戌井昭人のレビュー一覧

  • 酔狂市街戦

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    おかかえ運転手に、売れない舞台役者、同じく甲斐性なしのサックス奏者…。しぶとく這い回る底辺男の諧謔と哀歓と正義を描く。表題作ほか全4編を収録。

    戌井昭人らしく全く共感できない情けない男たちが主人公の物語が4篇。にもかかわらず読み出すとズルズル物語に引き込まれ、気づくと読み終わっている。内容的には無頼派に近い気もするが、そんな立派な分け方は似合わないかも。不思議な作風で、「万年芥川賞候補」が頷ける。
    (B)

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    2017年01月14日
  • どろにやいと

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    亡き父の後を継ぎ、万病に効くお灸を行商する「わたし」は、父の残した顧客名簿を頼りに日本海側の村を訪れる。帰りのバスに乗り遅れた「わたし」は、村で一泊することになるのだが…。全2編を収録。

    14年上期芥川賞候補作。表題作は例によって魅力の薄い男が主人公のちょっとニヒルな展開の物語。芥川賞の選者たちは揃って戌井の力量は認めつつも何か足りない、的な評価だった。ただ短期間でこれだけ頻繁に芥川賞候補になるのだから大したもの。
    (B)

    2016年の読書はこれで終了。122冊(2冊は猫雑誌)読んでA評価は8冊(前年比+2)、B評価で☆5つが11冊(前年比+4)でした。

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    2016年12月31日
  • ひっ

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    「テキトーに生きろ」という破天荒な伯父の教えを受けた俺は家庭内乞食に墜ち、人生どん詰まりに…。自由と自堕落、人の生き死にをとことん描く、天衣無縫の長篇小説。

    12年上期芥川賞候補作。「すっぽん心中」と同じくどうしようもなく情けない男が主人公。それなのに物語のテンポの良さに惹かれてつい読み進めてしまう。不思議な作品。
    (B)

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    2016年12月31日
  • 俳優・亀岡拓次

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    職業俳優・亀岡拓次。主演、というような超有名人、ではないものの独特のルックスから「どこかで見たことある」と会う人会う人に言われるくらいには顔を覚えられている。撮影が終わると酒を飲みに街の呑み屋に繰り出したりもする。
    そんな、亀岡が撮影のために訪れた様々な街でのちょっとした出来事の連作短編集。

    登場人物同士の会話1つ1つが、自然で、且つその中に妙な面白み(オムツ、とか猫ゾンビ、とか妙な単語が混ざることで生まれる面白み)も有り、結果的に「ほっこりしながらもインパクトがある」面白い独特の空気が出来ている。
    作者、「ちょっとしたユーモラスなおじさん」の描き方を心得ている人だ。

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    2016年11月27日
  • 俳優・亀岡拓次

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    亀岡拓次、37歳。職業俳優。独身、恋人なし。173㎝、筋肉質、色黒。天然パーマの頭部は少し薄い。いつも眠たそうな目で飄々とした感じ。いざバイオレンスシーンではその目が狂気に変わる。役どころは下着泥棒に強盗に農夫やホームレス…といった特異な役回りが多い。そもそも大きな役を射止める野望すらなし。あくまでも脇役に居心地の良さを求める。世間的には「ああ、どこかで見たことある顔」といった認知度しかなく、名前を知ってるのは余程のファン。仕事ぶりは全く堅苦しさはなく理屈はこねず、決められたスケジュールに従って単身現場に赴き、監督の指示通りにカメラの前に身をさらす。そう、亀岡拓次は憑依型ではない俯瞰型俳優。数

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    2016年09月13日
  • 俳優・亀岡拓次

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    どんな時でも演技は真面目。ぶざまなのにカッコいい。チョイ役ばかりの俳優・亀岡。話があればどこへでも行きます。これがまた笑える話ばかり。おすすめです。

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    2016年06月14日
  • 俳優・亀岡拓次

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    ネタバレ

    大きな事件が起こる訳ではないが、俳優亀岡拓次が撮影で行くロケ先での何気なくも何か感じる小品の連作。ロードムービー的で実験的、おもしろい。劇中劇も本物とフェイクが渾然一体となり、作者の狙い通り「訳が分からなくなる」感じが新鮮。

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    2016年04月01日
  • のろい男 俳優・亀岡拓次

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    前回同様にこの素朴な雰囲気と亀岡の生活スタイル、この物語から漂ってくる様なにおいがたまらなく好きだ。
    続編が出たら絶対に読んでみたい!

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    2016年02月29日
  • どろにやいと

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    話は面白い。でも言葉が身体から発しているようには感じず、もう一つ文章が響いてこないのは若さなのかと。

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    2016年02月21日
  • のろい男 俳優・亀岡拓次

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    1作目に引き続いて、一気に読みました。
    さらに、いかがわしさがパワーアップして面白かったです。

    亀岡さんは出演作品数が多いのですよね?
    もっと色々な地方のエピソードが沢山あるはずですよね?
    続編待ってます。

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    2016年02月18日
  • 俳優・亀岡拓次

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    ネタバレ

    映画の宣伝をしていて、原作があると知ったので読んでみました。
    面白かったです。

    読んでいて、安田顕さんの顔、雰囲気が浮かんでしまいます。
    (映画は見ていなくて、またしばらく週末用事があって見に行く予定がないですけれども)

    続編も続けて読みました。

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    2016年02月18日
  • どろにやいと

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    人生の節目には、きっかけのような、機会を生み出すような儀式が必要なときがある。
    この本の物語は蘖(ひこばえ)のような、死と再生の物語なのだと思う。
    自分では切り落とせないものを、儀式によって取り払う。儀式とはいかないまでも、これからこうしていくというけじめをつける。それは、自らできる人もいるけれど、土砂崩れのようにはからずもまわりに流されてそうなる人もいる。

    私は今、この本の始まりに立っている。自ら動かなければならないとわかっていても、なかなか踏みだせないでいる。

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    2014年09月20日
  • すっぽん心中

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    表題作の「すっぽん心中」より併録されている「植木鉢」と「鳩居野郎」の方がおもしろかった。全体的にユーモアと情けなさが静かに効いている。

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    2014年09月10日
  • どろにやいと

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    BGM the end of asia / ryuichi sakamoto
    やいとのおかげで快調です。

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    2014年09月05日
  • どろにやいと

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    成井昭仁のゆるいロード小説が好き。これも表面上ゆるい感じで推移していくものの、いつからかある村から出られなくなり、そしてやがて…という展開がすてき。

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    2014年06月30日
  • すっぽん心中

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    日常のなかに突然やってくる非日常に、まぁいいっかぁ、と流され気づきたらどっぷり浸かってしまった。そんな短編集。

    表題もいいが、植木鉢も鳩の話も好きだなぁ。読んでいて映像が浮かんでくる作家さんです。

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    2014年02月08日
  • すっぽん心中

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    何の屈託もなくワイルドサイドの王道を闊歩するモモ。些かの迷いもなく、すっきりまっすぐ進む姿が実に心地よい。自分自身のあくせく流れる毎日が本当にとるにたらないことを思い知らされる。腹を抱えて笑える爽快さがある。ちっぽけな自分を諧謔とペーソスが優しく包んでくれる。面白いし可笑しいし読後感も非常に良い。

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    2013年12月22日
  • すっぽん心中

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    「すっぽん心中」「植木鉢」「鳩居野郎」の短編3集。
    すっぽんはやっぱり噛みつくのですぬ。叩き殺すところは生臭さが匂ってきそう。クルマで衝突されてむち打ちになった主人公がリハビリ帰りに知り合った女と霞ヶ浦にすっぽんを捕りに行くことに。くびが横を向いたまま入れるとかけっこうエグい表現。
    植木鉢はそこまでやらんでもって感じ。軽で高速で140?乗ってる奥さんが気分悪くなるの解るような。しかしこの人何故か回りが見えず一直線なんです。鳩居野郎も自分の仕事場の回りに寄る鳩が気になる話。
    どの話もすらすら読めた。

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    2014年01月04日
  • すっぽん心中

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    場面を想像すると嫌な感じがジワリとするんだけれど、不思議と読み進んでしまう(^^;そして読み終えると、それぞれの話のアホさが笑える(^o^;)

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    2013年10月23日
  • すっぽん心中

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    ・すっぽん心中
    ・植木鉢
    ・鳩居野郎

    こういう小さい狂気とか追い詰められてる感とか暴走しちゃう感とかってあるよなって思いながら読んだ。

    しかもド地元で心拍上がった!
    すっぽんじゃなくて亀なら本当にいるし。
    取材に来たのかなって思うとにんまりしちゃう。

    面白かったな。

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    2013年09月25日