戌井昭人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自らを卑下するかのようなタイトルが印象的な作品集。
形容しがたい不思議な感じの書きぶり。主人公は大抵、ゆるゆる・ふらふら・へらへら。そんな主人公が何だか不思議な体験をしてしまう、という短篇5篇。どれも面白かったです。
筆者による「それでも賞欲しい」といういじらしいあとがき、なるほどとうなずく町田康氏による解説も良かった。
何よりこちら、5篇はどれも単独で販売されていたもの。言わば5冊が1冊で読める・しかも結構面白いし、これはお得だなと感じました。
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短篇のタイトルはそれぞれ、「まずいスープ」「ぴんぞろ」「ひっ」「すっぽん心中」「どろにやいと」、とどれも個性的。
内容には触れませんが、大体主人公は20代、仕事は(色々理由があって)していない・ないしはフリーランス的な。ある意味自由な時間を持てていて、平日の昼間にも出歩けるような人。犬も歩けば棒に当たるではないけど、そんな人が外にでると、案の定、不思議な話に遭遇する、そんな感じの話たちです。そしてちゃっかり・しっかり女性にも手を出す。でも汚らしくはないかな。
町田氏も解説で指摘されていたように、作り込んだ虚構感はあまりなく、「自然な」駄目さ加減の男の日常(=小説になるくらい非日常的)、みたいな感じでしょうか。
飾りや衒いのない書きぶりは、金城一紀氏の作品に似ていると感じたり、あるいは駄目男の一人称の視点というと長嶋有氏のテイストにも通底するものがあるなあと感じました。
殺人モノ・刑事モノのような娯楽に特化したわけでもなく、かといって文学文学したお高くとまる感じもない。普段使いだけどちょっとちがう、無印良品みたいな印象を受けました。比喩が過ぎる!?
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ということで初めて戌井氏の作品を読みました。
ひょうひょうとしており、味わい深い作品でした。落選し続けつつも頑張る?筆者に自らを重ね合わせるわけではないのですが、underdogな私ですので、こういう筆者は応援したいですね。
また機会を見て渉猟したいと思います。