戌井昭人のレビュー一覧

  • 酔狂市街戦

    Posted by ブクログ

    ダメ男がダメ男なだけに血まみれになる短編集。ダメすぎて哀愁にまみれている。でも、ほんのちょっぴりだけ羨ましさを感じてしまうのよね。ダメに生きるって。。最後の「川っぺりらっぱ」が一番すきでした。

    0
    2016年10月14日
  • 酔狂市街戦

    Posted by ブクログ

    下手くそな演奏しかできないのにダラダラと音楽を続ける。続けていれば何かいいことがあるといった漠然としたフワフワしたものだけがよりどころ。目的をもって生きるという執念はない。我武者羅だけど少なくとも前には転がっていた、そんな時期もあったのに、中年になった今は転がることもできず、ただ沈滞するのみ。何も起こさず何も起きない生き方。童貞に逆戻りしていくような生き方。悲しいペーソス漂う中にも、どこか憎めない生き方が、読む者の心をどこかホッとさせる。読後は清々しい居心地の良さが広がった。

    0
    2016年09月17日
  • のろい男 俳優・亀岡拓次

    Posted by ブクログ

    今作でも、主人公は犯罪者に扮したり、台詞もなくただ無惨に殺されたり…、特異な役を嬉々としてこなす。そう、現場での亀岡拓次はすこぶる男前。業界の評価はうなぎのぼり。カルトなファンは多く、その中には外国人監督もいたり。

    読み飽きさせないプロットとドライブ感。仕組まれた構成。なのに前作の方がはるかにオモロい。原因は明確。とにかくはっちゃけすぎ。前作に垣間見れた主人公の哀愁さ・小心さ・下心さはすっかり影を潜め、大胆で能動的過ぎる。躁気質なキャラになってしまっている。人物造形の振り幅の大きさに首をかしげてしまう。著者は続編を想定していなかったんだろうな。ゆえに過剰なケレンさを生んでしまった。今作から読

    0
    2016年09月13日
  • 酔狂市街戦

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    4編の短編集。「芥川賞5回落選作家!による、血まみれダメ男ブルース」と帯にあるとおり、たしかに主人公は血まみれのダメ男たちばかり。「川っぺりらっぱ」はいい感じで終わりそうだったんだけどな。やはり最後は血まみれ。

    0
    2016年08月26日
  • 俳優・亀岡拓次

    Posted by ブクログ

    20160721

    夢とうつつが地続きだ、という書評の通り、亀岡の日常と役者としての仕事が面白いように関わっている。

    役者なんて憧れて目指すものではないのかも。

    0
    2016年07月21日
  • のろい男 俳優・亀岡拓次

    Posted by ブクログ

    長年、独り身で、自分勝手にやってきた俳優亀岡拓次。貫禄もなければ生活感もない。普段ギャンブルをやっているわけはやらないが、昼間の競輪場へ行き、わけのわからないおっさん達の仲に入り「ああ自分もこんな感じでいいんだ」と安心感を得るのを小さな楽しみとする。背中には哀愁漂う間抜けさがある。生ぬるいビールを飲まされ、興奮もときめきもないお婆さんの胸を揉まされ1万3000円をぼったくられる。それでも名女優の乳房を思い出させてくれたからと寛厚温藉をみせる。浮かれた世相の裏側にある社会の暗部を浮き彫りにする。いかがわしさと猥雑が寧ろ救ってくれる。

    0
    2016年02月06日
  • 俳優・亀岡拓次

    Posted by ブクログ

    映画だとイマイチ伝わらなかったんですが、亀岡が好きな作品「骨抜きレモ」は原作で読むと面白い作品だったんだな、と思いました。

    0
    2016年02月01日
  • どろにやいと

    Posted by ブクログ

    嘘をつき騙し女淫に耽ってきた。己を顧み省察することもない誤魔化しだけの人生。父の死を機に一念発起、行商の旅に出る。家々を回りながら父が残した顧客と向き合い対話の中で相手を鏡とし自らを映し見出す。罪滅ぼしの行脚を続けるもどこか偽善的で「泥にやいと」。寂しい空虚が胸に響く。あくなき生への執着の果てに見る青空はどんな風に映ったのか。

    0
    2014年09月28日
  • すっぽん心中

    Posted by ブクログ

    表題の「すっぽん心中」は押し付けがましくない
    かすかな明るさが感じられて、好感が持てる一編だった。
    怖かったのが「植木鉢」。
    普通の男がじわじわとでも確実にタガが外れていく様子が怖かった。

    0
    2014年04月18日
  • ひっ

    Posted by ブクログ

    感性の干からびを恐れるあまり遊びまわる作曲家のひっさん。波乱万丈、波ありすぎの人生が矢鱈めったらおかしい。「毎日しめじ食ってたらポロンとちんぼこが落ちて、代わりにしめじが生えてくるんじゃねえのか」 野卑で下世話なかけあいも他者を思いやる愛情に満ちており、思わず泣き笑いを誘う。人間も小さくなったり大きくなったり萎んだり万物は常に変化し続ける。ミミズでさえ常に前進し時はテレポートさえする。何だか何故か積極前向きになれる不思議なテイストがある。

    0
    2013年12月21日
  • すっぽん心中

    Posted by ブクログ

    サリンジャーのように淡々としていて、それほど崇高でもなく、宮沢賢治のように丁寧な言い回しであり、それほど描写が上手くなく、ただし、何とも言えない親近感を感じる。

    0
    2013年12月08日
  • すっぽん心中

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    どこにでもいそうなのに、どこか変。そんな人たちの話。
    変といっても色々あるが、この本に出てくる人たちはいわゆるダメ人間系変な人たち。あっけらかんと波乱万丈な人生をはなすモモ。なぜか一つの事件に異常に固執する男。ハトを病的に嫌い、他人から狂人にみられていると客観的に理解してるけれど弁解もしない男。
    この本を読んで上記三人に感情移入できる人、考えが理解できる人はなかなかいないと思う。でもなんだか気になる。関わりあいたくはないけど野次馬として遠くから眺めていたい三人だと思った。

    0
    2013年11月05日
  • ひっ

    Posted by ブクログ

    よく分からない叔父がテキトーに生き、なんか成功し、よく分からない男に刺されて引退し、よく分からないまま隠居生活に。
    甥がよく分からないままギターを売ってそのまま海外に旅に出て、1年後なんとなく帰ってきたら叔父が死んでいた。
    そのまま遺品整理を叔父の友人たちとし、よく分からない裸の気球おじさんと会い、よく分からないまま終わった。
    -なんとなく引きこまれて読み終わったけど、なぜか芥川賞候補の作品らしい。読み終わってから気づいた。
    こういうのは意味不明さと性がなければいけないんだろうか。偉い人や文豪の考える事はよく分からない。
    ところどころ聞き覚えのある登場人物がいるのは気のせいだろうか。

    0
    2013年04月18日
  • ひっ

    Posted by ブクログ

    モラトリアム期間のダメな若者が適当に金作って旅して働く気になるまでみたいな超ありきたりな小説なんだけど、こういうのってなんで何作読んでも飽きが来ないんだろう。
    堕落はバラエティ豊富。

    0
    2013年03月21日
  • ひっ

    Posted by ブクログ

    作曲家などの仕事で成功したひっさんの甥っ子である私が、突然亡くなったひっさんの遺品を整理するため庭に穴を掘っている.そこからひっさんのことや私がひっさんのギターを売り払った金でインドを放浪したことなどが出てくる.ひっさんの友達で近くの洞窟に裸で住んでいる気球さんの登場が面白い.芥川賞の候補作の由だが、?という感じだ.

    0
    2013年02月20日
  • ひっ

    Posted by ブクログ

    穴に落ちるシーンが印象深い。遺品を燃やした温かな灰に、穴の中で包まれる情景がとても優しいものを感じさせる。亡くなったひっさんの優しさに包まれるようで。
    全体的にあっさりしてる。純文にしては軽い。

    0
    2013年01月17日
  • ひっ

    Posted by ブクログ

    駄目な大人の話だなあ。でも面白い。
    特に、主人公のおじさん、表題にもなっている「ひっさん」がいいなあ。漫画みたいな半生。言っていることが格好いいんだけど、よく考えると意味がわかんない。「お前のは、テキトーが死んでる」とか。意味がわからないけれど名言だなあ。

    大筋はひっさんの死後遺品を整理しながら半生を振り返り、近所の人たちと故人を偲ぶ、という筋の話だけれど、全編がなんだかあっさりしている。やろうと思えばいくらでも湿っぽく泥臭くできそうなのに、この乾き具合というか、あっさり感がじめじめしてなくて面白い。特にとぼけたかんじの会話が秀逸で、映画にしてもきっと魅力的なのだろうと思う。

    0
    2012年10月09日