河邉徹のレビュー一覧
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とても印象に残る一冊だった。
大学を休学した匠海が長野県辰野町にやってきたのは蛍を撮るため。かつて父が撮影した場所で蛍を撮ることが彼の目的であり、そこで辰野に住む多くの人たちと出会っていく日々を描いていく。
何か大きな出来事が起こる訳ではない。美しい景色やそこに住む人々との生き方に触れる中で、自信を持って自分だけの居場所を見つけていく。
登場人物すべてのキャラが立っており、自分を支えてくれる他人の優しさ、温かさを感じる物語である。
「何者にもなれていない自分を、恥ずかしがらなくていい」という正にあまり冒険せずに平凡な人生を歩んできた自分にとっては、とても印象深い言葉だった。
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ネタバレWEAVERドラマー河邉徹さんの2作目。青春ファンタジー作品。
広島の高校の天文部に所属する男女4人。ある日世界初の人工流星が流れると知り、観に行くが、主人公・りょうは人工流星を観た日以降「明日」へ進めなくなってしまう。繰り返される「今日」。何故「明日」が来なくなってしまったのか?その理由がわかると心が震える。
読み終わると「そうだったのか」と、もう一度読み返したくなった。
小説をもとにWEAVERが同タイトルでアルバムを出しており、映画のサントラのよう。音楽と小説と合わせて堪能すると、より世界観が広がる!
ループしてる間に、英語の授業で先生が話すwouldの用法が少しずつ変わっていて、そ -
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ネタバレ【収録作品】
「ダディトラック」 外山薫
「俺の乳首からおっぱいは出ない」 行成薫
「連絡帳の父」 岩井圭也
「世界で一番ありふれた消失」 似鳥鶏
「息子の進学」 石持浅海
「髪を結ぶ」 河邉徹
「そういう家族がそこにある」 カツセマサヒコ
それこそ多様性を認め合うことが大切だと思わされる。自分の意識も更新しないといけない。
家族の形に正解はない。
今うまくいっていても将来的に良い関係が続いているとは限らないし、どんなに大切に育てたつもりでも思うとおりに子どもが育つわけではない。
せめて、今自分ができる最善と思うことを誠実にするしかないのだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大ファンだったアーティストの担当になったものの、努力が結果に結び付かず苦悩する若手レコード会社社員、上司の期待に応えようとするあまり、知らないうちに心身を壊してしまった40代手前の女性、久しぶりの恋の予感にときめくカメラマン、合唱コンクールで伴奏と曲のアレンジを任された女子高生、海辺の町のリサイクルショップで壊れた物を修理し続ける男性。時に慰め、時に励まし、彼らの人生の岐路に寄り添っていた一つの音楽が、場所や時間を超えて広がっていく奇跡を、ミュージシャンとしての経験を持つ著者がみずみずしく描いた連作短編小説。
誰かの為にしたことが、その誰かの心を救う。それは数珠のように繋がっていき、巡り巡って