安壇美緒のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「リスキー」の担当者たちが、人をPVやコンテンツとしてしか見られなくなっていく過程が本の世界とは思えなかった。
彼らにとって重要なのは、事件の真相や被害者・加害者の痛みではなく、どれだけネットが沸くか、どれだけシェアされるかという点だけで、そうした情報を操ることが暴力であることに無自覚である。そして、常に新しい刺激を投入し続けなければ忘れ去られるという恐れから、次々と新しい物語を捏造したり加工し続けたりと必要に迫られる。
彼らが心をなくすほどに、記事は読者の欲望を満たすものとなり、彼らの罪悪感も仕事の成功として誤認される感じが、すぐ隣で起きているような気がして、ずっしりと重みを感じた。 -
購入済み
ラフかは静かに
からの流れで拝読
何だか清々しく文章が流れていきました。
少し新鮮
電車書籍だと90%位の文面が1番素敵
誰かに応援してもらいたいとは思いませんが
気付かれなくても応援したい人を応援は
し続けてもいいんだな。 -
購入済み
本屋さん大賞ノミネートの
ラブカは静かにから流れて拝読
途中読むのがツラクなる描写もありましたが中々の良作
作中の時の流れが早過ぎて、終わりも登場人物の進路の
描写もなく物足りなさもありそれでいいのかも?
スーパースターのみなみの家族が一番普通
きっとこの作品に必要な書き下ろしでした
個人的には馨が1番好き。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私も学生のとき宮田のように勉強面で負けず嫌いなところがあったためその時を懐かしみながら読んだ。
きらきらした青春小説では決してない、薄黒い霧に囲まれた中を懸命に自問自答しながらも進む少女たちの物語です。
しかし、現実のこの時期もきらきら100%じゃないなと思う。純粋な自分の内面とは裏腹に、汚れている世界の気配を感じて疑念を抱き始める。そんな少し不気味な時期じゃないかと思っている。
自分にはない物を持っている人に劣等感を抱き、どうしたら手に入れることができるのか探し必死に掴もうとする。
宮田も奥沢も相手に嫉妬しながらもそのエネルギーを自分に向けているところが誠実で『嫉妬』という感情は割と悪いやつ -
Posted by ブクログ
ラブカは静かに弓を持つ、金木犀とメテオラと新しい作品から読み始め、このデビュー作にたどり着きました。
どの作品も登場人物の描写がすごく良くて、ほぼ全員に感情移入してしまった。そして自分自身何度も仕事で関わってきた派遣社員業界の大変さも身につまされた。
解説にも書かれていたけれども、自分が誰かを信じることで、自分が信じ得ない誰かからの善意を信じることができる。自分がほんとうに辛くて、どうしようもない時に、何の証拠がなくっても、もしかしたらこの世の誰かがどこかでひそかに自分を応援してくれてるかもしれないって呆れた希望を持つことができる。
そういうことを信じられたら、我々は生きるのが少し楽にな -
Posted by ブクログ
過去に傷を負った青年が、チェロを再開したことで人間関係を築き、壊し、また築こうとする物語。不器用だけれど誠実な主人公の姿に、共感と羨ましさを感じた。
主人公は著作権団体のスパイとしてチェロ教室に通う。しかし任務として関わるうちに、本気でチェロと向き合い、そこにいる人たちとの関係や居場所を大切に思うようになっていく。だからこそ、仕事のために嘘をつき続けなければならない葛藤が苦しい。
誰かを守るために任務を貫く人も、会社に背いて自分の気持ちを選ぶ主人公も、どちらが正しいとは簡単に言えない。ただ、相手を傷つけ、欺いてしまった事実だけは残る。「正しいかどうか」ではなく、「自分は何を選び、何を捨てる -
Posted by ブクログ
ネタバレ静謐な水底に身を沈めるような読書体験だった。ラブカは静かに弓を持つは、「スパイ」と「音楽」という一見相容れない要素を交差させながら、人が他者と関わることの痛みと救いを、これ以上ないほど繊細に描き出している。
物語の核にあるのは、任務として人を欺くことを強いられる主人公の葛藤だ。信頼を得るほどに、その信頼を裏切る行為の重さが増していく。この構造は非常にシンプルでありながら、読み進めるほどに逃れがたい圧力として胸に積もっていく。派手な展開や劇的な事件に頼ることなく、内面の揺らぎだけでここまでの緊張感を持続させる筆致は見事というほかない。
特筆すべきは音楽描写の豊かさだ。チェロの音色は単なる情景 -
Posted by ブクログ
いつだったかの新聞の書評を読んで購入。
実社会を投影するようなSNS時代のネットメディアと炎上による波及、それによる社会への影響、自己肯定感とは?など、色々な要素を複数の人物を通じて訴えてくるような内容でした。
読み進めていくと、自分自身の中にも確実に根付いてしまっている、親世代から受けてきた、男らしさのめんどくささ、性差を区別ではなく差別的に捉えてしまう部分が自身の中に浮き彫りになり、更に自分が苦手なタイプの登場人物が何人も出てきて、不快感が押し寄せてきました。
ただ、不快感がこれだけ出ても、違和感ではないあたり、自分自身の中にもこの登場人物達と共通する部分があるからこそなのかもしれないと思