あらすじ
鎌倉に春一番が吹いた日、一台の快速電車が脱線し、多くの死傷者が出てしまう。
事故から二ヶ月ほど経った頃、嘆き悲しむ遺族たちは、ある噂を耳にする。事故現場の最寄り駅である西由比ヶ浜駅に女性の幽霊がいて、彼女に頼むと、過去に戻って事故当日の電車に乗ることができるという。遺族の誰もが会いにいった。婚約者を亡くした女性が、父親を亡くした青年が、片思いの女性を亡くした少年が……。
愛する人に再会した彼らがとる行動とは――。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
オムニバス形式で一つの車両事故を中心にそれぞれの過去や事故後の人生が描かれていく話。
死んだ人に強い思いを持っている人だけが幽霊列車に乗ってまた会えるという設定が良い。
比較的新しい作品やけど、和幸がストーキング行為をしてるのは少し心配になった。個人的には美しい感情やと思うけど、今の時代気持ち悪い人もいるんちゃうかな。
好きな設定だけど、何か心が大きく揺さぶられる事はないなぁと思いながら読み進めたけど、終盤登場人物達の物語がクロスオーバーする辺りからは盛り上がったし、最終章は泣いた。
お父さんの運転士の職務に忠実な姿勢に心打たれたのが大きいかも。しかも父親譲りで血統が立派なのにも憧れる。
自分も一人息子を亡くしたのに美佐子に手紙を認めた根元父に泣いた。
最終章では雪穂がもっとたくさんの人が幽霊列車に乗った話を少ししていて、他の乗客の話も読みたいと思った。
後語りが好きなのであっさり終わってしまったのは少し寂しかったかも。
テーマが秀逸なので面白いに決まっていた。まんまと泣かされた印象。
Posted by ブクログ
泣ける作品と聞いていたのでかなりハードルが上がっていたけど、しっかり泣けました。自分は号泣というより、自然と涙が出てくる感じでした。
いつ別れが来るかわからないので、一日一日を大切に過ごすことが大事だし、大切な人には気持ちをできるだけ伝えておこうと思います。
Posted by ブクログ
学校で読んでちゃんと泣きそうになりました。
元々表紙が綺麗で衝動買いしたんですが、過去の私を褒めたい。よく手に取ってくれた。
脱線事故で亡くなった人に会うために、夜の幽霊電車に乗る遺族のお話。
家族と、恋人と、片思いの人と。会いたかった人と巡り会った時、どのような言葉を紡ぎ、どのような行動をするのか。
いざ自分の身近な人が、突然いなくなってしまったら?そしてまた再会できたなら?
自分だったらどうするんだろうかと、考えさせてくれる素敵な一冊でした。✨
Posted by ブクログ
脱線事故で身近な人を亡くした人の話が4編。どの話も感動した。亡くなった人が生き返るわけではないとわかっていても、もう一度彼らに思いを伝えたい。人は大事なものを失ってから後悔するんだなと感じた。
Posted by ブクログ
死んだ人は生き返らないという現実を突きつけられたって、それでもあの人にもう一度会いたいと強く願う彼らに、胸が締め付けられた。亡くなった大切な人に会ってしまったら、私は電車を降りて、現実を生きていく自信なんて正直もっていない。それでも、前を向いて生きていく決心をした彼らの姿に、勇気を貰える作品だった。そして、最後の第四話「お父さんへ」を読み進めていくうちに、ある真実が明らかになっていき、言葉では言い表せないほどの切なさに視界がぼやけ、胸が苦しくなった。もう一度読み返さずにはいられない、一冊だった。
Posted by ブクログ
はじめ3つのお話は、泣ける話だけどドラマ的な印象を受けた。
でも最終章、事故車両の運転手の奥さんのお話で、この一冊の印象が変わった。
愛する旦那さんを失ったのに、運転手の妻として表立って悲しむ事もできず、事故被害者への罪悪感を感じ、心無い誹謗中傷を受け、日常生活もままならなくなっていく。
その様子は現実味があり、旦那さんとの思い出や人間性を知る度に、より胸を締め付けられる。
またこの最終章でわかる事実で、他の3つのお話もまた違った印象になった。
事故により亡くなった人の未来も、その人と過ごすはずだった未来を奪われた周りの人達の様子に苦しさを感じた。
でも、過ごしてきた時間がより輝かしく、そして残した人へ亡くなった人たちが向けた愛情の深さに感動するとても素敵なお話だった。
Posted by ブクログ
・亡くなった被害者に会っても、現実は何ひとつ変わらない──。 何をしても、事故で亡くなった者は生き返らない──。 そのルールを聞かされても、誰もがみんな、会いに行った。
・人は、いつだって愛する者を失ってから気づく。 自分は、二度と戻らない美しい日々にいたんだな、と。 あなたは、亡くなった人にもう一度だけ会えるとしたら、何を伝えますか?
・プロポーズされて以来、私は幸せという名の衣に包み込まれているようだった。
【⠀4つのルール 】
・亡くなった被害者が乗った駅からしか乗車できない。
・亡くなった被害者に、もうすぐ死ぬことを伝えてはいけない。
・西由比ヶ浜駅を過ぎるまでに、どこかの駅で降りなければならない。西由比ヶ浜駅を通過してしまうと、その人も事故に遭って死ぬ。
・亡くなった被害者に会っても、現実は何ひとつ変わらない。何をしても、事故で亡くなった者は生き返らない。脱線するまでに車内の人を降ろそうとしたら、元の現実に戻る。
全てのお話で涙が溢れた。事故にあうことを相手に教えてはいけない。もう会えないとわかっていてそれでも最後にもう一度会いたいから会いに行く。切ない。
最後の話の奥様の「行ってらっしゃい」は涙が止まらなかった。
被害者が自分が列車事故に遭うことを知っていると告げられた時は驚いた。この事実を知ってからこの本を読むのもいいなと思ったからいつか再読しようと思う。
Posted by ブクログ
「止まらない涙」という帯に、
そんな大袈裟なぁと読み始めました。
疑ってゴメンなさい。
帯の通りでした。
突然の脱線事故で
親しい人を突然失われた人達
2話目、3話目は、
主人公に少しイライラしましたが、
それぞれのラストは改心(?)したのでよかった
1話、4話目は、本当に感情移入してしまいました。
雪穂の正体もわかったし、
運転手さんが悪くないこともわかって
少しは報われました。
Posted by ブクログ
じんわりと人の優しさにふれられる。
誰かのことを思う、こういう人たち、好きです。
若い子向けのお話かと思ったけれども、ぐっときました。
ちなみに、鎌倉を舞台にしているようだから、私テキには、通学で乗っていた江ノ電がずっと浮かんでいたけれども、駅名からして、湘南新宿ラインだか、東海道線と横須賀線みたいな。
Posted by ブクログ
小学校6年の姪が推奨。まず小学生の読み物ではない気がするが内容は非常に良い。直情的に良いと感じる。なかなか泣ける。伏線の回収もあり、手応えのある読書時間であった。
Posted by ブクログ
ボロボロと涙が止まらなく、目が腫れるほど泣きましたwww
登場人物一人ひとりがすべての話に意味があり、家族や愛する人を思う心に人間って美しいと思いました。
Posted by ブクログ
素敵な1冊だった。
大切な人には生きていて欲しい、幸せであって欲しいと思う。
残された人は辛いけれど、生きていくしかない。
鬼滅の刃の煉獄さんの言葉をふと思い出した。
足を止めてうずくまっても時間の流れは止まってくれない 共に寄り添って悲しんではくれない
Posted by ブクログ
とても素敵なお話でした
特に1章の、樋口さんにかける根岸くんの言葉と、根岸くんのお父さんの言葉に胸を打たれました。
4章では、こんな風に生涯誰かを大切に思えることなんてあるのかなと、ちょっと病んでしまうくらい素敵な表現で、仕草一つ一つ頭に浮かんでくるようでした。
Posted by ブクログ
あなたは、亡くなった人にもう一度だけ会えるとしたら、何を伝えますか?
鎌倉で起きた快速電車の脱線事故。事故現場の最寄り駅、西由比ヶ浜駅に深夜に訪れるとそこには女性の幽霊がいて、彼女にお願いすると事故当日の電車に乗ることができるという。愛する人を失った人々がとる行動とは―。
いつだって大切なことには失ってから気づかされる。
涙腺崩壊の感動作!
Posted by ブクログ
久々に感動系の小説を読もうと思い手に取りました。
簡単に言うと電車の脱線事故によって亡くなった方に会えるといった内容。
内容も感動させられましたけど、個人的には第1話での慎一郎が智子に言ったセリフ
『メンタル疾患は、裏を返せば誠実さの証だ』と言う言葉に衝撃を受けました。
個人的に強いて言うならば雪穂のことをもう少し話があっても良かったのかなと思い星4とさせていただきました。
Posted by ブクログ
電車の脱線事故での被害者と、もう一度会うことができるという奇跡物語。
オムニバス形式であるが、事故や幽霊を軸に、繋がっている。
ひとつひとつのお話に背景があり、入り込めるしっかりした作りになっている。
平穏な日常からの突然の事故発生描写は、なかなかに面食らうものがある。
幽霊の肉付けが少々薄い気もしたが、全体通して、感動的なお話。
Posted by ブクログ
心が痛くて読み終えるのが辛すぎました。
『西由比ヶ浜駅の神様』の概要と感想になります。
概要です。
快速電車の脱線事故によって多くの乗客と運転士が亡くなった西由比ヶ浜駅で、深夜に幽霊電車の目撃情報が相次ぐ。事故で亡くなった方々と強い繋がりを持つ人は4つのルールを守る限り、深夜の幽霊電車でその人と再会できる話を信じた四人の物語。
感想です。
辻村深月さんの『ツナグ』も死者との再会を描く作品ですが、本作の4つのエピソードはどれも心を深くえぐられたような余韻が残ります。ただ大切な人を突然失ってしまうことは起こり得る現実で、もし作中に自分が立っていたら幽霊電車に乗るかもしれません。止まってしまった時間を再び動かすために…。
Posted by ブクログ
皆さんご存知の『ツナグ』『コーヒーが冷めないうちに』に似た、過去に戻れる、故人と会えるという設定の物語です。ありきたりかなぁと思いながらも、結構楽しめました。
こうして似たような作品が登場するのは、それだけ「人は過去に執着する」ものだからでしょうか? 記憶が少しずつ薄れていく(特に悲しい出来事など)というのは、生きていく上で必要なことだと思いますが、どうしても未練が邪魔して…、というのが人間なのでしょうね。(お、ついに悟ったか!)
本作は、電車の脱線事故の最寄駅に幽霊が現れ、依頼すると事故当日の電車に乗ることが可能という。「(婚約者の)彼へ」「(反面教師の)父へ」「(初恋の)あなたへ」「(運転士の)お父さんへ」の四話構成です。
展開がやや予想できる部分もありましたが、あーそうきたかぁ、と読みが外れる楽しさ(?)もありました。また、各話が独立した物語と思っていたら、前の話の人物が登場し、リンクさせる工夫もありました。
著者はプロローグで、「あなたは、亡くなった人にもう一度だけ会えるとしたら、何を伝えますか?」と問いかけていますが、正直、困ってしまいます。年齢的な要素、自分にとってどんな立場の人かという要素などが絡み、難しい気がします。
でも、私たちは物語に救われることもあるんですね。江ノ電から眺める海のイメージが浮かび、素直な気持ちで人に優しくなれるような一冊でした。
Posted by ブクログ
ボロボロ ボロボロ 泣いた。
設定はコーヒーが冷めないうちに
みたいな
どのお話しもそんな設定だから
暗黙の了解的なものがあるのかなと。
それでもやっぱり涙は止まらなかった。
亡くなった人に会えるのなら
その事実は変わらなくとも会いたいものなのか。
必ずくる別れがしんどすぎるから
もういいと思いそうなもんだけど。
でもやっぱり私も死んだお父さんに会いたい。
一度別れを経験してるから
現実が変わらないのはちゃんと理解できるはず。
苦しくてもそれでもやっぱり会いたいな。
悲しくて仕方ないけど
あったかくて優しい気持ちになった。
少しずつ繋がってるのも素敵。
世界は少しずつひょんなところで繋がっている。
言葉では理解していても、たぶん
私も明日が普通に来ると思ってるんだ。
ありがとう。
いってらっしゃい。
ちゃんと朝だけでも言おう。
言える対象がいることが幸せなんだ。
Posted by ブクログ
今すぐに泣きたいときに読みたい一冊
"脱線事故で亡くなった人にもう一度会える"
明日が来る保証がない日常をフィクションなりに伝えられた作品。
後悔のないように生きていくことの大切さを改めて感じました。
最後の最後で驚くこともあったため、別視点からも楽しめる作品。
作品とは関係ないが、今日はサッカーで日本がスペインに勝利した日でもあり、この勝利は将来日本を支える子供たちへの希望と語っており、未来への想いがこの作品と重なり生きていくことに前向きになれた。
Posted by ブクログ
帯で「泣ける!」って煽っているヤツは大体イチミリも泣けないんだわ、って割と舐めプで読んでみたわけだけど、結果、べっしょべしょに泣いた……。クッソwww 涙腺ゆるゆるである。
ラストに幽霊から何から全ての点と線が繋がるのがよかった。
Posted by ブクログ
勇気を持って、脱線した電車に乗って亡き大事な人に会いに行く。悲しみは感動と感謝に変わって良かったと思う。実在しない路線で、どの辺りを通っているのか解らず頭が混乱してしまった。
Posted by ブクログ
列車事故で大切な人を亡くした4人の物語。
レビューが良かったので読んでみましたが
感動的なお話でした。
一番心に残ったのはお父さんの物語。
亡くしてから父の偉大さを知り、
息子さんの仕事への姿勢や生き方が
変わっていくところが良かった。
運転士の奥さんが責められるところなど
考えさせられる内容もありました。
電車に乗った後、みんな前向きになって
気持ちよく終わったところが良かった。
Posted by ブクログ
予想以上に面白かった。
帯に“TikTokで話題!”とあったから言葉を選ばずに言えばよくある安っぽい感動ストーリーの小説だろうな、と思っていたのに。
鎌倉を舞台に描かれているのだけれど、私は1度も鎌倉に行ったことがないばかりか関東にすら赴いたことが無いので少しちんぷんかんぷんな場面もあったが。(作中にはしょっちゅう鎌倉市の地名が出てきます)
特に私がぐっときたのは第二話の“父へ。”と第四話の“ お父さんへ。”かなぁ。
特に“お父さんへ。”ではおそらく“西由比ヶ浜駅の神様”である少女の幽霊・雪歩の正体も明かされていたり幽霊電車の隠された秘密?なんかもサラッと書かれているし。
第四話を読んだらまたもう1回読みたくなったのでパラパラっとではあるが読み直した。
最後まで電車が脱線した原因が明かされなかったのも普通だったらモヤモヤしそうなところだが、本作ではそれはそれで良かったでは?とすら思えた。
脱線事故にはあまりフォーカスしないことによって、大切な人と過ごせる時間が永遠ではなく何の前触れもなく終わってしまうことを更に訴えかけられていると思う。
第二話で自分のことに精一杯で家族のことなんて顧みなかった息子が父親が事故でなくなってからその偉大さや有難みに気付く描写はかなり自分とも重なる部分があって感動したな…。
私も、子供の頃は働いてお金を得るということがこんなにも大変だと言う事を本当に分かっていなさすぎたから。
電車の中で交わした最後の親子の会話にもめちゃくちゃ泣かされた…。
“親孝行していない事が申し訳ないと思っているなら充分”、こんな風に言えるお父さんって本当に素敵だと思った。
この作品を読んでつくづく命というのはいつ亡くなってもおかしくはないし、いつ大切な人と会えなくなるかなんて分からないのだから出来るだけ感謝の心や愛情は言葉にしてその都度伝えようと思った。
面倒くさがって後回しになんてしたら絶対だめ。
照れくさかったりプライドが許してくれなかったとしてもきちんと行動に移さないと。
会えなくなったとしても、現実ではこんな夢みたいな電車は現れてくれないのだから。
Posted by ブクログ
大切な人との突然の別れ。でも亡くなった人は誰も道連れを望まなかった。全員が愛する人たちに、生き続けることを選ばせた。そして遺された人たちの暗い闇に明かりが差し込む。雪穂さんも救われて欲しい。
Posted by ブクログ
事故にあった人たちがそれぞれ繋がっていて、人となりをあちら側とこちら側から見ながら話が進むのが面白かった。タイトルにある「神様」とは誰のことなんだろう。事故ではなく飛び込み自殺で亡くなった雪穂なのか。最後に一緒に幽霊列車に乗ってみんなと一緒に成仏できたらいいなと思った。
Posted by ブクログ
多数の被害者を出した脱線事故。大切な人を亡くした悲しみを抱える被害者遺族はある噂を耳にする。西由比ヶ浜駅には幽霊がおり、その幽霊に頼むと脱線した電車に乗ることができる。現実は何も変わらないけれど亡くした相手にもう一度会うことができる。婚約者を亡くした女性、好きな相手を亡くした男子中学生、父を亡くした青年、運転士の妻、彼らが最愛の人に伝えたいこととは…。
亡くしたはずの大切な相手と最後にもう一度会えるとしたら、言葉を交わせるとしたら。泣かせに来てるのがわかっているのに泣いてしまう。災害の多い今、こんな奇跡があったらいいのに…。