広瀬隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本の現代史を復習しようと、
たまたま手に取った一冊だったが、思いの他濃ゆい内容で面白かった。
明治維新から日清戦争、日露戦争、
その後の韓国・台湾・中国への侵略の歴史。
軍部の暴走、第二次世界大戦。
戦後の復興から公害被害の実態まで。
この本の特徴は産業と財閥が歴史にどのような影響を及ぼしてきたのか。
という視点で歴史をとらえなおしており、
いままで読んだり聞いたりした歴史とは一味も二味も違っていること。
明治時代にはほとんどの財閥と政治は血縁で結ばれていたというのは、
全然知らなかった。
政治と産業の強いつながり、そして戦争時には軍人まで一体となって、
日本は突き動かされ、戦争に突入していったという描写は説得力がある。
この本のトーンは終始、右に批判的で、
歴史の話をしていたかと思うと、
ちょくちょくいきなり時代が飛んで安倍政権の批判が差し込まれる。
筆者の言いたいことというのはわかるんだが、
正直偏っているところもあり、好きな人は良いが単に歴史に興味がある人にはマイナス。
とはいえ、韓国・中国の立場に立った徹底的な日本の植民地支配への批判は、
自らもきちんと理解して、知識として持っておかなければいけないとは強く思わされた。
このテーマの話はどうしてこうも語る人によって内容や評価が違うのか。
難しいテーマだけど、韓国、中国のひととこれからも付き合っていかなければいけない、
日本人としては、興味無いでは済まされないことがらですね。
かなり内容偏っているのと、
あとボリュームも結構あるので読む人を選びますが、
力が入った力作であるのは確か。興味がある人はどうぞ。 -
Posted by ブクログ
久しぶりに氏の著書を読んだが、またもやガス業界にいる人間にとっては、これほど勇気の与えられることはそうそうない。しかし業界人でもないのに、よくここまで詳しく情報を集めていると感心させられる。それはともかく、二酸化炭素排出を気にするなら、氏の言うように、直接の廃熱をもっと気にするべきだ。原子力発電は70%を海に棄て、海洋環境に大きな影響を直接もたらしている。自然エネルギーも重要だが、地方に自然を破壊してまで設置するとすれば、これも本末転倒であるという氏の主張は、説得力がある。
ところで、過激なことばかり発言するので、一般に敬遠されているのかと思ったら、そうでもないのね。早稲田大学理工学研究所創立70周年シンポジウムのパネラーとして参加していて、そのあと、パナソニックと東京ガスが燃料電池について公演しているではないか!ガス業界も頑張るが、氏の頑張りに大いに期待したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレなかなか分かりやすい、教科書的な一冊。
広瀬隆氏の著作なので、“悪の帝国アメリカ”や核兵器に対する辛辣な批判は差し引いて読まないといけないけど、過去の多くの書物からエッセンスを抽出、キューバ革命、その後現在に至るまでのキューバを俯瞰して眺められ、入門書として良くまとまっている。
キューバ危機も、これまでの歴史の教科書で学んできたことは、米ソの駆け引き、JFKとフルシチョフのギリギリの決断という大国ありきの歴史観だったけど、当事者のキューバから見てみると、また違った側面が見れて面白い。まさに、私の理由とあなたの理由(アメリカとソ連の理由)の他、本当の理由(キューバの理由)が現場にはあったということがよく分かる。
「キューバへのミサイル配備計画を打ち出したのは、ソ連であって、キューバ政府ではなかったのだ!」
著者は「!」マーク付きで、大国の理論がまかり通る国際世論を槍玉にあげるが、カストロにしても、ソ連がその提案をしてくるだろうというのは見越して、フルシチョフに助けを求めたとは思う。カストロの聡明さ、戦略家としてのカリスマ性をさんざん持ち上げておいて、この場面だけカストロだけが聖人君子なわけはない(帝国憎しの著者の論調を差っ引いて読む必要があると思うところ)。
いずれせよ、どいつもこいつもキツネにタヌキだったということだが、それを差し置いても、大国の狭間にあって祖国キューバを守り切ろうとしたカストロはじめとする革命戦士たちの奮闘ぶりは見事だ。
本書を読んで楽しかったのは、映画を例に引いて説明してくれる箇所が多かった点も挙げておこう。キューバを語るにあたり避けて通れないのが『ゴッドファーザー PARTⅡ』のハバナでのシーン。マイケル・コルリオーネが現地で紹介される各界の大物は、実在の人物を忠実になぞっていることが本書で紹介されている(ユダヤ人マフィアのハイマン・ロスはマイヤー・ランスキー、ゼネラル・フルーツ社はユナイテッド・フルーツ社等々)。
マイヤー・ランスキーの話から、JFK暗殺の件に話が飛ぶのもご愛敬。マイヤー・ランスキーとケネディ家の禁酒法時代からの確執にまで話が及ぶ。ついでに、映画『アンタッチャブル』のカナダ国境での密輸業者との銃撃戦の話まで出てきて面白い。
『ウェスト・サイド物語』、『ブエナビスタ・ソシアル・クラブ』の話も出てくる。世相と映画は切り離せないという良い例だ。
1950~70年代、ソ連崩壊に至る80~90年代の国際政治を背景に、カストロとゲバラの帝国主義との対決、あるいはキューバを攻略できなかった米国の焦りがやがてべトナム戦争への引鉄となったという、あの頃、血沸き肉踊らせながら聞きかじった世界史の中に、キューバという国も確かな存在感を持って関与していたとうことがよく分かる筋立てになっている。キューバ目線からの近代史の良い復習になる。
本書はタイトルから両雄のパーソナリティや、二人の友情的なことが語られるのかと思ったが、その記述は少なく、キューバ革命に向けて意気投合してから袂を分かつまでの経緯は、意外とサラっとしている。それでも、キューバ革命を成功に導いたカストロとゲバラというカリスマの存在は、改めて見ても特筆すべきことだったのだろう。
「この革命は永遠だ」・・・映画BVSCは、街の中にあるこのプロパガンダを写しながら幕を閉じる。
「テロと難民を産み出す原因は、アメリカとヨーロッパが第三世界から搾取し、略奪をくり返すことによって貧困を加速するからであり、第三世界の貧困を喰い止めるための方策を何もとっていないことにある。このままでは、これら第三世界の国の人たちが先進国への移住を強いられるばかりで、その難民がアメリカとヨーロッパに押し寄せて、困るのはアメリカとヨーロッパなのである」
今から15年も前に発せられたカストロの言葉(2003年、イラク戦争時のブッシュ政権を批判しての発言)が、今以って真実味を増してきていることを見ても、カストロ、ゲバラ後も、彼らの想いを受け継ぎ、キューバ革命は継続されるべきであろう。
故に、“この革命は永遠だ”というのは悲しい現実でしかないのだけれど。 -
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ネタバレヨーロッパの支配下の小国だった19世紀半ばのアメリカに生まれたジョン・P・モルガンと、2歳年下の初代ロックフェラーが、前者は鉄道、後者は石油を手始めに、巨大資本を作り上げ、最後にはすべてを手にする話。
自動車、電気、通信、映画などの発明が相次ぎ、産業化していく時代、両者は犯罪スレスレの手段、というより詐欺と謀略と言った方が早い手段を駆使して並み居る競争相手を飲み込み、廃業させ、独占体制を確立していく。
両者が最初に対決することになるのは、それぞれが石油と鉄道の独占を終えてしまった後。石油を輸送するには鉄道が不可欠だった、というのもロックフェラーが競争相手がパイプラインを敷設するたびに破壊していったため。その運送費の価格交渉で最初に衝突する両者は、その後もさまざまな分野でぶつかり、巨大化していくアメリカを二分支配していく。
意外に知られてないのはエジソンとモルガンの腐れ縁。ドクター中松ばりのインチキぶりを発揮するエジソンは、本書の中では一番長く活躍するキャラクターかもしれない。さすがの彼も、モルガンとの交渉では騙されっぱなしで、最後にはGEエジソン社の社名からも、その名前を削除され、失意のうちに没することになる。
さて、著者の広瀬隆は不思議な癖を持つノンフィクション作家で、膨大な資料を駆使して書いているのが明らかなのにも関わらず、いつも参考文献を示さない。
その理由として、その文献の作者と自分の見解・立場は違うからと言い訳じみたことが書かれ、代わりに毎回抽象的な分析ツール・素材が紹介される。
『クラウゼヴィッツの暗号文』では毎年の世界地図に戦争をマッピングしたもの、『ジキル博士のハイドを探せ』では新聞社のベタ記事データベース、そして本書ではWho's WhoとWho Was Who。そして時事年鑑。
本書のWho's Who路線は後年の『赤い楯』で膨大な閨閥系図に結実することになる。 -
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ベストセラー『赤い楯』に続いて出版された、著者初の長編小説。 『赤い楯』であまり触れることが出来なかった、犯罪組織が表社会に進出し経済的に支配している様を描くことが主眼に置かれています。 小説という形式で社会の裏側を描くという点では、松本清張の系譜にある作品と言えるかもしれません(ミステリー仕立てではあるものの、推理の要素はほとんどないですが)。 広瀬隆のやたらと脱線が多い文体は『赤い楯』のような研究書では致命的ですが、小説、特に本書ではうまく機能しているようです。 中盤でマフィアと巨大多国籍企業、政財界人との繋がりが描かれ、『赤い楯』ばりの情報洪水が始まりかけます。が、後半になると情報はやや抑え目になり、今度は犯罪組織から狙われる松本清張ばりのリアルな恐怖体験が描かれます。 政官財にヤクザを加えた4つの権力が日本経済を支配しているというベンジャミン・フルフォードの一連の著作も、広瀬隆の影響を強く受けているようです。 かなり以前の小説ですが、ふるさを感じません。たぶん、この本に書かれた世界がそのまま進行してしまっているからでしょう。これ以降も数冊の長編が出ていますが、小説としてのおもしろさは、情報量を抑えた本書が一番だと思います。不満があるとすれば、いつものやたら人道主義的な主張を、主人公に語らせ過ぎてしまっているところでしょう。
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■原発
1.今回の地震のマグニチュードは、当初8.4とされたが、後に9.0まで引き上げられた。それは、当初の数字だと今回の地震が「想定内」の天災となり、東京電力ばかりが原発を推進してきた政府、専門家らも責任を追及されるからである。
2.原発がなければ電力需要が賄えないというのは誤解である。これまで稼働率を抑えてきた、天然ガス火力や石油火力の発電所を稼働させれば、発電能力は十分に足りる。
3.電力会社のほかに、新日本製鉄や日立製作所などの企業が「独立系発電事業者」として電力を供給することができる。これら大企業が発電を行うなら、全国の原発を廃絶しtめお問題ない。