戌井昭人のレビュー一覧
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職業俳優・亀岡拓次。主演、というような超有名人、ではないものの独特のルックスから「どこかで見たことある」と会う人会う人に言われるくらいには顔を覚えられている。撮影が終わると酒を飲みに街の呑み屋に繰り出したりもする。
そんな、亀岡が撮影のために訪れた様々な街でのちょっとした出来事の連作短編集。
登場人物同士の会話1つ1つが、自然で、且つその中に妙な面白み(オムツ、とか猫ゾンビ、とか妙な単語が混ざることで生まれる面白み)も有り、結果的に「ほっこりしながらもインパクトがある」面白い独特の空気が出来ている。
作者、「ちょっとしたユーモラスなおじさん」の描き方を心得ている人だ。 -
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亀岡拓次、37歳。職業俳優。独身、恋人なし。173㎝、筋肉質、色黒。天然パーマの頭部は少し薄い。いつも眠たそうな目で飄々とした感じ。いざバイオレンスシーンではその目が狂気に変わる。役どころは下着泥棒に強盗に農夫やホームレス…といった特異な役回りが多い。そもそも大きな役を射止める野望すらなし。あくまでも脇役に居心地の良さを求める。世間的には「ああ、どこかで見たことある顔」といった認知度しかなく、名前を知ってるのは余程のファン。仕事ぶりは全く堅苦しさはなく理屈はこねず、決められたスケジュールに従って単身現場に赴き、監督の指示通りにカメラの前に身をさらす。そう、亀岡拓次は憑依型ではない俯瞰型俳優。数
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戌井さんお得意の、駄目な男の話。
いつも戌井さんのものを読んで素晴らしいと思うのは、
その読後感の爽やかさ。
例えば西村賢太の私小説のような読後の胃酸が逆流する感じや、
酒を飲みたくなったりつらくなることがない。
戌井さんの書かれる小説は、純文学でもありながら、
エンタメでもあるような気がする。
こんなに軽快な純文を、私は知らない。
所々に鏤められた、小さくシュールな笑いも好き。
ひっさんの作曲した楽曲のタイトル羅列のところなど。
ひっさんのように、きちんとテキトーを生きるのは
私には理想的でありながらとっても難しい。
テキトーを貫くのも。
それに、ひっさんは「俺」のいうように、
や -
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ネタバレこの本の一番最後に載っている「みちのくの人形たち」が読みたくて購入した.読みたかった理由は,昔どこかである人が,今まで読んだ中で最も怖いホラーとしてこの話を紹介していたためである.
この本には6つの話が掲載されている.「東北の神武たち」と「揺れる家」,「千秋楽」,「女形」,「流転の記」,「みちのくの人形たち」である.「女形」のみ中編であり他は全て短編である.以下それぞれについて覚えている限りのあらすじと感想.
「東北の神武たち」:確か,寡婦が毎晩村の男に順番に抱かれにいくというときに,主人公だけ順番を飛ばされるという話.主人公の執着心が凄まじかった.
「揺れる家」:主人公は子ども.母親と祖父が