ポールアルテのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
フランス人作家ポール・アルテの1987年のデビュー作。
フレンチなのにノワールではなく本格ミステリーなのは、本人がジョン・ディクスン・カーのファンだから。
洋館、屋根裏部屋、夜響く足音、奇術師、密室殺人、
……怪しげな霊媒師の女
私にとって、どれも江戸川乱歩の香り漂うものばかり。
こんな古風なムードでありながら、起きる事件はハチャメチャ。
いつものように犯人のめぼしをつけようとしても、そのあとすぐゴチャゴチャにされてしまう。
なぜこんな展開なのかは、読み進めるとわかるのだが、ネタバレなので✖
実際あのまま終わっていたら、「なんじゃこれ!」に……危ないところでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前半と後半の繋ぎが無理やりに感じられた。
別々の本にした方がよかった。
前半の雰囲気は好きだった。
語り部の正体については予想してなかった人物だったので、新鮮な驚きをもって次に読み進める事ができた。
犯人(1人目)が殺戮に至る経緯や心の動きは、この枚数では表現できておらず、不自然さしか感じなかった。
被害者が即あんな犯罪を犯す人格に変貌する訳ないじゃん、としか思えない。
また、この本の主役といえる犯人の方は、経歴などで途中から分かっていたが、そのサイコな心理を追う物語にするのか、パズラーの要素を追求するのか、どちらかに振った方が良かったのではないか。どちらも中途半端になってしまった印象しかない -
Posted by ブクログ
ネタバレオーウェンの友人、ラルフが脱獄囚と間違えられ、ロンドンの霧の裏町を逃げ回り、迷い込んだクラーケン・ストリート。
その通りの家の窓から女にナイフで斬りつけられる男性を目撃して立ち去るが、ライターを落としたことに気づいて引き返すと、クラーケン・ストリートは忽然と消えていた。
ラルフから話を聞いたオーウェンはクラーケン・ストリートに興味を持ち、調べ始めると奇妙な体験をした人々が他にも存在することが。
クラーケン・ストリートとは本当に幻の通りなのか?オーウェンと友人のアキレスは捜査に乗り出す。
霧の裏通り、声をかける赤いショールの女、ぶどう売り。
部屋の窓からぼんやりと見える一場面。
わずかな時間の -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本が2005年の作品ということを考えると確かに本格作家界隈で話題になる作風である。
たまにこういう本格ミステリを読むとクリスティを読み漁っていた学生時代を思い出す。
難解な事件、本書においては難解どころか、通りが消えるという奇抜で突飛でありえない事件のWho、How、Whyを暴いていく。
1900年代の古めかしさの中でこその、ぎりぎり許せるそりゃ無茶だろうと思うようなトリックだが、この手の話はそういった現実性よりも事件の裏にある意外なストーリー、伏線がすべてかちっとはまっていくさまを楽しむことなのだろう。
作品とは関係ないが、この本のサイズ、紙の感触はとても心地よい読書体験を生んだ。