安壇美緒のレビュー一覧
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小説すばる新人賞受賞作。
タイトルの天龍院亜希子が、回想にしか出てこない。その点は「桐島、部活やめるってよ」と似てるなと思った。
人材派遣会社勤務の27歳、田町譲。
父が倒れて遠距離になった、別れかけていた彼女の早夕里。
会社の同い年の中途同期、巨乳のふみか。
美人な先輩で子育て時短中の、岡崎さん。
人材派遣のリアルな現場描写と、女性との、そして女性同士の関係を描いていて、純小説寄り。
漫画やアニメやタレントなどの名前をガンガン出していくサブカル的な書き方は軽快さを感じつつも、やや違和感があった。
ちょくちょく出てくる比喩が気になった。
馬場先生の「自分が知り得ない誰かからの善意を信じ -
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ネタバレこの小説に、イオラの視点は出てこない。
だとしたら、「散らばる光」は誰なのか。
Agoraに愛想を尽かした女性ユーザー達だろうか。
イオラ事件を取り上げた岩永を軸に、物語は進む。
家庭で、仕事で、彼は自分が自分より弱い者をコントロールすることを愉しむ。
それは、岩永よりも強い者が、彼を愉しむ道具として扱っているのと同じ構造で。
強い者が弱い者を痛ぶることで、自分の存在を絶対的なモノだと勘違いする。
そんな構造に諦めを抱いたのが「散らばる光」であり、その先頭にいたのがイオラなのかもしれない。
正直、イオラと同じ結末を、岩永の妻が繰り返すのではないかと思って、読んでいた。
けれど、彼女は -
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ホラーゲームを実況中の短編アンソロジー。
今は、ゲーム実況などを経験している人は多いのかもしれない。
だがゲームも好きではなく、ましてや実況などとてもじゃないが見ることもましてや参加するなど無理なわけで…
だがホラーだと、どういう感じなんだろうかと読んでみたが、ゲームというのが頭にあるからだろうか、怖さを感じることがなく、どちらかと言うと不気味さの方が強かった。
見るのをやめれば…ということが可能なので入り込めなかったのかもしれない。
○マーダー・ミステリー・リプレイ(品田遊)
姥蜘蛛に喰われる無限ループ
○CIUDAD(波木銅)
生配信中に消息を絶ったバーチャルYouTuber
○メ -
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以下ネタバレ含むので、気をつけて。
とは言え。
タイトルにハッキリと掲げられている「天龍院亜希子」が、実はほとんど〝登場〟しないと言ったら、これはネタバレになるんだろうか?
主人公・譲と天龍院亜希子は、小学校のクラスメイトである。
facebookで同級生との出会いを楽しむ友人に倣い、かつて泣かせた女の子を検索する。
そして、見つけた亜希子の日記を、まるで日課のように読み続けている。
譲の、なんとなく波長が合う人への、ちょっとした優しさをしたい気持ちが、分かる。
勝手に共感して、そうなると、邪険に出来ない。
そして、そんな優しさは一方通行になってしまって、期待した分、裏切られた思いまで