ポールアルテのレビュー一覧

  • あやかしの裏通り

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    ポール・アルテ。霧の中に現れ、そして消えていく裏通りの噂とそこで起きた幻影の殺人、そして現実に殺人がおこる。どんどんオカルトな雰囲気に流れていき、トリックについてもこんなに簡単にいくのかと思ったが、最後には推理小説としてきれいに着地していたと思う。

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    2022年11月16日
  • 殺人七不思議

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    ポール・アルテ。世界七不思議になぞらえた予告殺人に芸術家気取りの探偵が挑む。古典の巨匠、ディスクン・カーを思わせる不可能犯罪が次々に起こり警察は振り回される。それらを最後に一気に解決するのはとても鮮やかだった。文章みも読みやすく、久々に古き良き推理小説を堪能できた。犯人の動機がいまいち取ってつけたようなのが、いただけなかった。

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    2022年11月07日
  • 死が招く

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    ディクスン・カーの匂いのする作家。読んだのは『第四の扉』に続き2つめ。正統派密室の謎。密室の中で顔と手が焼け爛れた死体。傍にはなぜかできたての料理が。犯人は何のためにできたての料理を用意したのか?という魅力的な謎。でも正直密室のトリックは、残念ながら、鍵の仕組みがわからず、正直トリックを読んでもよくわかりませんでした。図解でもあればいいのですが。でも、犯人は意外性があり、まあまあおもしろかったかなぁと思います。

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    2022年09月17日
  • 狂人の部屋

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    全体的にゴシックやオカルト風味たっぷりの雰囲気の中、不可能犯罪?が起こる。
    トリック(?)は少し物足りない+力業な気もするが、総じて面白く、安心して読める一冊だった。

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    2022年06月07日
  • 第四の扉

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    雰囲気も良く物語の展開も早くて一気に読めるし、内容も面白かった。そして最後は、なるほど…となる展開。個人的に好き。翻訳ミステリーはカタカナの登場人物の名前を覚えられないから苦手、という方にはおすすめ。人物関係が分かりやすくて理解しやすい。

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    2022年01月22日
  • 狂人の部屋

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    タイトルから示唆されるように、過去に不自然な死が起こった書斎を舞台に、謎の事件が続く。
    取り憑かれたように、書斎に閉じ籠り、物語を書き綴っていた、館の現当主の大叔父。
    彼の突然の書斎から出た瞬間の死、書斎の暖炉のそばだけ絨毯が水浸し、疑問は解かれることなく、不審死のまま、書斎と共に封印されてきたが、当主の結婚を契機として、封印が解かれる。
    この館を舞台として、2組の結婚により住むことになった人々の間で、書斎の開放とともに、過去の不審死を彷彿させるような事件が起こる。
    登場人物の因縁めいた関係が絡まり、事件は暗礁に乗り上げるが、地元の警察署長から個人的な依頼を受けたロンドン警視庁警部が、犯罪学者

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    2022年01月13日
  • 混沌の王

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    ははは…いや、良いんじゃないでしょうか。
    雪に囲まれた屋敷と祟られた一族、鈴の音と共に現れる白い仮面の怪人の伝説、霊媒師による交霊会、足跡のない連続殺人、… そんな、クラシカルな怪奇趣味のミステリーがお好きな…物好きな方限定でお薦め。笑

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    2022年01月10日
  • 死まで139歩

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    舞台は1940年代のイギリス。PCもスマホも無い時代の中、犯罪学者のツイスト博士を中心として小さな綻びから事件の解明をすると言う内容。ホームズものにも通じるクラシカルな雰囲気が好き。

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    2021年12月26日
  • 第四の扉

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    初ポール・アルテでどんな作家なのか知らないままに読んでいましたが、なかなか凝ったプロットとアジな演出な作品でした。
    次々と起きる事件やおどろおどろしい物語背景から、なんかあの人の作風のモノマネっぽいなあと思っていたら、これはオマージュだったんですね!(^-^)
    後半のトリックの種明かしで題名がそのまんまやんけ!と心のなかで叫んでいましたが(笑)、どうりでこれもオマージュっぽさを出していたんですね!(^-^)
    最後はそのオマージュも勢い余って飛び出していて、これまたびっくり!!
    半分ニヤニヤもんのラストなだれ込みでした!(^-^)
    読み終わってみて、警部がみんなを集めての推理披露とか、一人称の語

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    2021年04月04日
  • 殺人七不思議

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    オーウェン・バーンズシリーズ。「世界七不思議」に見立てた七つの不可能殺人。芸術的にすら見えるその数々の事件と、次々と予告状を送り付ける大胆不敵な犯人。ミステリとしての楽しさがもうめいっぱいに詰まっている印象です。振り回される警察は気の毒ですが。
    ただ、数々の事件のトリックは明かされてみると意外にシンプルで逆に驚かされました。解決編でテンポよく明かされていく謎に唖然茫然。そんな単純なことだったの? 中でも第四の事件の真相に一番びっくり。ていうか、そんなんありか! とぶっ倒れそうになりました(笑)。
    そしておまけというには豪華すぎる芦辺拓「解凍された密室」。ツイスト博士と森江春策の共演という読みご

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    2020年11月23日
  • あやかしの裏通り

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    不可解現象をトリックに使った本格推理小説。ポール・アルテ著のオーウェン・バーンズというアマチュア探偵が謎を解くミステリ。体裁としてはシャーロック・ホームズやクリスティのような謎解き。本格好きにはしっくりくる作品。しっくりしすぎて、どこかで読んだ気になってしまうのが惜しいところか。特にロンドンを舞台にしているので、どうしてもホームズと比較したくなる(してはいけない)。作品自体は、「どのように不可解な謎を解くのだろう」とドキドキしながら読んだ。最後の謎解きで明かされる、犯人の巧妙な手口については、本格らしく天と地をひっくり返される驚きもある。さくっと読めるので、謎解きが好きな人におすすめ。

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    2020年09月10日
  • あやかしの裏通り

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    霧のロンドンに消える路地。そこに迷い込んだものは過去の幻影を見たり、二度と戻って来なかったりするという。友人ラルフの不思議な体験を聞いて、オーウェンは路地の謎を解くべく捜査を始めるが…
    二十世紀初頭のロンドンを舞台にしたクラシックな味わいの本格ミステリ。冒頭の怪奇な謎がかなりワクワク。なかなかに凝った事件だが、展開が速く分量も少なめで読みやすかった。(というかあっさりしすぎ?)
    犯人はもっと他にやりようはなかったのかとは思うけど。
    オーウェンはシリーズ探偵らしいので、他の作品も読んでみたい。

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    2020年01月28日
  • 金時計

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    「名探偵オーウェン・バーンズ」シリーズの第二弾。今回も不可能犯罪物で、雪の密室がメインの謎になっている本格ミステリ。
    雪上の足跡トリックは、もう出尽くしたと思っていたが、まだこういうアイデアがあったとはね。アルテ氏、流石です。面白かったです。
    ただ、今作は構成だけがあまり好みではなかった。過去と現代が交互に描かれていて、名探偵は過去の殺人事件にのみ活躍する。現代の方の謎と、それが過去の出来事にどう関わってくるかが見所でもあるのだが、その点は巧みと思えなかった。もっとシンプルに、名探偵が不可思議な謎に真っ向から挑む話が読みたいなあ。次回作はそうであって欲しい。

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    2019年08月11日
  • あやかしの裏通り

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    霧の中から現れ、そしてまた消えてしまうクラーケン・ストリート。迷い込んだ人たちが過去や未来の幻影を目の当たりにし、あるいは失踪してしまう「あやかしの裏通り」の謎を追う幻想的で不可思議なミステリ。
    どこからどう見てもこれはもう「不思議」としか言いようのない事件です。時空の歪みとか、どう解釈すればいいのやら。もうこれは本格じゃなくって広い意味での幻想ミステリなんだろうなあ、まあそれでも面白いからいいや、って思いながら読んでたら……本格ミステリだった!
    しかも真相が見えたと思ったその後もまだまだ気を抜けず。やられたなあ。

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    2019年03月17日
  • あやかしの裏通り

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    ポール・アルテの実に8年ぶりの新刊。今までのハヤカワ・ポケミスから、聞いた事の無い出版社に変わった事情は知らないけど、もう読めないのかと危惧していたので有難かった。デビュー以来一貫していた不可能犯罪系ミステリの作風は健在で、今作は路地が忽然と消失する謎。そのメインの謎自体はバカミスに近い都合の良い物だったが、その回りの細かいサブ的な謎が巧くて、ポール・アルテの面目躍如。幾つかの手掛かりが後出しでも気にならない位に面白かった。是非この新シリーズは最後まで刊行して貰いたい。

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    2019年01月22日
  • 第四の扉

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    この頃はさっぱり手にしない推理小説。帰郷している週末、土曜日の新聞の紹介を見て日曜日に昔通っていた本屋さんで見つけ実家の自分の部屋で一気読みです。40年前ははそうやってカーとかクイーンとか読んでいたな…と読書気分タイムトリップになりました。実は本書もディクスン・カーとか本格推理小説への深いリスペクトを感じます。完全密室とか交霊会とか道具立ても万全。あまりの不可能性に「あれ?実は…」とも思ったりするのですが、そのタイミングで構成自体にサプライズが用意されていて、そしてその後は、本格派の嫡流というだけにとどまらないような展開に翻弄されました。動機の設定も全く衝撃的だし、ラストの着地も「マジ?」です

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    2018年09月03日
  • 狂人の部屋

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    やっぱ殺人事件だけ起きてそれを名探偵が解決するだけじゃ味気ないよねぇ。だから裏にはラブストーリーは突然にあっても良い、ってこれじゃ火サスか。
    でもコナンみたいに最初から最後までほとんど事件に関わってるのに何ら役に立たずに何人も死んでしまうような展開ではなく、その場に居合わせなかったからしょうがないぜよ、という探偵なら許せるよね。
    そんなこんなで今回は好きなのに気持ちを伝えられずに紆余曲折を経て最後にはハッピーエンドというわりかしオーソドックスなストーリーにさりげなく殺人事件をまぶしてみたという、そしてその二人を結び付けるためになんか都合よく人が死ぬっぷりが、全体的に硬派な流れに反してちょっと適

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    2018年02月14日
  • 狂人の部屋

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    2008年版このミス7位。
    シリーズ物なのを知らなかったのですが
    特に困ることなく読めました。
    この作家の特徴なのか、
    (事件にはそれ程、関係無く)1人称と3人称が
    混ぜこぜな感じで、途中、読みづらいなぁ、と思ったのですが
    読み進めるにつれて気にならなくなった。

    さて、内容についてですが、サスペンスとオカルトの融合が
    うまいことできているのではないでしょうか。
    他の作品も読んでみたくなったので、星4つ。

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    2012年12月15日
  • 殺す手紙

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    3/4まで読んで、「なんだ、某有名作品のパクリ」かと思ったのですが、最後のほうで裏切られましたね。あー…。
    最後のオチがよくわからなかったので読み返します。

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    2011年07月06日
  • 狂人の部屋

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    怪奇趣味が横溢している、カーが好きというのが全編通じて感じられる作品。
    殺害現場(遡って、大叔父が死んだ部屋)の絨毯が濡れていた理由については、三者三様の理由が提示されていて、上手い。
    特に第一、第二に関してはかなりスマートで、登場人物が驚いた逆説的な理由とも相俟っておもしろい。
    そして問題の三つ目の理由……読んですぐは頭が理解を拒んだなぁ。
    ここだけ違う作者のトリックみたいだった。
    それしか考えられないとはいえ……いいのか、これで?って印象。
    でも、最後までプロットが練られていて、しっかり読めた。

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    2009年10月04日