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Posted by ブクログ
少年時代チェロを習っていた橘樹はとある事件をきっかけにチェロから距離を置く。
時は流れ、音楽にまつわる著作権を管理する組織「全著連」で働く橘はある日上司に呼び出され、音楽教室へ潜入し、著作権法の演奏権を侵害している証拠を掴むことを命じられる。
傷を負い不眠症に悩む主人公が音楽を通した人との繋がりで次第に心の傷が癒やされていく一方、潜入調査は佳境を迎え、悩み苦しむ姿がきれいな文章で描かれており秀逸。
ラブカは妊娠期間が3年半の深海魚。サメの一種。
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とにかく気持ちよかった。
囲む会の最初のシーンは最高で、映像で見たみたい!!
音楽物は映像に難しいに加えて、囲む会の最初のシーン前までをどう見せるのか。。。
心地よい余韻が残ります。
続編できないかな。。。
Posted by ブクログ
2024年で一番面白かった本。主人公が良い奴で、仲間も良い奴で、全員を好きになりながら物語に引き摺り込まれ、着地点も気持ちいい。
池井戸潤さんの作品と少し似ているが、芸術がテーマに入っているので銀行員とは違う感動が味わえる。
オススメです。
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主人公がどんどん明るく?なっていく様子が見ていて面白かった。データを消す決断をしたところと、先生に正体がバレてしまったところはハラハラしてどんどん読めた。面白かった
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私自身も学生時代フルートをやっていた事もあり、前半は和やかに読み進む事が出来ました。私もフルートをやっていた事もあり、音楽教室に通いたくなりました。後半は、『どうなっちゃうの〜』と、遅読の私ですが、ぐんぐん読み進みました。読んで良かったし、好みの終わり方でよかったです。
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あ〜いい本でした。ラブカとは深海魚の事でした。
真っ暗で音のない深海をさまよってるような精神的な苦しみを抱える主人公が、街の音楽教室でチェロを習うことによって、深海から浮上し、明るい海面を見上げるお話。
講師やチェロ仲間達との交流を重ねて、主人公の無機質さに次第に血が通ってくる様子がじわりときた。街の音楽教室と言えど、音楽への哲学、講師としての矜持や温かさなどが透けて見えていい読後だった。講師のストレートさも、仲間の温かさもちょうどいい。
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うまく感想が書けないけど、とりあえずすごく良かった。
とても好きな作品。
他人を信じるという事、信頼関係の大切さを再認識させられた。
音楽を通じて、主人公の世界がどんどん広がっていけばいいなと思った。
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最高だった。
音楽系の話ってあんま読んだことない。
チェロなんか興味無い。
クラッシックなんか知らない。
そんな私でもめちゃくちゃ楽しめた。
ドキドキハラハラが止まらない。
スパイっていうより人と人との繋がりの話。
信頼関係を壊すってきついよね。
やらなきゃいけないとはいえ、それはきつい。
そこからどう立ち直るか。
過去のトラウマからどう立ち直るか。
人生どうやり直すか。
いろんな話が詰め込まれていて最後まで気になって仕方なかった。
長文だから読むの時間かかったけど満足感マックス。
さすが本屋大賞候補!!読めてよかった。
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すごい好きだった。
読み始めはとっつきづらかったが主人公と先生の関係が生まれ、主人公の様子にも変化が生まれだしたぐらいで、この著者の他の作品を見てみたら、前に読んですごく好きだった作品の著者であることがわかって、やっぱり好きなテイストだったんだなと感じた。形成された人格はその人の周辺環境も作り出すが、人間は多面的で色々な要素がある。趣味である音楽を通じて人間性をも育てていく姿が印象的だった。人間の価値観は自分の内側でつくるものだが、人を判断するのは他者であり、他者とは同じ事象でも感じることが違うもので、自分の考えに固執して行動を制限したり決めつけるのはよくないと感じた。また趣味を通じて広がる人間関係は共通の部分を持ちながら普段のコミニティとは違うものだったりするので、自分も新たに何か始めてみたいと感じた。
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チェロと音楽教室とバッハと…
読みながら沢山検索してしまった。
ミイラ取りがミイラに、よくあるシチュエーションだけど最後穏やかな場面に帰って来れて、安堵しました。
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昔ピアノを習っていたことがあるからなのか、音楽教室が舞台で、それぞれの登場人物がイメージしやすくて読みやすかった。
完全なるハッピーエンドじゃないかもしれないけど、個人的にはハッピーエンド。よかった。
ストーリーは、音楽の著作権に関する仕事をしている橘樹が務める会社が音楽教室で生徒に教えている音楽に対しても著作権が発生するとミカサ音楽教室を訴えることから始まる。橘は上司からミカサ音楽教室に生徒として通い、レッスンの様子の録音を依頼される。最初はレッスンにも乗り気じゃなかった橘が講師の浅葉や他の生徒たちと関わっていき、音楽教室が大切な場所となっていく。しかし、裁判の日は近づき、橘の潜入も終わりが近づく。裁判となれば橘は証人として法廷に立たなければならない。今まで良くしてくれた講師たちを裏切るのか…と橘は苦悩する。
いやー、よかったです。
潜入後からは一気に読んでしまった。普段の生活に潤い?がなくて、音楽教室に通ってから自分の居場所ができたこと。なんだかいいなぁ。最近家と職場の往復になってるし、私も音楽教室に通ってみたいなと思わされた。
Posted by ブクログ
最初表紙から想像してた話とえらい違った。スパイ✖️音楽小説。
主人公の影のある感じがたまらなく良い。
生真面目で融通がきかなさそうな美青年が、チェロを抱えて人を騙して罪悪感で苦しむとか、設定がすごい。
言葉選びも独特で、戦慄きのラブカって映画観たくて検索した。なかった。仮想かよー!!小野瀬も仮想かよー!!!
バッハの無伴奏曲をYouTubeで聴いて満足するしかなかったけど、浅葉先生の演奏聴きたかった。。。
第二楽章に入ってからは、ハラハラドキドキで、この本を手にした時こんな感情になるなんて想像してなかった。面白かった。。。
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しんどいしんどいしんどい
会社から指令でチェロ教室にスパイとして乗り込む話。
主人公の鬱屈な日々が、チェロ教室を通じてどんどん充実していく。
そっからまたぐちゃぐちゃになって、もう辛かった、
でも、めちゃめちゃ面白かった
Posted by ブクログ
とてもいい物語で、これはまた読むなと確信しました。
音楽×スパイっていうテーマですけど、別にドンパチやるとかとかアクションとかではなくてですね。ただ静かにチェロの弓を引くスパイなのです。
ハラハラしますし、切なかったり苦しくなったりして、どうか主人公の心が壊れてしまわぬように…と、先が気になって仕方がなかったです。
わたしはいつからか、今後本を読んでいく中で、おばあちゃんになった頃に手元にあってほしいなぁと思う本を数冊決めていこうと意識するようになったのですが、これはその一冊になるかもです。
安壇美緒さん、初読みだったのですが…好きだ!
Posted by ブクログ
音楽教室にスパイとして潜入する話。
実際にあったJASRACとヤマハの対立抗争がモチーフ。
幼少期から高校生までピアノとクラリネットをやっていた私は久しぶりに楽器に触れた時の懐かしさや何とも言えない感情が思い起こされた。
主人公は過去のトラウマから不眠症になり、人間関係にも敏感。
その中でのスパイ行為。
悩みながらもチェロを通じて自分という人間を見つめ直して行く姿と緊張感の描き方が良かった。
終わり方の美しさも好みだった。
著作とは
著作物の線引きはなんだろう。音楽は作詞、作曲、編曲、演奏の全てが著作物。目を転じてみると映画の場合、脚本、監督くらいだろうか。テレビはどうか著作物の二次利用利益のほとんどがテレビ局でエナジードリンクをかきこんで、健康を犠牲にしてつくったディレクターや編集、カメラマンなどには再放送で一円も入らない。考えさせられた
匿名
非常に良かった
とても良かった。
ぐるぐると同じところで迷い続けている主人公の樹とともに、心が沈んでいく。
挫折と怯えと閉塞感の先にちらと見える希望。
才能がどんどん花開いていくワクワク感ではなくて、普通より少しだけできる人間がもがき、ささやかな幸せを得ている姿がいい。
蜜蜂と遠雷も音楽系ですごく良かったけど、これも全く違う音楽表現や音楽との向き合い方で、すごく良かった。
講師の湯浅先生の人柄がすごく良い。推したい。
楽しく、ハラハラ、じんわりと読むことができた。早く読み終わりたいけど、まだ読んでいたい、そんな幸せな葛藤を思いながら、一気に読みました。とても読みやすかったです。
チェロ弾きの端くれとして一言
すごい。正直、ここまでこの楽器のことを掘り下げるもんだとは(そういうところよ)。
私自身も何年かチェロに触れられず、しばらく勝手にやり直して、今まさにレッスンを再開しようかというところです。
クラシックは嫌いではないけど、やるならもっとPOPなのがやりたい。
橘がおんなじようなこと言うもんだから、なんだか笑えてきちゃって。
タイトルだけなら、チェロの話だとはわからない。
どちらかといえば平坦な(言い方)、人知れない戦いのお話。
ちなみにこの弓の持ち方、ご存知?
実際やり直してみて、(持ちにくっ!)。
まず弓の持ち方を習う時、ごく自然に手の力を抜いた形から始めます。
そして、弓を動かすのは主に肩、肘から先。そして手首。ここやわらかくしないと移弦が出来ない。
変な持ち方をすると、変な力が入ったり入らなかったりで、変な音が出ます。
分かっていても、これが、弾いているとだんだん崩れてくる。
作中でも何度か触れられていますが、もちろん音がちゃんと取れることは大切、だけど歌うのはこっち。
もうちょっと切り込んでしまうと、弓を持って弦を擦る……だけでは、音は(ほぼほぼ)出ないのです。
松脂、というものを弓の毛に、けっこうしっかり塗りつけてやらないといけません。
左手で音程を取り、右手では弓を使って音を出す。
頭では譜面を理解し、あれこれ突き詰めようもんなら(いやあんたに何がわかる?)。
正直、聞いてるだけのほうがずっと楽しい。ならなぜあえてわたしたちは、そんな面倒臭いことをやるのかしら。
橘は、二度チェロから離れました。一度は子供の頃。二度目は潜入がバレて。
そして再び、チェロが好き、という気持ちを取りもどす。
そうですね。好きだから、です。だから、知ってほしい。
こんな音も出るよ。こんな曲も出来るよ。
「でかいバイオリン」でもなんでもいい。ちょっとでも、あの楽器いいなぁって、思ってもらえたら、わたしも嬉しい。
ところで「ラブカ」って?
見た目こわいけど、調べると面白いですよ(こういう伏線大好き)。
設定の上でちょっと内容はおカタイのですが、何か橘は自分とリンクするんだよねぇ。
チェロを知っている方も、知らない方も。
やっている方も、これからやろうかなと思っている方も。
是非一度、読んでみてほしいです。
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幼い頃のトラウマがきっかけで、悪夢による不眠に悩まされてきた主人公。仕事、しかもスパイという不純な動機がきっかけではあったが、チェロに再会し、仲間と出会い、師と出会う。主人公の毎日が徐々に彩られていく様子に、こちらもワクワクした。
読みながらチェロの音色が聴きたくなったが、あいにく外出中でイヤホンを持ち合わせていない。家に帰ったらすぐに聴こう。
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一気に読んでしまいました。
正直、樹の恐怖はわからなかった。
でも、中学生の頃、誘拐されそうになったこと、それがトラウマになって大好きなチェロが弾けなくなったこと、誰かと関わることに恐怖を覚えるようになったこと、そういうちょっとしたこと(ではないのかもしれないけど……)で、人は一歩を踏み出せなくなったり、心を閉ざしてしまうことってあるのかなと、読み終わってしばらく経った今は思います。
今、私もいろんな人と関わりながら、ふと、「この人はどうしてこんな考え方をするんだろう」と思ったりするし、
自分自身のことも、如何ともし難いどーしようもない重い何かのために一歩踏み出せない(これをしたら誰かに嫌われる気がする、とか、もうここから逃げ出したい、とかそういう気持ちになる)ことってあるし、
それって今まで生きてきた何かで、そうなってしまってるのかな〜と思ったりもして……
そう思えば、樹の色々な行動も理解…できる気がする。
樹のスパイ行為が浅葉にバレる時は、逃げたくなるほど怖かったです。
そういうことって……なんだか私にもある気がする。
全部を明らかにしても堂々としていられるような生き方をしている人って、果たして何人いるんだろ?
私は、樹の気持ちわかる。
でも、浅葉の気持ちもわかる。
樹のことをみんなが許してくれたのは、涙が出るほど嬉しかったです。
そして、樹がもう一度、みんなとやり直す道を選んだことも嬉しかった。
こちら「2023年 高等学校全国課題図書」とされていました。
人との出会いが人を変えていくことを高校生の時に知ることができたら、それって希望だなーと思って読んでました。
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すごく面白かった。最後は一気読みしてしまった。人間模様もエピソードもテンポよく展開されていて、チェロもとても魅力的に描かれていた。こんな教室に通ってみたいな。3.9
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少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。『戦慄きのラブカ』本当にそんな映画があり曲があるのか、と思ったら実はないのですね。でも面白かったです。
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2023年本屋大賞第2位で話題の本作。"スパイ×音楽"小説っていうから、どんな感じでドンパチするのかなと思ったら、そういう話ではなかった。笑
子どもの頃のトラウマを、チェロを通して師匠や仲間との出会いが心の傷を癒していく。とても優しい作品。バッハの無伴奏チェロ組曲を音楽アプリで聴きながら、浸って読みました。
後半でスパイのことがバレたときは、もう終わった…と思ったけど、やっぱり持つべきものは仲間だな。
浅葉から「君は、ちゃんと、ここに来た。この世は何が起こるかわからない」と言われたときは号泣でした。
Posted by ブクログ
事前情報はまったくなしで読み始めた。
音楽教室のレッスンで使用される楽曲を著作権徴収の対象とするか否かの裁判をテーマにしたストーリー。
主人公が音楽教室に潜入調査に入るって流れで、だいたいの結末は予測できた。
予想外の展開はそんなになかったし、
過去のトラウマとか主人公の人物像とかがちょっと薄くて物足りない気がしたけれど、
チェロの魅力や楽曲の描写、先生や仲間たちの交流はぬくもりがあって良い。ライトな音楽小説。
Posted by ブクログ
タイトルからなんかこう、ズルい雰囲気をまとう一冊。やっとこさAudibleに登場で飛びついた。
チェロ、デスコミ、イケメン。三種の神器と勝手に呼ばせてもらうけど、碇シンジくんにも通ずる後出しジャンケン感はズル通り越してもはや天晴れ。新しい!
── (主人公は)なぜか一箇所にとどまることが得意ではない
これ分かるわ。。飽きる、のとは少し違う。疲れるなのか、混ざるなのか、他にもほっといて欲しいオーラが全開の共感ワードだらけ。自分は同じ属性だと思っているんだけど。
でも指から血が出るくらい毎日毎日、弦を弾き続けるなんてことはできない。結局そこだな。努力が勝つ。
いや、やっぱりイケメンなのはギフテッド。
謎の嫉妬を胸に残して終わった。
Posted by ブクログ
確かに静かに弓を持っていた橘樹。
管弦楽の世界には疎いので、なんとも言えないが、社会人になってから仕事以外の習い事が生活の充実度に影響するのはわかる。
心の傷を癒すのは音楽と、仲間なんだな。
Posted by ブクログ
オーディブルで耳読。
全国著作権連盟、通称「ぜんちょれん」に勤めている橘は、潜入調査を上司から命じられる。
全著連は楽曲の使用料を徴収している。しかし、音楽教室のミカサは、生徒に練習のために楽曲を聞かせるのは使用料徴収に当たらないと全著連を訴えてきた。そこで橘は上司から、裁判で対抗するために、生徒になりすましてミカサに通うように言われる。
橘は幼少期にチェロを習っていた。人付き合いが苦手で、仕事だからとミカサに通うようになる。そこで担当の先生に会う。明るくて、熱心で、上手。
橘が眠れない日々を過ごしているのは、幼少期に誘拐されかけたことがあったから。それをチェロの先生に開示できたのは、信頼があったからだと思う。
ラブカとは深海の生き物。スパイ映画。
チェロの集まりで出会った大学生、かすみは、橘に恋心かなーと感じる。
2年通って、最後に正体がばれてしまう。人をだますことの罪を改めて思った。最初は気軽でも、仕事でも、騙すのはよくないと学んだ。
橘役の声の方がすごくかっこよかった!反対にかすみさんは、声が高くてちょっと苦手。
Posted by ブクログ
主人公の心の動きを、濁りのない表現で的確に書かれていて、しっかり伝わってきた。人間味の無いような性格のような態度をする主人公だが、心の情熱は消えていない。人生を大切にしているしっかりとした大人である。良い後味のする物語りでした。