木元哉多のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
どの作品も、それぞれ趣向が凝らされていて面白かった。特に芦沢央さんの短編には衝撃を受けました。普段は手に取らない人の小説を読めるのがアンソロジーのいい所ですね。
辻堂ゆめ「十四時間の空の旅」
ほろ苦く心温まるストーリー。主人公の不安や苛立ちが丁寧に描かれていて、共感しやすい内容でした。
凪良ゆう「表面張力」
すみれ荘ファミリアを先に読みたかった。あと少しでコップの水が溢れてしまうような、ギリギリの関係性。不穏な空気を感じるストーリー。作中で、作家が編集者に話した一言が、この話の全てを表している。
城平京「これは運命ではない」
虚構推理を読んでいない為、説明が欲しい部分があって少し残念。読 -
Posted by ブクログ
ネタバレネタばれあり。感想が遅くなってしまった・・
メフィスト賞受賞作。本書は、何ともなくネットを見ていて、たまたま見つけたもの。正直に言って、表紙がかわいかったので購入。
閻魔大王の娘である沙羅が、死んだ人間に謎解きのゲームをもちかける。これで負けるということは、自分を殺した犯人や真相が分からないままにさらに地獄に行くということだから、辛いものがある。しかし推理することができれば、何と、死の寸前にさかのぼってよみがえることができる。確かに、(ほかに同様の話があるのかはわからないが)ありそうでなかった設定である。おなじみの天国と地獄のイメージに沿った世界観なので、舞台設定の説明にも理解にも時間がかか -
購入済み
サクサクと読める
短時間で読める短編ミステリーが4つ。
推理も難しくないので、サクサクと読みやすいです。
電車の中とか少し時間が空いた時に読むのにちょうどよい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ黒髪のショートカットに虹彩の強い瞳。
不似合いに大きな赤いマントを羽織った沙羅が口を開く。
「敗者復活・謎解き推理ゲーム。正解できたら生還、できなかったら地獄行き。」
父親と喧嘩して行くあてもなく、学校の部室にいた智子。後ろから首を絞めたのは誰?
仕事で失敗続きの浜本。焦って冷凍庫から出荷荷物を取ろうとした途端、棚が崩れ落ちてきて。誰の罠?
天寿をまっとうした聡子の最後の願いは。
子供のころからの乱暴者、でも曲がった事の嫌いな世志輝。兄の電話で向かった先でチンピラ達に囲まれて。誰の差金?
それぞれが人生の岐路に立ち、沙羅の挑戦を受けて立つ。
彼、彼女たちの、その強い意志に沙羅がちょびっとサ -
Posted by ブクログ
殆どのレビュアーがメフィスト賞=キワモノоrイロモノだと思ってるのに笑った。
その意味でのメフィスト賞らしさは希薄。ぶっちゃけメディアファクトリー文庫から出ても違和感ない内容。表紙は若い子に人気のイラストレーター望月けいさん。沙羅のファッションが毎回いちいち違ってる上にやけに細かかったり、イマドキっぽいポップさを感じる。
不審死を遂げた人間が沙羅に「自分を殺した犯人をあてたら生き返らせてあげる」賭けをもちかけられ、必死で推理するのだが、皆そこまで深刻じゃなく全体的にライトなノリ。コミカルな要素も多く、娯楽作として肩の力を抜いて読める。
収録作の中で白眉は三番目のおばあちゃんの話。コレには不覚に