あらすじ
12歳の春。東京出身の宮田佳乃は、家庭の事情で北海道にある中高一貫の女子校に入学する。しかし、秀才でプライドが高い彼女には、受け入れ難い進路だった。一方、地元出身の奥沢叶も、新入生総代に選ばれるほどの優等生。パッと目を引く美少女で誰もが羨む存在だが、周囲には知られたくない“秘密”があり……。思春期の焦燥や嫉妬、葛藤をふたりの視点で描く、青春長編。スピンオフ短編も収録。
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Posted by ブクログ
学生時代って…側から見るとめちゃくちゃキラキラしてるんですよね、楽しそうで楽しそうで。
だけど、笑顔の裏に色んな気持ち隠してたり、人間関係苦しんだり、ほんと、波瀾万丈。
私あんまり一気読みしないんですが、これは後半止まりませんでした!
Posted by ブクログ
思春期の不安、孤独、人と比較してしまうこと自分らしさの狭間で苦しむ。
親に精神的に捨てられた主人公のプライドと不安。
劣等感や嫉妬、人を信じたい気持ち等細やかに描かれている。
残念なことがひとつ。
亡くなった母親との関係がもっと書かれていたらよかった。
無関心な父親に対して、亡くなってもまだなお佳乃を支配する母とはどんな人間だったのだろう。そこをもう少し知りたかった。
それと、変わりかけた佳乃と叶、もう少し先まで読んでみたかった。
本屋さん大賞ノミネートの
ラブカは静かにから流れて拝読
途中読むのがツラクなる描写もありましたが中々の良作
作中の時の流れが早過ぎて、終わりも登場人物の進路の
描写もなく物足りなさもありそれでいいのかも?
スーパースターのみなみの家族が一番普通
きっとこの作品に必要な書き下ろしでした
個人的には馨が1番好き。
Posted by ブクログ
私も学生のとき宮田のように勉強面で負けず嫌いなところがあったためその時を懐かしみながら読んだ。
きらきらした青春小説では決してない、薄黒い霧に囲まれた中を懸命に自問自答しながらも進む少女たちの物語です。
しかし、現実のこの時期もきらきら100%じゃないなと思う。純粋な自分の内面とは裏腹に、汚れている世界の気配を感じて疑念を抱き始める。そんな少し不気味な時期じゃないかと思っている。
自分にはない物を持っている人に劣等感を抱き、どうしたら手に入れることができるのか探し必死に掴もうとする。
宮田も奥沢も相手に嫉妬しながらもそのエネルギーを自分に向けているところが誠実で『嫉妬』という感情は割と悪いやつじゃないなとこの作品を読んで思った。
完璧主義な人、真面目な人、自分のことが好きじゃない人に読んで欲しい作品だなと思いました。
Posted by ブクログ
解説がなんか…合ってるのかな?
私にとって、この小説の真髄は最後の短編にあった。
天才と天才とが、互いの良さ醜さを目の当たりにしながら、人それぞれの持つ弱さを知っていく。そんな傍らで息をする凡人が何を思いどう生きるか、ただハッピーエンドを迎えるのではないところがたまらなく好きだった。
テーマ自体はよくある青春小説、と思いきや、とても生々しく綺麗な物語。タイトルと装丁に惹かれて買った本だが、正解だった。文体も読みやすく素敵だった。
Posted by ブクログ
意図したわけではないけど親に苦しむ系の話を続けて読んでいる。
解決も折り合いもつくものではないので、そこはやはり苦しいな。
嫉妬の裏にある圧倒的憧憬が、とても響いた。
学園メンバーにも救われた。
残りの日々とこれから先も、彼女らに金の雨の景色がたくさん降るといいな。
Posted by ブクログ
女子同士の友情というものが好きな私にとってめちゃくちゃ刺さった。
とにかく主人公の友達がいい子すぎてこの友達だけは離しちゃダメだぞと途中怖々読んでいた。
北海道の綺麗な自然が浮かんで、読んでると鼻がツーンとするような感じがした。
奥沢が同級生と比べて私服が幼くて周りがあれっておかしく思う感じとか中学女子のリアルがあった。
自分は宮田の素直に生きてる感じが羨ましさあり好きだった。
Posted by ブクログ
バチバチに発露する女子中高生達の感情を描写した青春小説。青春小説だからといって、明るく楽しく、ではなく、嫉妬や自己証明のための苦悩など、この年齢特有の苦味のある感情がメインに来る物語。
一筋縄では行かない人間関係。容易にわかりあう展開じゃないからこそ読み応えがありました。結末は、登場人物達にとってはようやく始まったといえる地点なのでこの先も読みたい!と思うけど、書かないからこその余韻であり、伝わるものがあるということなんだろうな。
Posted by ブクログ
すごく好きなかんじ!
自然豊かなど田舎にできた新興の中高一貫の女子校の一期生たちのお話。
はたから見たら凡人離れしている突出して優秀な少女、宮田と奥沢。
それぞれ意識して、互いに相手を羨んで反発しているけど、その実どちらも劣等感や大きな悩みを抱えて苦しんでいる。
二人が相手も色々あるんだって気付くのに、変に距離が縮まったりしない感じが良い。
まわりの凡人?な少女たちも、キャラが立っていて魅力的。
ちょっとうざい子はいても、すごい嫌な奴っていうのいなくて、結局ずっと同じメンバーでつるんでいるの微笑ましい。
誤解されやすい宮田が「こいつはそういう奴」って、排除されることなく受け入れられていて、なんかほっこりした。
旧宣教師館に向かう落ち葉の道や
星を見に行く真っ暗な道路
色んな季節ごとの空気とか
そういうの描くのも上手だなぁと思いました。
この作家さん初めてだったので、他の作品も読んでみたい!
Posted by ブクログ
中学の時の塾の先生に勧められてから数年が経ち、最近友達が貸してくれて「そういえばタイトル聞いたことあるな〜」と思いながら読み始めた。
自分自身、可愛い制服や美しい校舎に惹かれて北海道の端にある女子校に憧れを抱いていた時期があったので、この本の舞台設定にはとてもときめいた。
宮田や奥沢が、自分には持ちえないものを持っているという点で特別な関係として描かれるのでは無く、同じクラスの程よい距離感の間柄として描かれるのがリアルで良かった。
進学校だと半強制的に自分の将来を考えて大人に伝えなくてはならない時が来るし、そういう時にこれまで育ってきた環境や容姿など、自らが選択出来ない自己を形成する要素に不満を持つことってあるよな〜と思った。
人には人の辛さがある、宮田と奥沢の置かれた環境の苦しさも感じたけど、平凡な一読者の私から見たら、彼女たちの苦しさを等身大で感じることは難しくて、二人の持ち合わせるものに終始ほんのりとした憧れを抱くことをやめられなかった。
だから本編よりもみなみの視点で描かれた「スーパースター」の方がより強く共感したし感情が大きく動かされた。
宮田や奥沢の持つものは、どこかで見たスターの来歴の一部ようで、私は「もしも私が宮田や奥沢だったら」というような想像をやめられないし、分不相応な夢を抱くこともやめられず、現実と理想の乖離に苦しむ。
宮田をライバル視していた馨も成績が常に三番手という優秀なキャラクターで、平凡もしくはそれ以下の人間はやっぱりスターと同じ土俵には上がれないのか、星の影のままなのか、と歯痒くなった。
深く心情が描かれることのなかった悠や真帆、由梨から見た宮田と奥沢の印象も気になる。
自分と誰かを比べて苦しむのではなく、良い意味で自分の持つものだけに目を向けて、他人をありのままで受け入れる彼女たちのしなやかさに感動した。
宮田や奥沢がどんな進路に進んだのか、その後も気になる。
Posted by ブクログ
「隣の芝生は青い」どんなに完璧に見える人でもその人なりに悩みがあったり必死に取り繕っていたりする。お互いに対していろんな思いがある二人が合唱の発表会で通じ合うシーンは心に響いた。
Posted by ブクログ
北海道の進学校に、東京から進学した子。
地元で優秀と言われてきた子。
いろんな背景をもっている生徒たち。
お互いライバル視しながら、
羨ましがりながら、成長していく、
青春の1ページ。
大どんでん返しなどはないですが、
よんでて楽しくなる作品でした。
Posted by ブクログ
学生時代ってこんな感じだったか…ってきらきらの青春真っ盛り!ではない現実的な心情が描かれていた。奥沢のように外から与えられるイメージのとおりにふるまうこともある。宮田のように過去の栄光にすがって自分が一番だって思う気持ちもわかる。
奥沢と宮田の直接的な発言ではなく周りの様子から、彼女たちの葛藤や心の内が伝わってくる。仲が良いし楽しくても、みんなが繕って青春の空間を作り上げている感じ…あるなぁ。それでも最後、前を向こうとする二人の描写はとてもよかった。
Posted by ブクログ
なんだかわからないけれど、すごく泣きそう。
北海道の中高一貫の女子校一期生で、ツートップの成績を誇る宮田と奥沢。
豊かな環境で育ちながらも無愛想でトラウマを抱える宮田と、愛想が良く美少女かつ優等生ながら家庭環境に秘密を抱える奥沢。
成績がよく、類稀な才能を持つ2人だが、その中身はとても不安定で歪。
一方で2人と一緒に過ごすみなみや馨といった女の子たちは、2人と比較すると一般的で秀でたところがない自覚しているものの、人格が安定していて思いやり深い。
彼女たちもすごく魅力的で、特に宮田のまわりに2人がいてくれてよかったなと思った。
正直最後まで人に心をずっと開いていないのは奥沢の方で、彼女の家庭環境に気が付きながら相手に気遣うまわりの子たちが成熟しすぎていてこうなりたいなと思ったりした。
そうなんだよなあ、、頭いい子とかって歪んでたりするんだよな、、。でも厳しい環境に置かれたことも2人の優秀さの原因ではあって、とはいえ頭がいいから歪むのかもしれないし、これどっちが先なんだろなと。
宮田と奥沢がどんな未来を進んだのか描かれてない点も余韻があってよかった。宮田が東大ピアノ学科に進めるといいな!笑
御三家がまだ変わってないみたいで安心しました。
Posted by ブクログ
一見幸せそうに見える人にも悩みがあるってあたりまえの事なの忘れがちだよね。皆それぞれ何かに苦しめられて生きている。
登場人物達の抱えている苦しみは何も解決されていないけどその方がリアルなのかもしれない。でもやっぱり小説の中でぐらい幸せになって欲しいから続編希望。
Posted by ブクログ
年明けに素敵な小説を読むことが出来た。
宮田と奥沢、学年のツートップの目線で話が続いていく。青春小説ではあるのだけど、この2人が最後まで仲良くはならないし、この先も仲良くなることはないのだろう。主人公が2人いて、お互いほぼ会話もない。少し異様な状況だが、ずっと存在は意識していて、でも深い関わりは無い人というのは結構いる。そして、そんな人の言葉ほどきっかけを与えてくれるし、忘れられない。
相手の弱さを見て、自分の状況を受け入れていけるようになるのは見方によっては薄暗い感情が湧きそうだけども、互いにとても前向きで気持ちが良い。
みなみがなぜ宮田とつるんでいるのかがさっぱり分からなかったが、スピンオフまで読んで腑に落ちた。
Posted by ブクログ
宮田と奥沢、10代を生きる2人の少女の葛藤と成長を描いた作品。
家と学校が世界の全てだった中学、高校時代、自分も親のことや成績のこと、友達付き合いのことなんかですごく悩んだり、ムカついたり、焦ったりしたことがあったなぁと、読みながら自分が10代だった頃の気持ちを少しだけ思い出しました。
多感な時期ならではの、危うさを孕んだ切実な感情のゆらめき。
もちろん本人たちは必死で大変な思いをしながら毎日を生きているわけですが、情景として想像すると、この脆くて危ういからこその期間限定の煌めきってすごく美しいなと思います。
もしこの作品を映像化して主題歌をつけるなら、アンジェラ・アキさんの『手紙〜拝啓十五の君へ』がピッタリかと。
「人が思うよりもずっと、この世で奇跡は起きている」
17歳の秋、大切な気づきを得てまた一歩前進していく2人に、幸せな未来が待っていますように。
Posted by ブクログ
北海道にできた新設の私立学校。そこに通うことになった東京出身の宮田と地元の奥沢を中心としたお話。とにかく中学、高校時代にあった感情を書くのがうまくて、主人公の2人の周りにいる友人たちも含めて、そうそう、こんな学生時代だった!と思いながら読んだ。
宮田は裕福な家庭に育ち、ピアノも上手くて学業にも励み、プライドが高い。
奥沢は貧しい家庭で、いつかこの環境から脱出したいと努力している。
この2人がお互いのことをライバル視して、お互いのことを深く知らずに羨ましいと思っている。
でも合唱コンクールを通じて、不安や焦りを持っているのは自分だけではないと知る。
個人的には宮田の友達のみなみちゃんが明るくて自然体で好きでした。クールで少し冷めている宮田に、みなみちゃんのように何でも言ってくれるような友達がいることが良かったなと思った。
登場人物みんなに幸せな未来があるようにと願った。
Posted by ブクログ
これまでの憎しみや劣等感を、あっけなく手放すなあと思った。でもきっかけなんてそんなもので、本当は、手放したくて仕方がなかったものを手放せるきっかけを待っていたのかもしれない。
Posted by ブクログ
星3.5
中学、高校という多感な時期を過ごす女子の心理描写がとても上手に表現されていた。
何となく斜に構えている宮田、完璧に振る舞う奥沢、どちらの気持ちも「うんうん、良く分かる。」と頷いてしまった。
メインの2人以外に登場する子や教師たちもさもありなんというキャラクターで、学校の雰囲気の描写なども「あぁ、女子校だぁ〜」という雰囲気が良く出ていた。
Posted by ブクログ
北海道の中高一貫の女子校を舞台に、優等生の宮田と美人の奥沢を主人公にした青春もの。最初は名作かなと期待したのだが、まあ普通かな。母が死に父から東京から寮へ投げ込まれた屈折した宮田はいいとして、母とその愛人を嫌う奥沢がひどい目に会ったりしないかと心配しながら読み進んだが、総じて悪い人が出てこなくてよかった。
Posted by ブクログ
2人の秀才少女が、自らと向き合い家庭環境を恨みながら、お互いを羨んで過ごした中高時代のお話。
この年頃の女の子の解像度が非常に高いので、読みやすかった。
一方で、お互いを認めまいとしつつ交わった時に何かが生まれる、そんな関係性が好きなので、もっと見たかったなと思ってしまった。そうなった途端にリアリティが薄れるのにね。読者ってわがままだ。
Posted by ブクログ
中学生ぐらいの時に読んでたらものすごく刺さっただろうと思う。笑
こういう本をある程度大人になっても読んで…いいんでしょうか…?と思っちゃうくらい憧れる〜。
Posted by ブクログ
タイトルに物凄く惹かれて手に取る。
北海道の中高一貫校で生活する主人公や
その周りの友人たち。
日々葛藤する姿に少しハラハラし、だけど瑞々しくもあり心の中でエールを送る。
Posted by ブクログ
二人に共感した
二人とも強い思いを抱えながら努力しているのをみて、こうはなれないと思いつつも自分はなぜか共感して…時々泣きそうになった。特別でありたい、特別であるはずだと思う宮田に特に共感した
ただ、部分部分は面白かったものの、深く印象に残ることはなく。よくも悪くも日々を描いてるなって印象だった
Posted by ブクログ
どんなに優秀に見える人でも弱みや人に知られたくない秘密を持っていて、それを隠して一生懸命生きているんだと思った。
最後のみなみの描写が人間味があってとても良かった。
Posted by ブクログ
主人公の2人は家庭環境のせいで心に闇をかかえていて、青春小説のようでこれは殺人事件とかミステリーに発展するのか、と思いつつ読み進めていったら結果いいお話でした。後半なんとか2人とも幸せになれ!と願いながらページをめくりました。個人的にはお友達のみなみちゃんが最高です
Posted by ブクログ
04月-08。3.0点。
北海道の新設女子中学・高校、二人の優等生が。一人は父との折り合い悪く、母の死去後に受験したピアノの上手い娘、もう一人は地元で特待生になった娘。互いを意識しながら、互いにコンプレックスを抱え。。。
読みやすく、面白かった。最後の章がイマイチ意味がわからなかったかな。