戌井昭人のレビュー一覧
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ネタバレまるで不思議な力に導かれるような男女の再会の行方。
バンブー運輸の竹柴社長が、若い頃に出会ったジプシー魔術団にいたハファという女性の行方を探していた。
竹柴がフランス語ができる人を探して出会った加代と
ハファの消息を掴み、妊娠中の加代に代わって兄の細谷と
男2人でハファを探しにモロッコのタンジェを目指した。
若かった頃の竹柴の数々の武勇伝とハファと過ごした日々。
ジプシー魔術団の風変わりな人たちと
それに関わった人たちは竹柴1人を残してみんな死んでしまったこと。
ハファがくれたゼンマイを回し続け
社長にまで成長した竹柴の胸にいつもいたハファという女性の存在。
治安の悪いモロッコで体調 -
Posted by ブクログ
亡き父の後を継ぎ、万病に効くお灸を行商する「わたし」は、父の残した顧客名簿を頼りに日本海側の村を訪れる。帰りのバスに乗り遅れた「わたし」は、村で一泊することになるのだが…。全2編を収録。
14年上期芥川賞候補作。表題作は例によって魅力の薄い男が主人公のちょっとニヒルな展開の物語。芥川賞の選者たちは揃って戌井の力量は認めつつも何か足りない、的な評価だった。ただ短期間でこれだけ頻繁に芥川賞候補になるのだから大したもの。
(B)
2016年の読書はこれで終了。122冊(2冊は猫雑誌)読んでA評価は8冊(前年比+2)、B評価で☆5つが11冊(前年比+4)でした。 -
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職業俳優・亀岡拓次。主演、というような超有名人、ではないものの独特のルックスから「どこかで見たことある」と会う人会う人に言われるくらいには顔を覚えられている。撮影が終わると酒を飲みに街の呑み屋に繰り出したりもする。
そんな、亀岡が撮影のために訪れた様々な街でのちょっとした出来事の連作短編集。
登場人物同士の会話1つ1つが、自然で、且つその中に妙な面白み(オムツ、とか猫ゾンビ、とか妙な単語が混ざることで生まれる面白み)も有り、結果的に「ほっこりしながらもインパクトがある」面白い独特の空気が出来ている。
作者、「ちょっとしたユーモラスなおじさん」の描き方を心得ている人だ。 -
Posted by ブクログ
亀岡拓次、37歳。職業俳優。独身、恋人なし。173㎝、筋肉質、色黒。天然パーマの頭部は少し薄い。いつも眠たそうな目で飄々とした感じ。いざバイオレンスシーンではその目が狂気に変わる。役どころは下着泥棒に強盗に農夫やホームレス…といった特異な役回りが多い。そもそも大きな役を射止める野望すらなし。あくまでも脇役に居心地の良さを求める。世間的には「ああ、どこかで見たことある顔」といった認知度しかなく、名前を知ってるのは余程のファン。仕事ぶりは全く堅苦しさはなく理屈はこねず、決められたスケジュールに従って単身現場に赴き、監督の指示通りにカメラの前に身をさらす。そう、亀岡拓次は憑依型ではない俯瞰型俳優。数