安壇美緒のレビュー一覧

  • イオラと地上に散らばる光

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    いつだったかの新聞の書評を読んで購入。
    実社会を投影するようなSNS時代のネットメディアと炎上による波及、それによる社会への影響、自己肯定感とは?など、色々な要素を複数の人物を通じて訴えてくるような内容でした。
    読み進めていくと、自分自身の中にも確実に根付いてしまっている、親世代から受けてきた、男らしさのめんどくささ、性差を区別ではなく差別的に捉えてしまう部分が自身の中に浮き彫りになり、更に自分が苦手なタイプの登場人物が何人も出てきて、不快感が押し寄せてきました。
    ただ、不快感がこれだけ出ても、違和感ではないあたり、自分自身の中にもこの登場人物達と共通する部分があるからこそなのかもしれないと思います。

    私個人としては、後半、きっとこういう事が起こるのではないか?と思った事が作中では起こる事なく終わり、余韻と読後感にスッキリ感はありませんが、本を読むのは、こういう行間というか、明示されない部分を読者に委ねるという事で、考えるキッカケを与えてもらってるという点も思い起こされて、これを書きながら評価を少し変えた気がします。

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    2026年03月31日
  • イオラと地上に散らばる光

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    ネタバレ

    SNSに毒された現代日本人の心の闇といったものに迫っていて、身につまされるものもあり、読み応えのある小説だった。

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    2026年03月22日
  • #ホラーゲーム実況中

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    ホラーゲーム実況をテーマにしたアンソロジー
    それぞれの作家さんの色が出ていて世にも奇妙な物語的なお話が多くサクッと楽しめた
    好みの作品だったのは品田遊さんと青柳碧人さん

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    2026年03月17日
  • イオラと地上に散らばる光

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    何人かの登場人物視点で話が進んでいくが、総じて社会問題に切り込んだ話だった。ひたすら新たなニュースを眺めて周りの意見を見て、数日後には忘れている。過剰なネットタイトルに批判が集まるがその批判の目すらPVに伝わり評価されるため無くならない。
    社会の強者と弱者。しわ寄せされるワンオペの女性。具体的な解決に進むわけではないので最終的に私たちが考えなければならない話だと思った。

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    2026年02月22日
  • イオラと地上に散らばる光

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    続きが気になって、あっという間に読み終えたけど、自分が未婚だったり育児中だったりしたら怖くて読めないと思った。
    世の中の男性、すべてが信じられないような、そんな気持ちになりそう。

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    2026年02月01日
  • 金木犀とメテオラ

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    ネタバレ

    「青春」と呼ぶには、悲しい痛みを胸に感じる話だった。
    選べない家庭環境、一番にならなきゃという強迫観念のような思い、私には何の取り柄もないなっていう悩み。教室の中にはクラスメイトがたくさんいるのに感じる孤独。
    誰もが登場人物の誰かに共感できるんじゃないかな。

    今は信じられないかもしれないけれど、あの時見た景色、聞こえた音、交わした言葉がいつか力になることもある。後半、少しずつ踏み出していく姿に目が離せなかった。
    今はぐっと踏ん張ってなんとか立っている佳乃と奥沢が、自分の意志で軽やかに好きなところに行けるようになったらいいな。

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    2026年01月28日
  • イオラと地上に散らばる光

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    ともすれば空虚なSNSなど現代の事情が
    上手く表現されていたように思う。
    本文より「誰かに見つかりたかったし、誰にも見つけてほしくなかった」という一文が言い得て妙だと感じた。

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    2026年01月19日
  • イオラと地上に散らばる光

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    イオラの視点が何ひとつ描かれないまま終わり、それが今の世の中だということにちょっと目を背けたくなるけれども、よほど気をつけていないと誰でもイオラになりうるしイオラを生み出してしまいうる。

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    2025年11月29日
  • イオラと地上に散らばる光

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    ネタバレ

    現実としてある、現代社会そのものだと感じた。
    他人に起きた出来事を娯楽として、ただただ消費する人々。どのような出来事でも、人々に注目されるのであれば、手段を選ばずコンテンツを制作する人々。

    他人の投稿や動画を見て時間を消費する。無駄であることは理解していてもやめられない。刺激を求めている。バズっている出来事を知らずにはいられない。一瞬で変化する時代の流れに置いていかれたくない。
    芸能ゴシップであっても、事件であっても、自分には無関係のことでも、何もかもが人々のたった少しの時間を消費し、脳に刺激を与えるためだけのコンテンツとなってしまう。きっとそれは事実でもそうでなくてもなんでもいい。拡散されていくうちに、いつの間にか勝手な物語が作られてしまい、人々の間には共感や分断、対立が生まれる。

    この本はその恐ろしさを描いている。ただ、私も含め、多くの人は無自覚のうちにその世界の一部となる。そして、それが世界のすべてだと思ってしまう。何気なく呟いたたった一言。身内で楽しむためだけのコンテンツ。それがどれだけ大きな何かを生んでしまうのか。SNSの、そしてそれに操られる人間の怖さを実感する一冊。

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    2025年11月20日
  • イオラと地上に散らばる光

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    前作「ラブカは静かに弓を持つ」が本屋大賞2位そして新作、待ちに待ってました。今作は前作に比べてまったく違った趣きの作品だと思います。SNSを駆使した現代のミステリーと感じました。イオラが抱っこひも抱えたまま夫の上司を刺した。何ということであろうこれからの展開が気になってしょうがない、テーマが現代社会の暗闇という感じがします。
    あなたも読んでこの異色作を何か感じで下さい。

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    2025年11月05日
  • 金木犀とメテオラ

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    バチバチに発露する女子中高生達の感情を描写した青春小説。青春小説だからといって、明るく楽しく、ではなく、嫉妬や自己証明のための苦悩など、この年齢特有の苦味のある感情がメインに来る物語。

    一筋縄では行かない人間関係。容易にわかりあう展開じゃないからこそ読み応えがありました。結末は、登場人物達にとってはようやく始まったといえる地点なのでこの先も読みたい!と思うけど、書かないからこその余韻であり、伝わるものがあるということなんだろうな。

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    2025年10月23日
  • 天龍院亜希子の日記

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    ネタバレ

    主人公田町譲の描写が生々しくてリアリティある。
    著者の安壇さんって男性なの?ってネットで調べてしまった。女性でした。なんでこんなに生々しく書けるんだ。凄い。

    解説の方も言っていたけど、天龍院亜希子とマサオカが直接物語に絡まないこの構成がいい。終盤とか絡んできたら個人的にはだいぶしらけたと思う。

    マサオカのモデルは清原さんなのかな?清原さんの事は応援しているから、マサオカを応援している田町により感情移入できました。

    佐藤陽平の話も好き。彼の自分の中に波があるっていう所は物凄くよく分かる。私もそうです。
    くたびれた服の所も良かった。こういう風に思える田町くんは優しくて魅力的です。

    解説もいい。呆れた希望の所は私もグッときました。
    読後感もいい。いい物語を読み終えたなっていう満足感に浸れています。読んで良かったです。

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    2025年07月17日
  • ラブカは静かに弓を持つ

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    ネタバレ

    2023年本屋大賞第2位。スパイ×音楽という異色の組み合わせの小説。
    全日本音楽著作権連盟に勤める橘は、音楽教室の著作権法違反の証拠を掴むために潜入調査することを命じられる。
    まず、斬新ながら有り得そうな設定に興味をそそられる。橘とチェロの関係についても不穏な雰囲気が漂うなか、スパイ業務が始まっていく。相手や自分の一挙手一投足が気になるスパイのドキドキハラハラを感じつつ、大きな起伏を感じさせない文体で物語は進んでいく。過去のトラウマにより橘は不眠症を患っていて、常時服薬していたり、食生活も良くなさそうな描写もあったが、そこに関してはあまり深く描かれていなかった。だからこそスパイのドキドキ感と音楽に集中できて読みやすい。落ち着いた文体ながらもスパイの葛藤や苦悩には心動かされた。
    チェロは人の声の音域に近い楽器らしい。なぜこの物語の楽器がチェロなのか、このことがすごい意味を持っている気がする。小野瀬のコンサートに行って音楽を聴くことでなにかが変わるのかと思ったけど、そうではなく、そこでかすみと出会うことで物語が動いていく。音楽小説というと、音楽の力を感じさせるような展開になるような気がするけど、この小説で橘を救ってくれたのは音楽より人の言葉や思いだった。チェロを再開してチェロの音色に包まれることで、人の声が届きやすくなっていったんじゃないかなあと思う。

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    2026年09月03日
  • 天龍院亜希子の日記

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    人材会社勤務27歳男性の何気ない日常を覗き見したような小説。誰しもが日々生きていくなかで、湧きでる小さな希望や絶望の繰り返しが丁寧に描かれていて、自身にとっては共感性の高い作品だった。
    とくに印象的なのは佐藤陽平との出来事だ。実際自分の身に起きたらかなり精神的にきそうな一件である。リアルで虚しく痛々しいエピソードだが、これが物語に絶妙なスパイスを加えてくれている。
    キーパーソンとなる早夕里の父だが、主人公が慕う理由が読者にも違和感なく伝わってくる。2人の会話だけ特別に温度を持って響いてくる気がした。その筆力の高さが流石だと思った。
    また個人的には筆者が女性ということもあり、登場人物の女性たちの描写がこれまたリアル。ふみかのような性格難アリ感情むき出し女(でも仕事はできるから厄介)、岡崎さんのように精神年齢高めで自分の軸を持ってる女(ただ聖人な訳ではなくちゃんと人を見下してたりする)、早夕里のように賢くニュートラルな女(正論をかざす面倒な一面もある)など、、それぞれが一生懸命悩みながら生きている血の通った人間らしさを感じられたのがよかった。

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    2025年03月04日
  • 金木犀とメテオラ

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    すごく好きなかんじ!

    自然豊かなど田舎にできた新興の中高一貫の女子校の一期生たちのお話。

    はたから見たら凡人離れしている突出して優秀な少女、宮田と奥沢。
    それぞれ意識して、互いに相手を羨んで反発しているけど、その実どちらも劣等感や大きな悩みを抱えて苦しんでいる。

    二人が相手も色々あるんだって気付くのに、変に距離が縮まったりしない感じが良い。

    まわりの凡人?な少女たちも、キャラが立っていて魅力的。
    ちょっとうざい子はいても、すごい嫌な奴っていうのいなくて、結局ずっと同じメンバーでつるんでいるの微笑ましい。
    誤解されやすい宮田が「こいつはそういう奴」って、排除されることなく受け入れられていて、なんかほっこりした。

    旧宣教師館に向かう落ち葉の道や
    星を見に行く真っ暗な道路
    色んな季節ごとの空気とか
    そういうの描くのも上手だなぁと思いました。

    この作家さん初めてだったので、他の作品も読んでみたい!

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    2024年11月21日
  • 金木犀とメテオラ

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    中学の時の塾の先生に勧められてから数年が経ち、最近友達が貸してくれて「そういえばタイトル聞いたことあるな〜」と思いながら読み始めた。

    自分自身、可愛い制服や美しい校舎に惹かれて北海道の端にある女子校に憧れを抱いていた時期があったので、この本の舞台設定にはとてもときめいた。

    宮田や奥沢が、自分には持ちえないものを持っているという点で特別な関係として描かれるのでは無く、同じクラスの程よい距離感の間柄として描かれるのがリアルで良かった。
    進学校だと半強制的に自分の将来を考えて大人に伝えなくてはならない時が来るし、そういう時にこれまで育ってきた環境や容姿など、自らが選択出来ない自己を形成する要素に不満を持つことってあるよな〜と思った。

    人には人の辛さがある、宮田と奥沢の置かれた環境の苦しさも感じたけど、平凡な一読者の私から見たら、彼女たちの苦しさを等身大で感じることは難しくて、二人の持ち合わせるものに終始ほんのりとした憧れを抱くことをやめられなかった。
    だから本編よりもみなみの視点で描かれた「スーパースター」の方がより強く共感したし感情が大きく動かされた。
    宮田や奥沢の持つものは、どこかで見たスターの来歴の一部ようで、私は「もしも私が宮田や奥沢だったら」というような想像をやめられないし、分不相応な夢を抱くこともやめられず、現実と理想の乖離に苦しむ。
    宮田をライバル視していた馨も成績が常に三番手という優秀なキャラクターで、平凡もしくはそれ以下の人間はやっぱりスターと同じ土俵には上がれないのか、星の影のままなのか、と歯痒くなった。
    深く心情が描かれることのなかった悠や真帆、由梨から見た宮田と奥沢の印象も気になる。

    自分と誰かを比べて苦しむのではなく、良い意味で自分の持つものだけに目を向けて、他人をありのままで受け入れる彼女たちのしなやかさに感動した。

    宮田や奥沢がどんな進路に進んだのか、その後も気になる。

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    2024年11月08日
  • 金木犀とメテオラ

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    ネタバレ

    「隣の芝生は青い」どんなに完璧に見える人でもその人なりに悩みがあったり必死に取り繕っていたりする。お互いに対していろんな思いがある二人が合唱の発表会で通じ合うシーンは心に響いた。

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    2024年10月15日
  • 天龍院亜希子の日記

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    社会人が抱える仕事やプライベートに関わる普遍的な悩みを幅広く描いた小説。
    ただ、それぞれの悩みに100点の回答をくれる社会人のバイブル的な作品、ということは全くなく、誰しも65点くらいのところで納得させて生きてるんだと思わせてくれる社会人のお守り的な作品。

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    2024年09月18日
  • 金木犀とメテオラ

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    ネタバレ

    北海道の進学校に、東京から進学した子。
    地元で優秀と言われてきた子。
    いろんな背景をもっている生徒たち。

    お互いライバル視しながら、
    羨ましがりながら、成長していく、
    青春の1ページ。

    大どんでん返しなどはないですが、
    よんでて楽しくなる作品でした。

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    2024年06月21日
  • 天龍院亜希子の日記

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    どんなに仕事がつらくても毎日会社に行かなきゃいけない。平凡な生活のなかに見つける一つの希望。
    それは、かつて少しいじめた天龍院亜希子が毎日幸せそうに生きていること。

    じゃなくてふみかだろ。
    同期で毎日顔を合わせて同じ苦労を味わい、話も合うし巨乳、仕事終わりは居酒屋で愚痴りエッッッなことまで...。
    もうタイトル『俺とふみかのオフィスラブ』だろこれ。希望に満ち溢れてるだろ。
    どこで何してるか分からない人の日記とかどうでもいいだろ。

    天龍院亜希子はブログを消した。
    この世のどこかで誰かが応援してくれる「呆れた希望」なんて求めていなかった。
    マサオカは社会復帰すら怪しい。

    天龍院亜希子とマサオカ。どこか遠くに希望を求めていたが、近くにあったんだ。

    やっぱりふみかだぜ。

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    2024年02月13日