あらすじ
福島第一原発の惨状は目を覆わんばかりだ。原発震災を招いた原因は何なのか。「次」を防ぐ策はあるのか。
「揺れも津波も想定外」とする東電幹部や識者たち。しかし、時がたつにつれ「事故は人災」との指摘が強まっている。折しも列島は「地震激動期」に突入した。日本を救うために、原発震災の危険性をいち早く指摘していた著者が、「全原発を即、止めよ」と緊急警告する!!
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Posted by ブクログ
新聞やニュースの情報を
何の疑いもなく、受身で聞いている人たち
全員に読んでほしい。
子どもを守れるのは、大人しかいない。
「三十歳以下の人、とくに若い世代、幼児、妊婦や若い女性は
約二百五十キロメートルを最低限の退避圏として、
できるだけ福島第一原発から遠いところへ
恒久的な移住を考えて逃げる。
避難地は西日本のほうが、年間の風向きから考えて
長期的な安全性は高いであろう。」
※うちは、将来のことを考え
仙台から広島へ避難しました。
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この本はこれからの日本がどうなるか?ということを考える上で、ぜひとも読んでほしいです。あの時いったい何が起こっていたのか?そして何が隠さされているのか?これを読めばある程度のことは理解できます。
これを読みながら頭をよぎったのが、福島第一原子力発電所の原子炉の家屋が水蒸気爆発によって吹き飛んだ場面でした。そのとき僕はこう思いました。
「あ、終わったな」
と。それぐらい派手に爆発が起こったので、そのときにいったいどういうことが起こったのかということがこの本を読んでわかりました。恐ろしいです。
ここに書かれていることはマスメディアには決して流れないであろう恐ろしいまでの「真実」と今後、私たちが放射能というものにいかにして向き合っていかなければならないのか。そういうことが切々と書かれていて、この本はぜひ読んでほしいと思います。今、東京電力がどういうことになっているかは知る由もありませんが、高濃度の放射線をたっぷり含んだ水を海外に垂れ流したり、対応がすべて後手後手に回ってしまったということ、
そして、日本政府の原発作業員の被爆してもいいとされる放射能の許容量が引き上げられたことは彼らに対して
「死ね」
といっていることとほぼ同義なのだということがわかって、現場で今日も必死で働いている作業員の方々のことを思うことと、こういう決定をした政府への憤りがこみ上げてくるようでした。詳しい話は本書を読んでいただくとしても、原子力発電所が地震のきわめて多い所に築かれていたという事実。今後起こる巨大地震に今ある原発の施設がなすすべもないということ。これから私たちに課せられている選択。こういうことはマスコミに絶対取り上げられませんが、ぜひ一読をと切に思います。
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推薦理由:
福島第1原発の事故はなぜ起きたのか。それは天災ではなく、回避可能であった人災だと断じる著者が、日本の原発についてその危険性を説き、原発の停止を訴えている。福島原発の事故について詳しく知る事ができ、日本のエネルギー供給について考えさせられる。
内容の紹介、感想など:
2011年3月11日に起きた東北地方三陸沖地震に伴う強い揺れと大津波は、東日本大震災となる大きな被害をもたらし、福島第1原発はメルトダウンという大事故を起こした。かねてより原子力発電の問題点と危険性を指摘し、原発推進派の「専門家」達による「原発は安全だ」というキャンペーンを批判してきた著者が、日本の18か所全ての原発の現状と危険性を告発し、今すぐ原発を停止させるべきだと主張している。原発のしくみを解説し、大量の温排水を海中に流す原発が地球温暖化防止の切り札にはならない事や、熱エネルギーの3分の1しか電気にならない効率の悪さ、原子炉を制御することの難しさを述べるとともに、政府が繰り返した「直ちに健康に影響はないレベル」という言葉が如何に無意味であり、数値に現れない体内被曝が恐ろしいものかを説明している。また、日本列島がプレート境界型地震と内陸直下型地震がいつ発生してもおかしくない状態にある事を示し、そうなれば原発の大爆発で日本の広範囲が廃墟になるであろうと警告している。
憤りを感じるのは、今回の事故の責任を逃れるために様々な情報操作や情報の隠匿が行われていた事、また今回の地震と津波は「想定外の規模」などではなく、様々な研究から当然想定されていた規模のものだった事、そして今回の事故は、原発を推進した政府と電力会社の、人命より利益を優先した結果の人災であったという福島原発事故の真相である。そして福島原発は事故収束の目途もたたないまま、いまだに放射能をまき散らしている。日本で原発をすべて廃止しても火力発電と水力発電の稼働率を上げれば電力は十分賄えるし、世界中の天然資源の埋蔵量は当分枯渇しない程あるという事実には驚かされる。
村上春樹がカタルーニャ国際賞授賞式のスピーチで訴えたように、自らの手で再び被爆国となってしまった日本人は、このような事態を招いた事を反省し、核に依らないエネルギー供給に力を注ぐべきである。日本が廃墟と化す前に。
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購入即読破。TV・新聞では全く報じられない内容が多い。やっぱりメディアも広告費を得るために、原発推進派に取り込まれてるのだろうかね。(相当利権はでかいのでしょう)
放射能対策はどうすべきか、逃げるか、留まるかなどは結局は判断できない。ただし、原発が建設されてきた経緯がよくわかる。今後、について考えるにはいい本だ。
原発自体大小何度も地震に関連して事故が起きていて、今回たまたまヒットしてしまっただけであって、今後ヒットしないとは言えないと思う。それでも安全だと言い続けて原発を推進してきたその保安院が、安全宣言を出した。保安院の中の人が変わったわけではないので、おそらく安全は嘘なんだろうなと思う。(ごたごたがあったものの、再稼働前のストレステスト実施を決めたのは良かったかも)また、そもそも電気が足りないから原発が必要なのだ、というのも本当なのかね、と思ってしまう。そもそも、東電、政府、保安院の公表するデータも嘘や意図が混じってたり信用できるかどうか微妙だし。
原発自体、発生した3分の1の熱エネルギーでタービンを回し、3分の2を海に捨てているとは。なんと非効率か。CO2は少ないかもしれないけどものすごい地球温暖化じゃんか。
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どう考えるかは別としてこれはみんな読んでおいたほうがいいと思う。
政府や東電やメディアからは得られない情報がたくさんあった。
地震と原発。
もっと一人一人が考えて、行動を起こしていかなきゃなんだよね。
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広瀬さんは、こんなにこのような風になる前から好きな作家さんですが、この本で、地震のマグニチュードの件は、目からうろこでした。確かに、その辺、スルーしていたかも・・・と。
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背筋が寒くなります。もっと恐ろしいのは本に書かれていることが真実だってこと。原発のこと正しく知るために多くの人に読んでほしいです。原発を推進するのも反対するのもそれからではないかと。
Posted by ブクログ
自宅本棚にあったので参考程度に読み始めたのだけど、続きを読むのが怖くなってしまうほどだった。原発内の仕組みなど素人でもわかりやすく説明。なんとも脆弱な作り・・
なぜ原発事故が起こってしまったのかよくわかった。
この情報がすべてだとは思わないけれども、使用済み核燃料の置き場の限界などこの先の日本にとても不安。
地震の国なのに海沿いにばかりに原発があることがとても恐ろしい。
Posted by ブクログ
なぜ浜岡原発は危険な土地に建設されたのか。1972年に建設が始まり、翌年に地球科学者の杉村新氏が「日本付近におけるプレートの限界」を発表し、伊豆半島周辺な大規模な地殻変動をプレートテクトニクスの観点から明らかにした。しかし、原発計画は見直されず。
Posted by ブクログ
原発は、前は反対だったけど、電気いっぱい使っているしもう止められんし仕方ないなあと、この事故が起こる前は思っていた。けど、まだまだこれからも事故が起こるかもしれないと思うとお先真っ暗。利権だ政策だわからないことは多いけど、とりあえず怖くてよくわからん原発はやめていただきたいと思う。原発反対の1000万人署名をスーパーの前でしていた。原発止めるなら今しかないと思う。
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■原発
1.今回の地震のマグニチュードは、当初8.4とされたが、後に9.0まで引き上げられた。それは、当初の数字だと今回の地震が「想定内」の天災となり、東京電力ばかりが原発を推進してきた政府、専門家らも責任を追及されるからである。
2.原発がなければ電力需要が賄えないというのは誤解である。これまで稼働率を抑えてきた、天然ガス火力や石油火力の発電所を稼働させれば、発電能力は十分に足りる。
3.電力会社のほかに、新日本製鉄や日立製作所などの企業が「独立系発電事業者」として電力を供給することができる。これら大企業が発電を行うなら、全国の原発を廃絶しtめお問題ない。
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著者は、東日本大震災が起こる以前から、原発震災というものが起こり得るとして警鐘を鳴らしてきた。地質学などのデータから、第二、第三のフクシマもまた起こり得る、決して起こしてはならないと主張する。日本人にとって、一読の価値ありではないかと思う。
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怖ろしい内容でした。そしてこれはSF世界のことではなく、いま、現実に起こっていることなのです。しかし本書を読んで、恐怖に駆られたり怯えても何の解決にもなりません。著者も「パニックというのは、人々が本当のことを知らされていないから起こるものです。」と書いているように、まず私たちは正しい情報を手に入れ、そしてこれからどうすればよいのか考え、行動に移していくべきです。自分の無知を反省し、このことに気づかせてくれた貴重な本でした。
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原発推進論者や原発維持論者たちは、本書に対して、事実に基づいた反論をしていただきたい。どんなに目を背けたくなるような現実であろうとも、私はそれを知りたいのです。
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作者の本は、以前「東京に原発を」を読んで以来である。
本を読んだあの頃、今回のような事態は考えていなかった。
安心、安全の言葉の裏にある実態・・・・
未来ある子どもたちが安心して暮らしていけるようになってほしいものである。
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ノンフィクションライター、広瀬隆氏の新著です。一番印象に残っている本は私が学生時代に読んだ、「ジョンウェインはなぜ死んだか」。原爆試験場近くで西部劇のロケを行ったことが原因で俳優や映画関係者ががんで死んだ、という衝撃的な内容でした。福島原発事故について、東電の発表した不十分なデータをもとに、「すでにメルトダウンしている」「注水は冷却ではなく溶け落ちた核燃料をじゃぶじゃぶ洗っているだけ」など冷静な指摘を行っていきます。この後後半の、どれだけ人的被害が出るかという部分に差し掛かります。事故後短期間にこれだけの本が出るのはすごいことだと思います。断片的な報道やブログでは全体像が解りません。1冊の本なればこそ、の力です。
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資源が少ない国だけに、原子力発電は仕方ないとずっと思っていた。
しかし、福島原発事故のように、とんでもないことが発生し、そんなことは言っていられない。
この本がどこまで真実か。どうとらえたらいいのか。
それは読者によるが、言えるのはただひとつ。
原子力発電は無くても困らないということだ。
電気の自由化というのも興味深い話であった。
頼みます。
原発止めましょう。
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おそらく綿密な取材、調査に基づいて書かれているのだろうけど、ひたすら否定に告ぐ否定で、読んでて疲れる。ある対象を非難したい場合、そのメリットも吟味しつつ、反論を展開する方が有効な場合が多いと思うけど、この中ではそういう論調は取られていない。結局のところ一番心に残ったのは、“口を閉ざすことになる”とか何回も言っときながら、開いてるやん、っていう部分だった。
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フクシマ原発事故の原因や原子力発電のシステム、日本における地震リスクなど基本的なことが理解できる。
ただ、感想としては、少し説教臭すぎてだれるのが残念なところ。
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福島原発の問題を原発反対の立場で長らく訴えてきた広瀬氏の著書。福島原発で、事故当時、事故経過から数ヶ月何が起きていて、何が問題だったのか、改めて読むと恐ろしさと、腹立たしさが募ります。
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原子力発電が抱える問題点と今後どうすべきかを示唆している。たまたま起こった想定外の地震、津波によるやむを得ない結果なのか、そうではないと説く。マグニチュードが気象庁マグニチュードからモーメントマグニチュードに変わってM9.0とされたことに疑問を投げかける。論理を知る、自分の考えを持つために読む価値がある。
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福島第一原発の惨状は目を覆わんばかりだ。原発震災を招いた原因は何なのか。「次」を防ぐ策はあるのか。「揺れも津波も想定外」とする東電幹部や識者たち。しかし、時がたつにつれ「事故は人災」との指摘が強まっている。折しも列島は「地震激動期」に突入した。日本を救うために、原発震災の危険性をいち早く指摘していた著者が、「全原発を即、止めよ」と緊急警告する。
Posted by ブクログ
この本に書いてあることが本当であれば、原発を廃止することは十分可能だろう。
だが、本当かどうか分からない一般庶民は、処方箋をもらって満足しているというのは良くない傾向である。
「反原発」を掲げていれば、それに関連する主張を全て信じるというのは、怪しい宗教団体の信者になるのに酷似している。確実に思考力が衰える。
重要なのは、常に問題意識を持ち、真摯に真実を追究することであろう。
自分の信じたいものを信じるようでは、知能の発達はない。
Posted by ブクログ
原発系固め読み第8弾!
タイトルそのままズバリ、前半は平成23年3月、福島第一原発で何が起こったのか、なぜそうなったのかに始まり、放射線や被曝についてどういうものかを記録している。
後半はプレートテクトニクスからみた日本原発列島の現状、地震のメカニズムなど。
著者は反原発の旗手である。言葉に説得力がある。
Posted by ブクログ
英語に翻訳されたバージョンが無料で提供されいていたので読んだ。
まえがきに早急に翻訳作業した旨書いてあったように、小さなミスがちらほらあった。
内容は、メディア、政府、電力会社は絶対に説明しない、原発の地震対策がどれだけ危いものなのかを数値を用いて説明してあり、具体性があり勉強になった。
ただ、個別の原発の危険ついて語る章で、一部丁寧に証拠を積み重ねることなく勢いに任せて原発は危険という結論に至っているように見受けられる個所があった。
Posted by ブクログ
反原発の立場をとる広瀬隆氏。次々と今回の福島原発事故の対策の問題点を列挙。また54基ある日本の原発ひとつひとつの欠陥、構造上の問題点を挙げているけど、どうもその部分が長く、その部分はもうちょっとコンパクトにしてもいいのではという感想。
最も、同意できる部分は地震学者でも原発学者でも「専門家ならば、想定される最悪の事態を、起こる前に恐れだけでも伝えられなければ意味がない」といった論旨の部分かな。