戌井昭人のレビュー一覧

  • すっぽん心中

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    表題の「すっぽん心中」は押し付けがましくない
    かすかな明るさが感じられて、好感が持てる一編だった。
    怖かったのが「植木鉢」。
    普通の男がじわじわとでも確実にタガが外れていく様子が怖かった。

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    2014年04月18日
  • ひっ

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    感性の干からびを恐れるあまり遊びまわる作曲家のひっさん。波乱万丈、波ありすぎの人生が矢鱈めったらおかしい。「毎日しめじ食ってたらポロンとちんぼこが落ちて、代わりにしめじが生えてくるんじゃねえのか」 野卑で下世話なかけあいも他者を思いやる愛情に満ちており、思わず泣き笑いを誘う。人間も小さくなったり大きくなったり萎んだり万物は常に変化し続ける。ミミズでさえ常に前進し時はテレポートさえする。何だか何故か積極前向きになれる不思議なテイストがある。

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    2013年12月21日
  • すっぽん心中

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    サリンジャーのように淡々としていて、それほど崇高でもなく、宮沢賢治のように丁寧な言い回しであり、それほど描写が上手くなく、ただし、何とも言えない親近感を感じる。

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    2013年12月08日
  • すっぽん心中

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    ネタバレ

    どこにでもいそうなのに、どこか変。そんな人たちの話。
    変といっても色々あるが、この本に出てくる人たちはいわゆるダメ人間系変な人たち。あっけらかんと波乱万丈な人生をはなすモモ。なぜか一つの事件に異常に固執する男。ハトを病的に嫌い、他人から狂人にみられていると客観的に理解してるけれど弁解もしない男。
    この本を読んで上記三人に感情移入できる人、考えが理解できる人はなかなかいないと思う。でもなんだか気になる。関わりあいたくはないけど野次馬として遠くから眺めていたい三人だと思った。

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    2013年11月05日
  • ひっ

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    よく分からない叔父がテキトーに生き、なんか成功し、よく分からない男に刺されて引退し、よく分からないまま隠居生活に。
    甥がよく分からないままギターを売ってそのまま海外に旅に出て、1年後なんとなく帰ってきたら叔父が死んでいた。
    そのまま遺品整理を叔父の友人たちとし、よく分からない裸の気球おじさんと会い、よく分からないまま終わった。
    -なんとなく引きこまれて読み終わったけど、なぜか芥川賞候補の作品らしい。読み終わってから気づいた。
    こういうのは意味不明さと性がなければいけないんだろうか。偉い人や文豪の考える事はよく分からない。
    ところどころ聞き覚えのある登場人物がいるのは気のせいだろうか。

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    2013年04月18日
  • ひっ

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    モラトリアム期間のダメな若者が適当に金作って旅して働く気になるまでみたいな超ありきたりな小説なんだけど、こういうのってなんで何作読んでも飽きが来ないんだろう。
    堕落はバラエティ豊富。

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    2013年03月21日
  • ひっ

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    作曲家などの仕事で成功したひっさんの甥っ子である私が、突然亡くなったひっさんの遺品を整理するため庭に穴を掘っている.そこからひっさんのことや私がひっさんのギターを売り払った金でインドを放浪したことなどが出てくる.ひっさんの友達で近くの洞窟に裸で住んでいる気球さんの登場が面白い.芥川賞の候補作の由だが、?という感じだ.

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    2013年02月20日
  • ひっ

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    穴に落ちるシーンが印象深い。遺品を燃やした温かな灰に、穴の中で包まれる情景がとても優しいものを感じさせる。亡くなったひっさんの優しさに包まれるようで。
    全体的にあっさりしてる。純文にしては軽い。

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    2013年01月17日
  • ひっ

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    駄目な大人の話だなあ。でも面白い。
    特に、主人公のおじさん、表題にもなっている「ひっさん」がいいなあ。漫画みたいな半生。言っていることが格好いいんだけど、よく考えると意味がわかんない。「お前のは、テキトーが死んでる」とか。意味がわからないけれど名言だなあ。

    大筋はひっさんの死後遺品を整理しながら半生を振り返り、近所の人たちと故人を偲ぶ、という筋の話だけれど、全編がなんだかあっさりしている。やろうと思えばいくらでも湿っぽく泥臭くできそうなのに、この乾き具合というか、あっさり感がじめじめしてなくて面白い。特にとぼけたかんじの会話が秀逸で、映画にしてもきっと魅力的なのだろうと思う。

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    2012年10月09日