戌井昭人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
超おもしろかった。
はじめましてです。戊井さん
すっぽん心中は、このゆるい感じで特に話も意味をなさない感じ、誰にでもかけそうなのに、きっと絶妙ななにかがあって、このような作品になったんだろう。。。
とまあ、特に戌井さん大好き!にはなってなかったのですが、
次の「植木鉢」と「鳩居野郎」は声をあげて笑ってしまった・・・
植木鉢もなんなんだろう。。。短編でこんなに笑わしてくるんだろうって・・・訝しむくらいです。
空気感というんでしょうか、男がインタビューを受けて、妻が無言・顔面蒼白の図を想像したら
「ぶほう」っとなってしまいました。
「鳩居野郎」も完全なるエッセイとして読んでいましたが、鳩、わたし -
Posted by ブクログ
「まずいスープ」もぶっ飛んでる展開で面白かったけど、今回の特に「すっぽん心中」も人間のあったかいところに触れられるほんと良い作品だった。小説では珍しく、舞台が西日暮里から土浦という、世田谷とかに住んでる人から見ると「え、そこどこ?」「そこ東京じゃないっしょ?」って場所が舞台になってる。私は地元がこの辺だからこのなんとも言えない感覚を「駅名では、どんな場所だかわからないような、なんだか哀愁の漂うところ」と形容していただいたことがなんとも嬉しく、作品の素敵さも合わせて作者の作品をまた更に好きになった。戌井さんの作品、ぜひ実写化してほしいなぁ〜。
-
Posted by ブクログ
深沢七郎のちくま文庫場版アンソロジー、この巻は小説集。先日の中公文庫と「みちのくの人形たち」だけが重複している。
民俗学的なようでいて民俗学でない、虚構の土着性がおもしろい「東北の神武たち」など。
すこぶる長い「千秋楽」が印象的だった。
役者の弟子である青年が、初めて舞台に立つことになったと思ったら、それは歌や踊りやヌードなどがごたまぜになったショーで、そこで妙な人物たちと出会い、3ヶ月に及ぶ興行の日々を延々と描いている。最後もオチらしいオチはなく、著者のエッセイのように、はぐらかしてストンと終わってしまう奇妙さ。だがこの長々と書かれた興行記は、深沢七郎ならではの味わいに満ちているし、何故か淡 -
Posted by ブクログ
深沢七郎コレクション 転 (ちく 深沢七郎の文章にはものすごいオーラというか、魂というか、とにかくものすごいものがうごめいていると思った。むしろそのうごめいているものがそのまま文章になって跳ねたり跳んだりぐったりしたりしているような・・・。サラッとした「うまい文章」とは真逆の性質だと思った。この本は読んで面白いし、名言だらけでとても良かった。特に『秘戯』には深く感動した。そして解説まで読むと、また別の所から感動が溢れてきて涙が出そうになった。実はエッセイの方はあまり興味がなかったのですが、試しに読んでみて本当に良かった。本当に良い本でした