安壇美緒のレビュー一覧

  • ラブカは静かに弓を持つ

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    物語の結末に至るまで主人公・橘の人格を掴みきれず、何度も「橘はこういう人間だったのか」と驚かされた。
    橘が過去のトラウマから自己開示が得意でない人物であることが、読者の私にも影響したのかもしれない。

    ただし、これは主人公のキャラクター像が揺らいでいるという批判ではない。

    これは、はじめ深海に深く潜ってしまっていたような橘が、浅葉という光に照らされて様々な角度から姿を現したというだけの話だと思う。
    また、深海にいた橘が浅葉と出会って光に導かれるまま浮上し、一度底へ沈みかけてまた海面を目指すような、変化し続けた物語だったからとも言える。

    私が捉えきれない位の橘の感情の変化を浅葉は当たり前のよ

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    2026年08月29日
  • ラブカは静かに弓を持つ

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    ネタバレ

    著作権管理団体で働く青年が、チェロ教室に潜入調査に入る。人との繋がりを持たない孤独な青年が潜入先で出会う人との絆、葛藤の物語。
    瑞々しく張り詰めた空気感と透明感、人との絆の暖かさを描いた作品、とても面白かったです…!
    浅葉先生が人間味がありとても魅力的。展開の緊張感と最終的に主人公が選んだ結末、全て含めて読ませる展開でした。

    学校、習い事含めて恩師という存在は自分にはいないですが、こんな人脈があったらな、と思わせるような活き活きとした人物像でした。
    面白かった!
    スパイがバレた後の、言い訳を挟まない関係再構築の展開が良い。彼が奏でる音楽同様、それは純粋なものだったのだろう。
    出てくる人物、全

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    2026年08月19日
  • ラブカは静かに弓を持つ

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    文句無しの5.
    感動した。この後の展開があるなら知りたい。
    橘は全著連の社員で、音楽教室の教材としての曲の著作権についての裁判で優勢になるため、音楽教室の生徒として潜り込む。
    そこで出会う先生や生徒とのコミュニティ、そしてチェロの演奏の楽しさを再認識する。

    理屈や正しさ云々では、表せきれない
    『講師の生徒のあいだには、信頼があり、絆があり、固定された関係がある。それらは決して代替なきくものではないのだ(p242)』のセリフがすごく素敵に、そして心に染みた。最後に信頼が回復方向に向かい、読み切ってなおこのセリフがより刺さった。

    優しい人の信頼は大事にしたい。

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    2026年08月15日
  • ラブカは静かに弓を持つ

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    スパイ小説と思って読んだら違った。いやスパイ小説だ。私が思っているのとは違うけどスパイが主人公だ。
    私も大人になってから音楽教室に通ったことがある。私は不器用なので個人レッスンにしてもらい、3畳もないような防音室で講師からレッスンを受けた。あんな密室でスパイ活動だなんて私には絶対できない。と、まあ状況が把握できるだけに主人公にヒヤヒヤと感情移入をしてしまう。途中で「さっさと任務放棄しろ」「そんな会社辞めちまえ」と檄を飛ばしてしまった。小説なのにね。
    実際にモデルとなった事件があったようで潜入調査員の精神的犠牲はいかほどかと察せずにはいられない。
    良い本でも内容を忘れてしまうこともあるが、この本

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    2026年08月12日
  • ラブカは静かに弓を持つ

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    誰とも距離をとってきた橘が始めて壁を取り払えたのが潜入先のチェロ講師、浅葉だった。
    浅葉を筆頭に音楽教室の人たちが橘を輪に入れようとする度、橘は焦燥感と罪悪感に引きずり込まれる。
    音楽には全く造詣が深くないが、それでも音色の表現の美しさと、温かで後ろめたい人間関係に引き込まれて読み進められました。

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    2026年08月09日
  • ラブカは静かに弓を持つ

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    ネタバレ

    シンプルにとても面白かった。そして久しぶりに気持ちよく泣けた。

    私は楽器を何もやったことがない。文字通り音楽とは無縁の世界で生きてきたのだが、最近何かひとつくらい楽器を習ってみたいと思っていた矢先にこの本に出会った。結果としては、良いタイミングだった思う。

    本著では演奏シーンも勿論だが、常に嘘を付き続けている自分と、純粋に音楽を、チェロを楽しむ自分との狭間で揺れ動く主人公の心理描写も見事である。

    また、第一楽章があまりにハッピーな終わり方だったため、あと半分も残っているのにこんなに大団円な展開なのは胸騒ぎがする…と思いつつ、第二楽章に進んだところ、上記の板挟み状態がすごいスピードで加速し

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    2026年08月01日
  • ラブカは静かに弓を持つ

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    スパイ×音楽!?
    私は音楽なんて何も弾けないけれど、なんか文字を追うごとに頭の中で綺麗なチェロの音が鳴り響いてくる。そんな繊細な音が言葉で表現されていて美しい。
    映画の中の「ラブカ」もきっと自分にとってのハッピーエンドだったのだと思うよ。きっと、失ったものを取り戻そうとする力を得られた、もう一度…と思える力を得たことがきっと主人公にとってのハッピーエンドだと思う。

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    2026年07月23日
  • ラブカは静かに弓を持つ

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    スパイ×音楽
    全日本音楽著作権連盟に勤務する橘樹が、大手音楽教室が著作権法の演奏権を侵害している証拠を掴む為潜入する。
    その音楽教室のチェロ講師が浅葉桜太郎。

    この浅葉がとても魅力的な講師。人間としても音楽家としても。浅葉の教え子たちもとても人間的にいい人ばかり。
    精神的にも重くのしかかっていた橘の過去も、この浅葉との出会いで少しずつほぐれていく。
    でも結局はスパイ。信頼と絆が出来上がってきたのに…とグイグイ読めて引き込まれていった。

    チェロは決して派手ではないかもしれないが、重厚感があって豊かで深い音色が本当に美しい楽器だと思う。
    この作品はチェロの魅力も人との関係性もよく描かれていて、

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    2026年07月09日
  • ラブカは静かに弓を持つ

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    音楽×スパイがとても面白く書かれていつつ、主人公の陰の部分もありつつとても楽しめた。チェロの良さも伝わってきて、この本を読んだ後、チェロの演奏を聞きたくなった。

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    2026年07月06日
  • ラブカは静かに弓を持つ

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    著作権を侵害する音楽教室に潜入捜査するためチェロを習う話

    最高。潜入捜査と課題曲の戦慄きのラブカが絶妙にマッチし作品内の情景がとにかく秀逸。大変読みやすく、段々読者にも心を許す主人公の人間味が素敵。ページからチェロの音が聴こえる

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    2026年06月20日
  • 金木犀とメテオラ

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    心の鬱屈や嫉妬や挫折が繊細に描写されていてとても良い小説を読んだ。明暗は正に表裏一体で心に落とす影が濃くなるのだと思う。

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    2026年02月18日
  • イオラと地上に散らばる光

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      「リスキー」の担当者たちが、人をPVやコンテンツとしてしか見られなくなっていく過程が本の世界とは思えなかった。
     彼らにとって重要なのは、事件の真相や被害者・加害者の痛みではなく、どれだけネットが沸くか、どれだけシェアされるかという点だけで、そうした情報を操ることが暴力であることに無自覚である。そして、常に新しい刺激を投入し続けなければ忘れ去られるという恐れから、次々と新しい物語を捏造したり加工し続けたりと必要に迫られる。
     彼らが心をなくすほどに、記事は読者の欲望を満たすものとなり、彼らの罪悪感も仕事の成功として誤認される感じが、すぐ隣で起きているような気がして、ずっしりと重みを感じた。

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    2026年01月11日
  • 金木犀とメテオラ

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    学生時代って…側から見るとめちゃくちゃキラキラしてるんですよね、楽しそうで楽しそうで。
    だけど、笑顔の裏に色んな気持ち隠してたり、人間関係苦しんだり、ほんと、波瀾万丈。
    私あんまり一気読みしないんですが、これは後半止まりませんでした!

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    2025年09月13日
  • 天龍院亜希子の日記

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    ラフかは静かに

    からの流れで拝読
    何だか清々しく文章が流れていきました。

    少し新鮮
    電車書籍だと90%位の文面が1番素敵

    誰かに応援してもらいたいとは思いませんが
    気付かれなくても応援したい人を応援は
    し続けてもいいんだな。

    #スカッとする

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    2025年07月18日
  • ラブカは静かに弓を持つ

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    幼少期にチェロを習っていた橘。誘拐されかけたことがきっかけで、チェロに触れることなく生活していた。
    暗い深い光も入らないような深海の悪夢にとらわれ、チェロへの漠然とした不安は大きな飴色の楽器を見ただけで、わき上がっていた。

    しかし、勤務先から2年間音楽教室への潜入捜査を命じられる。陰鬱で人間関係の構築が苦手がゆえに変な情を持たないだろう、たしかにスパイの仕事を遂行できるたろうと見込まれていた。

    12年ぶりにチェロを握り、恐怖と懐かしさを覚え、徐々に没頭していく。チェロを弾くことに楽しさを感じ、もっと奥行きのある音を響かせたいと願う。私的なひとりの時間はチェロにあてて、チェロへの仄暗いぼんや

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    2026年07月31日
  • 金木犀とメテオラ

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    思春期の不安、孤独、人と比較してしまうこと自分らしさの狭間で苦しむ。
    親に精神的に捨てられた主人公のプライドと不安。
    劣等感や嫉妬、人を信じたい気持ち等細やかに描かれている。
    残念なことがひとつ。
    亡くなった母親との関係がもっと書かれていたらよかった。
    無関心な父親に対して、亡くなってもまだなお佳乃を支配する母とはどんな人間だったのだろう。そこをもう少し知りたかった。

    それと、変わりかけた佳乃と叶、もう少し先まで読んでみたかった。

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    2025年05月11日
  • 金木犀とメテオラ

    購入済み

    本屋さん大賞ノミネートの

    ラブカは静かにから流れて拝読

    途中読むのがツラクなる描写もありましたが中々の良作
    作中の時の流れが早過ぎて、終わりも登場人物の進路の
    描写もなく物足りなさもありそれでいいのかも?

    スーパースターのみなみの家族が一番普通
    きっとこの作品に必要な書き下ろしでした

    個人的には馨が1番好き。

    #エモい #萌え

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    2025年03月17日
  • 天龍院亜希子の日記

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    第30回小説すばる新人賞受賞作。人はふいに分かり合えたと感じたり、裏切られたり、思いもよらないものに救われたりする。そんなささやかな、しかし深く刻まれる経験を、ごく自然に書き出した作品。タイトルからは想像できない内容にもかかわらず、読み終わってみるとこのタイトルしかないと思わされる不思議。賞レースのことやどんな作品と競ったのかは知らないが、本作が受賞するような新人賞はすてきだ。

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    2025年03月03日
  • 『ラブカは静かに弓を持つ』ロングセラー記念ガイドブック(試し読み付)

    購入済み

    知らなかった裏側

    私はラブカは静かに弓を持つが好きでこの本を見たのですが作品ではわからない物語の裏側を見ることができて面白かったです

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    2025年02月25日
  • 金木犀とメテオラ

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    ネタバレ

    私も学生のとき宮田のように勉強面で負けず嫌いなところがあったためその時を懐かしみながら読んだ。
    きらきらした青春小説では決してない、薄黒い霧に囲まれた中を懸命に自問自答しながらも進む少女たちの物語です。
    しかし、現実のこの時期もきらきら100%じゃないなと思う。純粋な自分の内面とは裏腹に、汚れている世界の気配を感じて疑念を抱き始める。そんな少し不気味な時期じゃないかと思っている。
    自分にはない物を持っている人に劣等感を抱き、どうしたら手に入れることができるのか探し必死に掴もうとする。
    宮田も奥沢も相手に嫉妬しながらもそのエネルギーを自分に向けているところが誠実で『嫉妬』という感情は割と悪いやつ

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    2025年02月23日