【感想・ネタバレ】西由比ヶ浜駅の神様のレビュー

あらすじ

鎌倉に春一番が吹いた日、一台の快速電車が脱線し、多くの死傷者が出てしまう。
事故から二ヶ月ほど経った頃、嘆き悲しむ遺族たちは、ある噂を耳にする。事故現場の最寄り駅である西由比ヶ浜駅に女性の幽霊がいて、彼女に頼むと、過去に戻って事故当日の電車に乗ることができるという。遺族の誰もが会いにいった。婚約者を亡くした女性が、父親を亡くした青年が、片思いの女性を亡くした少年が……。
愛する人に再会した彼らがとる行動とは――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

オムニバス形式で一つの車両事故を中心にそれぞれの過去や事故後の人生が描かれていく話。

死んだ人に強い思いを持っている人だけが幽霊列車に乗ってまた会えるという設定が良い。

比較的新しい作品やけど、和幸がストーキング行為をしてるのは少し心配になった。個人的には美しい感情やと思うけど、今の時代気持ち悪い人もいるんちゃうかな。

好きな設定だけど、何か心が大きく揺さぶられる事はないなぁと思いながら読み進めたけど、終盤登場人物達の物語がクロスオーバーする辺りからは盛り上がったし、最終章は泣いた。

お父さんの運転士の職務に忠実な姿勢に心打たれたのが大きいかも。しかも父親譲りで血統が立派なのにも憧れる。

自分も一人息子を亡くしたのに美佐子に手紙を認めた根元父に泣いた。

最終章では雪穂がもっとたくさんの人が幽霊列車に乗った話を少ししていて、他の乗客の話も読みたいと思った。

後語りが好きなのであっさり終わってしまったのは少し寂しかったかも。

テーマが秀逸なので面白いに決まっていた。まんまと泣かされた印象。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・亡くなった被害者に会っても、現実は何ひとつ変わらない──。  何をしても、事故で亡くなった者は生き返らない──。  そのルールを聞かされても、誰もがみんな、会いに行った。

・人は、いつだって愛する者を失ってから気づく。  自分は、二度と戻らない美しい日々にいたんだな、と。  あなたは、亡くなった人にもう一度だけ会えるとしたら、何を伝えますか?

・プロポーズされて以来、私は幸せという名の衣に包み込まれているようだった。

【⠀4つのルール 】
・亡くなった被害者が乗った駅からしか乗車できない。
・亡くなった被害者に、もうすぐ死ぬことを伝えてはいけない。
・西由比ヶ浜駅を過ぎるまでに、どこかの駅で降りなければならない。西由比ヶ浜駅を通過してしまうと、その人も事故に遭って死ぬ。
・亡くなった被害者に会っても、現実は何ひとつ変わらない。何をしても、事故で亡くなった者は生き返らない。脱線するまでに車内の人を降ろそうとしたら、元の現実に戻る。

全てのお話で涙が溢れた。事故にあうことを相手に教えてはいけない。もう会えないとわかっていてそれでも最後にもう一度会いたいから会いに行く。切ない。

最後の話の奥様の「行ってらっしゃい」は涙が止まらなかった。

被害者が自分が列車事故に遭うことを知っていると告げられた時は驚いた。この事実を知ってからこの本を読むのもいいなと思ったからいつか再読しようと思う。

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2023年11月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「止まらない涙」という帯に、
そんな大袈裟なぁと読み始めました。

疑ってゴメンなさい。
帯の通りでした。

突然の脱線事故で
親しい人を突然失われた人達

2話目、3話目は、
主人公に少しイライラしましたが、
それぞれのラストは改心(?)したのでよかった

1話、4話目は、本当に感情移入してしまいました。

雪穂の正体もわかったし、
運転手さんが悪くないこともわかって
少しは報われました。

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2023年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々に感動系の小説を読もうと思い手に取りました。
簡単に言うと電車の脱線事故によって亡くなった方に会えるといった内容。
内容も感動させられましたけど、個人的には第1話での慎一郎が智子に言ったセリフ
『メンタル疾患は、裏を返せば誠実さの証だ』と言う言葉に衝撃を受けました。

個人的に強いて言うならば雪穂のことをもう少し話があっても良かったのかなと思い星4とさせていただきました。

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2024年09月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ボロボロ ボロボロ 泣いた。
設定はコーヒーが冷めないうちに
みたいな
どのお話しもそんな設定だから
暗黙の了解的なものがあるのかなと。
それでもやっぱり涙は止まらなかった。

亡くなった人に会えるのなら
その事実は変わらなくとも会いたいものなのか。
必ずくる別れがしんどすぎるから
もういいと思いそうなもんだけど。
でもやっぱり私も死んだお父さんに会いたい。
一度別れを経験してるから
現実が変わらないのはちゃんと理解できるはず。
苦しくてもそれでもやっぱり会いたいな。
悲しくて仕方ないけど
あったかくて優しい気持ちになった。

少しずつ繋がってるのも素敵。
世界は少しずつひょんなところで繋がっている。
言葉では理解していても、たぶん
私も明日が普通に来ると思ってるんだ。
ありがとう。
いってらっしゃい。
ちゃんと朝だけでも言おう。
言える対象がいることが幸せなんだ。
  

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2022年12月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今すぐに泣きたいときに読みたい一冊
"脱線事故で亡くなった人にもう一度会える"
明日が来る保証がない日常をフィクションなりに伝えられた作品。
後悔のないように生きていくことの大切さを改めて感じました。
最後の最後で驚くこともあったため、別視点からも楽しめる作品。


作品とは関係ないが、今日はサッカーで日本がスペインに勝利した日でもあり、この勝利は将来日本を支える子供たちへの希望と語っており、未来への想いがこの作品と重なり生きていくことに前向きになれた。

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2022年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

帯で「泣ける!」って煽っているヤツは大体イチミリも泣けないんだわ、って割と舐めプで読んでみたわけだけど、結果、べっしょべしょに泣いた……。クッソwww 涙腺ゆるゆるである。

ラストに幽霊から何から全ての点と線が繋がるのがよかった。

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2022年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

列車事故で大切な人を亡くした4人の物語。
レビューが良かったので読んでみましたが
感動的なお話でした。
一番心に残ったのはお父さんの物語。
亡くしてから父の偉大さを知り、
息子さんの仕事への姿勢や生き方が
変わっていくところが良かった。
運転士の奥さんが責められるところなど
考えさせられる内容もありました。
電車に乗った後、みんな前向きになって
気持ちよく終わったところが良かった。

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2022年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

予想以上に面白かった。
帯に“TikTokで話題!”とあったから言葉を選ばずに言えばよくある安っぽい感動ストーリーの小説だろうな、と思っていたのに。
鎌倉を舞台に描かれているのだけれど、私は1度も鎌倉に行ったことがないばかりか関東にすら赴いたことが無いので少しちんぷんかんぷんな場面もあったが。(作中にはしょっちゅう鎌倉市の地名が出てきます)


特に私がぐっときたのは第二話の“父へ。”と第四話の“ お父さんへ。”かなぁ。

特に“お父さんへ。”ではおそらく“西由比ヶ浜駅の神様”である少女の幽霊・雪歩の正体も明かされていたり幽霊電車の隠された秘密?なんかもサラッと書かれているし。
第四話を読んだらまたもう1回読みたくなったのでパラパラっとではあるが読み直した。

最後まで電車が脱線した原因が明かされなかったのも普通だったらモヤモヤしそうなところだが、本作ではそれはそれで良かったでは?とすら思えた。

脱線事故にはあまりフォーカスしないことによって、大切な人と過ごせる時間が永遠ではなく何の前触れもなく終わってしまうことを更に訴えかけられていると思う。

第二話で自分のことに精一杯で家族のことなんて顧みなかった息子が父親が事故でなくなってからその偉大さや有難みに気付く描写はかなり自分とも重なる部分があって感動したな…。

私も、子供の頃は働いてお金を得るということがこんなにも大変だと言う事を本当に分かっていなさすぎたから。

電車の中で交わした最後の親子の会話にもめちゃくちゃ泣かされた…。

“親孝行していない事が申し訳ないと思っているなら充分”、こんな風に言えるお父さんって本当に素敵だと思った。

この作品を読んでつくづく命というのはいつ亡くなってもおかしくはないし、いつ大切な人と会えなくなるかなんて分からないのだから出来るだけ感謝の心や愛情は言葉にしてその都度伝えようと思った。

面倒くさがって後回しになんてしたら絶対だめ。

照れくさかったりプライドが許してくれなかったとしてもきちんと行動に移さないと。

会えなくなったとしても、現実ではこんな夢みたいな電車は現れてくれないのだから。

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2022年07月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

事故にあった人たちがそれぞれ繋がっていて、人となりをあちら側とこちら側から見ながら話が進むのが面白かった。タイトルにある「神様」とは誰のことなんだろう。事故ではなく飛び込み自殺で亡くなった雪穂なのか。最後に一緒に幽霊列車に乗ってみんなと一緒に成仏できたらいいなと思った。

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2025年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不慮な形で亡くなった人間が、「生きて」と、生き残った人間へメッセージ送る。
本作では、まさに魂をこめて。
読み終えた後に、この作品の主人公は亡くなった人達だったんだなと感じました。

それと個人的に好きなのは、貴子さんの最後の想いと黄色いハンカチの意味が偶然?にも重なった所が切なく、悲しいけど、何か純真無垢な感じが心打たれました。

余談ですが、
黄色いの意味を改めて知った本作で、少し黄色が好きになりました。欧米でも同様の意味で解釈されているらしいですね。

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2021年07月07日

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