村瀬健のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレオムニバス形式で一つの車両事故を中心にそれぞれの過去や事故後の人生が描かれていく話。
死んだ人に強い思いを持っている人だけが幽霊列車に乗ってまた会えるという設定が良い。
比較的新しい作品やけど、和幸がストーキング行為をしてるのは少し心配になった。個人的には美しい感情やと思うけど、今の時代気持ち悪い人もいるんちゃうかな。
好きな設定だけど、何か心が大きく揺さぶられる事はないなぁと思いながら読み進めたけど、終盤登場人物達の物語がクロスオーバーする辺りからは盛り上がったし、最終章は泣いた。
お父さんの運転士の職務に忠実な姿勢に心打たれたのが大きいかも。しかも父親譲りで血統が立派なのにも憧れる -
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Posted by ブクログ
初めましての作家さんです。
作品名の通り、本当に切手代が高いです。万単位ですから。
でも、天国の大切な人への最期の手紙となると仕方ないのでしょうか。送り主の年収で切手代が決まるという仕組みになっていたので、億単位の人もいましたね。ちょっとビックリです。
でも、物語は涙なしでは読めませんでした。
一通目 推しへ
二通目 友へ
三通目 祖母へ
四通目 愛犬へ
五通目 恋人へ
それぞれが大切な人への想いをたっぷりと綴っています。(切手代は高いけれどせっせと書いて何通も送る人もいます)
登場人物が重なる事もあって、それは「あっ。あの時に出てきた人だ」と楽しめました。
切手代はとても高価だし、天国 -
Posted by ブクログ
とても面白かったです!
入間人間さんと時雨沢恵一さんを目当てに読み始めましたが、他の筆者皆さんも大変におもしろい話を書いてくださいました。
※私は、安達としまむら、アリソンシリーズ のファンです。笑
どのお話も面白かったので、いろいろ語りたいことだらけですが、ネタバレ回避のため、抽象的にまとめさせていただきます。
皆さんは本作を読んで何を感じるでしょうか。
私は、「可能性」「未来」「ナカイマ」「命」
だと思いました。これまで長く、そうするべきだと云われてきたことや、伝統には、もちろん尊ぶだけの、それが続いてきたなりの理由はあります。一方、そうでない物は許されないと云うはずないのですから、 -
Posted by ブクログ
はじめ3つのお話は、泣ける話だけどドラマ的な印象を受けた。
でも最終章、事故車両の運転手の奥さんのお話で、この一冊の印象が変わった。
愛する旦那さんを失ったのに、運転手の妻として表立って悲しむ事もできず、事故被害者への罪悪感を感じ、心無い誹謗中傷を受け、日常生活もままならなくなっていく。
その様子は現実味があり、旦那さんとの思い出や人間性を知る度に、より胸を締め付けられる。
またこの最終章でわかる事実で、他の3つのお話もまた違った印象になった。
事故により亡くなった人の未来も、その人と過ごすはずだった未来を奪われた周りの人達の様子に苦しさを感じた。
でも、過ごしてきた時間がより輝かしく、そ -
Posted by ブクログ
ネタバレ・亡くなった被害者に会っても、現実は何ひとつ変わらない──。 何をしても、事故で亡くなった者は生き返らない──。 そのルールを聞かされても、誰もがみんな、会いに行った。
・人は、いつだって愛する者を失ってから気づく。 自分は、二度と戻らない美しい日々にいたんだな、と。 あなたは、亡くなった人にもう一度だけ会えるとしたら、何を伝えますか?
・プロポーズされて以来、私は幸せという名の衣に包み込まれているようだった。
【⠀4つのルール 】
・亡くなった被害者が乗った駅からしか乗車できない。
・亡くなった被害者に、もうすぐ死ぬことを伝えてはいけない。
・西由比ヶ浜駅を過ぎるまでに、どこか