安壇美緒のレビュー一覧
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ネタバレ北海道にできた新設の私立学校。そこに通うことになった東京出身の宮田と地元の奥沢を中心としたお話。とにかく中学、高校時代にあった感情を書くのがうまくて、主人公の2人の周りにいる友人たちも含めて、そうそう、こんな学生時代だった!と思いながら読んだ。
宮田は裕福な家庭に育ち、ピアノも上手くて学業にも励み、プライドが高い。
奥沢は貧しい家庭で、いつかこの環境から脱出したいと努力している。
この2人がお互いのことをライバル視して、お互いのことを深く知らずに羨ましいと思っている。
でも合唱コンクールを通じて、不安や焦りを持っているのは自分だけではないと知る。
個人的には宮田の友達のみなみちゃんが明るく -
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あなたの『苗字』は、『すごい苗字』ですか?
天皇陛下以外、日本人なら誰もが持つのが『苗字』です。そんな『苗字』は10万、30万というおびただしい数にのぼるとも言われています。お隣の韓国では280程度しかないと聞くと、この国の『苗字』の多さに驚きもします。
そんな『苗字』で多いのが”佐藤”、”鈴木”であるというのは多くの方が知るところだと思います。このレビューを読んでくださっているあなたも”佐藤さん”、”鈴木さん”である確率が高いというわけですね。一方であまり聞かない『苗字』というものも当然にあり得ます。そんな珍しい『苗字』をまとめたサイトさえも存在します。私たち人間が人と人とのコミュニケー -
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ドラマチックな展開があるわけでもないのに、読んでいて楽しく、ページをめくる手がとまらない、そんな小説だった。
人はそれぞれ違うことを考え悩み生きている。周りの人がどんなことを思いながら生きているかなんて、結局のところわからない。自分以外の人が自分のことをどんな風に思って生きているのか。知った気でいるだけで、まわりがどう思ってるかなんて自分の想像の範疇でしかない。
自分の気持ち次第な所もあるように思う。だけど、その自分の気持ちをつくるのにも、周りの人達との出会いやかかわりが大切なのだとも思う。
生きるヒントを伝えてくれるようなそんな本だった。読んでよかった。 -
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ワンオペ育児で追い詰められた母親が、赤ん坊を抱っこ紐で帯同したまま、夫の上司を刺した事件をWEB記事に載せたリスキー編集部の岩永。
事件の異常さと母親の名前にインパクトがあったせいか、イオラ事件としてSNS上でイオラ擁護派と否定派で論争が過熱する。
盛り上がりが続くよう新たなネタ探しに奔走する岩永だが…。
イオラ事件のことを詳細に突っ込んでいく内容かと思っていたが、岩永が家庭持ちで彼こそワンオペ育児に疲弊している妻を助けることが無いという、なんとも嫌な奴だった。
彼の最後を想像すると怖くなった。
WEB記事にも旬があり、次々と新しいネタが出てくるわけで、それは秒での戦いなのかもしれ -
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小説すばる新人賞受賞作。
タイトルの天龍院亜希子が、回想にしか出てこない。その点は「桐島、部活やめるってよ」と似てるなと思った。
人材派遣会社勤務の27歳、田町譲。
父が倒れて遠距離になった、別れかけていた彼女の早夕里。
会社の同い年の中途同期、巨乳のふみか。
美人な先輩で子育て時短中の、岡崎さん。
人材派遣のリアルな現場描写と、女性との、そして女性同士の関係を描いていて、純小説寄り。
漫画やアニメやタレントなどの名前をガンガン出していくサブカル的な書き方は軽快さを感じつつも、やや違和感があった。
ちょくちょく出てくる比喩が気になった。
馬場先生の「自分が知り得ない誰かからの善意を信じ -
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ホラーゲームを実況中の短編アンソロジー。
今は、ゲーム実況などを経験している人は多いのかもしれない。
だがゲームも好きではなく、ましてや実況などとてもじゃないが見ることもましてや参加するなど無理なわけで…
だがホラーだと、どういう感じなんだろうかと読んでみたが、ゲームというのが頭にあるからだろうか、怖さを感じることがなく、どちらかと言うと不気味さの方が強かった。
見るのをやめれば…ということが可能なので入り込めなかったのかもしれない。
○マーダー・ミステリー・リプレイ(品田遊)
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○CIUDAD(波木銅)
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○メ