【感想・ネタバレ】ヒカリノオトのレビュー

あらすじ

ファンだったアーティストの担当になった若手レコード会社社員、期待に応えようとするあまり、心身を壊してしまった40代手前の女性、恋の予感にときめくカメラマン、合唱コンクールで曲のアレンジを任された女子高生、リサイクルショップで壊れた物を修理し続ける男性――。彼らの人生の岐路に寄り添っていた一つの音楽が、場所や時間を超え広がっていく奇跡を、ミュージシャンとしての経験を持つ著者が描いた連作短編小説。

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Posted by ブクログ

シンガーソングライターの染谷達也が音楽の世界から引退する際に発表した最後のシングル「夢のうた」。
​この音楽が時と場所を超えて、仕事に疲れた会社員、田舎のカメラマン、合唱祭を迎える高校生、そして染谷自身など、人生の岐路に寄り添い、時に慰め、時に励ましながら、彼らの心に希望や勇気をもたらしていく6つの連作短編集。

​一つの曲を軸に、時代を超えて愛される音楽の力と、生きることに懸命な人々の姿がみずみずしく描かれている。

イジメで引きこもっていた時、仕事でうつ病にかかった時、失恋した時、学生のイベントの時、夢を諦めた時、寄り添ってくれたのは音楽だった。

なぜだか涙が何回も流れる。心が洗われる感じ。
昔聴いていた音楽を時が経っても好きなのは、その頃の思い出と一緒に楽しめるから。
今はネットですぐに様々な曲を聴けるようになったから、思い出に浸りやすくなる機会が増えた。

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2025年11月25日

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これまでの人生の中で、様々な音楽が自分を支え、人生を彩り、寄り添ってきてくれた。
そんな幸せを改めて感じられる素晴らしいお話でした。
たくさんの方に知って、読んでほしい作品です!

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

久しぶりに泣きながら読みました。

県立高校試験で出題されたとの事で3月に読もうと思っていたのが今になっていました。
今月は積読を消化しているのだけれども、積読のものがほんとにどれも面白い。

なぜ寝かせてしまっていたのか、寝かせていたから面白く感じるのか?

特に試験でも出題されたところの「第4章マホウノオト」が好みです。こういう青春ストーリーが好きなんだと思います。裏切りません。

作者の方がバンドを組んでいたそうで、
音楽の描写がリアルで曲が聞こえて来そうです。
Spotifyで聞いてみようと思います。

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2025年06月21日

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音楽の持つ力ってすごい。自分も音楽に救われてきたし、音楽がない人生なんてつまらないと思っているので、共感しかなかった。短編が繋がっている形式もとても良かったです。

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2025年01月17日

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何となく目に入って読んだ作品でしたが、すごくすごく好きです。すーっと心に入ってきてポロポロ涙が出ました。
学生時代に聞いていた曲とか、それにまつわる思い出が蘇ってきています。 「夢のうた」どんな曲なんだろう 聞いてみたいです。

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2024年12月21日

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とある音楽を軸に広がる短編小説です。サラッと読みやすくも、キャラクターの個性がしっかり描かれていて読み応えがありました。人々の優しさに心がジーンと温かくなります。

青春の頃に聴いていた音楽を改めて聞くと、懐かしい気持ちになりますよね。知らず知らずのうちに思い出と音楽はリンクしているような気がします

卒業式で歌った曲「旅立ちの日に」や「3月9日」「拝啓15の君へ」を聞くと、学生の頃の授業の様子や校庭で遊んでいた頃の自分が走馬灯のように頭の中に流れてきます。音楽って想像以上に偉大ですね。

アーティストの悩みや葛藤も描かれていて、リアルだなと思って読んでいましたが、作者の方が元バンドマンということで納得しました。アーティストの苦悩を垣間見得たような気がして新鮮でした。

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2024年10月20日

Posted by ブクログ

とにかく素晴らしかった。
いろいろな人に読んで欲しいと思う。
簡単に言うと、音楽を中心とした人と人との
温かい繋がりの話。
しかし、内容は濃くてちょっと泣けます。

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2024年09月06日

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ネタバレ

最初の重い音楽関係の話から、読み難い本に手を出してしまったかなと後悔しつつ、ゆっくり読み進めると、次の章からはどんどん面白い展開に。

近年のヒットあるあるかなと。

染谷さんの視点とテラの視点で語られる中で、
海さんと染谷さんが同一人物なのが分かり、
思ったよりも染谷さんが若いことに驚いた。

バー裏にある作者の言葉がいつでも読めるように、コピーして、本のカバーとして使ってみた。

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2024年08月19日

Posted by ブクログ

まず最初の行を読んで、一目惚れして買った。
家に帰るまで我慢できなくて、カフェ寄って読んでたんだけど、涙止まらなくなった。
辛い時とか悲しい時とか、涙が出るほど救われた音楽は沢山あったはずなのに、何を聞いていたかって言われると、確かにはっきりと思い出せない。

でも、あの音楽がなかったら今ここにはいなかったし、学校にもいけなくなったし、多分好きなことも出来ないまま、下向いて生きてくことになったと思う。
なんか、なんて言えばいいのか分からないんだけど、とりあえず昔聞いてた歌探して、もう一回聞いてみようと思った。


一人の想いが、長い時間をかけてたくさんの人の心と思い出に触れて、そうして本人にすべてが温もりをもったまま返ってきた。
無駄なことなんてきっとない。そう思える作品でした。

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2024年07月28日

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自分も音楽が大好きな人間です

よくライブに足を運んでいて思っていたこと

今の時代音楽って世界中に溢れているのに
たまたま同じアーティストを好きになってたまたま同じ会場に足を運んでいるってよく考えたらすごいことだよなぁ
もっと言えばステージの上に立っているアーティストが生まれてなければ音楽を初めていなければ一生会うこともなかったんだなと

そんなたまたま出会った人達

どうやって活動を初めてどんな思いでステージに立っているのか
どんな風に人生を過ごしてどうやってこの音楽に出会いどんな風にこの音楽と共に人生を過ごしているのか

ずっと漠然と気になっていたことを見せてくれたようなそんな小説

音楽の素晴らしさを実感できる作品でした

最後に少し
ネタバレも含みますが…

自分の好きな人と一緒に仕事したいって夢を持ってチャレンジして一時はそれを叶えるも長くは続かず
それでも諦めずにまた夢を追って叶えてしまうテラかっこよすぎません!?

あんな風に支えてくれている人もいて自分達が音楽を聴けているということにも感謝だなぁと改めて

そんなかっこいい人に自分もなりたいです

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2024年07月04日

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じんわりと心が癒される作品だった。
なにより比喩表現が素敵で、ワードセンスがすごい。
特に好きだったのは、涙で視界がぼやけるという場面で
「部屋が滲む。目を細めると、六角形の光の粒で部屋がデフォルメされた。」
と書かれていた場面。なんておしゃれな表現…!
のちに調べたところ、作者さんは以前、作詞を担当されていたようでとても納得。

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2025年11月30日

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自分の知らないミュージシャンの世界。その世界の大変さを表現しつつ、彼の歌が色々な人達に影響を与えていく物語。

物語の時間軸が平行や同時進行ではなく、一本の真っ直ぐな時間で語られていくのが特に好きです。

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2025年11月19日

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 かつてよく聴いた音楽から過去の記憶が鮮やかに蘇ったり、季節や事象から過去に聴いていた音楽が突然脳内再生されたり…。こんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。本書は、こうした「音楽の力」を温かく描く物語です。

 著者の河邉徹さんは、バンドWEAVERのドラマーだった(2023年解散)そうで、本作は著者が作詞を担当し、言葉と音楽を紡ぐ世界に身を置いていたからこそ創り得た作品だと感じました。
 6章立ての連作短編で、「◯◯ノ オト」という各章題のカタカナ表記から、柔らかく軽やかな印象を受け、少し不思議な関心の惹きつけを感じます。

 最初は、中途半端な章の終わりと各章のつながりがよく分からず少々違和感があったのですが、各話の主人公を優しく包み込む筆致、背景の音楽がもたらす人のつながりや影響に、次第に心が満たされていきました。

 玄人好みで売れずに引退したシンガーソングライターの楽曲が、様々な立場の人の心を動かし、人生を変え…、そして自分自身も救います。
 大量生産・消費の時代では、音楽に限らずいいものが必ず売れるというわけではありません。でも、作り手自身もわかっていない(かもしれない)音楽の与えている影響を、信じてほしいですね。「支持=数ではない」のだと…。

 こんな時代だからこそ、音楽や物語は私たちに欠かせないものだと思います。人を慰め、励まし、救い、希望を与える「音楽の力」「物語の力」は、個人への影響だけでなく、人と人をもつなぐのですね。
 純粋で懸命に生きる人と、そんな人たちに寄り添う音楽…、素直にいいなあと思える読後感でした。

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2025年10月06日

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音楽との出会いによって人生が変わる。No Music, No Life.自分も正にこれ。幼少の頃から音楽が身近にあった。いろんな場面で助けられたし、励まされ、慰められた。
連作短編集。高校生の合唱の章が良かった。作者もミュージシャンで音楽活動を卒業したとあり、話とリンクしていて想像ではなくリアリティがあった。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

途中で安っぽくなりかけたけど、最後はうまく着地した。
作者の経験なのか細かいところがきちんとしていて説得力がある

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2025年07月18日

Posted by ブクログ

いいお話だった。
連作短編小説で、それぞれのお話の中で一つの曲がキーワードになりながら進んでいく。

人生生きていれば上手くいかない事も多いけど、失敗したからって、やった事が無駄だった訳じゃないと思わせてくれる作品でした。

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2025年03月09日

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思い出の曲かぁ。。

U2 with or without you

あの頃のことを思い出すと今でも苦しくなる。

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2025年02月06日

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あまり売れていないミュージャンが作った曲が、時代を超えて人々の人生の岐路に寄り添うお話。
音楽というのは時代を超えても色褪せることはないんだなと改めて思った。
もちろんその時代の流行りの曲調などはあるかもしれない。
でも良い曲は良い。そして心に響く曲は人によってそれぞれなのだと。

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2025年01月16日

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十代のあの頃から幾度となく救われてきた曲があり、ずっと音楽を届けてくれてライブをしてくれている事に改めて感謝の気持ちになりました。
考えたくはないけど、お互い歳を重ねてきていて、この先いつかは、新しい曲が聴けなくなる日がくると思う。
それでも、今まで何度も私を救ってくれた曲は胸にある事を再確認。
しい時も、悲しい時も、辛い時も、ずっと一緒に。
そんなことを改めて思う1冊でした。

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2025年01月06日

Posted by ブクログ

読み初めは少し私には合わないかなっと思いつつ、読んだのですが、読み進めるうちにどっぷりとその世界にはまってしまったそんな作品です。

染谷達也というシンガーソングライターの曲、特に彼が音楽の世界から引退した最後のシングル、「夢のうた」がキーワードとなって5人の男女の人生を変えていく、連作集です。

一つ一つの主人公が、愛おしくなるほど純粋で、生きることに懸命なのが嬉しくなる、そんなストーリーです。そしてそんな彼らの心に寄り添う音楽の力も素敵だなと感じます。

今や音楽はサブスクやSNSによって時代を軽々と飛び越えていきます。こんな時代だからこそ、生まれた文学作品なのでしょう。

良いものってなんだろう。
良いものが、必ずしも人に届くわけではないんだ。
本文p174抜粋
地方創生のため自分の住む田舎町のPR動画を作成したカメラマンのつぶやきですが、染谷達也というシンガーソングライターの曲は時代を超えて、再評価されつつあります。彼の動画ももしかすると時代を跨げば、変わるかもしれません。田舎町に住む私はそう願ってしまいます。

染谷達也こと染谷海は、かつてマネジャーをしてくれていた染谷のファンでもある寺井の強い勧めで、彼が起業したマネジメント事務所によって、再びライブを東京と自身の出身地新潟での開催します。

世界に一つくらい、自分の心を救ってくれる音楽が必ずあるのだと思う。
本文p326抜粋

あなたにもそんな音楽がありますか?

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2025年01月01日

Posted by ブクログ

実際に音楽業界にいた人が書いた話だとわかる。生々しい業界の部分と、
音楽の力を純粋に信じている部分が
混ざり合っている。

音楽に人生を救われるというのは、
程度の差はあれ、
多くのひとが経験してるだろうなあ。

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2024年10月21日

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ネタバレ

1人のピアノの弾き語りでメジャーデビューした人と、その楽曲に救われた人などを描く短編集。

・一作目は染谷とマネージャー補佐のテラを描く。テラは学生時代に染谷の音楽に救われて、染谷の引退する最後の年をマネージャーとして過ごし、最後の曲である「夢のあと」を染谷はテラのために書く。

・アクティブな友人と対照的な暗い中年女性。仕事などで心を病むが音楽に救われて、得意の書道で半紙に歌詞を書く

・カメラマンの青年は衣装アシスタントの女性に恋をする。一緒に町のPR動画を作成し、染谷の曲を使う。彼女には東京に彼氏がおり、両思いだが分かれる。

・高校生に合唱コンクール。染谷の曲を合唱曲にアレンジして歌う。ピアノの伴奏の子が交通事故で怪我をして、二番手の子が本番はピアノを弾いた。

・引退して10年経った染谷は新潟の田舎町で叔父のリサイクルショップを手伝う。テラがやってきtw、またライブをする。

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2024年10月19日

Posted by ブクログ

過去の記憶を辿ってみると、色々な場面と共にその時に聴いていた音楽が思い出される。
嬉しい時、悲しい時…私の場合は、曲に励まされたというよりは、そっと寄り添ってもらったような感覚が強い。
その曲は流行っていたものももちろんあるけど、そうでないものもある。そんな曲のことを久しぶりに思い出しながら読んだ。
私は創作者ではないので、バンドマンの河邊さんならではそちら側の視点が新鮮に感じた。
誰かの人生に影響を及ぼすものを生み出せるってすごい!
最近は音楽も商業主義を強く感じるけど、そこから外れた名曲を探してみたいなと思ってみたり。
(発掘するのが難しいけど)
作中に出てくる「夢のうた」は、この本を読んだらみんな聴きたくなってしまうはず。
おじさんにも高校生にも響くエモい曲…どんなメロディーなんだろう。歌詞は良いです!
いつか聴けたらいいなぁ。

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2024年10月07日

Posted by ブクログ

ある曲を聴いて励まされたり、救われたり、季節を思い出したり。そんな素敵な思い出で繋がるストーリー。

まるで染谷さんが奏でるピアノの音が聴こえてそうな気がするくらい心地よい。

音楽には人それぞれの思い出があり、その曲を聴くと
一気にその時に戻る。音楽に浸りながら、過去の自分を追想できるなんて、音楽の力は本当にすごい。

それぞれのエピソードに伏線があり、最後の回収が素晴らしかった。たくさんの人に読んでほしい一冊。

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2024年09月29日

Posted by ブクログ

メジャーデビューするも流行りに乗れない玄人好みの楽曲でブレイク出来ず音楽を諦めた染谷。でもそんな彼の曲がいく人かの人々を助け再生させる、そんな物語りだったと思います。個人的には少しだけ読み疲れる印象も残り星3つとしましたが、ありがちなワザとらしさがなく、取ってつけて感動させようという雰囲気もなく、全体好印象でした。
「凪に溺れる」(青羽悠)と印象がかぶりました。

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2025年01月15日

Posted by ブクログ

王様のブランチの特集を見てこちらを読みました。
やはり音楽をやっている人が書いた作品といったのがよく出ていた。全体的に爽やかさがありました。

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大ファンだったアーティストの担当になったものの、努力が結果に結び付かず苦悩する若手レコード会社社員、上司の期待に応えようとするあまり、知らないうちに心身を壊してしまった40代手前の女性、久しぶりの恋の予感にときめくカメラマン、合唱コンクールで伴奏と曲のアレンジを任された女子高生、海辺の町のリサイクルショップで壊れた物を修理し続ける男性。時に慰め、時に励まし、彼らの人生の岐路に寄り添っていた一つの音楽が、場所や時間を超えて広がっていく奇跡を、ミュージシャンとしての経験を持つ著者がみずみずしく描いた連作短編小説。
誰かの為にしたことが、その誰かの心を救う。それは数珠のように繋がっていき、巡り巡って最後には自分を救うことになるんじゃないかと、この物語を読んで強く思った。 『コイのオト』だけ消化不良。いい感じにまとめられていたが、自分に好意を持っている男をキープして気持ちよくなってる浮気女にしか思えない。

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2024年12月28日

Posted by ブクログ

おもしろかったです。学生時代に聴いていた曲というのは未だに歌詞を覚えていますね。そんなアーティストのマネージャーになれるなんて。

それも幸運だらけとは言えないお話でした。

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2024年11月01日

Posted by ブクログ

音楽が寄り添ってくれたり背中を押してくれたりという経験は私も何度もある。当たり前だけどその音楽を作った人にはその人の人生があって、もしかすると苦悩の中で生み出してくれたその音楽が私の光になってくれている···そんな事をかみ締めながら読みました。著者さんがミュージシャンなの後で知り納得。

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2024年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

カタカナで各章のタイトルが並んでいて、しかもちょっと左右に揺れてて、五線紙に音符がサラサラ書かれてるような感じがするなあ。
「ノオト」が、「ノート」みたいにも読めるから、なおさら音楽のノートみたい。

たぶん誰でも、大切な曲や思い出の曲ってあって、励まされたり癒されたり助けられたりしてきてると思う。
流行りの曲にだって、あの頃いつも流れてたあの曲、って思い出が紐づいてる。
大好きなドラマの主題歌だった曲、たまたま流れてて一耳惚れした曲、大好きだったあの人が好きだった曲、とか。。。

でも、音楽業界も商売なわけで、売上があってナンボ。ライブは会場おさえて、スタッフ雇って音響やセットや設備、広告費、経費がかかる。それらを上回る売上がなかったら成り立たない。趣味じゃないから。
そしてファンも移り変わる。あんなに好きだったのにそういえば聞いてないな、行ってないな、ってある。
数年前に地元の古いラーメン店が閉店した。
閉店の時は長い行列になってニュースになった。よく来てたんです、懐かしい、残念ってお客さんのコメントがあった。そのとき店主がポロッとつぶやいた。この皆さんが月に一度でも来てくれてたら閉めないですんだんですけどね・・・
百貨店の閉店も、大手スーパーの閉店も、本屋さんの閉店も、そしてアーティストも、同じだなって思った。

今はサブスクとかあるから、いつの曲か誰の曲かは関係ない。シティポップだっけ?昔の。あれも海外で聞かれるようになって、日本でも再ブレイクしたのよね?
不思議な現象だなあ。
昭和の曲を集めたり、平成令和と比較するようなテレビ番組もあるようだし。
それに、YouTubeとかで自分で曲つくって発信もできるし、どこにいてもできる。

曲を作って歌っていれば幸せだった染谷達也。音楽以外は興味なくて人付き合いもファッションもダメダメだった。
曲は良かった。でも、だんだん売れなくなっていく。
中学時代、染谷の曲が助けになって生きてこれたテラ(寺井)。染谷のいる芸能事務所に入社し、染谷のマネージャーになることができた。
でも、その年は染谷の活動最後の年になった。25歳でデビューして10年。「夢のうた」
を最後に引退した。
それから10年。「夢のうた」は、ひとり歩きを続けていた。たくさんの人に聴かれていた。テラは自分で会社を立ち上げていた。
音楽とは離れた生活をしていた染谷の町にテラがやってくる。

すてきな物語だと思う。
文章はサラッとしてて読みやすい。
「曲」の背景には色んなことがあるんだなって改めて気付かされた。
表紙カバーの裏に、著者のメッセージが書かれてて、その気持ちは読者に届いてますよって思った。
ファンレターって、今もあるのね!
渡してもらえるものなのね。書いてみようかな。
私は大好きだと思うと、必ずCDやBlu-rayを買う。本も買う。応援したいから。
これは今後も続けていこうと思った。

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2024年09月21日

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