村瀬健のレビュー一覧
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心が痛くて読み終えるのが辛すぎました。
『西由比ヶ浜駅の神様』の概要と感想になります。
概要です。
快速電車の脱線事故によって多くの乗客と運転士が亡くなった西由比ヶ浜駅で、深夜に幽霊電車の目撃情報が相次ぐ。事故で亡くなった方々と強い繋がりを持つ人は4つのルールを守る限り、深夜の幽霊電車でその人と再会できる話を信じた四人の物語。
感想です。
辻村深月さんの『ツナグ』も死者との再会を描く作品ですが、本作の4つのエピソードはどれも心を深くえぐられたような余韻が残ります。ただ大切な人を突然失ってしまうことは起こり得る現実で、もし作中に自分が立っていたら幽霊電車に乗るかもしれません。止まってしまった時間を再び動かすために…。 -
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ネタバレプロデューサーと編集者の仕事って似てるなあと思って読んでみた。本物と心で仕事をする村瀬さんの仕事論、小寺さんと重なるところがいくつもあった。エンタメっていいな、エンタメをつくれるっていいな。
・企画の種は「探す」ものではなく「気づく」もの
「これってみんなはどう思ってるんだろう」「これって正解あるのかな」日常生活のなかでふと感じた、些細な感覚に注意を向ける。
・話題になっているものには理由がある
すぐに試して、体感して、理由を感じとる。世の中の人たちが感じていることを掴む。
・流行りものを避ける(=本物と一緒に仕事をする)
5年後も10年後も最前線にいるであろう実力派を選ぶ。ドラマの再放送で「主題歌のアーティスト、最近見ないよね」にならないために。売れる前に見つけて、すぐに会いに行く。
・僕は天才ではない
誰も思いつかないようなことを考えるのではなく、みんなが「そうだよね」と感じることを僕も感じ、それを作品にしているだけ。むしろ、誰かがすでにやっているテーマでも、僕の感覚で僕らしい作品をつくればいい。
・企画書に必要な2つの角度
①外部向けに情熱を伝える
脚本家、監督、出演者といった同じ船に乗ってもらう人たちに「一緒にやりたい」と思ってもらえるような見せ方
②内部向けに実務を伝える
決定権を持つ人たちに、「これは絶対当たります」を自分なりの根拠とともに語り、「確かに当たりそうだな」と思わせる見せ方
・目の前にいる相手と向き合う
脚本家と会議中に電話に出て、ほかの仕事をする姿を見たら、寂しさを覚えないか?
・大きく分けて2つある
大体大きく分けたら2つ。わかりやすくプレゼンを進めるテクニック。 -
Posted by ブクログ
皆さんご存知の『ツナグ』『コーヒーが冷めないうちに』に似た、過去に戻れる、故人と会えるという設定の物語です。ありきたりかなぁと思いながらも、結構楽しめました。
こうして似たような作品が登場するのは、それだけ「人は過去に執着する」ものだからでしょうか? 記憶が少しずつ薄れていく(特に悲しい出来事など)というのは、生きていく上で必要なことだと思いますが、どうしても未練が邪魔して…、というのが人間なのでしょうね。(お、ついに悟ったか!)
本作は、電車の脱線事故の最寄駅に幽霊が現れ、依頼すると事故当日の電車に乗ることが可能という。「(婚約者の)彼へ」「(反面教師の)父へ」「(初恋の)あなたへ」「(運転士の)お父さんへ」の四話構成です。
展開がやや予想できる部分もありましたが、あーそうきたかぁ、と読みが外れる楽しさ(?)もありました。また、各話が独立した物語と思っていたら、前の話の人物が登場し、リンクさせる工夫もありました。
著者はプロローグで、「あなたは、亡くなった人にもう一度だけ会えるとしたら、何を伝えますか?」と問いかけていますが、正直、困ってしまいます。年齢的な要素、自分にとってどんな立場の人かという要素などが絡み、難しい気がします。
でも、私たちは物語に救われることもあるんですね。江ノ電から眺める海のイメージが浮かび、素直な気持ちで人に優しくなれるような一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレボロボロ ボロボロ 泣いた。
設定はコーヒーが冷めないうちに
みたいな
どのお話しもそんな設定だから
暗黙の了解的なものがあるのかなと。
それでもやっぱり涙は止まらなかった。
亡くなった人に会えるのなら
その事実は変わらなくとも会いたいものなのか。
必ずくる別れがしんどすぎるから
もういいと思いそうなもんだけど。
でもやっぱり私も死んだお父さんに会いたい。
一度別れを経験してるから
現実が変わらないのはちゃんと理解できるはず。
苦しくてもそれでもやっぱり会いたいな。
悲しくて仕方ないけど
あったかくて優しい気持ちになった。
少しずつ繋がってるのも素敵。
世界は少しずつひょんなところで繋がっている。
言葉では理解していても、たぶん
私も明日が普通に来ると思ってるんだ。
ありがとう。
いってらっしゃい。
ちゃんと朝だけでも言おう。
言える対象がいることが幸せなんだ。
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ネタバレ予想以上に面白かった。
帯に“TikTokで話題!”とあったから言葉を選ばずに言えばよくある安っぽい感動ストーリーの小説だろうな、と思っていたのに。
鎌倉を舞台に描かれているのだけれど、私は1度も鎌倉に行ったことがないばかりか関東にすら赴いたことが無いので少しちんぷんかんぷんな場面もあったが。(作中にはしょっちゅう鎌倉市の地名が出てきます)
特に私がぐっときたのは第二話の“父へ。”と第四話の“ お父さんへ。”かなぁ。
特に“お父さんへ。”ではおそらく“西由比ヶ浜駅の神様”である少女の幽霊・雪歩の正体も明かされていたり幽霊電車の隠された秘密?なんかもサラッと書かれているし。
第四話を読んだらまたもう1回読みたくなったのでパラパラっとではあるが読み直した。
最後まで電車が脱線した原因が明かされなかったのも普通だったらモヤモヤしそうなところだが、本作ではそれはそれで良かったでは?とすら思えた。
脱線事故にはあまりフォーカスしないことによって、大切な人と過ごせる時間が永遠ではなく何の前触れもなく終わってしまうことを更に訴えかけられていると思う。
第二話で自分のことに精一杯で家族のことなんて顧みなかった息子が父親が事故でなくなってからその偉大さや有難みに気付く描写はかなり自分とも重なる部分があって感動したな…。
私も、子供の頃は働いてお金を得るということがこんなにも大変だと言う事を本当に分かっていなさすぎたから。
電車の中で交わした最後の親子の会話にもめちゃくちゃ泣かされた…。
“親孝行していない事が申し訳ないと思っているなら充分”、こんな風に言えるお父さんって本当に素敵だと思った。
この作品を読んでつくづく命というのはいつ亡くなってもおかしくはないし、いつ大切な人と会えなくなるかなんて分からないのだから出来るだけ感謝の心や愛情は言葉にしてその都度伝えようと思った。
面倒くさがって後回しになんてしたら絶対だめ。
照れくさかったりプライドが許してくれなかったとしてもきちんと行動に移さないと。
会えなくなったとしても、現実ではこんな夢みたいな電車は現れてくれないのだから。 -
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亡くなった人にとっても高い切手代を払って手紙を送れる郵便局が鎌倉にあるようです。
「とっても」ってどれくらい?
それは送りたい人の年収などによります。
数万円から数十億円まで出てきました。
返信が欲しい場合は返信用に同額の切手代を払うのだそうです。
常識的に考えても数千円程度だろうと思っていたし、
返信を期待できるとは思っていなかったし、
人でなくペットにも送れるとは!と驚きました。
設定は面白いし、鎌倉というのも雰囲気が合っている気がしました。
ただ、返信をもらってからさらに同額の切手代を払って文通状態になったり、ただでさえ高額のお金なのにぽんと用意してしまうところが現実的でないというのでしょうか、そもそも現実的ではないお話ですが、お金が妙に軽くて、でもにおいがプンプンして、却って現実的な感じもしました。
無一文で借金取りから追われているホームレスの青年や、中学生が大金を用意できるところが特にそう感じました。
不思議な話ではあるので、不思議な力が働いているってことなのかな。
不思議と常識の世界を行ったり来たりで、不思議感が薄まっている気がしました。 -
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メディアワークス文庫創刊15周年記念アンソロジー。
「1人15ページ」という制約のもと、15名の作家がそれぞれの物語を紡ぐ。
この15という枠は単なるページ数だけでなく
多くの作家さんが「15」というモチーフとしても回収しています。企画としての統一感が心地よい。短いからこそ、作家ごとの語り口や発想の癖が読メル一冊。
斜線堂有紀、綾崎隼以外は初読。改めてレーベルの層の厚みを思いますね。
掌編とも言える分量の中で、特に印象に残ったのは綾崎隼「十五年後もお互い独身だったら結婚しようねと約束した二人の物語」。
設定自体はどこかで見聞きしたような“ベタ”なものながら、その王道を真正面から引き受けてロマンに昇華していく語りが魅力的。この作家さんは 他の作品もロマンチック。
もう一つは時雨沢恵一「前略、十五歳の僕へ」。
こちらもモチーフ自体には既視感があるものの、15ページという制約の中に過去と未来の感情を
想定外な落とし所で読めました。
お題のあるアンソロジーって好き。