安壇美緒のレビュー一覧
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ネタバレ年明けに素敵な小説を読むことが出来た。
宮田と奥沢、学年のツートップの目線で話が続いていく。青春小説ではあるのだけど、この2人が最後まで仲良くはならないし、この先も仲良くなることはないのだろう。主人公が2人いて、お互いほぼ会話もない。少し異様な状況だが、ずっと存在は意識していて、でも深い関わりは無い人というのは結構いる。そして、そんな人の言葉ほどきっかけを与えてくれるし、忘れられない。
相手の弱さを見て、自分の状況を受け入れていけるようになるのは見方によっては薄暗い感情が湧きそうだけども、互いにとても前向きで気持ちが良い。
みなみがなぜ宮田とつるんでいるのかがさっぱり分からなかったが、スピンオ -
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宮田と奥沢、10代を生きる2人の少女の葛藤と成長を描いた作品。
家と学校が世界の全てだった中学、高校時代、自分も親のことや成績のこと、友達付き合いのことなんかですごく悩んだり、ムカついたり、焦ったりしたことがあったなぁと、読みながら自分が10代だった頃の気持ちを少しだけ思い出しました。
多感な時期ならではの、危うさを孕んだ切実な感情のゆらめき。
もちろん本人たちは必死で大変な思いをしながら毎日を生きているわけですが、情景として想像すると、この脆くて危ういからこその期間限定の煌めきってすごく美しいなと思います。
もしこの作品を映像化して主題歌をつけるなら、アンジェラ・アキさんの『手紙〜拝啓 -
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ドラマチックな展開があるわけでもないのに、読んでいて楽しく、ページをめくる手がとまらない、そんな小説だった。
人はそれぞれ違うことを考え悩み生きている。周りの人がどんなことを思いながら生きているかなんて、結局のところわからない。自分以外の人が自分のことをどんな風に思って生きているのか。知った気でいるだけで、まわりがどう思ってるかなんて自分の想像の範疇でしかない。
自分の気持ち次第な所もあるように思う。だけど、その自分の気持ちをつくるのにも、周りの人達との出会いやかかわりが大切なのだとも思う。
生きるヒントを伝えてくれるようなそんな本だった。読んでよかった。 -
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SNSに依存し無邪気な悪意をばら撒く男たちを描く連作短編集。
『ラブカは静かに弓を持つ』がとても良くて、安壇さんの他の作品も読みたいと思って今作を手に取りました。
『ラブカ〜』とはガラリと違う内容でしたが、とても面白かったです。登場人物たちの心情がリアルで、「今」っぽいお話でした。SNSで対立構造を煽ることでPVを稼ぐアテンションエコノミーに支配される社会と、そのどうしようもない嫌さが描かれています。
安壇さんはとてもタイトルの付け方が上手いなぁと思います。今作も、イオラって綺麗な響きだな…星の名前かな?と思ったら全然違いました。
萩尾威愛羅(はぎおいおら)という女性が赤ちゃんを抱っこ紐で背 -
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ネタバレ音楽とスパイという一見相容れない要素を組み合わせた、少し変わったスパイ小説でした。
物語の冒頭でまず感じたのは、主人公があまりにもスパイに向いていないという違和感だった。
過去に楽器を弾いたことがある、ただそれだけの理由で音楽教室に潜入し、録音によって情報を集める任務を負わされる。
本来であれば適性を考慮して人選するはずのスパイ活動に、この主人公が選ばれたことには無理があり、物語の最初はどこか腑に落ちない感覚が残った。
しかし物語が進むにつれ、その違和感こそが、この小説の核なのだと感じるようになった。
主人公は当初、感情を排し、スパイとして任務に徹する存在だった。
ところが音楽教室で浅葉先 -
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ネタバレ全著連に勤務している橘樹が、塩坪という上司からの命令で町の音楽教室「ミカサ」にスパイとして2年間潜入するお話。
チェロと橘との間には何があったのだろう…ときになる描写から始まる。最初は命令の為に重い体を動かしてミカサに向かうが、2年という長い期間ミカサのチェロ講師浅葉桜太郎と過ごすうちに橘の体調と心境に変化が起こり始める。
最初のうちは気が付かなかったものがだんだんとミカサのおかげで橘の人生が良い方向に向かっていることに気が付く。自分と相手を騙し続けて嘘で塗り固めていくこのスパイ行為に疑問を抱き、このままチェロを弾き続けたいという橘の気持ちが読んでいて凄く伝わってきた。自分が居続けたいと思って -
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ワンオペ育児で追い詰められた母親が、赤ん坊を抱っこ紐で帯同したまま、夫の上司を刺した事件をWEB記事に載せたリスキー編集部の岩永。
事件の異常さと母親の名前にインパクトがあったせいか、イオラ事件としてSNS上でイオラ擁護派と否定派で論争が過熱する。
盛り上がりが続くよう新たなネタ探しに奔走する岩永だが…。
イオラ事件のことを詳細に突っ込んでいく内容かと思っていたが、岩永が家庭持ちで彼こそワンオペ育児に疲弊している妻を助けることが無いという、なんとも嫌な奴だった。
彼の最後を想像すると怖くなった。
WEB記事にも旬があり、次々と新しいネタが出てくるわけで、それは秒での戦いなのかもしれ