戌井昭人のレビュー一覧
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深沢七郎のちくま文庫場版アンソロジー、この巻は小説集。先日の中公文庫と「みちのくの人形たち」だけが重複している。
民俗学的なようでいて民俗学でない、虚構の土着性がおもしろい「東北の神武たち」など。
すこぶる長い「千秋楽」が印象的だった。
役者の弟子である青年が、初めて舞台に立つことになったと思ったら、それは歌や踊りやヌードなどがごたまぜになったショーで、そこで妙な人物たちと出会い、3ヶ月に及ぶ興行の日々を延々と描いている。最後もオチらしいオチはなく、著者のエッセイのように、はぐらかしてストンと終わってしまう奇妙さ。だがこの長々と書かれた興行記は、深沢七郎ならではの味わいに満ちているし、何故か淡 -
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深沢七郎コレクション 転 (ちく 深沢七郎の文章にはものすごいオーラというか、魂というか、とにかくものすごいものがうごめいていると思った。むしろそのうごめいているものがそのまま文章になって跳ねたり跳んだりぐったりしたりしているような・・・。サラッとした「うまい文章」とは真逆の性質だと思った。この本は読んで面白いし、名言だらけでとても良かった。特に『秘戯』には深く感動した。そして解説まで読むと、また別の所から感動が溢れてきて涙が出そうになった。実はエッセイの方はあまり興味がなかったのですが、試しに読んでみて本当に良かった。本当に良い本でした
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ネタバレまるで不思議な力に導かれるような男女の再会の行方。
バンブー運輸の竹柴社長が、若い頃に出会ったジプシー魔術団にいたハファという女性の行方を探していた。
竹柴がフランス語ができる人を探して出会った加代と
ハファの消息を掴み、妊娠中の加代に代わって兄の細谷と
男2人でハファを探しにモロッコのタンジェを目指した。
若かった頃の竹柴の数々の武勇伝とハファと過ごした日々。
ジプシー魔術団の風変わりな人たちと
それに関わった人たちは竹柴1人を残してみんな死んでしまったこと。
ハファがくれたゼンマイを回し続け
社長にまで成長した竹柴の胸にいつもいたハファという女性の存在。
治安の悪いモロッコで体調 -
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亡き父の後を継ぎ、万病に効くお灸を行商する「わたし」は、父の残した顧客名簿を頼りに日本海側の村を訪れる。帰りのバスに乗り遅れた「わたし」は、村で一泊することになるのだが…。全2編を収録。
14年上期芥川賞候補作。表題作は例によって魅力の薄い男が主人公のちょっとニヒルな展開の物語。芥川賞の選者たちは揃って戌井の力量は認めつつも何か足りない、的な評価だった。ただ短期間でこれだけ頻繁に芥川賞候補になるのだから大したもの。
(B)
2016年の読書はこれで終了。122冊(2冊は猫雑誌)読んでA評価は8冊(前年比+2)、B評価で☆5つが11冊(前年比+4)でした。