二宮敦人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
MMORPGを一種のクローズドサークルと捉えるのは、シチュエーションとしてはおもしろいと思う。ただ、顔なし=マーダーとする根拠というか証拠の部分のつめが甘いし、情況からの推測でしかない説なのに主人公が突っ走りすぎ、という感が拭えない。また、登場人物がのきなみネトゲ廃人なのはいいとして、オンラインとリアルとして捉える思考回路は極端すぎてリアリティがない。
作中のミカさんの説明がやたらと綿密で詳細なのに対して、マーダーの住所を特定するに至る経緯がざっくり省略されていたりと、プロットがチグハグは印象を受けます。
最後まで読ませる勢いはあるものの、どうにもモヤモヤ感が取れない作品でした。 -
Posted by ブクログ
かなりライトな文章で読みやすい.そこはもとはケータイ小説出身の作家である長所が現れかも知れません.
幽霊の存在に対する考察が独特かつ斬新で,妙に納得のいく内容となっていて面白かったです.
ただ,1冊の小説として全体を俯瞰してみると,
・ホラー的な怖さはあるか → 無い
・ミステリー的な謎解きがあるのか → 薄い
・数学的な論理性はあるか → 乏しい
というように,タイトルや帯から期待されるような内容にはなっていない点には注意が必要です.
それでも,幽霊に関する考察は一読の価値がある面白さだと思うので,軽い気持ちで読んでみては如何でしょう.