者は真夜中に踊る」
    「困難は分割せよ」を実践してるなと思った。動機が納得しにくいけど、ミステリと割り切れば面白い。

    「ローレライの呼び声」
    個人的には一番面白かった。

    「コニャ

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    2010年01月16日
  • 狂人の部屋

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    ジョン・ディクスン・カーを連想させる作家。全編を縁取る怪奇趣味、謎解きへのプロセス、さらにはキャラの雰囲気から読みやすさまで、“カー色”に溢れているが、決して猿真似というわけではない。むしろ、作品全体の統一感という点では本家に勝るのではなかろうか。これだけガチガチの本格で勝負されると、読むほうも無意味に身構えそうになるのだが、その辺を軽妙な筆致でうまく逸らしてくれるため、ラストまでいいテンポを持続したまま読み終えることができた。難を言えば、事件そのものが少し小ぶりの割りに、それ以上の展開を書こうとして無駄なシーンが目立つことだろうか。トリックは平均レベルだが、舞台設定や構成が巧みなので、それ以

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    2009年10月04日