あらすじ
海沿いの街の一軒家で、タロは父ちゃん、母ちゃんと暮らしている。
不思議なオニやカッパ、牛のぬいぐるみの「上田」が話し相手だ。
ミュージシャンの父ちゃんは最近ほとんど仕事がなく、
タロを連れて最後の「どさまわり」に出ることに。
門司港、山口、広島、尾道、倉敷、京都……
崖っぷち歌手の父ちゃんと、3歳のタロの旅。
どんどん成長していく子とのかけがえのない日々を描く、泣き笑いの傑作長編。
【挿画】多田玲子
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
なんて素敵で温かい子育てロードノベル!
タロは3歳、父ちゃん母ちゃんと神奈川県の海辺の町の一軒家に住んでいる。毎日貧乏長屋と呼ぶ部屋でちゃぶだいの傷跡から生まれたおにとかっぱ、ぬいぐるみの牛田うしのすけとの会議をして、海辺まで散歩してラジオ体操して、海の浄化のために石ころを投げて、元漁師やタイヤで鍛える兄ちゃんや芋パンを焼くお姉さんと交流するような日々を過ごしてる。
ミュージシャンの父ちゃんが九州から西日本して関東へ帰ってくるドサ周りツアーに向かう直前、母ちゃんが体調を崩し、とうちゃんはタロを連れてツアーに向かう。
前半パートの日常も良い、後半の親子ロードパートも楽しい。何よりラジオ体操や会議やおむつのトイレ、しっかり食べる食事シーンなんかの挿話が一つ一つ愛おしくて。
大きな事件が起こるわけでもなく、怖いことも哀しいことも起きない、のどかで平和でちょっとした事件だけを読んでいく楽しさ。多分俺が過ごしている日常もこういう平和で気持ちよい要素で溢れていて、自分でそれに気付いてないだけなんだろうなぁと…。
もっともっと気持ちを緩めていいんだろう、心地よいと感じる方向に進んでいけばいいんだろう。コスパもタイパも関係ないんやろう。
読後、ずっとオーティスレディングを聴いている。
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(今は)売れないミュージシャンの能天気な父ちゃんと、たろ、そしてかあちゃん。
のんきに暮らしていた一家。
とうちゃんとたろが久しぶりのドサまわり。
登場人物がみんな魅力的。
なんやかや成長していくたろがかわいい。
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タロの成長と共に父ちゃんも成長していくお話。
タロの成長は早く、父ちゃんはゆっくり。
でも、2人ともちゃんと前に進んでた。
父ちゃんは、止まったり戻りかけたりしながら、ちゃんと進んでいた。
そして、少しずつ、親子はそれぞれの道を進むのだな。涙。
Posted by ブクログ
おにたろかっぱについての十項目
・タロは(今は)売れてへんミュージシャンの父ちゃん、デザイナーの母ちゃんといっしょに葉山で暮らしてる三歳児。
・「昭和の貧乏長屋」と名付けられたタロの部屋でタロはおにとかっぱの三人で脳内会議してる。それに参加したい父ちゃんはときどき上田ウシノスケに化けて混じってる。
・タロとこんなふうに濃密に遊んでられるのは今だけなんやろな、呑気でアホくさいことが幸せなんやろなと父ちゃんは思う。でもできるだけタロを喜ばせ続けなくっちゃとも思う。
・父ちゃんがドサ回りツアーに出ることになったときタロもついていくことになりこの本の後ろ半分は二人のゆる〜いロードノベル。
・タロがいると世の中平和で楽しい。似たテイストの何かを知ってるような気がしてちょっと考えてみて、あずまきよひこさんの『よつばと!』やと思った。
・ギャンブル好きでタロにチンチロリンを教えたアコーディオン奏者の田部井さんとかドラムを叩くと豹変する僧侶の壮念さんとかいろんな(けったいな)人が登場する。
・タロと父ちゃんの会話が楽しい。
・最後に京都でみんなが集まり大騒ぎ。
・父ちゃんは売れてない自分を不安に思ったり意外にまともなことも考えたりしてる。
・あんパンと牛乳の組み合わせはサイコー。お好み焼きとコーラの組み合わせもサイコーかもしれない。シキ子さんの芋パンも美味しそうだ。
《この空気を感じると、浮世から少しだけズレているような心地よさを味わえる。この町にはいたる所に、このような空気が漂っている。》p.65
《検索が人生の余裕を削っているように思える。》p.255
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都心から三浦半島の海沿いの街の一軒家に引っ越してきた3歳児のタロは父ちゃん、母ちゃんと暮らしている。玄関横の昭和レトロな部屋がタロの部屋で、そこでおしゃべり上手なタロは不思議なオニやカッパ、牛のぬいぐるみの「上田」と会議するのが日課だ。しがないミュージシャンの父ちゃんは最近ほとんど仕事がなく、毎日、タロと散歩に出かける日々。ミュージシャンとしての人生に区切りをつけるため、父ちゃんは「どさまわり」に出ることにするが、母ちゃんが熱を出し、タロの面倒を見れなくなったため、タロも門司港、山口、広島、尾道、倉敷、京都の「もどさまわり」についていくことになり…。
とにかく平和な物語だった。
おしゃべり上手で落語が好きで、ワニ皮の財布をもらって喜び、コイを食べたいと言うおませなタロだけど、ウンチはオムツじゃないとできないのが可愛くて可愛くて…。ちゃぶ台の前で正座をしてる3歳児のタロを想像しただけでニヤけちゃう。
父ちゃんとタロの会話もクスッと笑えるものばかり。そして、冴えないミュージシャンの父ちゃんの歌も何だかヘンテコリン。
ちょっとずつ成長していくタロに父ちゃんと同じく嬉しくもあり、寂しくも感じた。
幸せをお裾分けしてもらったような気分になった。
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題名、装丁のイラストからするともろ児童書子供向の物語かと思いきや読んでみて面白さ満載の親子家族物語でした。時々出てくるオニ、カッパ、上田ウシノスケのキャラクターが何とも言えない味を出していました。ミュージッシャンの父ちゃんの作る曲の面白さギャグ満載の歌詞、読んでいて笑ってしまいました。タロと父ちゃんのドサまわりツアーの珍道中は波瀾万丈の面白さあり大傑作間違いなしの物語でした。あなたも読んで笑って下さい。感動して下さい。
Posted by ブクログ
あゝ子どもが欲しい
こんな風に子育てできたら
どんなに楽しいだろう
たろくん3歳は
三浦半島の貸し家にある
昭和の貧乏長屋のちゃぶ台のキズ模様
おにくんとかっぱくんと仲良くなる
ちょっと、かいぎしてきます
と本気で会話している
あるある
僕も覚えがある
すると父ちゃんは
牛の縫いぐるみ上田ウシノスケに扮して
隣部屋から参加している
父ちゃんは少し売れてるミュージシャン
母ちゃんはwebデザイナー
海のそばの一軒家で
ゆっくり何もない何でもある生活が
えんえんと続いてゆく
かんきょーでうみにいしをいれる
しゅぎょーもだいじだし
父ちゃんのうたはまあまあだ
時代はコロナ禍終わった頃
時々実在人物も話題になるけど
時々調べても出てこない人たちもいる
著者の経験譚かと思いきや
違うかもしんない
倉敷ライブ舞台の古本屋のモデルは
絶対「蟲文庫」だよね
その他いろいろモデルがありそう
あさきょんさんのお陰で
この本に会えました
こんな家族ホントに居そうです
こんな家族会えて良かったです
Posted by ブクログ
かなり個性的な長編小説です。一言で言えば子育て小説?
ある意味出来過ぎの三歳児・タロと、父親失格気味だけど反省しながら一生懸命タロに向き合うハチャメチャミュージシャンの父ちゃん。読み始めはどこに向かうのか判らず混乱しましたが、結局最後まで同じトーンで話は進みます。ただ、妙に読後感は良い。
後半はロードムービー的。母親が体調を崩したせいで、どさ周りライブの父親に連れられて門司港、山口、広島、尾道、倉敷、京都。山口の「いろり山賊」(山賊の砦のような食事処)、広島のミシン座と言うライブステージ(名前は違うし入った事は無いけれどあそこだとすぐ判る)など馴染みのシーンが沢山出て来て楽しい。
ステージ上でギターに嚙みつくなど激しく意味不明なパフォーマンスをするミュージシャンなど、私にとっては全く理解不能で苦手ですが、なんだかほのぼのとして、暖かく平和な一冊でした。
Posted by ブクログ
普段、読まない感じの本だったけど魅力的なお話でした。
父ちゃんと、スピノサウルスとオーティスレディングが好きな3歳の息子タロの物語。
3歳の子供の面白さ、可愛さ、大きくなっていく喜びと寂しさ、他愛のないグダグダした日常と、旅の中での非日常を優しく優しく描いている。
読うちの子供たちは随分と大きくなったけど寝顔を見に行くたくなるような、そんな読書後の時間に感想を書いています。
Posted by ブクログ
なんだろなぁ…魂が浄化される感じは。
一言でいえばお父さんの育児日記なんですけど。
何気ない日常のかけがえのなさを痛感します。
3歳のタロも今だけ。
おにとかっぱと上田も今だけ。
全てが愛おしくて、大切に大切に読みました。
一家に幸あれと祈らずにはいられません。
おばけばあさんにそうめんおしょう、どさまわり広島ターンは、何度笑ったことでしょう♪
育児中のかたはもちろん、心にゆとりが欲しい方にもオススメです。
Posted by ブクログ
ミュージシャンの父ちゃんと
タロさんさいのお話
ほぼ何にも起こらない
2人が後半
「どさまわり」に出かけるが
事件や事故は起こらない
途中で母ちゃんが体調不良になって
うっすら暗雲…?と思ったが
別に何もなかった
ライブで父ちゃんが無茶して怪我するも
特になにもなかった
平和でほんわか
こんな社会情勢だからなおさら
タロくんはずっとこんな世界で成長してほしい
個人的に尾道が大好きなので
特に後半のロードムービー的な部分に
旅情がかき立てられた
Posted by ブクログ
ずーっと平和なままで終わった。何か起きてほしいと望んでしまったが、タロのためを思えば何も起きない方が良いね。後半は、タロとお父さんと一緒に旅をしているような気分になれた。
Posted by ブクログ
年をとってからの子ども(48歳のとき3歳)と散歩したり、地方へ演奏のどさ回りをしたりする父子の小説。散歩の光景は保坂和志の『季節の記憶』と重なったりするが、基本的にはくだらないけど、下品ということもないほどの微笑ましさ。
途中で紹介される古代ギリシャの遠近法の時間論「彼らは未来を自分たちの背後からやってくるものと見なし、過去を眼前から後退するものであると見なした」(119-120頁)が示唆するような、父親はその人生分までの未来しか見えないのが切ない。