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「検索すればすぐに出てくるよ。赤ん坊を抱いたまま旦那の上司を刺しに行った女。なんか怪獣みたいな名前でさ」
ワンオペ育児で追い詰められた母親が夫の上司を刺傷した。彼女は赤ん坊を抱っこ紐で帯同したまま犯行に及んだという。事件を取り上げたWEB記事をきっかけに、イオラという犯人の特徴的な名前や事件の異常さが注目を集め、SNS上ではイオラ擁護派と否定派の論争が過熱。記事の担当者・岩永清志郎は、大きな反響に満足しながら、盛り上がりが続くよう新たなネタを探して奔走するが……。
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Posted by ブクログ
「リスキー」の担当者たちが、人をPVやコンテンツとしてしか見られなくなっていく過程が本の世界とは思えなかった。
彼らにとって重要なのは、事件の真相や被害者・加害者の痛みではなく、どれだけネットが沸くか、どれだけシェアされるかという点だけで、そうした情報を操ることが暴力であることに無自覚である。そして、常に新しい刺激を投入し続けなければ忘れ去られるという恐れから、次々と新しい物語を捏造したり加工し続けたりと必要に迫られる。
彼らが心をなくすほどに、記事は読者の欲望を満たすものとなり、彼らの罪悪感も仕事の成功として誤認される感じが、すぐ隣で起きているような気がして、ずっしりと重みを感じた。
Posted by ブクログ
いつだったかの新聞の書評を読んで購入。
実社会を投影するようなSNS時代のネットメディアと炎上による波及、それによる社会への影響、自己肯定感とは?など、色々な要素を複数の人物を通じて訴えてくるような内容でした。
読み進めていくと、自分自身の中にも確実に根付いてしまっている、親世代から受けてきた、男らしさのめんどくささ、性差を区別ではなく差別的に捉えてしまう部分が自身の中に浮き彫りになり、更に自分が苦手なタイプの登場人物が何人も出てきて、不快感が押し寄せてきました。
ただ、不快感がこれだけ出ても、違和感ではないあたり、自分自身の中にもこの登場人物達と共通する部分があるからこそなのかもしれないと思います。
私個人としては、後半、きっとこういう事が起こるのではないか?と思った事が作中では起こる事なく終わり、余韻と読後感にスッキリ感はありませんが、本を読むのは、こういう行間というか、明示されない部分を読者に委ねるという事で、考えるキッカケを与えてもらってるという点も思い起こされて、これを書きながら評価を少し変えた気がします。
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