【感想・ネタバレ】ロシア革命史入門(インターナショナル新書)のレビュー

あらすじ

四〇〇年近くに及ぶ帝政を打倒し、世界初の社会主義国を樹立したロシア革命。貧困を克服し、第一次世界大戦を終わらせるという崇高な理想のもとにつくられたソヴィエト連邦が、いかに当初の精神を失い、粛清の嵐の吹く独裁国家へと変貌を遂げていったのか。革命の主人公レーニン、トロツキー、スターリンたちをめぐる人間模様、バクー油田を巡る欧米諸国との利権争いなども描きながら、革命の全貌と真実にせまる。

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Posted by ブクログ

ロシア革命史入門 広瀬隆 インターナショナル新書

この革命についてはかなりの間違いを
吹き込まれて来たことをこの本で知ることができた
ソ連や中国共産党がマルクスが説いた物的平等を目指しことなく
独裁の頭の挿げ替えであったことは理解していたが
レーニンが革命前と後で豹変してしまった過程を見逃していた

レーニンは革命後の厳しい情勢の中で
訴えて支持されてきた農民や庶民の貧困からの脱却と戦争の即停戦を
権力の獲得と同時にその権力を守るために本末転倒に走り出す
手のひらをひるがえしたように農民のデモや
労働者のストライキへの弾圧と逆らう者の粛清へと変貌してしまう

それを引き継いだスターリンは裏で欧米と繋がりながら
仲間の粛清を徹底し私利私欲に精出すのである
もはや共産主義でも市民の参加による自主的な管理による政治でもなく
単なる秘密と嘘と暴力による独裁体制でしか無い

またユダヤ資本の関与を許すことで歪は大きくなり
バグー油田に関する利権争いについても理解していなかったことで
ソビエトの問題を歪めて認識してきたようだ

兎も角民衆が未熟で精神的に目覚めておらず機が熟していなかった
意識が高まることで利権という余剰物に対する
所有システムの問題点に気付く事から始まる共有システムと
個々の対等性と自由自在性をお互いに認め合う意識に到達する事から
始まらなければ自主的な管理による共産も共有も
過不足のない分配も不可能なのである

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2017年05月05日

Posted by ブクログ

何だか、ロシア革命についてそれなりに知っておくべきと感じて。
…結果、これは知っておくべき歴史ですね… かつ、私が学生だった頃にはまだ知られていなかった事実も近年徐々にですが分かって来ていますし… 学生の頃に表面的に認識していた理解とはかなり異なる風景が。ロシア革命とその前後の歴史およびその背景。

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2020年10月07日

Posted by ブクログ

ソ連があった時代に革命について書いた書物と、その崩壊後に出てきた資料をミックスして論じられているという本。この方の文章を読むにはいつも若干の留保が必要と感じている。ボルシェビキが政権を取って以後の庶民の虐殺数は、ナチスのホロコーストの数をはるかに上回っている。本当か?と正直言いたくなる。が、革命の理想が諸事情で独裁に暗転していく様はたぶんその通りなんだろうと思った。

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2017年12月06日

Posted by ブクログ

所々日本語が怪しいのと、説明不足感はあるものの、読みやすく分かり易い。
支配者視点で見た歴史ではマルクス主義者の理論実践と暴走だが、その裏には多くの民衆の意志と犠牲があった。
「ロシア革命史」であるがゆえ、レーニン伝が紙数の殆どを占め、スターリン時代で終わり。その後は殆ど記述がないので、別の本でソ連崩壊までなぞってみたくなった。…って、ソ連史の本、序盤で挫折してたんだった。

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2017年03月12日

Posted by ブクログ

ロシア革命は農民と反戦と貧困の克服という高尚な理想から始まったが、ソヴィエトが権力の座におさまると、その権力を守るために、農民と労働者を弾圧しまくる。信じられないような単位の人々が簡単に殺されていく。理想の実現のための手段を維持するために理想に反した行動をとるというのは、再現性が高いのだろう。

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2024年12月08日

Posted by ブクログ

十月革命が起こるまでの部分は、レーニンがどこに流刑になっただとかどこに逃げただとかどうたらこうたらで読むのが辛かった。。十月革命以降は知らなかった事実が満載で面白い。レーニンによる粛清が歴史的にも有名なスターリンの粛清よりも酷いものだったとは。市民、農民のために立ち上がったはずだったのに、彼らを一番に苦しめてどうする。

レーニン然りチェゲバラ然り、革命家というものは革命がゴールだとでも思っているのだろうか。その後の政治のお粗末さたるや。今では日本のジャンヌダルク()小池百合子か。

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2018年07月08日

Posted by ブクログ

「東京に原発を」で知られる広瀬隆さんがロシア革命を論じるというのを楽しみにしましたが、ロシア人民の反戦の機運が革命を生んだとしていたにもかかわらず、スターリン以上に革命直後のレーニンによる粛清や秘密警察の設立によって悪夢の70年が築かれたことがわかる、何とも気分の悪い一冊でした。

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2017年11月12日

Posted by ブクログ

今年がロシア革命100周年ということと、著者が広瀬氏だったため購入。
ロシア革命の一連の流れがよく理解できる。
革命が単なる左翼主義運動ではなく、国際規模の反戦運動が昇華したものだった。
そして、その流れに乗った政権取得までのレーニンの行動は指導者として認めることができるものの、政権取得後とその維持のための非常な弾圧手法にゾッとさせられた。レーニン政権時の5年間は、かの1930年代のスターリン大粛清を上回る規模という。
共産党独裁の維持という手段が、最終的な目的である正常なる国民国家の運営を崩壊させるという逆説。

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2017年05月09日

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