安壇美緒のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ一度裏切ったら二度と戻らないとあったように、浅葉は梶山やかすみ達よりも裏切られた事に激怒していた。それは、師弟関係であった橘と浅葉が他の皆より固く絆が結ばれていたからこその怒りだったのだと思う。
エピローグで、全著連を辞めた橘が再び浅葉の元へチェロを習いに行っている事がわかり、この二人はすぐ信頼関係を取り戻していくのだろうと思えた。
腹の底が読めない蛇のような男の塩坪も、『戦慄きのラブカ』:敵国に潜入した諜報員が潜入先で穏やかに暮らして最期は元の仲間に殺されるという映画が好きであった為か、橘のことも処罰対象にはしなかった。
さらに、度々登場していま三船も実は潜入員だったが、橘と同じように信頼 -
Posted by ブクログ
ネタバレ現実としてある、現代社会そのものだと感じた。
他人に起きた出来事を娯楽として、ただただ消費する人々。どのような出来事でも、人々に注目されるのであれば、手段を選ばずコンテンツを制作する人々。
他人の投稿や動画を見て時間を消費する。無駄であることは理解していてもやめられない。刺激を求めている。バズっている出来事を知らずにはいられない。一瞬で変化する時代の流れに置いていかれたくない。
芸能ゴシップであっても、事件であっても、自分には無関係のことでも、何もかもが人々のたった少しの時間を消費し、脳に刺激を与えるためだけのコンテンツとなってしまう。きっとそれは事実でもそうでなくてもなんでもいい。拡散され -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公田町譲の描写が生々しくてリアリティある。
著者の安壇さんって男性なの?ってネットで調べてしまった。女性でした。なんでこんなに生々しく書けるんだ。凄い。
解説の方も言っていたけど、天龍院亜希子とマサオカが直接物語に絡まないこの構成がいい。終盤とか絡んできたら個人的にはだいぶしらけたと思う。
マサオカのモデルは清原さんなのかな?清原さんの事は応援しているから、マサオカを応援している田町により感情移入できました。
佐藤陽平の話も好き。彼の自分の中に波があるっていう所は物凄くよく分かる。私もそうです。
くたびれた服の所も良かった。こういう風に思える田町くんは優しくて魅力的です。
解説もい -
Posted by ブクログ
人材会社勤務27歳男性の何気ない日常を覗き見したような小説。誰しもが日々生きていくなかで、湧きでる小さな希望や絶望の繰り返しが丁寧に描かれていて、自身にとっては共感性の高い作品だった。
とくに印象的なのは佐藤陽平との出来事だ。実際自分の身に起きたらかなり精神的にきそうな一件である。リアルで虚しく痛々しいエピソードだが、これが物語に絶妙なスパイスを加えてくれている。
キーパーソンとなる早夕里の父だが、主人公が慕う理由が読者にも違和感なく伝わってくる。2人の会話だけ特別に温度を持って響いてくる気がした。その筆力の高さが流石だと思った。
また個人的には筆者が女性ということもあり、登場人物の女性たちの -
Posted by ブクログ
すごく好きなかんじ!
自然豊かなど田舎にできた新興の中高一貫の女子校の一期生たちのお話。
はたから見たら凡人離れしている突出して優秀な少女、宮田と奥沢。
それぞれ意識して、互いに相手を羨んで反発しているけど、その実どちらも劣等感や大きな悩みを抱えて苦しんでいる。
二人が相手も色々あるんだって気付くのに、変に距離が縮まったりしない感じが良い。
まわりの凡人?な少女たちも、キャラが立っていて魅力的。
ちょっとうざい子はいても、すごい嫌な奴っていうのいなくて、結局ずっと同じメンバーでつるんでいるの微笑ましい。
誤解されやすい宮田が「こいつはそういう奴」って、排除されることなく受け入れられてい -
Posted by ブクログ
中学の時の塾の先生に勧められてから数年が経ち、最近友達が貸してくれて「そういえばタイトル聞いたことあるな〜」と思いながら読み始めた。
自分自身、可愛い制服や美しい校舎に惹かれて北海道の端にある女子校に憧れを抱いていた時期があったので、この本の舞台設定にはとてもときめいた。
宮田や奥沢が、自分には持ちえないものを持っているという点で特別な関係として描かれるのでは無く、同じクラスの程よい距離感の間柄として描かれるのがリアルで良かった。
進学校だと半強制的に自分の将来を考えて大人に伝えなくてはならない時が来るし、そういう時にこれまで育ってきた環境や容姿など、自らが選択出来ない自己を形成する要素に