戌井昭人のレビュー一覧
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深沢七郎のちくま文庫場版アンソロジー、この巻は小説集。先日の中公文庫と「みちのくの人形たち」だけが重複している。
民俗学的なようでいて民俗学でない、虚構の土着性がおもしろい「東北の神武たち」など。
すこぶる長い「千秋楽」が印象的だった。
役者の弟子である青年が、初めて舞台に立つことになったと思ったら、それは歌や踊りやヌードなどがごたまぜになったショーで、そこで妙な人物たちと出会い、3ヶ月に及ぶ興行の日々を延々と描いている。最後もオチらしいオチはなく、著者のエッセイのように、はぐらかしてストンと終わってしまう奇妙さ。だがこの長々と書かれた興行記は、深沢七郎ならではの味わいに満ちているし、何故か淡 -
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深沢七郎コレクション 転 (ちく 深沢七郎の文章にはものすごいオーラというか、魂というか、とにかくものすごいものがうごめいていると思った。むしろそのうごめいているものがそのまま文章になって跳ねたり跳んだりぐったりしたりしているような・・・。サラッとした「うまい文章」とは真逆の性質だと思った。この本は読んで面白いし、名言だらけでとても良かった。特に『秘戯』には深く感動した。そして解説まで読むと、また別の所から感動が溢れてきて涙が出そうになった。実はエッセイの方はあまり興味がなかったのですが、試しに読んでみて本当に良かった。本当に良い本でした
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かなり個性的な長編小説です。一言で言えば子育て小説?
ある意味出来過ぎの三歳児・タロと、父親失格気味だけど反省しながら一生懸命タロに向き合うハチャメチャミュージシャンの父ちゃん。読み始めはどこに向かうのか判らず混乱しましたが、結局最後まで同じトーンで話は進みます。ただ、妙に読後感は良い。
後半はロードムービー的。母親が体調を崩したせいで、どさ周りライブの父親に連れられて門司港、山口、広島、尾道、倉敷、京都。山口の「いろり山賊」(山賊の砦のような食事処)、広島のミシン座と言うライブステージ(名前は違うし入った事は無いけれどあそこだとすぐ判る)など馴染みのシーンが沢山出て来て楽しい。
ステージ上で -
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ネタバレまるで不思議な力に導かれるような男女の再会の行方。
バンブー運輸の竹柴社長が、若い頃に出会ったジプシー魔術団にいたハファという女性の行方を探していた。
竹柴がフランス語ができる人を探して出会った加代と
ハファの消息を掴み、妊娠中の加代に代わって兄の細谷と
男2人でハファを探しにモロッコのタンジェを目指した。
若かった頃の竹柴の数々の武勇伝とハファと過ごした日々。
ジプシー魔術団の風変わりな人たちと
それに関わった人たちは竹柴1人を残してみんな死んでしまったこと。
ハファがくれたゼンマイを回し続け
社長にまで成長した竹柴の胸にいつもいたハファという女性の存在。
治安の悪いモロッコで体調