【感想・ネタバレ】ヒカリノオトのレビュー

あらすじ

ファンだったアーティストの担当になった若手レコード会社社員、期待に応えようとするあまり、心身を壊してしまった40代手前の女性、恋の予感にときめくカメラマン、合唱コンクールで曲のアレンジを任された女子高生、リサイクルショップで壊れた物を修理し続ける男性――。彼らの人生の岐路に寄り添っていた一つの音楽が、場所や時間を超え広がっていく奇跡を、ミュージシャンとしての経験を持つ著者が描いた連作短編小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

最初の重い音楽関係の話から、読み難い本に手を出してしまったかなと後悔しつつ、ゆっくり読み進めると、次の章からはどんどん面白い展開に。

近年のヒットあるあるかなと。

染谷さんの視点とテラの視点で語られる中で、
海さんと染谷さんが同一人物なのが分かり、
思ったよりも染谷さんが若いことに驚いた。

バー裏にある作者の言葉がいつでも読めるように、コピーして、本のカバーとして使ってみた。

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2024年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1人のピアノの弾き語りでメジャーデビューした人と、その楽曲に救われた人などを描く短編集。

・一作目は染谷とマネージャー補佐のテラを描く。テラは学生時代に染谷の音楽に救われて、染谷の引退する最後の年をマネージャーとして過ごし、最後の曲である「夢のあと」を染谷はテラのために書く。

・アクティブな友人と対照的な暗い中年女性。仕事などで心を病むが音楽に救われて、得意の書道で半紙に歌詞を書く

・カメラマンの青年は衣装アシスタントの女性に恋をする。一緒に町のPR動画を作成し、染谷の曲を使う。彼女には東京に彼氏がおり、両思いだが分かれる。

・高校生に合唱コンクール。染谷の曲を合唱曲にアレンジして歌う。ピアノの伴奏の子が交通事故で怪我をして、二番手の子が本番はピアノを弾いた。

・引退して10年経った染谷は新潟の田舎町で叔父のリサイクルショップを手伝う。テラがやってきtw、またライブをする。

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2024年10月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大ファンだったアーティストの担当になったものの、努力が結果に結び付かず苦悩する若手レコード会社社員、上司の期待に応えようとするあまり、知らないうちに心身を壊してしまった40代手前の女性、久しぶりの恋の予感にときめくカメラマン、合唱コンクールで伴奏と曲のアレンジを任された女子高生、海辺の町のリサイクルショップで壊れた物を修理し続ける男性。時に慰め、時に励まし、彼らの人生の岐路に寄り添っていた一つの音楽が、場所や時間を超えて広がっていく奇跡を、ミュージシャンとしての経験を持つ著者がみずみずしく描いた連作短編小説。
誰かの為にしたことが、その誰かの心を救う。それは数珠のように繋がっていき、巡り巡って最後には自分を救うことになるんじゃないかと、この物語を読んで強く思った。 『コイのオト』だけ消化不良。いい感じにまとめられていたが、自分に好意を持っている男をキープして気持ちよくなってる浮気女にしか思えない。

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2024年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

カタカナで各章のタイトルが並んでいて、しかもちょっと左右に揺れてて、五線紙に音符がサラサラ書かれてるような感じがするなあ。
「ノオト」が、「ノート」みたいにも読めるから、なおさら音楽のノートみたい。

たぶん誰でも、大切な曲や思い出の曲ってあって、励まされたり癒されたり助けられたりしてきてると思う。
流行りの曲にだって、あの頃いつも流れてたあの曲、って思い出が紐づいてる。
大好きなドラマの主題歌だった曲、たまたま流れてて一耳惚れした曲、大好きだったあの人が好きだった曲、とか。。。

でも、音楽業界も商売なわけで、売上があってナンボ。ライブは会場おさえて、スタッフ雇って音響やセットや設備、広告費、経費がかかる。それらを上回る売上がなかったら成り立たない。趣味じゃないから。
そしてファンも移り変わる。あんなに好きだったのにそういえば聞いてないな、行ってないな、ってある。
数年前に地元の古いラーメン店が閉店した。
閉店の時は長い行列になってニュースになった。よく来てたんです、懐かしい、残念ってお客さんのコメントがあった。そのとき店主がポロッとつぶやいた。この皆さんが月に一度でも来てくれてたら閉めないですんだんですけどね・・・
百貨店の閉店も、大手スーパーの閉店も、本屋さんの閉店も、そしてアーティストも、同じだなって思った。

今はサブスクとかあるから、いつの曲か誰の曲かは関係ない。シティポップだっけ?昔の。あれも海外で聞かれるようになって、日本でも再ブレイクしたのよね?
不思議な現象だなあ。
昭和の曲を集めたり、平成令和と比較するようなテレビ番組もあるようだし。
それに、YouTubeとかで自分で曲つくって発信もできるし、どこにいてもできる。

曲を作って歌っていれば幸せだった染谷達也。音楽以外は興味なくて人付き合いもファッションもダメダメだった。
曲は良かった。でも、だんだん売れなくなっていく。
中学時代、染谷の曲が助けになって生きてこれたテラ(寺井)。染谷のいる芸能事務所に入社し、染谷のマネージャーになることができた。
でも、その年は染谷の活動最後の年になった。25歳でデビューして10年。「夢のうた」
を最後に引退した。
それから10年。「夢のうた」は、ひとり歩きを続けていた。たくさんの人に聴かれていた。テラは自分で会社を立ち上げていた。
音楽とは離れた生活をしていた染谷の町にテラがやってくる。

すてきな物語だと思う。
文章はサラッとしてて読みやすい。
「曲」の背景には色んなことがあるんだなって改めて気付かされた。
表紙カバーの裏に、著者のメッセージが書かれてて、その気持ちは読者に届いてますよって思った。
ファンレターって、今もあるのね!
渡してもらえるものなのね。書いてみようかな。
私は大好きだと思うと、必ずCDやBlu-rayを買う。本も買う。応援したいから。
これは今後も続けていこうと思った。

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2024年09月21日

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